Ballata "LUNISOLARE"

【月の素顔】






「…。」
「………。」
「……………。」

「……………あの、」
「はい?」
「ナタリー?一体何してるんだ?」
「何って、見ての通りですよ。あなたの顔を観察してます」
「何で」
「観察したいからです。じー…」
「そ、そんなに見つめられると恥ずかしいんデスガ…」
「あら、ごめんなさい。わたしもそろそろ首が痛くなってきたのでやめます」

「…何やってんだアイツら」
「アレだ、ホラ、赤んぼ。目ぇ開いてみたら瞳の色がどっちとも似てないからって、なんか気になるみたいで」
「あらあら、これは隔世遺伝よねえ。この子私にそっくりなんだもの、私銀眼だし。ねー。おーよしよし」
「やだ、お義母さま、任せっきりにしてしまってごめんなさい」
「いいのよいいのよ、私が居る時くらい子供の事は忘れて、二人で仲良くしてらっしゃいな。二人ともまだ若いんだから」

「…ねえねえ、ナタリーは兎も角あのひと幾つだっけ?」
「俺の歳思い出せ。立派に四十路だ」
「若くない。絶対若くない。」
「アイツの顔面詐欺っぷりは賞賛に値するけどな」
「その点あんたは最近がっつり老けてきたよねー」
「黙れ永年クソガキ」
「老けないって言ってほしいなー」



【1690年代、ダグラス某所にて】
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