イ反面ライダードライブ
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『んだよ、呼び出して』
「なんかさ…」
深夜の某ファミレス。俺これ寝間着だよ、マジで寝てたんだからね、とジャージ姿の平手はぶつくさとあくびを噛み殺した。対して結婚式の三次会終わりだという早瀬はカジュアルスーツ。
普段真面目な早瀬が三次会まで残るのは珍しい。大体一次会で切り上げて、二次会、三次会に参加すること自体が稀だからだ。三次会まで参加した理由を聞くと、信頼していた同僚の結婚式だったらしい。そら出席するわなあ、と一人考える。
『で、なんなんだよ』
「いや、平手と結婚したいなぁ、と思って」
『は?』
「だから、平手と結」
『聞こえてるよ!』
よく言えるな、ファミレスで。しかも寝る寸前だった人間を呼び出して。
『熱あるのか?酒飲みすぎたか?』
手を早瀬の額に持っていくが熱はない。とすると酔ったか。
元システムエンジニアと元刑事。腕を悪くした者と脚を悪くした者。たまたま病室が一緒でベッドが隣だった。リハビリの休憩中に会話をするようになり、いつしか一緒に住む運びとなった。いわゆるルームシェア。お互い職場を離職した身なので官舎からは追い出され、さあどうしようかといったところだったのだ。そうしてルームシェアを始めて丁度半年経った本日。現在この有り様だ。
『はあ。帰ろうぜ』
早瀬が飲み食いした分を支払い、介抱しながら夜道を歩く。早瀬は明日になったらきっと今日のことなど忘れているはず。普段の真面目な早瀬に戻っているだろう。その日は睡魔が限界を迎えたため、帰宅後は早瀬をそっと布団に降ろして自室に戻り、自分は床に倒れ込んで寝てしまった。
翌日。
「起きて」
『ん…なんだ、よ…って…!!痛ってえ!!!』
「床なんかで寝てるからだろ」
『早瀬起きんの早すぎっしょ…』
「もう12時だから。平手が全然起きないから呼びに来たんだけど」
『はあ、マジかよ…お前昨日あれだけ酔っ払って何ともない訳…』
「昼飯作ったから食べよう」
のっそりと起床し、早瀬が有り物で拵えた炒飯を貪り食べる。早瀬は料理の手際が良い。味はもちろん良い。この炒飯だってパラパラしてる。寝起きの俺は脳みそが寝ていて、スプーンからパラパラとした米粒がポロポロと零れる。
「あーあ」
『ん?』
「こぼれてるよ」
たちまち早瀬が指で集めて食べた。
「で?平手はいつ結婚してくれる?」
『早瀬まだ酔ってるだろ』
「もう醒めたって」
『嘘つけ』
「一緒に暮らして分かったんだよ。平手とずっと一緒にいたいって」
『あっそ。最初一緒に住もうって言った時は三日で耐えきれずにどっちかが出てくと思ってたけど。まさか半年続くとはな。だいたい俺のどこがいいんだよ』
「平手は自分のことを見誤ってる。得体の知れない色気にみんな寄ってきてるんだよ。分かる?」
『いんや、分からん』
「もっと自覚持てよ」
『んな事言われてもなあ』
「ほら、その炒飯を食べるために開かれる唇だって一々色っぽい」
『マジかよ。早瀬重症だな 』
「ホント、毎日困ってるよ」
『そうか』
食べ終えた食器は早瀬が洗う。その間対して面白くないバラエティ番組を眺めていた。
『なあ早瀬』
「ん?」
洗い物の手を止めこちらを向く。よく見ると黒目がちでいい瞳をしているもんだ、なんて考えてしまう。
『ちゃんと早瀬の恋人するよ』
「え?」
『だから、早瀬の恋…』
「聞こえてるよ!」
あれ?これデジャブ?
『これからはしっかり早瀬のこと…』
「しっくりこないな」
『なにが?』
「下の名前で呼び合おうよ」
『何でだよ』
「結婚を前提になら、籍をとちらかに入れるという事だから名前で呼びあった方がいいかと思って」
『…あきら?』
「え?突然?首傾げないでよ」
いきなり可愛すぎて鼻血でそう、とかほざく明のことは放っておく。
「流星。流星、流星」
『呼びすぎだから。改めて、明と真面目に生活するよ』
「今まで真面目じゃなかったのか?」
『うーん…ニュアンスが違うな…つまり…明をちゃんと意識して生活する?』
「疑問系なんだ」
『とりあえず、明。今からよろしく』
「こちらこそよろしく、流星」
「なんかさ…」
深夜の某ファミレス。俺これ寝間着だよ、マジで寝てたんだからね、とジャージ姿の平手はぶつくさとあくびを噛み殺した。対して結婚式の三次会終わりだという早瀬はカジュアルスーツ。
普段真面目な早瀬が三次会まで残るのは珍しい。大体一次会で切り上げて、二次会、三次会に参加すること自体が稀だからだ。三次会まで参加した理由を聞くと、信頼していた同僚の結婚式だったらしい。そら出席するわなあ、と一人考える。
『で、なんなんだよ』
「いや、平手と結婚したいなぁ、と思って」
『は?』
「だから、平手と結」
『聞こえてるよ!』
よく言えるな、ファミレスで。しかも寝る寸前だった人間を呼び出して。
『熱あるのか?酒飲みすぎたか?』
手を早瀬の額に持っていくが熱はない。とすると酔ったか。
元システムエンジニアと元刑事。腕を悪くした者と脚を悪くした者。たまたま病室が一緒でベッドが隣だった。リハビリの休憩中に会話をするようになり、いつしか一緒に住む運びとなった。いわゆるルームシェア。お互い職場を離職した身なので官舎からは追い出され、さあどうしようかといったところだったのだ。そうしてルームシェアを始めて丁度半年経った本日。現在この有り様だ。
『はあ。帰ろうぜ』
早瀬が飲み食いした分を支払い、介抱しながら夜道を歩く。早瀬は明日になったらきっと今日のことなど忘れているはず。普段の真面目な早瀬に戻っているだろう。その日は睡魔が限界を迎えたため、帰宅後は早瀬をそっと布団に降ろして自室に戻り、自分は床に倒れ込んで寝てしまった。
翌日。
「起きて」
『ん…なんだ、よ…って…!!痛ってえ!!!』
「床なんかで寝てるからだろ」
『早瀬起きんの早すぎっしょ…』
「もう12時だから。平手が全然起きないから呼びに来たんだけど」
『はあ、マジかよ…お前昨日あれだけ酔っ払って何ともない訳…』
「昼飯作ったから食べよう」
のっそりと起床し、早瀬が有り物で拵えた炒飯を貪り食べる。早瀬は料理の手際が良い。味はもちろん良い。この炒飯だってパラパラしてる。寝起きの俺は脳みそが寝ていて、スプーンからパラパラとした米粒がポロポロと零れる。
「あーあ」
『ん?』
「こぼれてるよ」
たちまち早瀬が指で集めて食べた。
「で?平手はいつ結婚してくれる?」
『早瀬まだ酔ってるだろ』
「もう醒めたって」
『嘘つけ』
「一緒に暮らして分かったんだよ。平手とずっと一緒にいたいって」
『あっそ。最初一緒に住もうって言った時は三日で耐えきれずにどっちかが出てくと思ってたけど。まさか半年続くとはな。だいたい俺のどこがいいんだよ』
「平手は自分のことを見誤ってる。得体の知れない色気にみんな寄ってきてるんだよ。分かる?」
『いんや、分からん』
「もっと自覚持てよ」
『んな事言われてもなあ』
「ほら、その炒飯を食べるために開かれる唇だって一々色っぽい」
『マジかよ。早瀬重症だな 』
「ホント、毎日困ってるよ」
『そうか』
食べ終えた食器は早瀬が洗う。その間対して面白くないバラエティ番組を眺めていた。
『なあ早瀬』
「ん?」
洗い物の手を止めこちらを向く。よく見ると黒目がちでいい瞳をしているもんだ、なんて考えてしまう。
『ちゃんと早瀬の恋人するよ』
「え?」
『だから、早瀬の恋…』
「聞こえてるよ!」
あれ?これデジャブ?
『これからはしっかり早瀬のこと…』
「しっくりこないな」
『なにが?』
「下の名前で呼び合おうよ」
『何でだよ』
「結婚を前提になら、籍をとちらかに入れるという事だから名前で呼びあった方がいいかと思って」
『…あきら?』
「え?突然?首傾げないでよ」
いきなり可愛すぎて鼻血でそう、とかほざく明のことは放っておく。
「流星。流星、流星」
『呼びすぎだから。改めて、明と真面目に生活するよ』
「今まで真面目じゃなかったのか?」
『うーん…ニュアンスが違うな…つまり…明をちゃんと意識して生活する?』
「疑問系なんだ」
『とりあえず、明。今からよろしく』
「こちらこそよろしく、流星」