好きって言うまで、あと一歩
🧸side
朝の教室は、光がいっぱいで少し眠たい
ほのはまりなちゃんたち話しながら、つい後ろを気にしてしまう
……ひいちゃん
ノートを見てるふりしてるけど、
視線がこっちに来てるの、ちゃんとわかる
また見とる
振り返ると、案の定
🧸「ひいちゃん?」
🌱「な、なに?」
その声、ちょっと緊張してる
🧸「さっきから、ほののこと見てたやろ?」
🌱「み、見てないし」
🧸「今、見てた」
そう言うと、ひいちゃんは少し困った顔をする
それがかわいくて、胸がきゅっとなる
席を立って、机の横へ行く
🧸「ねえ、ひいちゃんって不思議」
🌱「なにが?」
🧸「ほのと話すと、すぐ顔赤くなる」
🌱「…気のせい」
でも、耳まで赤い
ほんと、かわいいなぁ
🧸「でもね」
ほのは、ひいちゃんの目を見る
🧸「ほのは好きだよ。そういうひいちゃん」
ひいちゃんの目が、少し揺れた
(……今の、伝わったかな)
昼休み
並んで歩く廊下
ひいちゃんはほのより小さいけど、歩幅は自然と合ってるのがなんか嬉しくなってしまう
🧸「ねえ、ひいちゃん」
🌱「なあに?」
🧸「今日、一緒に帰ろ」
🌱「うん」
その一言がうれしくて、胸がふわっとする
肩が少し近いのに、触れない距離
近いのに、遠い
夕方、帰り道
空はオレンジ色で、少しだけさみしい色
🧸「ほのな」
🌱「うん?」
🧸「ひいちゃんと帰るの、好き」
🌱「…私も」
その声、ちょっと小さい
🧸「それだけ?」
立ち止まったひいちゃん
🌱「…それだけじゃない」
振り返るとひいちゃんが真剣な目をしていた
(きた)
🌱「ほのちゃんの、笑った顔も」
(うん)
🌱「拗ねた顔も」
(ばれてる)
🌱「全部、かわいい」
顔が熱くなる
🧸「…急に何」
🌱「言わないと、ずっと言えなくなりそうで」
風が吹いて、髪が揺れる
🌱「私、ほのちゃんが好き」
胸が、とくん、って鳴った
やっと言ってくれた
少し黙ってから、ほのは笑う
🧸「…遅い」
🌱「え?」
🧸「ほのも、ひいちゃんが好き」
ひいちゃんの目が大きくなる
その顔、ずるい
一歩近づく
🧸「ねえ、ひいちゃん」
🌱「なに?」
🧸「ほの、ずっとドキドキしてた」
🌱「…私も」
(同じだ)
🧸「手、つないでいい?」
🌱「うん」
指が触れて、そっとつながる
あったかい
夕焼けの中、並んで歩き出す
ひいちゃんの手は、少し震えてる
かわいいな
ひいちゃんがいるだけで
世界がやさしくなる
ほのは、そっと思う
“これからも、隣にいたいな”