嘘つきな春と君の好き
🧸side
発車ベルが春のホームに静かに鳴り響く
あと少しでこの電車は動き出す
この街を離れて新しい大学へ向かう
それはずっと前から決めていた未来のはずだった
なのに今、ひいちゃんに手を掴まれているだけで、その未来が急に遠く感じる
もう乗らなきゃいけない
ドアの向こうには新しい未来が待ってるのに、ひいちゃんに掴まれた手だけが離れない
🌱「……行かせたくない」
掠れた声が胸に落ちて心臓が大きく跳ねた
今まで聞いたことがないくらいひいちゃんの本音がそのまま滲んでいる声
🧸「ひいちゃん……」
🌱「頑張って決めた道って分かってる 応援したいのも本当
でも、それでも離れてほしくない」
真っ直ぐ見つめられる
春の風がホームを抜けて、桜の花びらが二人の足元を滑っていく
🌱「ほのちゃんが遠く行ったら、私たぶん毎日会いたくなる」
その一言だけで、涙が出そうになる
🌱「今日みたいに、会いたくなって新幹線乗って追いかけたくなる」
🧸「……来てよ」
思わず零れた声に、自分で驚く
でも、もう隠せない
🧸「離れてても、ひいちゃんに会いたい
会いに来てほしい」
次の瞬間、ひいちゃんの手がするりと動く
ただ掴まれていたはずの指先が、そっと絡め取られた
恋人みたいに、指と指がぴったり重なる
その繋ぎ方だけで胸が苦しくなるくらい甘い
🌱「そんなこと言われたら、もう我慢できない」
一歩、ひいちゃんが近づく
距離が近い 近すぎて、呼吸まで混ざりそう
🌱「私、ほのちゃんのこと幼なじみとしてなんて
見れない」
視線が絡む
🌱「ずっと好きだった」
その言葉に、堪えていた涙が滲む
🧸「……ほのも」
声が震える
🧸「ずっと好きやった
帰り道、一緒に歩けるだけで嬉しくて 、他の子と話してるだけで嫉妬して
もう幼なじみの好きじゃ足りへんかった」
絡められた指先に、少しだけ力を込める
🧸「好き、ひいちゃんのこと大好き」
その瞬間、ひいちゃんがふっと息を飲んだ
発車ベルがもう一度鳴る 本当に、もう時間だった
🌱「……ほのちゃん」
名前を呼ばれた瞬間、ひいちゃんの顔がすぐ近くまで寄る
驚いて言葉を発する間もなく
耳元でひいちゃんが言う
🌱「好き」
たった二文字なのに、全身が熱くなる
耳の奥まで甘く痺れて、思わず肩が跳ねた
🧸「……っ、ずるい」
顔が一気に熱くなる
こんな最後の最後に、こんな近くで言うなんて反則だ
少し離れたひいちゃんが、照れたみたいに笑う
🌱「次会う時、絶対抱きしめるから」
その言葉に胸がきゅっとなる
次に会う未来が、急に鮮明になる
新幹線の改札を抜けた先には大学生活が始まる
でも またひいちゃんに会える
その時はもう、幼なじみじゃない
🧸「……うん、 その時はほのからも抱きしめる」
ひいちゃんの目が優しく細まる
🌱「約束」
🧸「約束」
発車ベルが最後に鳴る
絡めた指をゆっくり離す でも指先にはまだ恋人になった熱が残っていた
🧸「……またね、ひいちゃん」
🌱「またね、ほのちゃん
次は恋人として迎えに行くから待っててね」
🧸「っ///
うんっ! 待ってるな!」
ドアが閉まる
動き出した電車の窓越し 少しだけ赤い顔で笑うひいちゃんが見えた
耳に残る“好き”が、ずっと消えない
いつか迎えに来てくれるひいちゃんを楽しみに次はいつ会えるのかな、なんて考えていた
春の別れなのに、ほのの胸の中は幸せでいっぱいだった
fin
発車ベルが春のホームに静かに鳴り響く
あと少しでこの電車は動き出す
この街を離れて新しい大学へ向かう
それはずっと前から決めていた未来のはずだった
なのに今、ひいちゃんに手を掴まれているだけで、その未来が急に遠く感じる
もう乗らなきゃいけない
ドアの向こうには新しい未来が待ってるのに、ひいちゃんに掴まれた手だけが離れない
🌱「……行かせたくない」
掠れた声が胸に落ちて心臓が大きく跳ねた
今まで聞いたことがないくらいひいちゃんの本音がそのまま滲んでいる声
🧸「ひいちゃん……」
🌱「頑張って決めた道って分かってる 応援したいのも本当
でも、それでも離れてほしくない」
真っ直ぐ見つめられる
春の風がホームを抜けて、桜の花びらが二人の足元を滑っていく
🌱「ほのちゃんが遠く行ったら、私たぶん毎日会いたくなる」
その一言だけで、涙が出そうになる
🌱「今日みたいに、会いたくなって新幹線乗って追いかけたくなる」
🧸「……来てよ」
思わず零れた声に、自分で驚く
でも、もう隠せない
🧸「離れてても、ひいちゃんに会いたい
会いに来てほしい」
次の瞬間、ひいちゃんの手がするりと動く
ただ掴まれていたはずの指先が、そっと絡め取られた
恋人みたいに、指と指がぴったり重なる
その繋ぎ方だけで胸が苦しくなるくらい甘い
🌱「そんなこと言われたら、もう我慢できない」
一歩、ひいちゃんが近づく
距離が近い 近すぎて、呼吸まで混ざりそう
🌱「私、ほのちゃんのこと幼なじみとしてなんて
見れない」
視線が絡む
🌱「ずっと好きだった」
その言葉に、堪えていた涙が滲む
🧸「……ほのも」
声が震える
🧸「ずっと好きやった
帰り道、一緒に歩けるだけで嬉しくて 、他の子と話してるだけで嫉妬して
もう幼なじみの好きじゃ足りへんかった」
絡められた指先に、少しだけ力を込める
🧸「好き、ひいちゃんのこと大好き」
その瞬間、ひいちゃんがふっと息を飲んだ
発車ベルがもう一度鳴る 本当に、もう時間だった
🌱「……ほのちゃん」
名前を呼ばれた瞬間、ひいちゃんの顔がすぐ近くまで寄る
驚いて言葉を発する間もなく
耳元でひいちゃんが言う
🌱「好き」
たった二文字なのに、全身が熱くなる
耳の奥まで甘く痺れて、思わず肩が跳ねた
🧸「……っ、ずるい」
顔が一気に熱くなる
こんな最後の最後に、こんな近くで言うなんて反則だ
少し離れたひいちゃんが、照れたみたいに笑う
🌱「次会う時、絶対抱きしめるから」
その言葉に胸がきゅっとなる
次に会う未来が、急に鮮明になる
新幹線の改札を抜けた先には大学生活が始まる
でも またひいちゃんに会える
その時はもう、幼なじみじゃない
🧸「……うん、 その時はほのからも抱きしめる」
ひいちゃんの目が優しく細まる
🌱「約束」
🧸「約束」
発車ベルが最後に鳴る
絡めた指をゆっくり離す でも指先にはまだ恋人になった熱が残っていた
🧸「……またね、ひいちゃん」
🌱「またね、ほのちゃん
次は恋人として迎えに行くから待っててね」
🧸「っ///
うんっ! 待ってるな!」
ドアが閉まる
動き出した電車の窓越し 少しだけ赤い顔で笑うひいちゃんが見えた
耳に残る“好き”が、ずっと消えない
いつか迎えに来てくれるひいちゃんを楽しみに次はいつ会えるのかな、なんて考えていた
春の別れなのに、ほのの胸の中は幸せでいっぱいだった
fin