つんでれさんの事情
【コウメイさんの場合】
「ねえコウメイ、あそぼ~」
「………。」
「ねえねえあそぼうよ~」
「……………。」
「ねえってば~」
「………うるさい、俺は忙しいんだ見てわからないか」
「ちょっとくらいいいじゃん、後でディーナも手伝うからさ~」
「……………。」
「むう。コウメイが無視する」
「……………。」
「……………。」
「……………。」
「………くりむぞんふ」
「だああ、やめい!!」
がばっと振り返り、がしっと口元を取り押さえ。
…典型的な反応をする奴だ。
「もが」
「とっとと詠唱やめろやめないとこのまま窒息死さすぞ」
「………ん」
「………はぁ」
「ぷは」
お前如きの力で口元鷲掴みにした程度、それしきで窒息死する程生き物は柔じゃないと思う訳だが、それは兎も角。
やられた側は解放された途端、妙に大袈裟に息をする。
「開発途中の術式をいきなり唱えるヤツがあるか」
「唱えてないもん、名前言っただけだもん」
「屁理屈言うな」
「屁理屈じゃないもん事実だもん」
「だもんだもん連呼すな」
「そもそもコウメイが構ってくれないのが悪いんじゃん」
「お前の相手してる暇なんか無いんだよ俺は」
「ぶーぶー」
…とまあ、毎度の如くこんな具合に堂々巡り。
頼むから俺を巻き込むんじゃないぞ、面倒臭いんだから。
…と思っても、そうは問屋が卸さないのもいつもの事で。
「先輩!こいつ何とかして下さいようるさいったらありゃしない!」
「ひどーい、別にうるさくなんてしてないのにー。聞いてよハクゲン、コウメイが無視するの~」
「当たり前だこっちは仕事してんだから!」
「…一応、お前等はお互いパートナーって事になってんだから面倒見てやれ、コウメイ」
「っ…!」
「だってさ。よし、あそぼう!」
余り深く絡まれるのは余計に面倒なので、適当に追い払う。
俺に振るな、構うな、いっそそのままどっか行け。
「でもこいつ今俺の邪魔して」
「相方とよろしくやるのも仕事だと思え。何なら一緒に住んで私生活から仲良くしたらどうだ」
「あ、それいい!」
「やめて下さい俺がストレスで死にそうです」
「大体、お前の方が兄貴なんだから遊び相手にくらいなってやったらどうなんだ」
「…お前、歳幾つだ?人間換算で」
「わかんなーい。きゃはははは」
「……………。」
「でもでも、多分コウメイよりは年下だと思うよ?」
「……………。」
しっしっ、と片手でジェスチャーすれば、コウメイの方が元の位置に戻る。
それにくっついていく格好でディーナの方も勝手に戻ってくれるので、便利と言えば便利である。
付きまとわれるのが厭ならそれなりの対処なり何なりをすればいいのに。
それをしていない今現在のコウメイは無自覚莫迦である。全くもって。
「偶には俺じゃなくて先輩に遊んでもらえ」
「え~、コウメイがいい。だってハクゲン、無表情でつまんないしそもそもあそんでくれないし」
「その通りだから俺も断る」
「……………。」
「なんだかんだ言ってあそんでくれるからコウメイ好きよ~」
「違うだろ、俺で遊んでるんだろ」
「まあそうとも言うね」
「……………。」
「コウメイね、ディーナのお父さんに似てるの。大好きーって言って抱きつくと顔赤くするとこが」
「ぶふっ」
「そういうとこもかわいくて好き!」
「だああくっつくな暑苦しい!」
(自分にも他人にも素直になれないコウメイさん、当時17~18歳くらい。相手がとんでもない無邪気故の邪気持ちだから困るね!)
「ねえコウメイ、あそぼ~」
「………。」
「ねえねえあそぼうよ~」
「……………。」
「ねえってば~」
「………うるさい、俺は忙しいんだ見てわからないか」
「ちょっとくらいいいじゃん、後でディーナも手伝うからさ~」
「……………。」
「むう。コウメイが無視する」
「……………。」
「……………。」
「……………。」
「………くりむぞんふ」
「だああ、やめい!!」
がばっと振り返り、がしっと口元を取り押さえ。
…典型的な反応をする奴だ。
「もが」
「とっとと詠唱やめろやめないとこのまま窒息死さすぞ」
「………ん」
「………はぁ」
「ぷは」
お前如きの力で口元鷲掴みにした程度、それしきで窒息死する程生き物は柔じゃないと思う訳だが、それは兎も角。
やられた側は解放された途端、妙に大袈裟に息をする。
「開発途中の術式をいきなり唱えるヤツがあるか」
「唱えてないもん、名前言っただけだもん」
「屁理屈言うな」
「屁理屈じゃないもん事実だもん」
「だもんだもん連呼すな」
「そもそもコウメイが構ってくれないのが悪いんじゃん」
「お前の相手してる暇なんか無いんだよ俺は」
「ぶーぶー」
…とまあ、毎度の如くこんな具合に堂々巡り。
頼むから俺を巻き込むんじゃないぞ、面倒臭いんだから。
…と思っても、そうは問屋が卸さないのもいつもの事で。
「先輩!こいつ何とかして下さいようるさいったらありゃしない!」
「ひどーい、別にうるさくなんてしてないのにー。聞いてよハクゲン、コウメイが無視するの~」
「当たり前だこっちは仕事してんだから!」
「…一応、お前等はお互いパートナーって事になってんだから面倒見てやれ、コウメイ」
「っ…!」
「だってさ。よし、あそぼう!」
余り深く絡まれるのは余計に面倒なので、適当に追い払う。
俺に振るな、構うな、いっそそのままどっか行け。
「でもこいつ今俺の邪魔して」
「相方とよろしくやるのも仕事だと思え。何なら一緒に住んで私生活から仲良くしたらどうだ」
「あ、それいい!」
「やめて下さい俺がストレスで死にそうです」
「大体、お前の方が兄貴なんだから遊び相手にくらいなってやったらどうなんだ」
「…お前、歳幾つだ?人間換算で」
「わかんなーい。きゃはははは」
「……………。」
「でもでも、多分コウメイよりは年下だと思うよ?」
「……………。」
しっしっ、と片手でジェスチャーすれば、コウメイの方が元の位置に戻る。
それにくっついていく格好でディーナの方も勝手に戻ってくれるので、便利と言えば便利である。
付きまとわれるのが厭ならそれなりの対処なり何なりをすればいいのに。
それをしていない今現在のコウメイは無自覚莫迦である。全くもって。
「偶には俺じゃなくて先輩に遊んでもらえ」
「え~、コウメイがいい。だってハクゲン、無表情でつまんないしそもそもあそんでくれないし」
「その通りだから俺も断る」
「……………。」
「なんだかんだ言ってあそんでくれるからコウメイ好きよ~」
「違うだろ、俺で遊んでるんだろ」
「まあそうとも言うね」
「……………。」
「コウメイね、ディーナのお父さんに似てるの。大好きーって言って抱きつくと顔赤くするとこが」
「ぶふっ」
「そういうとこもかわいくて好き!」
「だああくっつくな暑苦しい!」
(自分にも他人にも素直になれないコウメイさん、当時17~18歳くらい。相手がとんでもない無邪気故の邪気持ちだから困るね!)