イ反面ライダードライブ
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ずびーっ。既に消費したティッシュはさて何枚か。
『つら…』
「ま、一日のんびりしよう?」
『マジでごめん。今日に限って風邪ひいて…』
「しょうがないよ」
今日は花火大会。それがまさか夏風邪引いて行けなくなるなんて思いもしなかった。昔から体は強かった方だし、ましてや風邪を引くなんて年に一度あるかないかだ。剛は先程から気遣って優しい言葉をかけてくれるが、本当は花火大会へ行きたくてしょうがなかったことだろう。本当にごめん。
『そうだ、テレビで花火大会の生中継あるって言ってたっけかな…』
「そうなの?」
『18時30分からだった気がする…』
「もう始まってんじゃん!?」
急げ急げとテレビを点ける。
「あよかった、まだ始まってなかった」
『ばーか、花火は19時からだよ…』
「風邪引いてまでばかなんて言うなよ…あ、甚平着よう」
『いいねえ』
「夜ご飯どうする?」
『ビール飲むからつまみでいい』
「はあ?ビール!?ほどほどにしといてよ?」
『分かってるって。でも祭りなら飲みたくなる』
「つまみ…風邪引いてるし、くどくないモノが良いか…」
スっと甚平に着替え終わってガサコソと俺の家の冷蔵庫を漁る剛。ほとんどは剛がぶっ込んだものだから、中身のことは俺より知ってる。
「冷凍の枝豆あるし、唐揚げ、は…脂っぽい?ま、俺が食べればいっか…あとは焼きそばをパパッと作るくらいかな」
『冷凍は俺がチンしておくから剛は焼きそばよろしく』
「任せとけ…つか、流星まだ着替え終わってないじゃん!病人は大人しくしてろ!」
『ここ俺の家だから。大人しくできないよ』
適当に祭りの屋台風の食べ物を作って食べて飲んで、着込んだ甚平と浴衣で花火大会の生中継を楽しむ。
「こんなのもありっしょ。もし花火大会行ってたら人混みに埋もれてたかも。クーラーガンガンに効いた部屋で見る花火大会最高」
『うん。でも…ほんとにごめん』
「気にすんなってば。だってほら、外だったら花火見ながらこんなことできないよ?」
そう言われて今の状況を、再度確認する。
人気キャラクターに似せた花火が上がっているテレビに、屋台風の夕飯が並べられたテーブル。俺を膝の間に座らせて、さらに俺の肩に顎を載せてくる剛。普段なら暑いから離れろと言ってやるのだが、クーラーガンガンの室内ではなにも言えない。
『お前なあ…風邪うつるぞ』
「いーのいーの。うつったら流星に面倒見てもらうから」
『それ俺が良くないやつじゃん』
「ひと夏の思い出としては、良くない?」
『まあ…こんな夏もありかな』
「…っしゃあ!でも来年こそは行こうね!!」
『約束する』