つんでれさんの事情
【アンドロマケーさんの場合】
「姐御ってさ、可愛いよね」
「うんそうだね……………ちょっと待て」
「うん?」
「何だよいきなり」
「いや別に。思った事を言っただけ」
「唐突すぎるよ」
「ヤだなオレが唐突なのはいつもの事じゃん」
「………。」
可愛いと言うか、彼女が美人なのは紛う事無き事実だ。
大柄なのと勇ましさが先立って、忘れられがちな気はするけど。
だがしかしオレが可愛いと思うのは容姿がどうたらとかじゃなく。
「強くてさー、しっかりしててさー、かっこいいじゃん?でも時々ばっちり乙女の顔してるのが可愛いんだよ。ギャップ萌え?って言うの?」
「も、萌え…?」
「そうそう。可愛いモノを可愛いと思って、にやっとしちゃう感情。それが萌え」
「いや別にそこの説明を求めた訳じゃないんだけど…」
「あー、隊長さんに従順なトコももちろん可愛いけどね、それより何よりアレだ、こないだオレが姐御とアンタのとこに割って入った時のあの顔!」
あの不満そうな表情なんてもう最高に可愛かったんだから!
…と、言おうとした瞬間に、ごちん。
絶妙のタイミングで後頭部に衝撃。
喋ってたから舌噛んだ。痛い。
「ちょっと、ジョン?今私の悪口言ってたでしょ」
「言ってません。悪口なんて言ってません」
「じゃ何言ってたのよ。説明してみなさい」
「姐御は可愛いなーって」
がすっ。
今度は正面から殴られた。
殴ることないじゃん。
褒めたんだよ?貶したとかじゃないよ?
「正直に事実を述べたまでなのにー」
「下世話な事言ってんじゃないわよ。そういうのはもっとちゃんと可愛い女の子達を口説く時にでも言ってなさい。まああんたにそんな女子ウケ要素、皆無だと思うけど」
「ヤだなオレこれでもちょっとはモテ………いひゃいいひゃいほっぺたのびるぅー」
「ほっぺた伸びるのと、観察眼に欠けるそのお目々潰されるのと、どっちがいい?」
「どっちもいやぁー」
「…ちょ、あの、そろそろホントにやめてあげて?ジョンの顔が福笑いみたいになってるよ?」
ぐにぐにぐにぐにぐに。
短時間にさんざん顔をこねくり回された。
あとちょっとで顔面崩壊するトコだったよ、マジで。
「姐さんヒドいです」
「はいはい、よしよし」
「あんまり煩いとそのよく回る舌引っこ抜くわよ」
「やめてください姐さんボクが死んじゃいます」
「それしきで死ぬ程弱っちくないでしょあんたは。ゴキブリ並にうざったくてしぶといんだから…や、違うな。ゴキブリ以上」
姐さんホントにヒドいです。
虫扱いしないで!
「………あ、でもリチャードの言う事は素直に聞くんだね」
「え」
「え」
…なになになに、ふたりしてこっち見ないでよ。
オレなにも変な事は言ってないっしょ?
ぱちくりぱちくり。
そして同時にぼっと頬を赤くして。
男のリチャードについては別になんとも思わないけど───
「やっぱり姐御はかわ」
「死ねゴキブリ!」
「あいったぁ!?」
(マケ―姉さんはつんでれかわいいという話。そしてさりげなく惚気ただけのリチャードが空気。)
「姐御ってさ、可愛いよね」
「うんそうだね……………ちょっと待て」
「うん?」
「何だよいきなり」
「いや別に。思った事を言っただけ」
「唐突すぎるよ」
「ヤだなオレが唐突なのはいつもの事じゃん」
「………。」
可愛いと言うか、彼女が美人なのは紛う事無き事実だ。
大柄なのと勇ましさが先立って、忘れられがちな気はするけど。
だがしかしオレが可愛いと思うのは容姿がどうたらとかじゃなく。
「強くてさー、しっかりしててさー、かっこいいじゃん?でも時々ばっちり乙女の顔してるのが可愛いんだよ。ギャップ萌え?って言うの?」
「も、萌え…?」
「そうそう。可愛いモノを可愛いと思って、にやっとしちゃう感情。それが萌え」
「いや別にそこの説明を求めた訳じゃないんだけど…」
「あー、隊長さんに従順なトコももちろん可愛いけどね、それより何よりアレだ、こないだオレが姐御とアンタのとこに割って入った時のあの顔!」
あの不満そうな表情なんてもう最高に可愛かったんだから!
…と、言おうとした瞬間に、ごちん。
絶妙のタイミングで後頭部に衝撃。
喋ってたから舌噛んだ。痛い。
「ちょっと、ジョン?今私の悪口言ってたでしょ」
「言ってません。悪口なんて言ってません」
「じゃ何言ってたのよ。説明してみなさい」
「姐御は可愛いなーって」
がすっ。
今度は正面から殴られた。
殴ることないじゃん。
褒めたんだよ?貶したとかじゃないよ?
「正直に事実を述べたまでなのにー」
「下世話な事言ってんじゃないわよ。そういうのはもっとちゃんと可愛い女の子達を口説く時にでも言ってなさい。まああんたにそんな女子ウケ要素、皆無だと思うけど」
「ヤだなオレこれでもちょっとはモテ………いひゃいいひゃいほっぺたのびるぅー」
「ほっぺた伸びるのと、観察眼に欠けるそのお目々潰されるのと、どっちがいい?」
「どっちもいやぁー」
「…ちょ、あの、そろそろホントにやめてあげて?ジョンの顔が福笑いみたいになってるよ?」
ぐにぐにぐにぐにぐに。
短時間にさんざん顔をこねくり回された。
あとちょっとで顔面崩壊するトコだったよ、マジで。
「姐さんヒドいです」
「はいはい、よしよし」
「あんまり煩いとそのよく回る舌引っこ抜くわよ」
「やめてください姐さんボクが死んじゃいます」
「それしきで死ぬ程弱っちくないでしょあんたは。ゴキブリ並にうざったくてしぶといんだから…や、違うな。ゴキブリ以上」
姐さんホントにヒドいです。
虫扱いしないで!
「………あ、でもリチャードの言う事は素直に聞くんだね」
「え」
「え」
…なになになに、ふたりしてこっち見ないでよ。
オレなにも変な事は言ってないっしょ?
ぱちくりぱちくり。
そして同時にぼっと頬を赤くして。
男のリチャードについては別になんとも思わないけど───
「やっぱり姐御はかわ」
「死ねゴキブリ!」
「あいったぁ!?」
(マケ―姉さんはつんでれかわいいという話。そしてさりげなく惚気ただけのリチャードが空気。)