イ反面ライダードライブ
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『進ちゃんよぉー』
そう言って開け放つドア。
「流星か」
デスクに座っていた進ちゃんはこちらに顔を向けた。
『この前お前に貸した車両事故の資料ってまだ持ってたりする?』
「あー、あるよ。もう返却した方がいい?」
『まだ持ってていいけどちょっち見せて』
「おう、今探す」
そう言ってデスクの引き出しを漁りはじめた。
「…あった。ほい」
『ありがと進ちゃん』
「流星、進ちゃん呼びはいい加減やめろよ」
『こればっかりは抜けないよ。警察学校からの癖だ』
「ったく」
そう言ってポットに歩み寄り、コーヒーを淹れてくれる進ちゃん。俺がソファにどっかり沈み込んだところを見て、長居すると判断したんだろう。
『んー試験場って居心地悪いね』
資料に目を通しながらポツリと呟いてみる。
コーヒー淹れてもらってなんだけど、悪口ごめんね進ちゃん。
「うるさいな流星」
そう言った彼はこちらを見ずに一心不乱、ミニカーをタオルでふきふきしてる。
『進ちゃん…それなにさ…』
「シフトカー」
『シフ…なんて???』
謎だ。
『そんなモン何に使うんだよ』
「ああ、シフトブレスにセットして使うの」
『なんだそれ』
「…」
無視ですかい。そんなにミニカーの手入れが大事ですかい。呆れた俺はホワイトボードに目をやる。なんだか写真がたくさん貼ってあって…
『機械生命体か』
このところ大量発生もいいところ。
『こいつらなんなんだよ、一体』
警察の拳銃が効かないらしいし。
『倒せるヤツと言えばあの仮面ライダーくらいだよな』
仮面ライダーとかいうのもまだ謎だけど。
「…す」
『え?』
「倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す」
やっと口を開いた進ちゃんはそう言いながらシフトカーとかなんとか言うやつをさっきよりも早いスピードで磨き始めた。……す、すり減りそうだ!!!!!
『どうした!?おおおおおおお落ち着け!!!』
「たおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおす」
『バカ!やめろ!進ちゃん落ち着け!!』
慌ててソファから飛び起きて進ちゃんの手を止めさせる。それ以上やられると見ているこっちが怖い。
もはや狂気の沙汰だ。
「…俺にしか出来ないんだよ」
手を止めた進ちゃんは椅子に脱力して宙を仰いだ。
『仮面ライダー、か?』
こういう時の勘はだいたい当たる。というか、ここで外すヤツがいるのなら見てみたい。
「そうだよ。俺が仮面ライダーさ」
手を広げて上げて、そして下ろした。
『…そうか。なんとなく、分かってたけどな』
「なんで?」
不思議そうな顔で俺を見る進ちゃん。なんかそのキョロっとした目がいつになくかわいいぞ。
『ニュースで流れる映像見てて分かったんだけど、戦い方だよ。警察学校でお前と剣道や柔道、それに逮捕術、何度も対戦しただろ?お前の癖は今でもハッキリ覚えてるから』
「ああ…なるほど…」
『懐かしいな、あの頃は必死だった』
「ああ」
『…』
「…」
『っと。思い出にふけるのはここまでにして。資料ありがとうな』
「おう」
『頑張れよ、『仮面ライダー』』
資料を進ちゃんの手に戻しながら呟いた。
「!」
進ちゃんの驚く顔。
『はっ。久しぶりに見たわ、進ちゃんの本気で驚く顔』
「…」
『じゃ、お互い頑張ろうや。課は違えど同期。数少ない同期。な…』
振り返って数歩歩いて特状課のドアを開け…
「流星」
進ちゃんに呼び止められ。
『ん?』
なんの気なしに
進ちゃんの方をまた振り返って…
「ありがとう」
気がついたら
目の先ほどに進ちゃんが居て。
抱きしめられた。
「俺さ、時々怖くなるんだ。得体の知れない大きな闇が向こうに広がっているようで、仮面ライダーになる自分にも怖くなる。不安もある。だから、今日流星に特状課のドアを開けてもらえて、ここに足を運んでもらえて…ほんと良かった」
『辛かったな、今まで』
進ちゃんの頬を撫でてやる。
「っ…」
『早く俺に言えば良かったのに』
「出来なかったんだ」
『どうして?』
「ロイミュードの大量発生で…」
『ロイミュー…』
「機会生命体の別名」
「へえ。」
「ロイミュードの関わる事件の処理に追われてて…それで…」
『もう言わなくていいから』
頭も撫でてやる。
「んんん…」
擦り寄る進ちゃん。猫かよ。
『今まで猫いっぱい飼ってきたけど、こんな大きな猫初めてだなぁ』
「ん」
さらに強く抱きしめられた。
『ん、じゃないよ、まったく。俺はいつまでこうしてりゃいいの?』
「俺の気が済むまで…」
『へいへい。とりあえずさ、ソファ…』
こんなドアの前でもアレでしょ。
『特状課の人達帰ってくるよ。あの…霧子ちゃん、とか』
「いい」
『や、良くないでしょ』
「帰ってこなくていい」
『良くないよ、まったく。どーしてこんななったのかねぇ』
「あと少しだけ」
『…分かったよ』
そう言って開け放つドア。
「流星か」
デスクに座っていた進ちゃんはこちらに顔を向けた。
『この前お前に貸した車両事故の資料ってまだ持ってたりする?』
「あー、あるよ。もう返却した方がいい?」
『まだ持ってていいけどちょっち見せて』
「おう、今探す」
そう言ってデスクの引き出しを漁りはじめた。
「…あった。ほい」
『ありがと進ちゃん』
「流星、進ちゃん呼びはいい加減やめろよ」
『こればっかりは抜けないよ。警察学校からの癖だ』
「ったく」
そう言ってポットに歩み寄り、コーヒーを淹れてくれる進ちゃん。俺がソファにどっかり沈み込んだところを見て、長居すると判断したんだろう。
『んー試験場って居心地悪いね』
資料に目を通しながらポツリと呟いてみる。
コーヒー淹れてもらってなんだけど、悪口ごめんね進ちゃん。
「うるさいな流星」
そう言った彼はこちらを見ずに一心不乱、ミニカーをタオルでふきふきしてる。
『進ちゃん…それなにさ…』
「シフトカー」
『シフ…なんて???』
謎だ。
『そんなモン何に使うんだよ』
「ああ、シフトブレスにセットして使うの」
『なんだそれ』
「…」
無視ですかい。そんなにミニカーの手入れが大事ですかい。呆れた俺はホワイトボードに目をやる。なんだか写真がたくさん貼ってあって…
『機械生命体か』
このところ大量発生もいいところ。
『こいつらなんなんだよ、一体』
警察の拳銃が効かないらしいし。
『倒せるヤツと言えばあの仮面ライダーくらいだよな』
仮面ライダーとかいうのもまだ謎だけど。
「…す」
『え?』
「倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す」
やっと口を開いた進ちゃんはそう言いながらシフトカーとかなんとか言うやつをさっきよりも早いスピードで磨き始めた。……す、すり減りそうだ!!!!!
『どうした!?おおおおおおお落ち着け!!!』
「たおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおすたおす」
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慌ててソファから飛び起きて進ちゃんの手を止めさせる。それ以上やられると見ているこっちが怖い。
もはや狂気の沙汰だ。
「…俺にしか出来ないんだよ」
手を止めた進ちゃんは椅子に脱力して宙を仰いだ。
『仮面ライダー、か?』
こういう時の勘はだいたい当たる。というか、ここで外すヤツがいるのなら見てみたい。
「そうだよ。俺が仮面ライダーさ」
手を広げて上げて、そして下ろした。
『…そうか。なんとなく、分かってたけどな』
「なんで?」
不思議そうな顔で俺を見る進ちゃん。なんかそのキョロっとした目がいつになくかわいいぞ。
『ニュースで流れる映像見てて分かったんだけど、戦い方だよ。警察学校でお前と剣道や柔道、それに逮捕術、何度も対戦しただろ?お前の癖は今でもハッキリ覚えてるから』
「ああ…なるほど…」
『懐かしいな、あの頃は必死だった』
「ああ」
『…』
「…」
『っと。思い出にふけるのはここまでにして。資料ありがとうな』
「おう」
『頑張れよ、『仮面ライダー』』
資料を進ちゃんの手に戻しながら呟いた。
「!」
進ちゃんの驚く顔。
『はっ。久しぶりに見たわ、進ちゃんの本気で驚く顔』
「…」
『じゃ、お互い頑張ろうや。課は違えど同期。数少ない同期。な…』
振り返って数歩歩いて特状課のドアを開け…
「流星」
進ちゃんに呼び止められ。
『ん?』
なんの気なしに
進ちゃんの方をまた振り返って…
「ありがとう」
気がついたら
目の先ほどに進ちゃんが居て。
抱きしめられた。
「俺さ、時々怖くなるんだ。得体の知れない大きな闇が向こうに広がっているようで、仮面ライダーになる自分にも怖くなる。不安もある。だから、今日流星に特状課のドアを開けてもらえて、ここに足を運んでもらえて…ほんと良かった」
『辛かったな、今まで』
進ちゃんの頬を撫でてやる。
「っ…」
『早く俺に言えば良かったのに』
「出来なかったんだ」
『どうして?』
「ロイミュードの大量発生で…」
『ロイミュー…』
「機会生命体の別名」
「へえ。」
「ロイミュードの関わる事件の処理に追われてて…それで…」
『もう言わなくていいから』
頭も撫でてやる。
「んんん…」
擦り寄る進ちゃん。猫かよ。
『今まで猫いっぱい飼ってきたけど、こんな大きな猫初めてだなぁ』
「ん」
さらに強く抱きしめられた。
『ん、じゃないよ、まったく。俺はいつまでこうしてりゃいいの?』
「俺の気が済むまで…」
『へいへい。とりあえずさ、ソファ…』
こんなドアの前でもアレでしょ。
『特状課の人達帰ってくるよ。あの…霧子ちゃん、とか』
「いい」
『や、良くないでしょ』
「帰ってこなくていい」
『良くないよ、まったく。どーしてこんななったのかねぇ』
「あと少しだけ」
『…分かったよ』
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