前半殆ど名前出てきません。スミマセン
恋をするまで
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「俺、松野おそ松でぇーす。よろしくー。」
手を取られ握手をされる。「これはカラ松」と、足元で蹴られても動かない彼に注目していたら、名乗るのを忘れていた。
「ところで」と、松野さんに切り出され顔を上げる。手は握られたままだ。
「ところでさ、さっきからboyって呼ばれてるけど……女の子じゃない?女の子だよね⁉︎女の子であって下さい!絶対そうだよね!さっき肩細かったもん‼︎」
期待した目でまた手をブンブンと振られ続け、女の子を熱望された。
「あ、まぁそうです。……バレましたね。」
困ったように笑うと、急に松野さんの顔が近づいてきた。
「マスクとって?ね?いいじゃん。減るもんじゃないし。」
少し血走った目、荒い息。迫り来る顔。街灯に照らされて不気味だった。
マスクを取ることに抵抗を感じ、後ろに退いた。が、両手をガッチリと握られていた為それは半歩程に留まった。これではどのみち取れないなと苦笑していたら、急に耳元に柔らかな衝撃と共に口元に冷気を感じた。
「ーっ!」
いきなりの事にビックリして目を瞑った。
「……。」
目を開けると、剥ぎ取ったであろうマスクを手にぶら下げた松野さんが呆然と立っていた。
断りもなくマスクを取られた怒りよりも、自分の顔を見た松野さんがショックを受けている事実がとても辛くて恥ずかしい。昔ブスと呼ばれた事もあり、今更ながらトラウマを呼び起こされた気分だった。
「……いい。」
二、三歩後ろにぐらついた松野さんは何かを呟いていて、どんな素直な感想を言われるのか怖かった。
(あぁぁ。なんだよ詐欺かよ!滅茶苦茶……メチャクチャに《いい》じゃねーかぁ……!)
彼女の不安と反対におそ松は可愛い子と出会えたこと手を握れたことが嬉しくて打ち震えていた。顔が真っ赤に染まっていたが、夜の暗さに隠された。
膝から崩れた松野さんは俯いて震えて「奇跡、奇跡……」と呟いていた。
……震える程笑うなんて、流石に失礼じゃないだろうか。しかし顔を伏せて笑う所に気遣いを感じる。
「……そろそろ帰ります。弟さんにわざわざ探してくれてありがとうと伝えて下さい」
じゃぁ、と、軽く手を振ると強くその手を掴まれた。
「ま、まってヤダ、行かないで!ホラあー、送ってく!そう俺が君ん家まで送って行くから!もう暗いし、危ないじゃん?」
「ありがとうございます。大丈夫ですよ。自己防衛の為のこの服とマスクですから、それに弟を置いていっちゃダメですよ。お兄ちゃん。」
力の抜けた松野さんの手から抜け出しポケットから新しいマスクを出した。軽く会釈をして歩き出す。
「まって!明日また会ってくれないかな。スッゲー美味いおでん屋連れてくからさ!1時に赤塚公園で待ってるからな!」
数歩離れた先で松野さんが叫ぶように言った。
「はーい!」
思わず振り向き手を振り返事をしてしまった。からかわれているだけかも知れないが、明日行ってみよう。丁度休日だ。
……先程強く握られた感触がまだ手に残り、くすぐったいような違和感が取れない。
手を取られ握手をされる。「これはカラ松」と、足元で蹴られても動かない彼に注目していたら、名乗るのを忘れていた。
「ところで」と、松野さんに切り出され顔を上げる。手は握られたままだ。
「ところでさ、さっきからboyって呼ばれてるけど……女の子じゃない?女の子だよね⁉︎女の子であって下さい!絶対そうだよね!さっき肩細かったもん‼︎」
期待した目でまた手をブンブンと振られ続け、女の子を熱望された。
「あ、まぁそうです。……バレましたね。」
困ったように笑うと、急に松野さんの顔が近づいてきた。
「マスクとって?ね?いいじゃん。減るもんじゃないし。」
少し血走った目、荒い息。迫り来る顔。街灯に照らされて不気味だった。
マスクを取ることに抵抗を感じ、後ろに退いた。が、両手をガッチリと握られていた為それは半歩程に留まった。これではどのみち取れないなと苦笑していたら、急に耳元に柔らかな衝撃と共に口元に冷気を感じた。
「ーっ!」
いきなりの事にビックリして目を瞑った。
「……。」
目を開けると、剥ぎ取ったであろうマスクを手にぶら下げた松野さんが呆然と立っていた。
断りもなくマスクを取られた怒りよりも、自分の顔を見た松野さんがショックを受けている事実がとても辛くて恥ずかしい。昔ブスと呼ばれた事もあり、今更ながらトラウマを呼び起こされた気分だった。
「……いい。」
二、三歩後ろにぐらついた松野さんは何かを呟いていて、どんな素直な感想を言われるのか怖かった。
(あぁぁ。なんだよ詐欺かよ!滅茶苦茶……メチャクチャに《いい》じゃねーかぁ……!)
彼女の不安と反対におそ松は可愛い子と出会えたこと手を握れたことが嬉しくて打ち震えていた。顔が真っ赤に染まっていたが、夜の暗さに隠された。
膝から崩れた松野さんは俯いて震えて「奇跡、奇跡……」と呟いていた。
……震える程笑うなんて、流石に失礼じゃないだろうか。しかし顔を伏せて笑う所に気遣いを感じる。
「……そろそろ帰ります。弟さんにわざわざ探してくれてありがとうと伝えて下さい」
じゃぁ、と、軽く手を振ると強くその手を掴まれた。
「ま、まってヤダ、行かないで!ホラあー、送ってく!そう俺が君ん家まで送って行くから!もう暗いし、危ないじゃん?」
「ありがとうございます。大丈夫ですよ。自己防衛の為のこの服とマスクですから、それに弟を置いていっちゃダメですよ。お兄ちゃん。」
力の抜けた松野さんの手から抜け出しポケットから新しいマスクを出した。軽く会釈をして歩き出す。
「まって!明日また会ってくれないかな。スッゲー美味いおでん屋連れてくからさ!1時に赤塚公園で待ってるからな!」
数歩離れた先で松野さんが叫ぶように言った。
「はーい!」
思わず振り向き手を振り返事をしてしまった。からかわれているだけかも知れないが、明日行ってみよう。丁度休日だ。
……先程強く握られた感触がまだ手に残り、くすぐったいような違和感が取れない。