前半殆ど名前出てきません。スミマセン
恋をするまで
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おそ松たちを置いて先に帰る一松は、自己嫌悪した。
「……やっちまった。俺って、ホント。」
ダメなやつ。面倒くさい。ゴミ。クズ……。続ける言葉はいくらでもあった。ネガティブな方向で。
一方的に突き放した言い方をした。帰り際ユカリちゃんが悲しそうな顔を自分に向けていた。
……嬉しい。自分の言葉が存在が相手に届き感情を引き出せた事に喜びを感じた。
「はぁ、我ながら変態。ま、終わったな。」
帰ってクソして寝ちまおう。忘れるんだ一松。自分に何度も言い聞かせるのに、左手の人差し指に甘い痺れが邪魔をする。
(まだ痕が薄く残ってる……。)
指先の痺れがゾクゾクと身体全体を包み、下半身に血が集まる。
「くそ、ってぇな。……いいや、アイツで抜いてやる。」
今までは罪悪感で妄想すらできなかった。しかし、もう関係が無いのであれば、もう会うこと無いのであれば、心置き無く頭の中で汚すことができる。
家に帰ると、チョロ松、十四松、トド松が居間でまったりしていた。タイミングが良い。
「あ、一松兄さんおかえりー。」
十四松が笑顔で迎えてくれた。他の2人もおかえりと短く挨拶をくれた。いつもだったら、そのまま居間に入り兄弟たちと一緒にテレビなんか見てまったりするのだろう。でも今は。
「ただいま。……今からネコ来るから。気性が荒い奴なんだ2階に来ないで。」
「まあ、いいけど、あんまり引っ掻き傷とか粗相させるなよ。」
「うん。でも2階に来たら、ネコがチョロ松兄さんの大事な物壊すかも。ヒヒッ」
「何で俺なの!?マジやめて。大丈夫。行かないし、行かせないから。」
「……うん。ごめん。じゃ、よろしく。」
一松が2階へと上がっていく。
「……一松兄さん、もしかして元気無かった?」
「うん。少し変だね。いつもあんなに素直に謝らないよね?」
「そ?いつもと変わらないんじゃない?謝るくらいするでしょ普通は。」
「はぁー。トッティー。」
十四松が大きなため息をつく。チョロ松もトド松を哀れんだ目で見つめた。
「トッティ。そういう所。いつも何見てんの。いいか?一松は普通じゃない。普通じゃない一松が普通に謝ったんだよ?これもう普通じゃないでしょ?」
「このドライモンスタァ!」
「別にドライでは無いし、チョロ松兄さんこそ実はディスってるからね、それ!」
3人の牽制に成功した一松は、兄弟共有の部屋に入る。こういう時くらいは、鍵付きの部屋が欲しいと思う。ソファに腰掛けると、自然とため息が出た。
(俺はユカリちゃんのこと、好きだったのかな?……いやいやいや、ないないない。だって俺だよ?あるわけない。大丈夫俺はちゃんとわきまえてるよ。あんなネコ好きで、俺とも話してくれて、可愛くて。……彼氏だってきっといるよ。)
「……彼氏かぁ。」
チビ太のおでん屋で見た光景を思い出す。ユカリちゃんが、赤い顔で頬を触る。柔らかそうな唇が動いて甘い声で自分の名前を呼ぶ。……左手の人差し指を噛む。
「……ぐ、っ!」
もう痕がほとんど無い指に思い切り噛み付く。舌を這わせるとゾクゾクとした快感がせり上がってくる。もう我慢しなくても良い。……どうせ彼氏と数えきれない程ヤリまくってるに決まっている。
「くそビッチが。」
そそり立った自身を引き出すと、指を噛みながら扱く。今までないくらいに興奮する。
「はぁ、はっ!……あ。……ヤバ、い。んだこれっ。」
エロい写真も映像も何も無い。ただただ楽しかったユカリとの思い出が頭を駆け巡る。一緒に過ごした時間も少ない。けれど何より鮮明に色が付いた思い出だった。
友達だよ。こっち向いて。今日、自分に向けられた言葉を反芻する。
「ふーっ、はぁ、ユカリっ、ちゃん!オレ、もっ!あぅそんな、とこ。」
ぬちぬち、にちゅにちゅと粘度のある水音が嫌に耳に響く。思い出はいつしか願望に変わり頭の中ではユカリちゃんが下着をズラして一松自身を口に含んでいた。記憶にあるエロ本やAVの繋ぎ合わせだ。
(どんな風に抱かれてるの?……いつもこんな風に噛むの?……君の中は一体どんな?)
ユカリちゃんの赤い顔と貧乳気味の裸体を想像で繋ぎ合わせる。上に自分じゃない誰かが覆いかぶさり、秘部に肉棒をねじ込む。
似合わない嬌声をあげたユカリちゃんの苦しそうな顔は、モヤモヤとして鮮明にみえない。
「ふーっ!ふっ、はぁ。ユカリちゃ、っひ。」
妄想の中でくらい、自分を相手にすれば良いのに、まるで犯されているのをノゾキ見るような映像になってしまう。
(くちゃ。……にちゅくちゅ。)
そんな最低なシチュエーションでも水音は増した。
……変態。耳元でユカリちゃんに囁かれて、ぐりぐりと亀頭を押し潰す。
「ぁひっ。ンッ。……サァ、セン。」
ネコのお兄さん。松野さん。一松くん。一松くん、一松くん、一松くん。
幻聴が鳴り止まない。
(ちゅくちゅくぬちぬちゃぐちゅっ!)
……好き。
「ぐぅっ……ユカリちゃん!……はぁっ。ユカリ、ユカリっ!あぅうっ!」
心臓が大きく鳴り、身体がググっと震えると、白濁した体液が右手を汚した。
乱れる息を整えながら、虚脱感をソファへと預ける。
「……はぁ。出るの早っ。……しばらくオカズに悩まなくていいかも。」
痛む左手を見ると指から血が滲んでいた。
「あーぁ。俺に上書きされちゃった。」
ユカリちゃんに付けられた痕は、自分のやらしい欲望に噛み潰されていた。
(大丈夫。汚せた。……乗り切ったんだ。)
涙で滲む視界に入った右手は出したばかりの精液が糸を引きながら零れ落ちている。……ヤバい。見ると床にも散っているようだ。
(ネコの粗相どころじゃねぇ!俺が粗相してどうすんだよ!)
ティッシュを探して辺りを伺うと、玄関の方から声が聞こえた。
窓から外の様子を見る。ユカリちゃんが目に映ると、先程イケナイ妄想をした罪悪感からかドキッと心臓が跳ねた。
おそ松は先に帰るまで一緒に居たから隣を歩いていることは想像できた。でもなんで、どうしてカラ松がユカリちゃんの手を握っているのか理解できなかった。
会話を聞く為窓を開ける。無意識にまだ洗ってもない右手にバットを持っていた。
おそ松が玄関へと入っていく。下の階では、「おそ松コロス」と、先程の3人が叫んでいた。ノリで追いかけたんじゃなかった。女に関しての抜け駆けは生死に関わってくるのだ。
(……でも、今一番に抜け駆けしてるのカラ松だからね。)
もちろん邪魔してやりたい。でも色々と顔を合わせられない、気づかれたくない。先程の妄想でユカリちゃんに覆い被さる男の顔がカラ松で再生された。
《oh……OKハニー優しくするぜ。》
(ダメだ。……殺そう。)
あくまで一松の妄想だが、ユカリちゃんの彼氏がカラ松なんて耐えられない。バットを持つ手に力が入る。とんでもない想像力を発揮させた自分を恨んだ。
程なくして、カラ松の手が振り払われた。ざまぁと笑うより先に、安心感が生まれた。良かった。同意して手を繋いでいた訳じゃない。たぶん。
聴き取りにくい会話をなんとか盗み聞くと、どうやら銭湯へ誘っているようだった。
(一緒に銭湯。……いいな。行きたい。)
また妄想が膨らみそうになった時、カラ松が叫んだ。
「真坂のチンコが見たいんだ!そんなプリティフェイスで、どんなモノを持っているんだ!?知りたい!背中流したいし流されたい!触ったり触られたり、なんなら最後までいけるからっー!」
びっくりした。何に?色々だよ。咄嗟に手に持っていたバットを投げつけクソ松を黙らせた。無意識に持っていたバットだったけど、本能が危険を察知したのかもしれない。やるじゃん俺ナイス。
オロオロするユカリちゃんに声をかけ帰らせた。手を振られたので、軽く右手をあげた。その手にはまだー。
辺りも薄暗いし距離がある為見えていないだろうが、ユカリちゃんの目に確実に精液を映してやった。……ものすごく興奮した。
しかし、チンコってなんだ?……まさか、男?……いやいやいや。……ないないない。……ないよ、な?
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