イ反面ライダー555
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ああ、まただ。夢を見た。
流星は布団から起き上がり時間を確認する。3:20。起床には早すぎる時間だ。とりあえず汗で張り付くTシャツを脱ぎたいと立ち上がり、部屋干しのTシャツを手に取って着替えた。
しかし、一度起きてしまうと眠りづらい。布団に戻り自然にまぶたが閉じるのを待ってみたが一向にその時は現れない。しかし気がついたらいつの間にか寝ていて、朝になっていた。
『いってきます』
誰もいない部屋に声をかけ家を出る。防犯のためにいってきますとただいまは言うのよ、と、冴子さんが教えてくれた。
ラッキークローバーの面子は総じて流星に甘いところがある。中でも冴子は流星のオルフェノクとしての覚醒を見守った言わば母のような存在であるためか、何かにつけて流星に小言を言うのだ。尤も、冴子と流星は四歳しか変わらないのだが。
出社早々、社員専用端末に連絡が入った。琢磨さんがお呼びだ。
『やあ、琢磨さん』
「…あぁ」
バー・クローバー開店前。2人は手頃なファミレスに集った。遅れてやってきた琢磨は喫煙席からヒラヒラと手を振る流星を二度見した。
「誰が煙草なんてモノ、貴方に渡したんです?ついこの間成人したから良いとはいえ…。そんな姿、冴子さんが見たら泣いちゃいますよ」
『冴子さんもう知ってるよ』
「冴子さんはなんて言ってたんです」
『「貴方ももう子どもじゃないから」って。冴子さんから認められるのってなんか嬉しいよね。ねえ、琢磨さん』
「はあ…。本題を切り出してもいいですか」
そうだ。本題を忘れるところだった。聞けば、裏切り者のオルフェノクの処分を進めていたところラッキークローバーの一人であるジェイが殺されたという。
『琢磨さん、それいつの話?』
「昨日です」
『そっか。チャコは?』
「どこかへ拾われたみたいですよ」
『ふうん。ジェイのこと、弊社には連絡した?』
「もちろん」
『それだけ?』
「え?」
『それだけで俺のこと呼び出したの?違うでしょう。こんな話、バーでもできる』
「こんな話って…」
『冴子さんの居ないところで俺と話したい理由、俺には分かるよ。それはつまり…冴子さんの誕生日祝いの話だ。どう?当たった?』
「はあ…正解です」
『最近俺より琢磨さんの方がバーにいる時間長いんだから、プレゼントになにを渡したら良いかくらい分かるんじゃない?』
「それが分からなくて貴方を呼んだんですよ」
『一応俺これでも仕事中なんだけど』
「いいじゃないですかちょっとくらい。会議って言っておきましょう」
『はいはい』
オルフェノクの死。それは同族同士で気にも留めない。ラッキークローバーの面子からすれば、互いは協力しあう他人。涙すら流さない。
そんなことより、琢磨は流星が過去に何を冴子へプレゼントしてきたかを詮索したいようだ。流星は各年渡した品物を反芻する。
一昨年は花束、昨年はワイン…。
「未成年者がワインなんてどうやって仕入れたんです」
『社長にお願いした』
「私にはそんな真似できませんね」
『だから琢磨さんは気持ちだけで良いんだって』
「そういうもんですかね」
『うん、そういうもん』
結局琢磨は例年通り渡さないこととなった。
バー・クローバーの開店時間になると、既にラッキークローバーは揃っていた。流星は店の前で社長が来るのを待つ。程なくしてスマートレディの運転でやってきた。
「待たせましたか」
『まあ』
「素直でよろしい。入りますよ」
カラン、とドアベルが鳴るとシェイカーを振る冴子がこちらを向いた。
「遅かったのね、村上くん」
「ええ。会議が長引きましてね」
「流星。カウンターに入ってくれる?村上くんにスコッチをお願い」
『分かったよ、冴子さん』
冴子は普段から流星のことを、まるで我が子のように呼び捨てにする。それに琢磨は密かに憧れを抱いているが、こんな事は誰にも言えない。
毎度の如く談合の様なものを終えると、各々は帰り支度を始めた。
『社長。外にレディの車をつけてありますので』
「流星ありがとう」
まずは村上が帰宅した。
「ふぁーあ。ぼくも帰るね」
次いで北崎が眠い目をこすりながら帰宅した。
「私もそろそろお暇します」
最後に琢磨が席を立った。
『冴子さん』
「なに?」
『俺冴子さんのこと好きだよ』
「…私もよ、流星」
フロアを磨く流星とテーブルを拭く冴子は見つめ合う。
『冴子さんの好きと俺の好きは多分違う』
「どういう事かしら」
『…何でもない。俺最近おかしいのかも』
「そういう時はよく寝るといいわ」
『それが…冴子さんのこと考えると眠れなくて』
「貴方ホント純粋ね。…いいわ、教えてあげる」
そうして二人は奥に消えていった。
流星は布団から起き上がり時間を確認する。3:20。起床には早すぎる時間だ。とりあえず汗で張り付くTシャツを脱ぎたいと立ち上がり、部屋干しのTシャツを手に取って着替えた。
しかし、一度起きてしまうと眠りづらい。布団に戻り自然にまぶたが閉じるのを待ってみたが一向にその時は現れない。しかし気がついたらいつの間にか寝ていて、朝になっていた。
『いってきます』
誰もいない部屋に声をかけ家を出る。防犯のためにいってきますとただいまは言うのよ、と、冴子さんが教えてくれた。
ラッキークローバーの面子は総じて流星に甘いところがある。中でも冴子は流星のオルフェノクとしての覚醒を見守った言わば母のような存在であるためか、何かにつけて流星に小言を言うのだ。尤も、冴子と流星は四歳しか変わらないのだが。
出社早々、社員専用端末に連絡が入った。琢磨さんがお呼びだ。
『やあ、琢磨さん』
「…あぁ」
バー・クローバー開店前。2人は手頃なファミレスに集った。遅れてやってきた琢磨は喫煙席からヒラヒラと手を振る流星を二度見した。
「誰が煙草なんてモノ、貴方に渡したんです?ついこの間成人したから良いとはいえ…。そんな姿、冴子さんが見たら泣いちゃいますよ」
『冴子さんもう知ってるよ』
「冴子さんはなんて言ってたんです」
『「貴方ももう子どもじゃないから」って。冴子さんから認められるのってなんか嬉しいよね。ねえ、琢磨さん』
「はあ…。本題を切り出してもいいですか」
そうだ。本題を忘れるところだった。聞けば、裏切り者のオルフェノクの処分を進めていたところラッキークローバーの一人であるジェイが殺されたという。
『琢磨さん、それいつの話?』
「昨日です」
『そっか。チャコは?』
「どこかへ拾われたみたいですよ」
『ふうん。ジェイのこと、弊社には連絡した?』
「もちろん」
『それだけ?』
「え?」
『それだけで俺のこと呼び出したの?違うでしょう。こんな話、バーでもできる』
「こんな話って…」
『冴子さんの居ないところで俺と話したい理由、俺には分かるよ。それはつまり…冴子さんの誕生日祝いの話だ。どう?当たった?』
「はあ…正解です」
『最近俺より琢磨さんの方がバーにいる時間長いんだから、プレゼントになにを渡したら良いかくらい分かるんじゃない?』
「それが分からなくて貴方を呼んだんですよ」
『一応俺これでも仕事中なんだけど』
「いいじゃないですかちょっとくらい。会議って言っておきましょう」
『はいはい』
オルフェノクの死。それは同族同士で気にも留めない。ラッキークローバーの面子からすれば、互いは協力しあう他人。涙すら流さない。
そんなことより、琢磨は流星が過去に何を冴子へプレゼントしてきたかを詮索したいようだ。流星は各年渡した品物を反芻する。
一昨年は花束、昨年はワイン…。
「未成年者がワインなんてどうやって仕入れたんです」
『社長にお願いした』
「私にはそんな真似できませんね」
『だから琢磨さんは気持ちだけで良いんだって』
「そういうもんですかね」
『うん、そういうもん』
結局琢磨は例年通り渡さないこととなった。
バー・クローバーの開店時間になると、既にラッキークローバーは揃っていた。流星は店の前で社長が来るのを待つ。程なくしてスマートレディの運転でやってきた。
「待たせましたか」
『まあ』
「素直でよろしい。入りますよ」
カラン、とドアベルが鳴るとシェイカーを振る冴子がこちらを向いた。
「遅かったのね、村上くん」
「ええ。会議が長引きましてね」
「流星。カウンターに入ってくれる?村上くんにスコッチをお願い」
『分かったよ、冴子さん』
冴子は普段から流星のことを、まるで我が子のように呼び捨てにする。それに琢磨は密かに憧れを抱いているが、こんな事は誰にも言えない。
毎度の如く談合の様なものを終えると、各々は帰り支度を始めた。
『社長。外にレディの車をつけてありますので』
「流星ありがとう」
まずは村上が帰宅した。
「ふぁーあ。ぼくも帰るね」
次いで北崎が眠い目をこすりながら帰宅した。
「私もそろそろお暇します」
最後に琢磨が席を立った。
『冴子さん』
「なに?」
『俺冴子さんのこと好きだよ』
「…私もよ、流星」
フロアを磨く流星とテーブルを拭く冴子は見つめ合う。
『冴子さんの好きと俺の好きは多分違う』
「どういう事かしら」
『…何でもない。俺最近おかしいのかも』
「そういう時はよく寝るといいわ」
『それが…冴子さんのこと考えると眠れなくて』
「貴方ホント純粋ね。…いいわ、教えてあげる」
そうして二人は奥に消えていった。
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