イ反面ライダー鎧武
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
上着着てリュック背負って帽子かぶってマスクして。防寒と花粉対策はこれでバッチリだ。よし、行こう。
「いってきます」
「ちょっと、流星どこ行くの?」
リビングから玄関へ顔を覗かせたのは姉ちゃんだ。
「ドルーパーズ。さっき言ったじゃん」
「ちゃんとマフラー巻いた?今日は特別寒いみたいだから」
「帽子とマスクありゃオッケーだーって」
「そう。じゃあ行ってらっしゃい」
「んー」
玄関を出るとやっぱり寒かった。
ひええ。うおおお。さみいいい。なんてぶつくさ言いながら歩く。当然ながら、こんなクソ寒い中、道を歩いてるのは俺だけだ。常人ならこたつでぬくぬく過ごしてる。我ながらアホだな。15分歩いてようやく目的地に到着。入口のドアを開けると「よう流星、いらっしゃい」と、坂東さんが迎えてくれた。
「外寒いよ」
「だろうな。おかげで今日はお前が初めての客だ」
「まじかよ...って、あれ?いつものバイトさんは?」
帽子と上着を脱いでカウンターに腰掛けながら坂東さんに尋ねた。キョロキョロと探してみるが、坂東さん以外の人が見当たらない。
「ああ、あいつ今日は休み。バカでも風邪は引くらしい」
「バカって...」
「で、注文は?いつものでいいか?」
「うん...あ、よくないよくない。今日はあったかいモンがいい」
「だよな...こんなクソ寒いのに2段アイスパフェ食う訳ねーよな...」
「俺もバカじゃないんでね...そんなん食ったら風邪引いて腹壊して寝込むわ」
「そうか、じゃあなに頼むんだ?」
「んーーー、ホットココアと苺グラタン...にバニラアイスのっけて」
「アイス食うんだな」
「俺バカだったみたい」
「だな。注文はそれでいいか?」
「はい、お願いします」
早速調理を開始した坂東さん。カウンター越しに見る背中はいつ見てもかっこいい。料理できる人ってかっこいいよなあ。惚れそうだよ...。
「坂東さんかっこいー」
調理している坂東さんに声をかける。
「おう、ありがと」
後ろ手に手を挙げて応えてくれた。カラン、とドアベルが鳴った。
「おう、いらっしゃい戒斗」
坂東さんが音のした方へ振り返り、声をかけた。
「ああ」
見たことあるぞ。
この街のダンスチーム、チームバロンのリーダーだ。
俺は毎日のように此処へ来るが、彼も結構な頻度で来ている...はず。何頼んでるかは知らないけどさ。...って
「なんで隣に座るんすか!」
「隣じゃない。一つ空けた」
あ、コイツ細かいところいちいち突っ込むタイプかな。まあいいや。それはさておき、こいつは何を頼むんだろう。
「戒斗、お前はいつものやつか?」
「いや、コーヒーとバナナグラタンを頼む」
「そうか、グラタンか、丁度いいな。そいつもグラタン頼んだから一緒に焼くわ...すまん流星、ちょっと遅くなる」
「いーっすいーっす」
こいつもグラタンかよ...悶々とそんなことを考えているうちにグラタンが出来上がったようだ。
「はい。流星、遅くなってごめんな。詫びに苺多めに入れといた」
「ありがとう!さっすが坂東さん!!」
うん、美味い。ココアとも合うな。ノリノリでグラタンを食べていたらあいつの視線が俺のグラタンへ注がれていることに気が付いた。
「...い、いります?」
なんだか自分でも良く分からないまま、スプーンでグラタンを掬い、戒斗へ差し出していた。ちなみに俺は左利きだから、左にいる戒斗にはすいっとスプーンを差し出せる。…が、なぜだ!なぜ俺はこいつにスプーンを差し出している!おかしいな...
「いる」
ニヤっと笑ったそいつはさも満足そうにスプーンをくわえた。子供かよ。
「俺のも欲しいか?」
「え、あ、欲しいです」
そう答えると、バナナ多めにスプーンに掬い、俺の口元へ持ってきてくれた。まあ、食べたくないこともなかったから俺は食べた。
「おいしい」
「当たり前だ。バナナだからな」
いやその理屈、意味分かんねーよ。
「お前ら何いちゃついてんだよ」
坂東さんがため息を吐きながら漏らした。
「はあ!?坂東さんにはそんな風に見えるの!?目ぇ腐ってるよ!!」
「ひでーなオイ!」
ちょっと声を荒らげる坂東さん。マジギレしたらヤのつく職業の方も圧倒するなこりゃ...
「...でも確かに男二人が食いもんシェアしてるのあんまり見ないな」
ちょっと納得する俺。
「だろ」
「なんで俺からスプーン差し出しちゃったんだろう...」
「流星は戒斗のことが好きか?」
「知らねーよ!こいつとはほぼ初対面だぜ???」
「俺は好きだがな」
そう答えた戒斗はいつの間にか完食し、コーヒーを楽しんでいた。
「なんでそうなるんだよ!」
「からかって言ってるわけじゃない」
「じゃあなんだよ!」
「坂東さん、会計」
戒斗は席を立ち、レジへ向かった。
「おい話逸らすなよ!」
「戒斗はな、ここへ来る度にお前の兄貴の分のパフェ代払うんだぜ?」
坂東さんはレジを打ちながらそんなことを零した。
「えっホント?」
「ああ、本当だ」
「なんで?」
「それは本人に聞いたらどうだ?」
坂東さんは戒斗にちらっと目配せをしているが、戒斗は知らんぷりだ。
「あー...戒斗、なんで兄貴の分払ってくれるの?」
「お前の顔に免じて、だ」
「どういう意味だよ」
こいつ意味分からん...あ。
「お腹痛い」
「バカだな流星アイス食ったら風邪引いて腹壊して寝込むとかほざいてたのどこのどいつだよ」
「痛い...」
「ったく」
坂東さんは俺の腹を気遣いながら奥の部屋に設置してあるソファまで支えてくれた。
「坂東さんイッケメーン...」
「そんなバカみたいなことほざいてんなら帰れ」
「オトナシクネテマス」
「それでよし。...おい、戒斗、流星のこと見ててくれ。お客さん来たみたいだからな」
「ああ」
えええええこいつと二人っきりかよ。
「腹痛い...」
ソファで丸まる俺。
「自業自得ってやつだ」
鼻を鳴らす戒斗。
「うっせ...くそっ。こんな状態じゃなけりゃ一発殴ってるわ...」
「俺はこうやってお前と話せる機会が持てて嬉しい」
「あっそ。俺には話す事なんてねーよ...腹痛いから」
「キリキリか?」
「は、いきなりなんだよ...」
「痛み方の話だ」
「...キリキリです」
突然かよ。
「仕方ないな」
「っ!?」
あいつが俺の腹に手を当ててやがる...
「なにしてくれてんだ」
「腹痛いんだろ、静かにしろ」
「いやあの...」
「お前は俺が嫌いか?」
「ああ、嫌いだ。だから今すぐ手を退けろ」
なんでそんな不満そうな顔するんだよ。つか、不満なのはこっちだ!だあああ、でも腹が...ぎゅるぎゅるいってる...本格的に下痢止めかなにか飲まないとあかんやつや...自分のアホ...なおも戒斗は俺の腹に手を当て続けている。戒斗の手がやけに暖かい。
「あったかいな...」
ボソリと呟いた俺の言葉を逃さず聞いていた戒斗。意表を突かれた、みたいな顔をしてこちらを見ている。あ、その顔好きかも...
「お前そんな顔するんだ...眉間にシワ寄せてるより良いじゃん...」
「なっ...」
「好きだなー、その顔。あ、俺なんかキモいこと言ってるね」
「うるさい。お前といるとどんな顔をすればいいのか分からん」
「んーーー...笑ってりゃいいんだよ。俺お前のムスっとした顔嫌い」
「いってきます」
「ちょっと、流星どこ行くの?」
リビングから玄関へ顔を覗かせたのは姉ちゃんだ。
「ドルーパーズ。さっき言ったじゃん」
「ちゃんとマフラー巻いた?今日は特別寒いみたいだから」
「帽子とマスクありゃオッケーだーって」
「そう。じゃあ行ってらっしゃい」
「んー」
玄関を出るとやっぱり寒かった。
ひええ。うおおお。さみいいい。なんてぶつくさ言いながら歩く。当然ながら、こんなクソ寒い中、道を歩いてるのは俺だけだ。常人ならこたつでぬくぬく過ごしてる。我ながらアホだな。15分歩いてようやく目的地に到着。入口のドアを開けると「よう流星、いらっしゃい」と、坂東さんが迎えてくれた。
「外寒いよ」
「だろうな。おかげで今日はお前が初めての客だ」
「まじかよ...って、あれ?いつものバイトさんは?」
帽子と上着を脱いでカウンターに腰掛けながら坂東さんに尋ねた。キョロキョロと探してみるが、坂東さん以外の人が見当たらない。
「ああ、あいつ今日は休み。バカでも風邪は引くらしい」
「バカって...」
「で、注文は?いつものでいいか?」
「うん...あ、よくないよくない。今日はあったかいモンがいい」
「だよな...こんなクソ寒いのに2段アイスパフェ食う訳ねーよな...」
「俺もバカじゃないんでね...そんなん食ったら風邪引いて腹壊して寝込むわ」
「そうか、じゃあなに頼むんだ?」
「んーーー、ホットココアと苺グラタン...にバニラアイスのっけて」
「アイス食うんだな」
「俺バカだったみたい」
「だな。注文はそれでいいか?」
「はい、お願いします」
早速調理を開始した坂東さん。カウンター越しに見る背中はいつ見てもかっこいい。料理できる人ってかっこいいよなあ。惚れそうだよ...。
「坂東さんかっこいー」
調理している坂東さんに声をかける。
「おう、ありがと」
後ろ手に手を挙げて応えてくれた。カラン、とドアベルが鳴った。
「おう、いらっしゃい戒斗」
坂東さんが音のした方へ振り返り、声をかけた。
「ああ」
見たことあるぞ。
この街のダンスチーム、チームバロンのリーダーだ。
俺は毎日のように此処へ来るが、彼も結構な頻度で来ている...はず。何頼んでるかは知らないけどさ。...って
「なんで隣に座るんすか!」
「隣じゃない。一つ空けた」
あ、コイツ細かいところいちいち突っ込むタイプかな。まあいいや。それはさておき、こいつは何を頼むんだろう。
「戒斗、お前はいつものやつか?」
「いや、コーヒーとバナナグラタンを頼む」
「そうか、グラタンか、丁度いいな。そいつもグラタン頼んだから一緒に焼くわ...すまん流星、ちょっと遅くなる」
「いーっすいーっす」
こいつもグラタンかよ...悶々とそんなことを考えているうちにグラタンが出来上がったようだ。
「はい。流星、遅くなってごめんな。詫びに苺多めに入れといた」
「ありがとう!さっすが坂東さん!!」
うん、美味い。ココアとも合うな。ノリノリでグラタンを食べていたらあいつの視線が俺のグラタンへ注がれていることに気が付いた。
「...い、いります?」
なんだか自分でも良く分からないまま、スプーンでグラタンを掬い、戒斗へ差し出していた。ちなみに俺は左利きだから、左にいる戒斗にはすいっとスプーンを差し出せる。…が、なぜだ!なぜ俺はこいつにスプーンを差し出している!おかしいな...
「いる」
ニヤっと笑ったそいつはさも満足そうにスプーンをくわえた。子供かよ。
「俺のも欲しいか?」
「え、あ、欲しいです」
そう答えると、バナナ多めにスプーンに掬い、俺の口元へ持ってきてくれた。まあ、食べたくないこともなかったから俺は食べた。
「おいしい」
「当たり前だ。バナナだからな」
いやその理屈、意味分かんねーよ。
「お前ら何いちゃついてんだよ」
坂東さんがため息を吐きながら漏らした。
「はあ!?坂東さんにはそんな風に見えるの!?目ぇ腐ってるよ!!」
「ひでーなオイ!」
ちょっと声を荒らげる坂東さん。マジギレしたらヤのつく職業の方も圧倒するなこりゃ...
「...でも確かに男二人が食いもんシェアしてるのあんまり見ないな」
ちょっと納得する俺。
「だろ」
「なんで俺からスプーン差し出しちゃったんだろう...」
「流星は戒斗のことが好きか?」
「知らねーよ!こいつとはほぼ初対面だぜ???」
「俺は好きだがな」
そう答えた戒斗はいつの間にか完食し、コーヒーを楽しんでいた。
「なんでそうなるんだよ!」
「からかって言ってるわけじゃない」
「じゃあなんだよ!」
「坂東さん、会計」
戒斗は席を立ち、レジへ向かった。
「おい話逸らすなよ!」
「戒斗はな、ここへ来る度にお前の兄貴の分のパフェ代払うんだぜ?」
坂東さんはレジを打ちながらそんなことを零した。
「えっホント?」
「ああ、本当だ」
「なんで?」
「それは本人に聞いたらどうだ?」
坂東さんは戒斗にちらっと目配せをしているが、戒斗は知らんぷりだ。
「あー...戒斗、なんで兄貴の分払ってくれるの?」
「お前の顔に免じて、だ」
「どういう意味だよ」
こいつ意味分からん...あ。
「お腹痛い」
「バカだな流星アイス食ったら風邪引いて腹壊して寝込むとかほざいてたのどこのどいつだよ」
「痛い...」
「ったく」
坂東さんは俺の腹を気遣いながら奥の部屋に設置してあるソファまで支えてくれた。
「坂東さんイッケメーン...」
「そんなバカみたいなことほざいてんなら帰れ」
「オトナシクネテマス」
「それでよし。...おい、戒斗、流星のこと見ててくれ。お客さん来たみたいだからな」
「ああ」
えええええこいつと二人っきりかよ。
「腹痛い...」
ソファで丸まる俺。
「自業自得ってやつだ」
鼻を鳴らす戒斗。
「うっせ...くそっ。こんな状態じゃなけりゃ一発殴ってるわ...」
「俺はこうやってお前と話せる機会が持てて嬉しい」
「あっそ。俺には話す事なんてねーよ...腹痛いから」
「キリキリか?」
「は、いきなりなんだよ...」
「痛み方の話だ」
「...キリキリです」
突然かよ。
「仕方ないな」
「っ!?」
あいつが俺の腹に手を当ててやがる...
「なにしてくれてんだ」
「腹痛いんだろ、静かにしろ」
「いやあの...」
「お前は俺が嫌いか?」
「ああ、嫌いだ。だから今すぐ手を退けろ」
なんでそんな不満そうな顔するんだよ。つか、不満なのはこっちだ!だあああ、でも腹が...ぎゅるぎゅるいってる...本格的に下痢止めかなにか飲まないとあかんやつや...自分のアホ...なおも戒斗は俺の腹に手を当て続けている。戒斗の手がやけに暖かい。
「あったかいな...」
ボソリと呟いた俺の言葉を逃さず聞いていた戒斗。意表を突かれた、みたいな顔をしてこちらを見ている。あ、その顔好きかも...
「お前そんな顔するんだ...眉間にシワ寄せてるより良いじゃん...」
「なっ...」
「好きだなー、その顔。あ、俺なんかキモいこと言ってるね」
「うるさい。お前といるとどんな顔をすればいいのか分からん」
「んーーー...笑ってりゃいいんだよ。俺お前のムスっとした顔嫌い」
1/5ページ