ロ兄術廻戦
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新しく入ってくる一年生に対し、校舎や学生寮は先輩がひと通り案内するのが伝統行事、みたいなところがここ呪術高専にはある。夜蛾センに新一年生が来るまで教室で待機、と言われているので大人しく待っているんだけどいつ来るんだろう。先輩達は流星が入学したての頃、任務で亡くなってしまったので高専生は今は自分一人だ。早く後輩の顔が見たい。そんなことを考えていると夜蛾センが新一年生を連れてやって来た。
「遅くなってすまない。コイツらが一年だ。左から五条悟、家入硝子、夏油傑。まあ良いように見てくれ」
後はよろしくと夜蛾が立ち去ると、五条がワッと声をあげた。
「よろしくねセンパイ。名前なんての?」
『…平手流星。よろしく』
「平手先輩はどんな術を使うんですか?」
次に夏油が連携プレーのように五条の後に続いた。
『結界術だよ。例えば…カップ麺を食ってる最中に、あーこれ汁飲んだら塩分過多だなって思うとする。そういう時にカップ麺を浮かせて結界術を施すと…何と結界の中には汁だけが残り、机に落ちたカップの中には麺と具が残る。汁は流し台のところで結界を解けば全部流れてキレイキレイってワケ』
「術をなんてことに使ってるんですか」
『大丈夫大丈夫。普通に結界術で祓除もできるよ。今言ったのは応用。要するに使い方次第、ってやつ』
術の説明はまた今度するからと三人に言い聞かせ、校舎と学生寮を案内し、休憩がてら自販機に寄って飲み物を奢った。五条は自身の飲む緑茶よりも夏油が選んだコーラに興味津々のようで、流星が自分用に買ったコーラを一口試しに飲ませてやれば炭酸に驚いたのかひくひくと口元が揺れていた。
『コーラ飲んだことないの?』
「炭酸飲料なんて家で出ねえし」
『あー名家あるあるだね。亡くなったどっか良いとこの出の先輩も高専来て初めて炭酸飲んだって言ってた。ここにいるとジャンキーな飲みもん食いもんが食べ飲み放題だよ』
そう言って意地悪そうに笑ってピースサインを作って見せれば、五条は打って変わって流星に羨望の眼差しを向けた。
それからしばらく経ったある日。単独任務の帰りに食堂の冷蔵庫を漁る流星は、これから歯磨いて寝るという上下グレーのスウェットを着た五条と鉢合わせた。
『名前書いて入れといた筈なんだけどなー』
「ハムとソーセージ?」
『そうハムとソーセージ』
「あれ俺が食ったぜ。賞味期限昨日までだったから」
『それは有難いけど今は腹減ってるから嬉しくねえな。メシどうしよう』
「麓のコンビニまで行かね?俺も夜食食いたくなってきた」
『お前…すっかりジャンクフードの虜じゃん。夏油と家入も呼ぶか?』
「アイツら昨日から二人で任務行ってる」
上着を取ってきた五条と揃ってコンビニに行けば、五条は手に持ったカゴの中へ目に付いたもの全てを放り込んでいた。それを見て流星が笑うと、五条はムキになって背の高くない流星の頭をわしわしと撫でくりまわした。
『おいっやめろ』
「誰かさんが俺にジャンクフードなんてものの存在を教えるからあーあー」
『ほらなんかお詫びに奢るから』
「やった。じゃあコーラで」
『ホント五条コーラ好きな』
「まあなー。でもあの時飲んだコーラには敵わないってゆーか…」
『あの時?』
「こっちの話。そんなん良いからパパっとお会計しなよ」
『俺が買うのにその態度、いい度胸だな』
コンビニを出ると五条は代わりに持つからとコンビニ袋を流星の手から奪った。
『知ってるか?唐揚げ棒はこうやって帰り道に食うのが美味いんだよ』
「ふーん。俺コーラ飲も」
五条はそう言って缶のプルタブを開け、ちびりちびりと飲みはじめた。
『そう言えばさっきのコーラの話なんだったの』
「いつもはすぐ忘れる鳥頭のくせになんで覚えてんだよ」
『先輩に向かってなんだその口の利き方は』
「俺の好きな飲み物はね、コーラ」
『おい、話逸らすなよ』
「初日の案内後に流星がくれたコーラが美味くて、好きになった。ところで流星に相談があるから聞いてくんね」
『なに』
「俺好きな奴いるんだけど、全然振り向いてくれないんだよね」
『誰、家入?』
「違えよ。お前だよ流星」
『俺?』
「そう流星。傑と硝子に相談したら二人っきりの時に告ればいけるって言ってた」
『それは言わなくてもいいんじゃないか』
「先輩風吹かしきれてなかったり、ちょっと鈍臭いところとか好きだよ」
『それ好きなのか?』
「好きだよ」
そう言って五条は流星を抱き寄せ、キスを落とした。
「げ、唐揚げの味だ」
『…口ん中に舌突っ込むんじゃねえよ』
「あ、返事聞いてないけど流星も俺のこと好きだよね?」
「遅くなってすまない。コイツらが一年だ。左から五条悟、家入硝子、夏油傑。まあ良いように見てくれ」
後はよろしくと夜蛾が立ち去ると、五条がワッと声をあげた。
「よろしくねセンパイ。名前なんての?」
『…平手流星。よろしく』
「平手先輩はどんな術を使うんですか?」
次に夏油が連携プレーのように五条の後に続いた。
『結界術だよ。例えば…カップ麺を食ってる最中に、あーこれ汁飲んだら塩分過多だなって思うとする。そういう時にカップ麺を浮かせて結界術を施すと…何と結界の中には汁だけが残り、机に落ちたカップの中には麺と具が残る。汁は流し台のところで結界を解けば全部流れてキレイキレイってワケ』
「術をなんてことに使ってるんですか」
『大丈夫大丈夫。普通に結界術で祓除もできるよ。今言ったのは応用。要するに使い方次第、ってやつ』
術の説明はまた今度するからと三人に言い聞かせ、校舎と学生寮を案内し、休憩がてら自販機に寄って飲み物を奢った。五条は自身の飲む緑茶よりも夏油が選んだコーラに興味津々のようで、流星が自分用に買ったコーラを一口試しに飲ませてやれば炭酸に驚いたのかひくひくと口元が揺れていた。
『コーラ飲んだことないの?』
「炭酸飲料なんて家で出ねえし」
『あー名家あるあるだね。亡くなったどっか良いとこの出の先輩も高専来て初めて炭酸飲んだって言ってた。ここにいるとジャンキーな飲みもん食いもんが食べ飲み放題だよ』
そう言って意地悪そうに笑ってピースサインを作って見せれば、五条は打って変わって流星に羨望の眼差しを向けた。
それからしばらく経ったある日。単独任務の帰りに食堂の冷蔵庫を漁る流星は、これから歯磨いて寝るという上下グレーのスウェットを着た五条と鉢合わせた。
『名前書いて入れといた筈なんだけどなー』
「ハムとソーセージ?」
『そうハムとソーセージ』
「あれ俺が食ったぜ。賞味期限昨日までだったから」
『それは有難いけど今は腹減ってるから嬉しくねえな。メシどうしよう』
「麓のコンビニまで行かね?俺も夜食食いたくなってきた」
『お前…すっかりジャンクフードの虜じゃん。夏油と家入も呼ぶか?』
「アイツら昨日から二人で任務行ってる」
上着を取ってきた五条と揃ってコンビニに行けば、五条は手に持ったカゴの中へ目に付いたもの全てを放り込んでいた。それを見て流星が笑うと、五条はムキになって背の高くない流星の頭をわしわしと撫でくりまわした。
『おいっやめろ』
「誰かさんが俺にジャンクフードなんてものの存在を教えるからあーあー」
『ほらなんかお詫びに奢るから』
「やった。じゃあコーラで」
『ホント五条コーラ好きな』
「まあなー。でもあの時飲んだコーラには敵わないってゆーか…」
『あの時?』
「こっちの話。そんなん良いからパパっとお会計しなよ」
『俺が買うのにその態度、いい度胸だな』
コンビニを出ると五条は代わりに持つからとコンビニ袋を流星の手から奪った。
『知ってるか?唐揚げ棒はこうやって帰り道に食うのが美味いんだよ』
「ふーん。俺コーラ飲も」
五条はそう言って缶のプルタブを開け、ちびりちびりと飲みはじめた。
『そう言えばさっきのコーラの話なんだったの』
「いつもはすぐ忘れる鳥頭のくせになんで覚えてんだよ」
『先輩に向かってなんだその口の利き方は』
「俺の好きな飲み物はね、コーラ」
『おい、話逸らすなよ』
「初日の案内後に流星がくれたコーラが美味くて、好きになった。ところで流星に相談があるから聞いてくんね」
『なに』
「俺好きな奴いるんだけど、全然振り向いてくれないんだよね」
『誰、家入?』
「違えよ。お前だよ流星」
『俺?』
「そう流星。傑と硝子に相談したら二人っきりの時に告ればいけるって言ってた」
『それは言わなくてもいいんじゃないか』
「先輩風吹かしきれてなかったり、ちょっと鈍臭いところとか好きだよ」
『それ好きなのか?』
「好きだよ」
そう言って五条は流星を抱き寄せ、キスを落とした。
「げ、唐揚げの味だ」
『…口ん中に舌突っ込むんじゃねえよ』
「あ、返事聞いてないけど流星も俺のこと好きだよね?」