イ反面ライダーEX-AID
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六限目を終え早く帰りたいばかりの生徒達を相手に明日の提出物を伝え、今日の終わりを告げる。そこではたと思い出し目的の人物を呼び出した。
『花家ぁー』
「はい」
『あとで俺んとこ来い』
「分かりました」
そして放課後。
丁寧な3回ノックが化学準備室に響く。
『はい』
「…来た」
『来ました、だろ』
「うるせえ」
『ったく、そこ座れ。で、本題なんだけど』
「?」
『お前進路の紙書いて出した?出してないよな?』
「出してない」
『出せ。来週の進路説明会の割り当てに使うから出せ』
「…」
『ん?どうした?』
「いや…分かった。紙くれ」
『前配ったやつなくしたのかよ』
「まあな」
『自慢げに言うんじゃない。ほら、とりあえず今書いて今出して』
「今出して、ってエロいな」
『何言ってんだ早く書け』
「なんて書いたらいい?」
『んー、大学や専門学校ならどんな学部や学科に行きたいか、就職なら職種かな。花家まずどこに進みたい?』
「大学」
『ふんふん、で、学部は?』
「医学部」
『まじかよ…お前すげえじゃん!!』
「まあな」
『自分で言うな。まあ、今の成績落とさなかったら来年余裕でどこでも受かるだろ』
「平手先生」
『あ?』
「約束して」
『何を?』
「俺が医大受かったら付き合って」
『ん?何に?どっか行くのか?』
「ちげーよバカ」
『バカ言うな!』
「恋人として付き合ってくれ」
『え…なんで?』
「平手先生が好きだから」
『んー。できない約束はしたくないんだよね…でも大学受験、花家の人生かかってるしなあ…うん、約束する』
「ありがと、先生」
そう言われたと思えば、胸ぐらを掴まれ唇が重なった。
『…おい』
「あ?」
『まだ約束果たしてねーのに何してんだよ』
「クソ、なに落ち着いてんだよ。でも俺絶対受かるから覚悟しとけ」
『うん。応援してる』
そう約束したのが花家大我、高校二年生の春。
そして今日は来たる受験結果。
久しぶりに丁寧な3回ノックが化学準備室に響く。
『開いてます…って、うわ!!』
突進してきた何者かに押さえつけられた。
「医大受かった」
『花家か…おめでとう…』
「約束、覚えてんだろ?」
『ああ。ただ卒業まではダメだ』
「分かってる。でもいいだろ、キスぐらいは」
『は?学校でもダメだって…んぅ』
「うるせぇ」
『うるせぇ言うな!』
そうして今日がその卒業の日。
卒業式のあと教室で生徒達にこれからの話を餞別替わりに話す。クラス替えはあったが持ち上がりで1年から3年まで担当した代は初めてだったから、つい話に力が入ってしまった。
話のあとは別れを惜しむ生徒達を横目に化学準備室へ戻り一人珈琲を淹れる。
湯を沸かしていると扉が開いた。
「平手せんせー」
『ん?』
「アルバムに何か書いてー」
授業を担当したクラスの女子生徒数人だった。
その後も他クラスの生徒が代わる代わるやってきて寄せ書きをせがまれた。大したことは書けないが、たまにアルバムを開いて「ああこんな先生いたな」と思い出すくらいはして欲しいと毎度思う。
人並みがプツリと切れた頃に丁寧な3回ノックが響いた。
『開いてる』
「…」
『花家がここへ来るのも今日が最後か』
「ああ」
『今までよく頑張ったな』
花家は勉強面で一度スランプに陥り、化学準備室で化学以外の科目を教えたりした。
「先生の御指導があったからです」
『なんだ急に畏まって』
「今までありがとうございました」
『お、おう』
「正直平手先生居なかったら医大行こうと思わなかったです。だから、ありがとうございました」
『そうか。教師冥利に尽きるわ』
「と、言うのはここまでで。今日からはちゃんと俺と恋人しろよ」
『なんだその恋人するって動詞は』
「うるせぇ」
『…ったく。こんなオッサン捕まえて何が良いんだか。もう近々30歳になる男だぞ?』
「先生は若く見えるから」
『ホントかっ!?』
「ああ」
『そうか嬉しいな。嬉しいからオッサンがご飯連れて行ってあげよう。今日夜空いてるか?』
「空いてる」
『大丈夫か?家族と飯食いに行ったりしない?』
「親は今仕事で海外にいるから。なんなら忙しくて卒業式の今日も帰ってきてない」
『忙しいんだな…』
他の生徒が帰ったのを見計らって、自分たちも揃って門をくぐった。
『職員駐車場は向こう』
「先生の車あれだろ」
『なんで知ってんの』
「部活終わりに帰るの見たから」
『そうか』
「車大きいよな」
『スノボしたり釣りしたりキャンプしたりするからなー。花家はアウトドアとかしないの?』
「しない」
『ふーん。今度連れてってやるよ』
車に乗り込み出発させる。
『花家、魚介類食える?』
「寿司か?」
『うっ…当たり』
「食える」
『俺の家の近くに美味しいとこあるんだ』
「先生の家行きたい」
『いいよ』
「マジで!?」
『あ、ああ。…あれ?つー事は家で飯食うってこと?』
「それがいい」
『じゃあ何か買って帰るか』
予定を変更し、近所のデパ地下で美味しそうな惣菜を漁る。
『んー、これなら作れそうだからこれは買わない』
「じゃあこれ」
『よっしゃ、カゴ入れろ』
帰宅すると、愛猫が出迎えてくれた。
『ただいまぁ!今飯やるからなー』
「猫…」
『あ!?花家ってアレルギー持ち!?』
「いや、大丈夫。名前は?」
『しーちゃん。正式名称はシーチキン』
「シーチキン」
『家に初めて来た時猫缶のシーチキンをいっぱい食べたから、名前がシーチキン』
「センスのなさ爆発してるな」
『俺飯の準備するから、花家はテレビ見るかしーちゃんと遊んであげて。しーちゃん、そこのネズミのおもちゃ好きだぞ』
デパ地下で買ってきた惣菜を皿に盛り付け、冷蔵庫にあった食材で簡単に作ったものをテーブルに並べる。
『おーい、できたぞ』
「うん」
『しーちゃんよく懐いてるじゃん。猫飼ったことあんの?』
「ない」
『そっか。花家猫っぽいからしーちゃん懐いたのかな』
「は?」
『いやなんでもない』
自分用にワインを開け、その様子を見た花家に俺の分はないのかと問いかけられたが、未成年者に飲酒はさせられないので代わりにグレープジュースを注いでやった。
『卒業おめでとう。乾杯』
「乾杯」
『そう言えば花家はいつから俺の事好きだったの?』
「ぶっ!!!」
『きったね!ジュース吹き出すな!ほら、拭け!』
「…悪ぃ」
『で、いつから?』
「…高一の時から」
『ふーん。結構長いこと好きだったんだな。じゃあどんなとこが好きなんだ?』
「…顔がいい、声がいい、背が高い」
『ほぼ見た目じゃん』
「人は見た目が10割なんだよ」
『それは完全なる面食いの台詞だぞ』
「それと、授業するときの感じ」
『感じ?』
「いや、真剣だなあって」
『そりゃそうだよ。だってお前らの人生かかってるんだから。俺が教えられることは教えたいし』
「いや、他の教師と違うんだよ」
『そうか、ありがとう』
食事を終え、皿を食洗機に放り込んだ。
『よーし、終わり』
俺はどっかりとソファに沈み、床に転がっているしーちゃんの腹を撫でている花家を眺める。
『しーちゃんのことそんなに好きか』
「ああ」
『しーちゃん、おっとりした子だからすぐ寝るぞ…なー!しーちゃん!』
そう言ってしーちゃんの元へ行くと、ニャーと返事をしてくれた。
『ああーかわいいなしーちゃん』
「いつもこんな感じなのか」
『おん』
「かわいいな先生」
『俺かよ』
「なあもう呼び捨てでいい?流星」
『はあ?ダメに決まってんだろ。さん付けだろ』
「流星さん」
『それなら良し』
「流星さんは俺の事なんて呼んでくれるの」
『え…花家?』
「ダメ」
『えぇ…大我さん?』
「フッ」
『おい今なんで笑ったよ』
「フツー大我だろ」
『じゃあ大我』
「良い」
『なあ、大我さ』
「あ?」
『俺がいつからお前のこと好きだったと思う?』
「…」
こちらを見たままフリーズする大我。
『おーい』
「流星さん」
『ん?』
「俺の事好きだったのか?」
『え?あぁ』
答えると飛びつかれ強く抱き締められた。
『ぐ!!離せ!!』
「嬉しい」
『あ?』
「いつから好きになってくれてたか分からないけど、俺の事好きだと思ってくれてたのが嬉しい」
『…』
「俺が流星さんのこと一方的に好きなだけかと思ってた」
『…ばかやろう、学校で教師が生徒に手ェ出したら辞めさせられるだろうが。言える訳ねえじゃん』
「…」
『正解は、大我が俺のクラスに来た1年生の時からです』
「えっ」
『俺も1年の春からお前のこと好きだったんだって。2年と3年は大我のクラス受け持つことが出来なくて寂しかったんだぞー』
「マジかよ」
『それに…こんなオッサンが高校生に手出したって噂されてもアレだろ』
「だから流星さんはオッサンじゃないって」
『嬉しい…でも、やっと言えたわー』
「…なんだよそれ」
『ん?』
「ずっとお互い好きだったのかよ」
『そうだぞー。お前の俺に対する好意は分かりやすかったけどな』
「俺だけ恥ずかしい思いしてたのかよ」
『まあそう言うな。これからは、さ』
「!」
そう言って大我を組み敷いてやると、顔がだんだん赤くなっていくのが見て取れる。
『はは、かわいい』
「逆だろ…ッ!!」
『は?違うね。言っとくけど俺ドSだから』
「ッ…ざけんなッ!!」
『はいはい。まーこれからよろしく。これから二人でいっぱい思い出作ろうなー。大我クン』
「はいはい」
『花家ぁー』
「はい」
『あとで俺んとこ来い』
「分かりました」
そして放課後。
丁寧な3回ノックが化学準備室に響く。
『はい』
「…来た」
『来ました、だろ』
「うるせえ」
『ったく、そこ座れ。で、本題なんだけど』
「?」
『お前進路の紙書いて出した?出してないよな?』
「出してない」
『出せ。来週の進路説明会の割り当てに使うから出せ』
「…」
『ん?どうした?』
「いや…分かった。紙くれ」
『前配ったやつなくしたのかよ』
「まあな」
『自慢げに言うんじゃない。ほら、とりあえず今書いて今出して』
「今出して、ってエロいな」
『何言ってんだ早く書け』
「なんて書いたらいい?」
『んー、大学や専門学校ならどんな学部や学科に行きたいか、就職なら職種かな。花家まずどこに進みたい?』
「大学」
『ふんふん、で、学部は?』
「医学部」
『まじかよ…お前すげえじゃん!!』
「まあな」
『自分で言うな。まあ、今の成績落とさなかったら来年余裕でどこでも受かるだろ』
「平手先生」
『あ?』
「約束して」
『何を?』
「俺が医大受かったら付き合って」
『ん?何に?どっか行くのか?』
「ちげーよバカ」
『バカ言うな!』
「恋人として付き合ってくれ」
『え…なんで?』
「平手先生が好きだから」
『んー。できない約束はしたくないんだよね…でも大学受験、花家の人生かかってるしなあ…うん、約束する』
「ありがと、先生」
そう言われたと思えば、胸ぐらを掴まれ唇が重なった。
『…おい』
「あ?」
『まだ約束果たしてねーのに何してんだよ』
「クソ、なに落ち着いてんだよ。でも俺絶対受かるから覚悟しとけ」
『うん。応援してる』
そう約束したのが花家大我、高校二年生の春。
そして今日は来たる受験結果。
久しぶりに丁寧な3回ノックが化学準備室に響く。
『開いてます…って、うわ!!』
突進してきた何者かに押さえつけられた。
「医大受かった」
『花家か…おめでとう…』
「約束、覚えてんだろ?」
『ああ。ただ卒業まではダメだ』
「分かってる。でもいいだろ、キスぐらいは」
『は?学校でもダメだって…んぅ』
「うるせぇ」
『うるせぇ言うな!』
そうして今日がその卒業の日。
卒業式のあと教室で生徒達にこれからの話を餞別替わりに話す。クラス替えはあったが持ち上がりで1年から3年まで担当した代は初めてだったから、つい話に力が入ってしまった。
話のあとは別れを惜しむ生徒達を横目に化学準備室へ戻り一人珈琲を淹れる。
湯を沸かしていると扉が開いた。
「平手せんせー」
『ん?』
「アルバムに何か書いてー」
授業を担当したクラスの女子生徒数人だった。
その後も他クラスの生徒が代わる代わるやってきて寄せ書きをせがまれた。大したことは書けないが、たまにアルバムを開いて「ああこんな先生いたな」と思い出すくらいはして欲しいと毎度思う。
人並みがプツリと切れた頃に丁寧な3回ノックが響いた。
『開いてる』
「…」
『花家がここへ来るのも今日が最後か』
「ああ」
『今までよく頑張ったな』
花家は勉強面で一度スランプに陥り、化学準備室で化学以外の科目を教えたりした。
「先生の御指導があったからです」
『なんだ急に畏まって』
「今までありがとうございました」
『お、おう』
「正直平手先生居なかったら医大行こうと思わなかったです。だから、ありがとうございました」
『そうか。教師冥利に尽きるわ』
「と、言うのはここまでで。今日からはちゃんと俺と恋人しろよ」
『なんだその恋人するって動詞は』
「うるせぇ」
『…ったく。こんなオッサン捕まえて何が良いんだか。もう近々30歳になる男だぞ?』
「先生は若く見えるから」
『ホントかっ!?』
「ああ」
『そうか嬉しいな。嬉しいからオッサンがご飯連れて行ってあげよう。今日夜空いてるか?』
「空いてる」
『大丈夫か?家族と飯食いに行ったりしない?』
「親は今仕事で海外にいるから。なんなら忙しくて卒業式の今日も帰ってきてない」
『忙しいんだな…』
他の生徒が帰ったのを見計らって、自分たちも揃って門をくぐった。
『職員駐車場は向こう』
「先生の車あれだろ」
『なんで知ってんの』
「部活終わりに帰るの見たから」
『そうか』
「車大きいよな」
『スノボしたり釣りしたりキャンプしたりするからなー。花家はアウトドアとかしないの?』
「しない」
『ふーん。今度連れてってやるよ』
車に乗り込み出発させる。
『花家、魚介類食える?』
「寿司か?」
『うっ…当たり』
「食える」
『俺の家の近くに美味しいとこあるんだ』
「先生の家行きたい」
『いいよ』
「マジで!?」
『あ、ああ。…あれ?つー事は家で飯食うってこと?』
「それがいい」
『じゃあ何か買って帰るか』
予定を変更し、近所のデパ地下で美味しそうな惣菜を漁る。
『んー、これなら作れそうだからこれは買わない』
「じゃあこれ」
『よっしゃ、カゴ入れろ』
帰宅すると、愛猫が出迎えてくれた。
『ただいまぁ!今飯やるからなー』
「猫…」
『あ!?花家ってアレルギー持ち!?』
「いや、大丈夫。名前は?」
『しーちゃん。正式名称はシーチキン』
「シーチキン」
『家に初めて来た時猫缶のシーチキンをいっぱい食べたから、名前がシーチキン』
「センスのなさ爆発してるな」
『俺飯の準備するから、花家はテレビ見るかしーちゃんと遊んであげて。しーちゃん、そこのネズミのおもちゃ好きだぞ』
デパ地下で買ってきた惣菜を皿に盛り付け、冷蔵庫にあった食材で簡単に作ったものをテーブルに並べる。
『おーい、できたぞ』
「うん」
『しーちゃんよく懐いてるじゃん。猫飼ったことあんの?』
「ない」
『そっか。花家猫っぽいからしーちゃん懐いたのかな』
「は?」
『いやなんでもない』
自分用にワインを開け、その様子を見た花家に俺の分はないのかと問いかけられたが、未成年者に飲酒はさせられないので代わりにグレープジュースを注いでやった。
『卒業おめでとう。乾杯』
「乾杯」
『そう言えば花家はいつから俺の事好きだったの?』
「ぶっ!!!」
『きったね!ジュース吹き出すな!ほら、拭け!』
「…悪ぃ」
『で、いつから?』
「…高一の時から」
『ふーん。結構長いこと好きだったんだな。じゃあどんなとこが好きなんだ?』
「…顔がいい、声がいい、背が高い」
『ほぼ見た目じゃん』
「人は見た目が10割なんだよ」
『それは完全なる面食いの台詞だぞ』
「それと、授業するときの感じ」
『感じ?』
「いや、真剣だなあって」
『そりゃそうだよ。だってお前らの人生かかってるんだから。俺が教えられることは教えたいし』
「いや、他の教師と違うんだよ」
『そうか、ありがとう』
食事を終え、皿を食洗機に放り込んだ。
『よーし、終わり』
俺はどっかりとソファに沈み、床に転がっているしーちゃんの腹を撫でている花家を眺める。
『しーちゃんのことそんなに好きか』
「ああ」
『しーちゃん、おっとりした子だからすぐ寝るぞ…なー!しーちゃん!』
そう言ってしーちゃんの元へ行くと、ニャーと返事をしてくれた。
『ああーかわいいなしーちゃん』
「いつもこんな感じなのか」
『おん』
「かわいいな先生」
『俺かよ』
「なあもう呼び捨てでいい?流星」
『はあ?ダメに決まってんだろ。さん付けだろ』
「流星さん」
『それなら良し』
「流星さんは俺の事なんて呼んでくれるの」
『え…花家?』
「ダメ」
『えぇ…大我さん?』
「フッ」
『おい今なんで笑ったよ』
「フツー大我だろ」
『じゃあ大我』
「良い」
『なあ、大我さ』
「あ?」
『俺がいつからお前のこと好きだったと思う?』
「…」
こちらを見たままフリーズする大我。
『おーい』
「流星さん」
『ん?』
「俺の事好きだったのか?」
『え?あぁ』
答えると飛びつかれ強く抱き締められた。
『ぐ!!離せ!!』
「嬉しい」
『あ?』
「いつから好きになってくれてたか分からないけど、俺の事好きだと思ってくれてたのが嬉しい」
『…』
「俺が流星さんのこと一方的に好きなだけかと思ってた」
『…ばかやろう、学校で教師が生徒に手ェ出したら辞めさせられるだろうが。言える訳ねえじゃん』
「…」
『正解は、大我が俺のクラスに来た1年生の時からです』
「えっ」
『俺も1年の春からお前のこと好きだったんだって。2年と3年は大我のクラス受け持つことが出来なくて寂しかったんだぞー』
「マジかよ」
『それに…こんなオッサンが高校生に手出したって噂されてもアレだろ』
「だから流星さんはオッサンじゃないって」
『嬉しい…でも、やっと言えたわー』
「…なんだよそれ」
『ん?』
「ずっとお互い好きだったのかよ」
『そうだぞー。お前の俺に対する好意は分かりやすかったけどな』
「俺だけ恥ずかしい思いしてたのかよ」
『まあそう言うな。これからは、さ』
「!」
そう言って大我を組み敷いてやると、顔がだんだん赤くなっていくのが見て取れる。
『はは、かわいい』
「逆だろ…ッ!!」
『は?違うね。言っとくけど俺ドSだから』
「ッ…ざけんなッ!!」
『はいはい。まーこれからよろしく。これから二人でいっぱい思い出作ろうなー。大我クン』
「はいはい」