イ反面ライダー鎧武
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「あ。」
オフィス内の長い廊下ですれ違った。
あれは確か。呉島貴虎さんだ。
「あの人...」
「流星知ってるの?」
隣を歩く上司が俺に尋ねる。
「ええ。というか、この会社に勤めるものとしては知っていて当然だと思いますが」
「はは、そんなこと言うの君くらいなモンだよ。この会社も相当?かなり?結構?でっかいからねえ。各部署に点在する主任の顔と名前一致させんの、ホンット一苦労なんだから」
「そんなこと言って、どうせ呉島さんしか覚えてないんでしょう」
「あ、バレた?」
「あなたがいちいち顔と名前覚えるような人じゃないことくらい知ってます」
「ひっどい言い草だねえ」
「そうですか?妥当だと思いますが」
「うわ、グサグサ胸に刺さる」
「そんなこと言ってないで早く研究室戻りましょうよ」
「つれないねえ。コーヒー奢ってあげようと思って連れ出したのに」
「データ報告のために連れ出したんでしょう...でもそういうことは早く言ってください」
「コーヒー欲しいの?」
「はい、とても」
「仕方ないなあ」
「おい、戦極」
そう言って俺らの会話を遮ったのは先程すれ違った呉島さんだった。どうやら戻ってきたらしい。
「どうしたの?貴虎」
「お前に用事があって研究室に行ったんだが不在だと言われてな。戻ろうとしたところだ」
「ふーん。なんの用事?」
「いや、もう解決した」
「あっそう。じゃあ私は用無しか」
「今日のところはな」
「退勤できる?退勤」
「研究が残ってるだろう」
「はいはいそうでしたね...さ、流星戻ろうか」
ぼうっと上司と呉島さんの会話を聞き流していた俺は突然声を掛けられ、戸惑う。
「はあ...」
なんとも気の抜けた返事をしてしまった...
「あ、ダメじゃん、このまま戻っちゃダメじゃん。流星にコーヒー奢ってないもん」
俺も忘れていた。言われなきゃ思い出せなかった。ついさっき話してたことなのに。ボケか、ボケが来たか。
「じゃ、そういうことだから。失礼するよ、貴虎」
「ああ」
「失礼します」
右に続いて言った俺にチラリ、と呉島さんが俺に目をやる。
「ああ」
そう言いながらなぜか俺から目を離そうとしない呉島さん。
んん、どうしたものか。目を逸らすってのも考えものか...
そう考えながら呉島さんを見つめ返す。
...微妙な何ともいえない時間が流れた。
「...君たち、何を見つめ合っているのさ」
状況を打開したのは俺の上司だった。
「恋?もしかして恋?あーまあ流星は可愛いから貴虎も見とれちゃうよねえ。まあ可愛いいって言っても流星の場合女の子っぽい、とかじゃなくてさ。男の子として?うーん、色気?」
この上司は何をベラベラ喋りまくっているんだ。
「何言ってんですか。呉島さん困惑なさってますよ」
「いや、困ってはない。解決したからいい」
すかさず呉島さんに否定された...が
「?何が解決したんですか?」
「なんでもない」
そう言って足早に歩き去る呉島さん。
「なんでもない、って...」
そんなことを言われた俺はプチショックに浸る。
「貴虎にとってはなんでもあることだろうけどね」
「一体なにが解決したんでしょうか」
「あれじゃない?私が語った、君について」
「?」
「言わせるの?もう仕方ないなあ。ほら、言ったじゃん。色気?とか」
「ああ、ベラベラ喋りまくってたアレか...」
「うわ!またひどい言い草!」
「当然でしょう。あんな大声出して廊下でベラベラ喋りまくって」
「はいはいごめんなさい反省してますーお詫びとしてコーヒー奢りますー」
「......」
「...自販機か12階に入ってる店か、どちらがいい?」
「...12階」
「...ふふ、そう言うと思ったよ。行こうか」
そう言って上司は俺の手をとり、研究室のドアの前を通り抜けた。
オフィス内の長い廊下ですれ違った。
あれは確か。呉島貴虎さんだ。
「あの人...」
「流星知ってるの?」
隣を歩く上司が俺に尋ねる。
「ええ。というか、この会社に勤めるものとしては知っていて当然だと思いますが」
「はは、そんなこと言うの君くらいなモンだよ。この会社も相当?かなり?結構?でっかいからねえ。各部署に点在する主任の顔と名前一致させんの、ホンット一苦労なんだから」
「そんなこと言って、どうせ呉島さんしか覚えてないんでしょう」
「あ、バレた?」
「あなたがいちいち顔と名前覚えるような人じゃないことくらい知ってます」
「ひっどい言い草だねえ」
「そうですか?妥当だと思いますが」
「うわ、グサグサ胸に刺さる」
「そんなこと言ってないで早く研究室戻りましょうよ」
「つれないねえ。コーヒー奢ってあげようと思って連れ出したのに」
「データ報告のために連れ出したんでしょう...でもそういうことは早く言ってください」
「コーヒー欲しいの?」
「はい、とても」
「仕方ないなあ」
「おい、戦極」
そう言って俺らの会話を遮ったのは先程すれ違った呉島さんだった。どうやら戻ってきたらしい。
「どうしたの?貴虎」
「お前に用事があって研究室に行ったんだが不在だと言われてな。戻ろうとしたところだ」
「ふーん。なんの用事?」
「いや、もう解決した」
「あっそう。じゃあ私は用無しか」
「今日のところはな」
「退勤できる?退勤」
「研究が残ってるだろう」
「はいはいそうでしたね...さ、流星戻ろうか」
ぼうっと上司と呉島さんの会話を聞き流していた俺は突然声を掛けられ、戸惑う。
「はあ...」
なんとも気の抜けた返事をしてしまった...
「あ、ダメじゃん、このまま戻っちゃダメじゃん。流星にコーヒー奢ってないもん」
俺も忘れていた。言われなきゃ思い出せなかった。ついさっき話してたことなのに。ボケか、ボケが来たか。
「じゃ、そういうことだから。失礼するよ、貴虎」
「ああ」
「失礼します」
右に続いて言った俺にチラリ、と呉島さんが俺に目をやる。
「ああ」
そう言いながらなぜか俺から目を離そうとしない呉島さん。
んん、どうしたものか。目を逸らすってのも考えものか...
そう考えながら呉島さんを見つめ返す。
...微妙な何ともいえない時間が流れた。
「...君たち、何を見つめ合っているのさ」
状況を打開したのは俺の上司だった。
「恋?もしかして恋?あーまあ流星は可愛いから貴虎も見とれちゃうよねえ。まあ可愛いいって言っても流星の場合女の子っぽい、とかじゃなくてさ。男の子として?うーん、色気?」
この上司は何をベラベラ喋りまくっているんだ。
「何言ってんですか。呉島さん困惑なさってますよ」
「いや、困ってはない。解決したからいい」
すかさず呉島さんに否定された...が
「?何が解決したんですか?」
「なんでもない」
そう言って足早に歩き去る呉島さん。
「なんでもない、って...」
そんなことを言われた俺はプチショックに浸る。
「貴虎にとってはなんでもあることだろうけどね」
「一体なにが解決したんでしょうか」
「あれじゃない?私が語った、君について」
「?」
「言わせるの?もう仕方ないなあ。ほら、言ったじゃん。色気?とか」
「ああ、ベラベラ喋りまくってたアレか...」
「うわ!またひどい言い草!」
「当然でしょう。あんな大声出して廊下でベラベラ喋りまくって」
「はいはいごめんなさい反省してますーお詫びとしてコーヒー奢りますー」
「......」
「...自販機か12階に入ってる店か、どちらがいい?」
「...12階」
「...ふふ、そう言うと思ったよ。行こうか」
そう言って上司は俺の手をとり、研究室のドアの前を通り抜けた。