イ反面ライダードライブ
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夏。
剛と二人してサーフボード担いでビーチクルーザーで近所の海まで行って、波に乗りながら可愛い女の子を探した。
秋。
紅葉と可愛い女の子の写真を撮りに納車したばかりのJeepに乗って出かけた。
冬。
友人だと思ってたはずの剛が俺に告白した。
『なんで俺なわけ?いつから?』
「今まで流星と色んなトコ出かけたけどさ、全部楽しかった。それと意外とちゃんとしてる。あとなんか…」
『何?つか意外と、ってなんだよ』
「…なんでもない」
ここはどこにでもある駅前の大衆居酒屋のカウンター。先程駅のホームで剛が告白をしてきたことに対して流星が問いただしている最中だ。剛はハイボールでお通しを流し込んで既に顔が赤い。
「もういいって。やっぱ忘れて。さっきのナシ」
『おいなんでだよー。なんで?俺が告白の返事してないから?』
「…」
『はい図星ー』
「うっざマジうっざ。はーもー、告白するんじゃなかった」
『そー?意外と剛可愛いなって思ったよ』
「それ本気?」
『本気本気。あ、あの席の一番端の女の子可愛くね?』
「…」
剛はもう勝手にしろ、と自暴自棄になりかける。せっかく一世一代の告白をしたと言うのに。ムードもへったくれもない。
『…なあ』
「なんだよ」
心做しか返事も荒くなった。
『剛は男が好きなの?』
「違う」
『じゃあ女の子?』
「えー、うん」
『俺は?女の子?』
「違う」
『じゃあなんで?』
「…流星だから?」
『…そう』
僅かな沈黙。
『剛と初めて会った時さ…えーとどこだっけ』
「青羽のナイトクラブ」
『そう。なんであそこにいたの?』
「仕事。あとツレがいたから…」
『へえ。どんな?男?』
「うん」
『流星に似つかわしくないところだなーって思った』
「仕事で写真撮りに行っただけだよ」
『そういうこと』
なんだ?話が見えない。
初めて会った時の話は二人が会う度に幾度となく話題に出てきたから忘れるはずなんてないのに。
それでもなお流星は何かを確かめるように剛に問う。
『その時可愛い子いた?』
「だから俺はただ写真撮りに行っただけだってば」
『そー?俺は見つけたけどね』
「えっそうなの?」
『声掛けて仲良くなっちゃってさ』
「えっ」
『今でも仲良くしててさー』
知らなかった。
たしかに流星は世間で言うパリピの部類には入る。
だからあの時ナイトクラブに居たのも至極普通の事のように思える。
だが彼のそれは見た目だけであって、実際は自身が経営する飲食店や生花店の売上を伸ばすために商談や地道な売り込みをかけたりと、人知れず努力をしているのを知っている。年齢はまだ若いが、世の中を静観し動くべき時に動くタイプだ。まさに人は見かけによらないとは彼のことを表すのにぴったりな表現だと思う。
普段の行動からは想像がつかない。
「へえ…」
思わず、溜息のようなものが口から出た。その子はどんな子なんだろう。それなりに流星と親しくしてきたつもりだったけど、どの季節でも「彼女欲しい」「女探しに行こう」が口癖だったから、おおよそそんな相手が居たとは信じられない。
ていうか。俺の告白を凌いで喋り続ける流星も大概なのではないか?もう耳を塞いでしまいたい。
『え、なんで?』
流星の口から出た突然の疑問形。
「なんでって、何?」
『ニブチンが。剛のことだわ。気付けや』
そう言ってケラケラと笑う。その笑顔好きだな。
「…うぇ?女の子のことじゃなくて?」
『そ。どう?びっくりした?』
「そりゃあまあ…」
『つまり剛の告白の返事はYESということですね。あー面白かった』
「流星のこと一生嫌いになろうかと思った」
『ひどっ。なあ』
「?」
『明日花見行こうか。昨年の春に青羽で出会って一年じゃん?また四季折々楽しもう』
「うん」
剛と二人してサーフボード担いでビーチクルーザーで近所の海まで行って、波に乗りながら可愛い女の子を探した。
秋。
紅葉と可愛い女の子の写真を撮りに納車したばかりのJeepに乗って出かけた。
冬。
友人だと思ってたはずの剛が俺に告白した。
『なんで俺なわけ?いつから?』
「今まで流星と色んなトコ出かけたけどさ、全部楽しかった。それと意外とちゃんとしてる。あとなんか…」
『何?つか意外と、ってなんだよ』
「…なんでもない」
ここはどこにでもある駅前の大衆居酒屋のカウンター。先程駅のホームで剛が告白をしてきたことに対して流星が問いただしている最中だ。剛はハイボールでお通しを流し込んで既に顔が赤い。
「もういいって。やっぱ忘れて。さっきのナシ」
『おいなんでだよー。なんで?俺が告白の返事してないから?』
「…」
『はい図星ー』
「うっざマジうっざ。はーもー、告白するんじゃなかった」
『そー?意外と剛可愛いなって思ったよ』
「それ本気?」
『本気本気。あ、あの席の一番端の女の子可愛くね?』
「…」
剛はもう勝手にしろ、と自暴自棄になりかける。せっかく一世一代の告白をしたと言うのに。ムードもへったくれもない。
『…なあ』
「なんだよ」
心做しか返事も荒くなった。
『剛は男が好きなの?』
「違う」
『じゃあ女の子?』
「えー、うん」
『俺は?女の子?』
「違う」
『じゃあなんで?』
「…流星だから?」
『…そう』
僅かな沈黙。
『剛と初めて会った時さ…えーとどこだっけ』
「青羽のナイトクラブ」
『そう。なんであそこにいたの?』
「仕事。あとツレがいたから…」
『へえ。どんな?男?』
「うん」
『流星に似つかわしくないところだなーって思った』
「仕事で写真撮りに行っただけだよ」
『そういうこと』
なんだ?話が見えない。
初めて会った時の話は二人が会う度に幾度となく話題に出てきたから忘れるはずなんてないのに。
それでもなお流星は何かを確かめるように剛に問う。
『その時可愛い子いた?』
「だから俺はただ写真撮りに行っただけだってば」
『そー?俺は見つけたけどね』
「えっそうなの?」
『声掛けて仲良くなっちゃってさ』
「えっ」
『今でも仲良くしててさー』
知らなかった。
たしかに流星は世間で言うパリピの部類には入る。
だからあの時ナイトクラブに居たのも至極普通の事のように思える。
だが彼のそれは見た目だけであって、実際は自身が経営する飲食店や生花店の売上を伸ばすために商談や地道な売り込みをかけたりと、人知れず努力をしているのを知っている。年齢はまだ若いが、世の中を静観し動くべき時に動くタイプだ。まさに人は見かけによらないとは彼のことを表すのにぴったりな表現だと思う。
普段の行動からは想像がつかない。
「へえ…」
思わず、溜息のようなものが口から出た。その子はどんな子なんだろう。それなりに流星と親しくしてきたつもりだったけど、どの季節でも「彼女欲しい」「女探しに行こう」が口癖だったから、おおよそそんな相手が居たとは信じられない。
ていうか。俺の告白を凌いで喋り続ける流星も大概なのではないか?もう耳を塞いでしまいたい。
『え、なんで?』
流星の口から出た突然の疑問形。
「なんでって、何?」
『ニブチンが。剛のことだわ。気付けや』
そう言ってケラケラと笑う。その笑顔好きだな。
「…うぇ?女の子のことじゃなくて?」
『そ。どう?びっくりした?』
「そりゃあまあ…」
『つまり剛の告白の返事はYESということですね。あー面白かった』
「流星のこと一生嫌いになろうかと思った」
『ひどっ。なあ』
「?」
『明日花見行こうか。昨年の春に青羽で出会って一年じゃん?また四季折々楽しもう』
「うん」