イ反面ライダーEX-AID
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『お待たせ』
「遅くね?」
『は?仕事長引いたんだよこの白髪野郎』
「うるせーなインテリメガネ」
『なんだと毎日ひなたぼっこクソジジイ』
「…」
喧嘩するほど仲がいい?知らないねそんな言葉。
「なんでこのお二人さんが付き合ってんのか、自分ほんと分かんないんだけど」
「まあ飲みの席まで来て喧嘩しないで欲しいですけどね」
死んだ目で貴利矢はコーラを啜り、永夢はレモンサワーを追加注文した。
この飲み会をセッティングしたのは貴利矢だった。
貴利矢が誘ったのはいつもお馴染みの永夢と、いちいち何かにつけてつっかかりたいが為の大我。そこに三人だけでは味気ないからと色々誘ってみたが、誰も彼も夜勤で折り合いがつかず、遂に引っかかったのは別の病院で働く大我の恋人である流星だった。
「ほんとに付き合ってんの?お二人さん」
『うん』
「当たり前だろ」
「なんでそこは息が合うの?自分にはさっきのやり取り見ても何が当たり前なのか分かんなかったわ」
「僕もです。よくそんなんで続きますよね」
「流星の顔だったら正直彼女候補沢山居そう。引く手数多だろうなー。あー羨ましいっ」
「あ、貴利矢さんコーラ来ましたよ」
『彼女候補つっても、俺が根っからのゲイだから無理』
「それな」
『あ、大我そのキュウリ注文して』
「おう」
貴利矢と永夢にとって、二人の空気感は中々理解し難い。
今まで喧嘩していたかと思えば、何事も無かったかのようにメニューを眺め注文を決めている。既に熟年夫婦のような雰囲気の二人だが、意外にも出会ったのは割と最近だ。
ついこの間、大我と永夢と貴利矢が戦ったバグスターに襲われていたのが流星で、その流星を助けたのが大我だったのだ。
『永夢、煙草吸っていいか?』
「なんで僕に聞くんです?」
『一番幼いから』
「幼いって…!!」
貴利矢はケラケラと楽しそうに俺と永夢のやり取りを眺めている。
『だって永夢かわいいもん』
「あーあー彼氏の前でそんな事言っちゃって良いわけ?自分だったら口が裂けても言わないね」
「僕もそう思います…まあ100歩譲って大我さんの恋人にはなりませんが」
「お前らウザイな」
『少なくとも大我よりはかわいいだろ』
「フン、勝手にしろ」
暫くして、酒に弱い貴利矢と大我は酔い潰れた。
「貴利矢さんがお酒弱いのは知ってるんですが、まさか…」
『大我、弱いくせに飲むんだよ』
『流星さんは大我さんのどんな所が好きで付き合ってんですか?」
『…ウサギみたいなところかな』
「…ウサギ?」
『たまに寂しさで死にそうな顔するんだよ。一匹狼みたいな雰囲気醸し出してるけど、意外と一人じゃ生きていけないタイプだ』
「そうなんですか」
良いこと聞いた、何かあったときはこのネタでゆすろう、と永夢は心の中で誓う。
『で?お前らは?付き合ってんの?付き合ってねえの?』
「貴利矢さんとぼくが?ないですよ。ぼく女の子が好きなんで」
『まぁそうだろうな…おい大我、いい加減起きろ。そろそろ帰るぞ。すんませーん、お会計!』
「えっ?貴利矢さんとぼくが誘ったんで、奢りますよ」
『うっせー、歳下は奢られてろ』
財布を忘れたので今流行りのスマホアプリでお会計を済ませた。
最近はこれだけで生活して行ける気がする。
『今日は誘ってくれてありがとう。また仕事…そうだな、定期症例報告会とかで会えるといいな』
「そうですね。では」
酔い潰れた貴利矢を支える永夢に別れを告げ、タクシーに大我を放り込む。
「い゛って!!」
どうやら放り込んだ時に軽く頭を窓に打ったようだ。
『酔いつぶれるのが悪い。えーと、コイツを五丁目にあるファミレス向かいの診療所までお願いします』
適当に運転手に大我の構える診療所までのルートを伝える。
「…お前乗らねえのかよ」
『俺電車で帰るから』
「帰るな」
『…寄っていいのか?』
「来いよ」
『じゃ、遠慮なく』
よく喋る運転手の話になんとなく相槌を打っていたらあっという間に診療所に到着した。
「じゃあこれ、お釣りね」
『ありがとうございました』
今だ眠たげな大我を担ぎ下ろすと、俺は大我のズボンのポケットをまさぐる。
「…おい、やめろ。なに変な気起こしてんだ」
『誰が。鍵探してんだよ』
「反対側だバカ」
『さっさと出せバカ』
やっとの思いで鍵を開け、診療ベッドへ大我を降ろすと、やっと一息着くことが出来た。
『あー明日休みでよかった』
「おい」
『どうした?』
呼ばれて振り向くと、大我がぼやけた眼で俺を見つめていた。
「ん」
『どーちたの、大我くん。おねむでちゅか?』
「んー」
挑発するように言ってみたのが大我は気に入らなかったのか、またもや言葉にもならない音を出して布団をつかみ、反対を向いてしまった。
『あー、分かった。一緒に寝て欲しいんだ。そういう事はちゃんと言葉にしなさいっていつも言ってるだろ』
「うるせ」
『一緒に寝るなら診療ベッドじゃなくて寝室行かなきゃなんだけどな』
「こっちでいいだろ」
『いやクソ狭くて二人寝れないだろ』
「…」
あ、無言で立ち上がった。
『ウサギだね、大我はウサギ。寂しがり屋で甘えん坊で一人になると死んじゃうタイプだ。ほら、こっちへおいで。一緒に寝よう』
「遅くね?」
『は?仕事長引いたんだよこの白髪野郎』
「うるせーなインテリメガネ」
『なんだと毎日ひなたぼっこクソジジイ』
「…」
喧嘩するほど仲がいい?知らないねそんな言葉。
「なんでこのお二人さんが付き合ってんのか、自分ほんと分かんないんだけど」
「まあ飲みの席まで来て喧嘩しないで欲しいですけどね」
死んだ目で貴利矢はコーラを啜り、永夢はレモンサワーを追加注文した。
この飲み会をセッティングしたのは貴利矢だった。
貴利矢が誘ったのはいつもお馴染みの永夢と、いちいち何かにつけてつっかかりたいが為の大我。そこに三人だけでは味気ないからと色々誘ってみたが、誰も彼も夜勤で折り合いがつかず、遂に引っかかったのは別の病院で働く大我の恋人である流星だった。
「ほんとに付き合ってんの?お二人さん」
『うん』
「当たり前だろ」
「なんでそこは息が合うの?自分にはさっきのやり取り見ても何が当たり前なのか分かんなかったわ」
「僕もです。よくそんなんで続きますよね」
「流星の顔だったら正直彼女候補沢山居そう。引く手数多だろうなー。あー羨ましいっ」
「あ、貴利矢さんコーラ来ましたよ」
『彼女候補つっても、俺が根っからのゲイだから無理』
「それな」
『あ、大我そのキュウリ注文して』
「おう」
貴利矢と永夢にとって、二人の空気感は中々理解し難い。
今まで喧嘩していたかと思えば、何事も無かったかのようにメニューを眺め注文を決めている。既に熟年夫婦のような雰囲気の二人だが、意外にも出会ったのは割と最近だ。
ついこの間、大我と永夢と貴利矢が戦ったバグスターに襲われていたのが流星で、その流星を助けたのが大我だったのだ。
『永夢、煙草吸っていいか?』
「なんで僕に聞くんです?」
『一番幼いから』
「幼いって…!!」
貴利矢はケラケラと楽しそうに俺と永夢のやり取りを眺めている。
『だって永夢かわいいもん』
「あーあー彼氏の前でそんな事言っちゃって良いわけ?自分だったら口が裂けても言わないね」
「僕もそう思います…まあ100歩譲って大我さんの恋人にはなりませんが」
「お前らウザイな」
『少なくとも大我よりはかわいいだろ』
「フン、勝手にしろ」
暫くして、酒に弱い貴利矢と大我は酔い潰れた。
「貴利矢さんがお酒弱いのは知ってるんですが、まさか…」
『大我、弱いくせに飲むんだよ』
『流星さんは大我さんのどんな所が好きで付き合ってんですか?」
『…ウサギみたいなところかな』
「…ウサギ?」
『たまに寂しさで死にそうな顔するんだよ。一匹狼みたいな雰囲気醸し出してるけど、意外と一人じゃ生きていけないタイプだ』
「そうなんですか」
良いこと聞いた、何かあったときはこのネタでゆすろう、と永夢は心の中で誓う。
『で?お前らは?付き合ってんの?付き合ってねえの?』
「貴利矢さんとぼくが?ないですよ。ぼく女の子が好きなんで」
『まぁそうだろうな…おい大我、いい加減起きろ。そろそろ帰るぞ。すんませーん、お会計!』
「えっ?貴利矢さんとぼくが誘ったんで、奢りますよ」
『うっせー、歳下は奢られてろ』
財布を忘れたので今流行りのスマホアプリでお会計を済ませた。
最近はこれだけで生活して行ける気がする。
『今日は誘ってくれてありがとう。また仕事…そうだな、定期症例報告会とかで会えるといいな』
「そうですね。では」
酔い潰れた貴利矢を支える永夢に別れを告げ、タクシーに大我を放り込む。
「い゛って!!」
どうやら放り込んだ時に軽く頭を窓に打ったようだ。
『酔いつぶれるのが悪い。えーと、コイツを五丁目にあるファミレス向かいの診療所までお願いします』
適当に運転手に大我の構える診療所までのルートを伝える。
「…お前乗らねえのかよ」
『俺電車で帰るから』
「帰るな」
『…寄っていいのか?』
「来いよ」
『じゃ、遠慮なく』
よく喋る運転手の話になんとなく相槌を打っていたらあっという間に診療所に到着した。
「じゃあこれ、お釣りね」
『ありがとうございました』
今だ眠たげな大我を担ぎ下ろすと、俺は大我のズボンのポケットをまさぐる。
「…おい、やめろ。なに変な気起こしてんだ」
『誰が。鍵探してんだよ』
「反対側だバカ」
『さっさと出せバカ』
やっとの思いで鍵を開け、診療ベッドへ大我を降ろすと、やっと一息着くことが出来た。
『あー明日休みでよかった』
「おい」
『どうした?』
呼ばれて振り向くと、大我がぼやけた眼で俺を見つめていた。
「ん」
『どーちたの、大我くん。おねむでちゅか?』
「んー」
挑発するように言ってみたのが大我は気に入らなかったのか、またもや言葉にもならない音を出して布団をつかみ、反対を向いてしまった。
『あー、分かった。一緒に寝て欲しいんだ。そういう事はちゃんと言葉にしなさいっていつも言ってるだろ』
「うるせ」
『一緒に寝るなら診療ベッドじゃなくて寝室行かなきゃなんだけどな』
「こっちでいいだろ」
『いやクソ狭くて二人寝れないだろ』
「…」
あ、無言で立ち上がった。
『ウサギだね、大我はウサギ。寂しがり屋で甘えん坊で一人になると死んじゃうタイプだ。ほら、こっちへおいで。一緒に寝よう』