青年の主張
いや、あの時は本当にこっちが死ぬかと思いましたよ。
へ、僕ですか?ボクはローレシアの王子です。
名前?え、勘弁してくださいよ。下手に名前出したら、ハーゴンにバレるでしょうが。
ここはとある森。
やっとみつけたサマルトリアの王子は死の淵をさまよっていた。
勇者の子孫である僕、ローレシアの王子と、ムーンブルグの王女のふたりは、サマルトリアの王子の命を救うために「世界樹の葉」を探しに出かけた時の話です。
「この木は?」
「うーん、似ているが、葉の形状が違うな」
「こちらは?まだ調べていないわよね」
「どうだろう。…残念だ、ギザギザが多すぎる」
世界樹があるとおぼしいこの森で、僕たちは一本一本木を調べていた。あまり若い葉では効果が薄いとか、落葉寸前の葉では多く集めて煎じてお茶にしないと効かない、と聞かされているが…
本当に「せかいじゅのは」なんて存在するんだろうか。
伝承の中にしかないのではないか。
あの時は本当に、文字通り心折れるかと思いましたよ。
勇者の末裔になんて生まれるものじゃありません、いやまったくです。
へ、僕ですか?ボクはローレシアの王子です。
名前?え、勘弁してくださいよ。下手に名前出したら、ハーゴンにバレるでしょうが。
ここはとある森。
やっとみつけたサマルトリアの王子は死の淵をさまよっていた。
勇者の子孫である僕、ローレシアの王子と、ムーンブルグの王女のふたりは、サマルトリアの王子の命を救うために「世界樹の葉」を探しに出かけた時の話です。
「この木は?」
「うーん、似ているが、葉の形状が違うな」
「こちらは?まだ調べていないわよね」
「どうだろう。…残念だ、ギザギザが多すぎる」
世界樹があるとおぼしいこの森で、僕たちは一本一本木を調べていた。あまり若い葉では効果が薄いとか、落葉寸前の葉では多く集めて煎じてお茶にしないと効かない、と聞かされているが…
本当に「せかいじゅのは」なんて存在するんだろうか。
伝承の中にしかないのではないか。
あの時は本当に、文字通り心折れるかと思いましたよ。
勇者の末裔になんて生まれるものじゃありません、いやまったくです。
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