San Valentino!(ジェラール代)

【オマケ:シーフギルドの場合】







「なんだコレは…」
「犬」
「…こっちは」
「ウサギ」
「…じゃあ、コレは」
「はあと!」
「………。」

嗚呼、胸焼けがする。
何だって俺がこんな山のよーなチョコ消化せにゃならんのだ。
つうか俺以上に食ってる筈なのにどうしてお前はけろっとしてるんだ。
女ってすげえ。

「やだなあスパロー、見分けるのヘタ」
「俺が悪いんじゃない、お前のセンスが独創的すぎんだよ。コレどう見たって『ハート』じゃない…どう贔屓目に見たって、いいとこ『心臓』だろ」

手作り菓子の形として態々『立体』をチョイスするヤツは初めて見た。
粘土細工じゃねえんだよ。
そもそもこんな指紋べったべたなチョコ、食いたいと思うか?
あと、百歩譲って試作品の分が余っちまうのはわかるとしても、だ…量の調節どうにかしろ。
1個1個が妙にデカいし、実際にやったヤツと今此処にあぶれてるの、1対10どころの比じゃないのはどういう事だ。

花嫁修業、とかだと俺が癪なのでそう言いたくはないが。

───誰かキャットにマトモな料理法を仕込め、今すぐ。
3/3ページ
スキ