イ反面ライダーEX-AID
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『俺か?俺ァ…うん』
「はやくどっちか決めろよ」
『あでッ!!』
なんだこの状況はと言いますと。
家電量販店で最新型ロボット掃除機の色を青か赤かどちらの色にするかを決められなかった大我が俺に話題を振り、俺もどちらの色にするか決められず、それにキレた大我が何故か俺のケツを蹴ったという状況ですね。マジいい迷惑。
『お前ん家の買い物なんだからお前が色決めろよ』
「うるせえお前今俺と同居してるだろうが。つーことは流星、お前にも色を決める権利はある」
『そんな権利要らねえよ』
ほら店員さんの目を見てよ。
興味無さそうだし早く決めて欲しそうだよ。
可哀想だからありがとうございますとだけ伝えて、この場を離れてもらおう。俺は診療所部分には立ち入らないことに決めてるから良いけど、自宅部分も正直言って必要最低限の物しか持ち込んでいない。
ほら、大我って潔癖症とまでは行かないにしろ綺麗好きなとこがあるんだよね。だから掃除も俺やらないし。
だからもちろん掃除機の決定権は家主の大我にあると思ってるけど…。
『色なんて掃除できりゃなんでも良くね?』
「それ言ったらオメー…終わりだ」
『だったらはやく決めろよ。青で良くね?家にあるもの青っぽいもの多いし』
「そうだな」
なんだコイツ!!!
そうして青いロボット掃除機を購入した俺達は帰路に着く。
「めんどくせえからタクシー使おう」
『ん』
公共交通機関が苦手な大我はすぐタクシーを呼びたがる。株やらFXやらへの投資でそこそこお金はあるらしい。ちなみに今日ロボット掃除機が買えたのも株主優待券のおかげだったりする。
かく言う俺は売れない舞台役者で、千秋楽公演後に脱水症状でぶっ倒れて裏口で死にかけていたところを大我に目をかけてもらい今に至る。
当時治療費が払えなかった俺はすべてを売り払い、大我の家に住み込み、役者だったりバイトだったりで金を集めてなんとか完済。
今では役者の仕事もなんとか軌道に乗ってきて、今ではあの有名な2.5次元舞台まで立たせてもらっている。
それでも未だ同居を続けているのは、大我に勝手にしろと言われたからだ。ここ駅から近いし利便性高いんだよね。もちろん、ちゃんと生活費だって入れている。
後からやってきたニコには夫婦かと言われたし、役者仲間の中でも謎の男と同居しているらしいと噂されているみたいだけど。まあそんなことは気にしない。
帰宅して早速ロボット掃除機を試運転させている大我に話しかけた。
『ところで』
「なんだ」
『明日は舞台の初日公演なんだけど』
「ああ」
『見に来てくれる?』
「当たり前だろ。つか関係者チケットかなり前に貰った」
そういえばそうだった。
大我とニコに無理矢理押し付けた関係者チケット。
あれまだ持っててくれてるんだ。
『昼夜2公演の、夜の部を押さえたから。公演終わったらどこかで待ち合わせて三人でご飯食べに行こう』
「ああ。頑張れよ」
『ありがとう』
そうして迎えた初日公演。
2.5次元舞台特有の台詞回しも良かったし、アクションシーンの立ち回りも上手くできた。
パートワンの公演時から応援してくれているファンの子からも既にファンレターや花が届いていたりして、驚いた。
物販コーナーのグッズの売れ行きも好調らしい。良いスタートが切れたようだ。
でもまだ舞台のクオリティは高められるはず。楽屋でメイクを落としながらそんなことを考えていると、仲間から声をかけられた。
「平手ー」
『ん?』
「俺らこの後飲みに行くんだけど、平手もどう?」
『悪い、先約があるんだ』
「彼女?」
『違う、同居人』
「あー、噂の彼氏?」
『彼氏じゃないって。それに』
そこではたと止まる。
いかん、ここでニコの名前を出すとまたややこしい事になる。JKも同居してるだなんて言ってしまうと冷静に考えてヤバい気がする。いや冷静に考えなくても分かる。
「それに?」
『あ、そう言えば公演前に撮った写真SNSに上げても良い?』
「論点ずらすな!まあ良いけど。俺も上げるわー」
なんとか論点をずらすことに成功。
着替えを終えて、SNSへ写真を投稿するとすぐさまファンの子から今日の感想コメントが寄せられた。あとでじっくり読もう。
そそくさと楽屋を飛び出し、裏口を抜ける。
有難いことに最近はマナーの良いファンが多く、出待ちも少ない。
大我とニコはどこに居るのだろう。
連絡を取ろうとスマホを出すと、既に大我が個室料理屋を押さえているらしく、地図が送られてきていた。
『ごめん遅くなった』
着いたのは個室の割に広い焼肉屋。
「待ってねーよ」
「流星お疲れさま。めっちゃ良かった!」
迎えてくれたニコの顔が物凄く楽しげだ。楽しんでもらえて何より。
『ニコは舞台見に来るの初めてだったか』
「流星があんなにイキイキしてるの初めて見た」
『あはは』
「そうだ。見て、大我の持ってる袋。大我も隠してないで机の上に出しなよ」
なんだ?
ニコに詰め寄られ、大我は渋々と言った表情で袋の中身を机に開く。
『…俺のブロマイド?』
そう、物販コーナーで売られている俺のブロマイド。
しかも大量。
ガチャにしか入っていないキャラクターストラップなんかもきっちり買い込んであるようだ。
「ガチャは流星の役が出なくてお客さんと交換してもらってたんだよ。ウケるよね。って言って私もなんだけどー」
ニコが持っていた袋から出されたのはパンフレットと俺のプロマイド3セット。
『いや…二人ともありがとう。無理矢理チケット押し付けてごめん』
「…私は面白かったし。むしろこっちこそありがと」
「…前より演技上手くなってたな」
『!!大我、それ本当!?』
「ああ。アクションシーンもあんなに動けると思ってなかった。アクションの後でも息切れせず、台詞喋るの余裕そうだったしな。伊達に家でプロテイン飲んでな…」
『もういいよ!!二人とも褒めすぎだから!!』
家ではボロクソなのになんでこういう所だと褒めちぎるの!?恥ずかしいんだけど!!
恥ずかしがってるところでドリンクが来た。
『でも、やっぱ褒められると嬉しい』
「まあまだ初日だしな。浮かれんなよ。この調子で千秋楽まで走りきるように。次は脱水症状にならないように」
『はい。よく肝に銘じます』
「じゃあニコ、音頭を取れ」
「うん。じゃあ流星の舞台全公演成功を祈りましてー?」
「「『乾杯』」」
たんまりと肉を食べ、公演のために酒を抜く。
さあ、このまま千秋楽まで走りきろう。
「はやくどっちか決めろよ」
『あでッ!!』
なんだこの状況はと言いますと。
家電量販店で最新型ロボット掃除機の色を青か赤かどちらの色にするかを決められなかった大我が俺に話題を振り、俺もどちらの色にするか決められず、それにキレた大我が何故か俺のケツを蹴ったという状況ですね。マジいい迷惑。
『お前ん家の買い物なんだからお前が色決めろよ』
「うるせえお前今俺と同居してるだろうが。つーことは流星、お前にも色を決める権利はある」
『そんな権利要らねえよ』
ほら店員さんの目を見てよ。
興味無さそうだし早く決めて欲しそうだよ。
可哀想だからありがとうございますとだけ伝えて、この場を離れてもらおう。俺は診療所部分には立ち入らないことに決めてるから良いけど、自宅部分も正直言って必要最低限の物しか持ち込んでいない。
ほら、大我って潔癖症とまでは行かないにしろ綺麗好きなとこがあるんだよね。だから掃除も俺やらないし。
だからもちろん掃除機の決定権は家主の大我にあると思ってるけど…。
『色なんて掃除できりゃなんでも良くね?』
「それ言ったらオメー…終わりだ」
『だったらはやく決めろよ。青で良くね?家にあるもの青っぽいもの多いし』
「そうだな」
なんだコイツ!!!
そうして青いロボット掃除機を購入した俺達は帰路に着く。
「めんどくせえからタクシー使おう」
『ん』
公共交通機関が苦手な大我はすぐタクシーを呼びたがる。株やらFXやらへの投資でそこそこお金はあるらしい。ちなみに今日ロボット掃除機が買えたのも株主優待券のおかげだったりする。
かく言う俺は売れない舞台役者で、千秋楽公演後に脱水症状でぶっ倒れて裏口で死にかけていたところを大我に目をかけてもらい今に至る。
当時治療費が払えなかった俺はすべてを売り払い、大我の家に住み込み、役者だったりバイトだったりで金を集めてなんとか完済。
今では役者の仕事もなんとか軌道に乗ってきて、今ではあの有名な2.5次元舞台まで立たせてもらっている。
それでも未だ同居を続けているのは、大我に勝手にしろと言われたからだ。ここ駅から近いし利便性高いんだよね。もちろん、ちゃんと生活費だって入れている。
後からやってきたニコには夫婦かと言われたし、役者仲間の中でも謎の男と同居しているらしいと噂されているみたいだけど。まあそんなことは気にしない。
帰宅して早速ロボット掃除機を試運転させている大我に話しかけた。
『ところで』
「なんだ」
『明日は舞台の初日公演なんだけど』
「ああ」
『見に来てくれる?』
「当たり前だろ。つか関係者チケットかなり前に貰った」
そういえばそうだった。
大我とニコに無理矢理押し付けた関係者チケット。
あれまだ持っててくれてるんだ。
『昼夜2公演の、夜の部を押さえたから。公演終わったらどこかで待ち合わせて三人でご飯食べに行こう』
「ああ。頑張れよ」
『ありがとう』
そうして迎えた初日公演。
2.5次元舞台特有の台詞回しも良かったし、アクションシーンの立ち回りも上手くできた。
パートワンの公演時から応援してくれているファンの子からも既にファンレターや花が届いていたりして、驚いた。
物販コーナーのグッズの売れ行きも好調らしい。良いスタートが切れたようだ。
でもまだ舞台のクオリティは高められるはず。楽屋でメイクを落としながらそんなことを考えていると、仲間から声をかけられた。
「平手ー」
『ん?』
「俺らこの後飲みに行くんだけど、平手もどう?」
『悪い、先約があるんだ』
「彼女?」
『違う、同居人』
「あー、噂の彼氏?」
『彼氏じゃないって。それに』
そこではたと止まる。
いかん、ここでニコの名前を出すとまたややこしい事になる。JKも同居してるだなんて言ってしまうと冷静に考えてヤバい気がする。いや冷静に考えなくても分かる。
「それに?」
『あ、そう言えば公演前に撮った写真SNSに上げても良い?』
「論点ずらすな!まあ良いけど。俺も上げるわー」
なんとか論点をずらすことに成功。
着替えを終えて、SNSへ写真を投稿するとすぐさまファンの子から今日の感想コメントが寄せられた。あとでじっくり読もう。
そそくさと楽屋を飛び出し、裏口を抜ける。
有難いことに最近はマナーの良いファンが多く、出待ちも少ない。
大我とニコはどこに居るのだろう。
連絡を取ろうとスマホを出すと、既に大我が個室料理屋を押さえているらしく、地図が送られてきていた。
『ごめん遅くなった』
着いたのは個室の割に広い焼肉屋。
「待ってねーよ」
「流星お疲れさま。めっちゃ良かった!」
迎えてくれたニコの顔が物凄く楽しげだ。楽しんでもらえて何より。
『ニコは舞台見に来るの初めてだったか』
「流星があんなにイキイキしてるの初めて見た」
『あはは』
「そうだ。見て、大我の持ってる袋。大我も隠してないで机の上に出しなよ」
なんだ?
ニコに詰め寄られ、大我は渋々と言った表情で袋の中身を机に開く。
『…俺のブロマイド?』
そう、物販コーナーで売られている俺のブロマイド。
しかも大量。
ガチャにしか入っていないキャラクターストラップなんかもきっちり買い込んであるようだ。
「ガチャは流星の役が出なくてお客さんと交換してもらってたんだよ。ウケるよね。って言って私もなんだけどー」
ニコが持っていた袋から出されたのはパンフレットと俺のプロマイド3セット。
『いや…二人ともありがとう。無理矢理チケット押し付けてごめん』
「…私は面白かったし。むしろこっちこそありがと」
「…前より演技上手くなってたな」
『!!大我、それ本当!?』
「ああ。アクションシーンもあんなに動けると思ってなかった。アクションの後でも息切れせず、台詞喋るの余裕そうだったしな。伊達に家でプロテイン飲んでな…」
『もういいよ!!二人とも褒めすぎだから!!』
家ではボロクソなのになんでこういう所だと褒めちぎるの!?恥ずかしいんだけど!!
恥ずかしがってるところでドリンクが来た。
『でも、やっぱ褒められると嬉しい』
「まあまだ初日だしな。浮かれんなよ。この調子で千秋楽まで走りきるように。次は脱水症状にならないように」
『はい。よく肝に銘じます』
「じゃあニコ、音頭を取れ」
「うん。じゃあ流星の舞台全公演成功を祈りましてー?」
「「『乾杯』」」
たんまりと肉を食べ、公演のために酒を抜く。
さあ、このまま千秋楽まで走りきろう。