ロ兄術廻戦
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『七海』
「ああ、分かってる」
鉈を使う七海建人と斧を使う平手流星の戦闘スタイルは参考になるので任務に同行するように、と五条から言われた釘崎野薔薇。彼女は早速二人の流れる所作を目にすることとなる。
まず呪霊の感知に長けた平手が先に斧を構え、それに倣うようにして七海が背中合わせとなる。七海が鉈をバットの如く振るうと平手はその鉈に飛び乗り、そこから大きく跳ね呪霊の脳天を斧で叩き割った。ものの数分で祓除は完了した。
阿吽の呼吸とはこの二人の事を指すのだろうか、と釘崎が帰りの車内で戦闘スタイルの考察をしていると、隣に座る平手がお疲れ様と声をかけてきたので、釘崎は今考えていたことをそっくりそのまま疑問として口に出した。すると平手は、「七海とは腐れ縁なんだ」と苦く笑って助手席に座る七海に声をかけた。
『七海。俺ら腐れ縁だよな、高専からの』
「…高専のこと、釘崎さんには話してもいいでしょう」
『だな、話すか。…高専のとき当時京都校在学中だった俺は交流会のときに東京校で七海と戦ったんだ。結局七海とは毎年引き分け。最終学年の時は俺だけ京都へ帰る日を延長して試合を続けたんだよ』
「それで、お二人はどうなったんですか?」
『二人とも仲良く複雑骨折して試合引き分け。その後俺はそのまま東京校に残ってリハビリしながら高専卒業』
「えええー…」
戦闘スタイル、才能、体力、様々な面において二人は互角だったのだろう。ちなみに複雑骨折は家入の反転術式で治してもらったらしい。その話を聞いて釘崎は若干引いた。
『俺も七海も卒業後は別々の一般企業に就職したんだけど、今はほぼ同時期に出戻ってきてまた呪術師やってんの。あー、それと話は変わるけど…今日の案件、釘崎さんにサポート要員に入れって言ったの、五条さんじゃない?』
平手がぬるい空気を追い出すように少しだけ窓を開けると、次第に入り込んできた冷たい澄んだ空気を感じるようになる。
「なんで分かったんですか?」
『伊地知くんからこっそり教えてもらった。大方俺ら二人の動き参考にしてこいって話でしょ』
「そんな感じです」
『ほらやっぱりね。大事なのは呼吸とタイミングだよ。仲間の意図は一瞬で判断すること。タイミングなんて掴めるまで時間はかかるしコツも必要だけど、釘崎さんはまだ一年生だし、幸いなことに同級生も先輩もいるから、焦らず自分のスタイルを確立していってね』
「ありがとうございます」
やっぱり七海と平手は社会人経験があってか、立ち回りも部下へのこういったサポートも上手だ。
高専へ着くと釘崎だけ降ろされた。
じゃあ、おやすみと声を掛けてくれる平手に高専併設の独身寮に入寮していないのかと聞くと、たいへん驚く答えが帰ってきた。
『俺と七海、ルームシェアってやつしてんだ』
それはなんと夢の空間なのだろう。
金髪で筋肉質で日本人離れした顔を持つ七海と、深緑色の清潔感のある短髪で七海よりかは少し身体の線が細い平手。二人は釘崎から見てもイケメンの部類に入る。同居というのは同棲の意味では?二人がもし付き合っているとしたら物凄くお似合いだ、と釘崎は妄想しながらそのまま風呂に入り寝た。
翌日、釘崎は担任の五条に任務報告を行った後に、これまたとんでもない爆弾を落とされることとなる。
「え?七海と平手?アイツら付き合ってるよ」
あー、やっぱり。ですよね。そうですよね。
釘崎は阿吽の呼吸の意味を理解し、尊さで爆散した。
「ああ、分かってる」
鉈を使う七海建人と斧を使う平手流星の戦闘スタイルは参考になるので任務に同行するように、と五条から言われた釘崎野薔薇。彼女は早速二人の流れる所作を目にすることとなる。
まず呪霊の感知に長けた平手が先に斧を構え、それに倣うようにして七海が背中合わせとなる。七海が鉈をバットの如く振るうと平手はその鉈に飛び乗り、そこから大きく跳ね呪霊の脳天を斧で叩き割った。ものの数分で祓除は完了した。
阿吽の呼吸とはこの二人の事を指すのだろうか、と釘崎が帰りの車内で戦闘スタイルの考察をしていると、隣に座る平手がお疲れ様と声をかけてきたので、釘崎は今考えていたことをそっくりそのまま疑問として口に出した。すると平手は、「七海とは腐れ縁なんだ」と苦く笑って助手席に座る七海に声をかけた。
『七海。俺ら腐れ縁だよな、高専からの』
「…高専のこと、釘崎さんには話してもいいでしょう」
『だな、話すか。…高専のとき当時京都校在学中だった俺は交流会のときに東京校で七海と戦ったんだ。結局七海とは毎年引き分け。最終学年の時は俺だけ京都へ帰る日を延長して試合を続けたんだよ』
「それで、お二人はどうなったんですか?」
『二人とも仲良く複雑骨折して試合引き分け。その後俺はそのまま東京校に残ってリハビリしながら高専卒業』
「えええー…」
戦闘スタイル、才能、体力、様々な面において二人は互角だったのだろう。ちなみに複雑骨折は家入の反転術式で治してもらったらしい。その話を聞いて釘崎は若干引いた。
『俺も七海も卒業後は別々の一般企業に就職したんだけど、今はほぼ同時期に出戻ってきてまた呪術師やってんの。あー、それと話は変わるけど…今日の案件、釘崎さんにサポート要員に入れって言ったの、五条さんじゃない?』
平手がぬるい空気を追い出すように少しだけ窓を開けると、次第に入り込んできた冷たい澄んだ空気を感じるようになる。
「なんで分かったんですか?」
『伊地知くんからこっそり教えてもらった。大方俺ら二人の動き参考にしてこいって話でしょ』
「そんな感じです」
『ほらやっぱりね。大事なのは呼吸とタイミングだよ。仲間の意図は一瞬で判断すること。タイミングなんて掴めるまで時間はかかるしコツも必要だけど、釘崎さんはまだ一年生だし、幸いなことに同級生も先輩もいるから、焦らず自分のスタイルを確立していってね』
「ありがとうございます」
やっぱり七海と平手は社会人経験があってか、立ち回りも部下へのこういったサポートも上手だ。
高専へ着くと釘崎だけ降ろされた。
じゃあ、おやすみと声を掛けてくれる平手に高専併設の独身寮に入寮していないのかと聞くと、たいへん驚く答えが帰ってきた。
『俺と七海、ルームシェアってやつしてんだ』
それはなんと夢の空間なのだろう。
金髪で筋肉質で日本人離れした顔を持つ七海と、深緑色の清潔感のある短髪で七海よりかは少し身体の線が細い平手。二人は釘崎から見てもイケメンの部類に入る。同居というのは同棲の意味では?二人がもし付き合っているとしたら物凄くお似合いだ、と釘崎は妄想しながらそのまま風呂に入り寝た。
翌日、釘崎は担任の五条に任務報告を行った後に、これまたとんでもない爆弾を落とされることとなる。
「え?七海と平手?アイツら付き合ってるよ」
あー、やっぱり。ですよね。そうですよね。
釘崎は阿吽の呼吸の意味を理解し、尊さで爆散した。