Ballata "LUNISOLARE"
【ムーンサルト。】
やる気ねえなら帰れよ、と言われたので。
「やる気ならあるわボケ。お前らが馬鹿みてェに強いのが悪いんだろ」
…と、勢いで返してしまった自分が悪い。
自覚はある。
自覚した時には遅かったけど。
「そうかそうか、お前は弱いんだな。認めるんだな。さあ帰れ、そして二度と来んな」
悪いとは、思ってますともよ。そりゃあ。
俺は弱いさ。
お前らとは比較にならないくらい弱いさ。
わかってますともさ。
けど、だ。
あんなにニヤニヤ(してるつもりは無いのかも知れないが)言われたら、カチンと来て当たり前だろ?
それプラス、自分で言うのは兎も角、ひとに『弱い』と断定されるのは、至極ムカつく。
相手がコイツの場合は特に。
「…ンだとコラ。誰が弱いだァ?」
「お前だよ、お前。あっちの化け物女は兎も角、俺より弱いのは考えもんだぞ」
「そりゃ確かにあっちの怪物娘より弱いのはどーしよーもねーけどよ、俺がお前より弱いなんていつ言ったよ」
「さっき言ったろ、さっき。お前らが強いって。このボケ老人」
「同い年を老人扱いしやがりますかこの野郎。そりゃ言葉のアヤってヤツだろ」
「寝言は寝て言え、坊主」
「今度はガキ扱いかよちくしょう。武器取り上げたら何も出来ねェ癖に」
「黙れガキ。ロクな力もねえ奴に言われたかねえよ」
「バカバカ言う方が馬鹿ならガキガキ言う奴もガキだよな」
「あ?俺の事かこの野郎」
「そうだよお前だよこのクソガキ」
「それ言ったらお前もバカバカ言ってんだから馬鹿なんだろクソ野郎」
「ああ?もっぺん言ってみろ」
「馬ぁ鹿」
「この野郎」
───はい、お約束。
やいのやいのとやりあって、やってるうちにあらぬところからガツンと食らわされるのも、最早お約束。
今回の場合、お互いしか見えなくなったところで、頭と頭をゴッツンコされた。
痛いです。
色んな意味で痛いです。
「ちょっとちょっと、おにーさん方?さっきちらっと聞き捨てならない単語が聞こえた気がしたんだけど、あたしの聞き間違えかな?化け物とか、怪物とか」
「………気の所為だ」
「………ああ、気の所為だ」
「そっか、ならいいんだけど。取り敢えず煩いから、ちょっと黙ろっか。ふたりとも。」
「………ハイ」
ユーリ相手にはぎゃあぎゃあ言えるが、女共にはどうも言えない。怖いから。
クラウに思いっきり睨まれるのと、今みたいにネルに妙に爽やかな笑顔付きで実力行使されるのと、どっちかを選べと言われても、選べない。どっちも怖いから。
…ただひとつ、これだけは言える。
そのどっちも、暴走したマグの餌食にされるよりは、よっぽどマシだ。
「ああ、やっぱり理想のケンカップル…今日もご飯が美味しいわ」
【1767年、いつもの場所でいつものように】
やる気ねえなら帰れよ、と言われたので。
「やる気ならあるわボケ。お前らが馬鹿みてェに強いのが悪いんだろ」
…と、勢いで返してしまった自分が悪い。
自覚はある。
自覚した時には遅かったけど。
「そうかそうか、お前は弱いんだな。認めるんだな。さあ帰れ、そして二度と来んな」
悪いとは、思ってますともよ。そりゃあ。
俺は弱いさ。
お前らとは比較にならないくらい弱いさ。
わかってますともさ。
けど、だ。
あんなにニヤニヤ(してるつもりは無いのかも知れないが)言われたら、カチンと来て当たり前だろ?
それプラス、自分で言うのは兎も角、ひとに『弱い』と断定されるのは、至極ムカつく。
相手がコイツの場合は特に。
「…ンだとコラ。誰が弱いだァ?」
「お前だよ、お前。あっちの化け物女は兎も角、俺より弱いのは考えもんだぞ」
「そりゃ確かにあっちの怪物娘より弱いのはどーしよーもねーけどよ、俺がお前より弱いなんていつ言ったよ」
「さっき言ったろ、さっき。お前らが強いって。このボケ老人」
「同い年を老人扱いしやがりますかこの野郎。そりゃ言葉のアヤってヤツだろ」
「寝言は寝て言え、坊主」
「今度はガキ扱いかよちくしょう。武器取り上げたら何も出来ねェ癖に」
「黙れガキ。ロクな力もねえ奴に言われたかねえよ」
「バカバカ言う方が馬鹿ならガキガキ言う奴もガキだよな」
「あ?俺の事かこの野郎」
「そうだよお前だよこのクソガキ」
「それ言ったらお前もバカバカ言ってんだから馬鹿なんだろクソ野郎」
「ああ?もっぺん言ってみろ」
「馬ぁ鹿」
「この野郎」
───はい、お約束。
やいのやいのとやりあって、やってるうちにあらぬところからガツンと食らわされるのも、最早お約束。
今回の場合、お互いしか見えなくなったところで、頭と頭をゴッツンコされた。
痛いです。
色んな意味で痛いです。
「ちょっとちょっと、おにーさん方?さっきちらっと聞き捨てならない単語が聞こえた気がしたんだけど、あたしの聞き間違えかな?化け物とか、怪物とか」
「………気の所為だ」
「………ああ、気の所為だ」
「そっか、ならいいんだけど。取り敢えず煩いから、ちょっと黙ろっか。ふたりとも。」
「………ハイ」
ユーリ相手にはぎゃあぎゃあ言えるが、女共にはどうも言えない。怖いから。
クラウに思いっきり睨まれるのと、今みたいにネルに妙に爽やかな笑顔付きで実力行使されるのと、どっちかを選べと言われても、選べない。どっちも怖いから。
…ただひとつ、これだけは言える。
そのどっちも、暴走したマグの餌食にされるよりは、よっぽどマシだ。
「ああ、やっぱり理想のケンカップル…今日もご飯が美味しいわ」
【1767年、いつもの場所でいつものように】