出会いのとき
シリルが王宮へ来た時、レオナは王妃の用事で不在だった。急ぎの用ではないので帰ろうか、と引き返しかけたところで、レオナの後輩のラギーに出会った。
「あら、ラギー君。こんなところで会うなんて珍しいわね。レオナはいないわ。私も会えないから帰るところだったの」
「そうっスか。頼まれごとがあったんっスけどね」
ラギーも呼びつけられたらしい。おそらくレオナの不在は、本人の意思ではないところでのことだろうと二人は考えた。
「シリル様、もしレオナ様がお戻りになるまでお待ちになるなら、こちらの客間を使ってくださいと王妃様から」
顔見知りの王妃の侍女がシリルに声をかけた。
「よろしいのですか?」
「王妃様のお使いに行かれているので、すぐにお戻りになるそうです。お茶をお出ししますのでどうぞ」
侍女は傍らのラギーにも声をかけた。
「ラギー様もこちらでお待ちください。レオナ様より言付かっております」
「はあ…恐縮っス」
そこで二人は、客間に通された。
「ところでシリルさん、一度俺、シリルさんに聞いてみたいと思ったっスけど、レオナさんが許嫁って聞かされて初めて会った時ってどんな感じだったんスか?」
「聞きたい?別に大して面白い話でもないけど」
「あの人がNRCに入る前のことって、俺全然知らないっスからね。ちょっと興味あるんっスよ」
「いいわよ。ラギー君が面白いと思うかどうかわからないけど。そうね、レオナと初めて会ったのは、あれは…この客間だった」
シリルは、紅茶を一口飲んでから話し始めた。
「あら、ラギー君。こんなところで会うなんて珍しいわね。レオナはいないわ。私も会えないから帰るところだったの」
「そうっスか。頼まれごとがあったんっスけどね」
ラギーも呼びつけられたらしい。おそらくレオナの不在は、本人の意思ではないところでのことだろうと二人は考えた。
「シリル様、もしレオナ様がお戻りになるまでお待ちになるなら、こちらの客間を使ってくださいと王妃様から」
顔見知りの王妃の侍女がシリルに声をかけた。
「よろしいのですか?」
「王妃様のお使いに行かれているので、すぐにお戻りになるそうです。お茶をお出ししますのでどうぞ」
侍女は傍らのラギーにも声をかけた。
「ラギー様もこちらでお待ちください。レオナ様より言付かっております」
「はあ…恐縮っス」
そこで二人は、客間に通された。
「ところでシリルさん、一度俺、シリルさんに聞いてみたいと思ったっスけど、レオナさんが許嫁って聞かされて初めて会った時ってどんな感じだったんスか?」
「聞きたい?別に大して面白い話でもないけど」
「あの人がNRCに入る前のことって、俺全然知らないっスからね。ちょっと興味あるんっスよ」
「いいわよ。ラギー君が面白いと思うかどうかわからないけど。そうね、レオナと初めて会ったのは、あれは…この客間だった」
シリルは、紅茶を一口飲んでから話し始めた。