ナイチンゲールの杞憂
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待ちに待った林間合宿
合宿初日の地獄の「個性伸ばし訓練」。己の限界に挑む生徒たちの中で、フローラの【治癒(ドーピング)】は大活躍します。
「先生! B組の拳藤です! 訓練で限界が来た子の痛覚緩和と、回復のアシストをお願いできますか!?」
「ふははは!いやあ素晴らしい、さすがは評判のサポートヒーローだ! 」
「うおー! 先生のバフがかかると筋肉が限界を超えて滾ってくるぜーー!!」
「おい相澤、お前のところの副担任、優秀すぎてうちのB組の生徒までメロメロじゃないか」
「……フン。あまり調子に乗らせるな。フローラ、自分のペースを守れよ。倒れたら元も子もない」
「分かってますって!」
「Ms.フローレンス、君のような視野の広いサポートがいると助かる。相澤の教え子だというから気難しいかと思っていたが、見事な指導ぶりだ」
B組ともすっかり打ち解け、和気あいあいとした最高の合宿になるとフローラは思っていた直後に、死柄木の命を受けた開拓前衛隊が襲いかかってきます。
毒ガスの煙が立ち込め、黒炎(荼毘の炎)が広がる合宿所の森。
青々とした山々を黒い煙と毒ガスが覆い尽くし、林間合宿場は一瞬にして地獄絵図へと化した。
恐怖と混乱の中、フローラは相澤先生やブラド先生と連携しながら、傷ついた生徒たちの元へ向かいます。
障子や常闇、B組の生徒たちが倒れ込んでいる現場に駆けつけ、すぐさま【治癒(ドーピング)】を発動。
「大丈夫、痛みを下げるからね! 呼吸を整えて……! ブラド先生の施設まで避難して!」
自分の体力が削られていくのも構わず、とにかく一人でも多く手当てしようと奔走します。
そんな中、爆豪やデクたちを守るために立ち塞がった現場で、襲撃者のリーダー格である荼毘と対峙しました。
生徒たちを背中に庇い、構えをとるフローラ
「あなたたちの目的は何……!? 爆豪くん!? それとも……緑谷くんたちの命なの!?」
炎を身に纏い、歪んだ笑みを浮かべる荼毘は、死柄木から事前に渡されていた「ある指示」を思い出して鼻で笑います。
「……はっ、おめでてえ頭してんな、先生。
あのガキ(爆豪)もそうだがな……一番のメインディッシュは『お前』なんだよ、Ms.フローレンス」
「……え……? 私……!?」
「ボス(死柄木)からの厳命だ。『Ms.フローレンスには傷一つ付けるな、連れてこい』ってな。お前のその便利な個性とご面相、うちのボスがイカれて狂愛してんだよ」
「な…っ?!」
これには緑谷・爆豪・居合わせた生徒たちも驚愕します
自分の無償の優しさが、死柄木という化け物を狂わせ、この惨劇(合宿襲撃)を引き起こした原因の1つになっていたという事実を知らされたフローラはショックが隠せません。
(あの時……路地裏で助けたあの男の子……? 私が彼を手当てしたから……私のせいで、みんながこんな危険に……!?)
生徒を守るために動いていたはずが、自分自身が「生徒たちを脅かす要因」だったという事実に、フローラの心が強いショックと罪悪感で押し潰されそうになります。
「ふざけんなクソヴィランが……!!灰も残さず吹き飛ばしてやる!!」
「先生は……誰にでも優しく手を差し伸べる最高のヒーローだ! あなたたちの思い通りには絶対にさせない!!」
その時、頭上から漆黒の『モヤ』——黒霧のワープゲートが広がった。
「捕獲完了(ミッションコンプリート)だ。……爆豪勝己、そして……Ms.フローレンス」
「なっ……!?」
頭上から降り立ったMr.コンプレスが、不気味に仮面を歪める。
ショックと自己嫌悪で思考がフリーズしてしまった隙を突かれ、Mr.コンプレスの手に握られていたのは、小さな青い玉——その中には、圧縮された爆豪勝己の姿があった。
「爆豪くん……っ!?」
「逃げろ、フローラ!!!」
森林の奥から、相澤が目を血走らせて走ってくるのが見えた。
全身に傷を追いながら、命を削るような速度で相澤の手が——首元の捕縛布がフローラへと伸ばされる。
「来い、フローラ! 手を伸ばせ!!!」
だが、相澤の手が届くよりも早く、フローラの背後の空間がぐにゃりと歪んだ。
黒いワープゲートの中から伸びてきた「数本の青白い指」が、フローラの首筋と腕を容赦なく掴み寄せる。
「……つかまえた」
耳元で聞こえた、あの雨の日の青年の、掠れた低い声。死柄木弔だ。
「死柄木……ッ!?」
「言ったろ……君がボロボロになったら、俺が引き取ってあげるってさ。……二度と、あの男(イレイザー)の元へは帰さない……」
「やめろぉぉぉぉ!! フローラーーーーーッ!!!」
相澤の魂を切り裂くような絶叫が夜空に響き渡る。
相澤の手が、あと数センチというところで空を切った。
死柄木の手によって引きずり込まれていくフローラ。
黒い渦の向こう側で、相澤の絶望に満ちた赤い瞳と、涙を浮かべる教え子たちの姿が遠のいていく。
「……相澤、先生……ッ!!」
フローラが叫ぶと同時に、Mr.コンプレスが弾けさせた玉から爆豪が解放され、二人は同時に黒霧の闇の中へと飲み込まれていった—―。
待ちに待った林間合宿
合宿初日の地獄の「個性伸ばし訓練」。己の限界に挑む生徒たちの中で、フローラの【治癒(ドーピング)】は大活躍します。
「先生! B組の拳藤です! 訓練で限界が来た子の痛覚緩和と、回復のアシストをお願いできますか!?」
「ふははは!いやあ素晴らしい、さすがは評判のサポートヒーローだ! 」
「うおー! 先生のバフがかかると筋肉が限界を超えて滾ってくるぜーー!!」
「おい相澤、お前のところの副担任、優秀すぎてうちのB組の生徒までメロメロじゃないか」
「……フン。あまり調子に乗らせるな。フローラ、自分のペースを守れよ。倒れたら元も子もない」
「分かってますって!」
「Ms.フローレンス、君のような視野の広いサポートがいると助かる。相澤の教え子だというから気難しいかと思っていたが、見事な指導ぶりだ」
B組ともすっかり打ち解け、和気あいあいとした最高の合宿になるとフローラは思っていた直後に、死柄木の命を受けた開拓前衛隊が襲いかかってきます。
毒ガスの煙が立ち込め、黒炎(荼毘の炎)が広がる合宿所の森。
青々とした山々を黒い煙と毒ガスが覆い尽くし、林間合宿場は一瞬にして地獄絵図へと化した。
恐怖と混乱の中、フローラは相澤先生やブラド先生と連携しながら、傷ついた生徒たちの元へ向かいます。
障子や常闇、B組の生徒たちが倒れ込んでいる現場に駆けつけ、すぐさま【治癒(ドーピング)】を発動。
「大丈夫、痛みを下げるからね! 呼吸を整えて……! ブラド先生の施設まで避難して!」
自分の体力が削られていくのも構わず、とにかく一人でも多く手当てしようと奔走します。
そんな中、爆豪やデクたちを守るために立ち塞がった現場で、襲撃者のリーダー格である荼毘と対峙しました。
生徒たちを背中に庇い、構えをとるフローラ
「あなたたちの目的は何……!? 爆豪くん!? それとも……緑谷くんたちの命なの!?」
炎を身に纏い、歪んだ笑みを浮かべる荼毘は、死柄木から事前に渡されていた「ある指示」を思い出して鼻で笑います。
「……はっ、おめでてえ頭してんな、先生。
あのガキ(爆豪)もそうだがな……一番のメインディッシュは『お前』なんだよ、Ms.フローレンス」
「……え……? 私……!?」
「ボス(死柄木)からの厳命だ。『Ms.フローレンスには傷一つ付けるな、連れてこい』ってな。お前のその便利な個性とご面相、うちのボスがイカれて狂愛してんだよ」
「な…っ?!」
これには緑谷・爆豪・居合わせた生徒たちも驚愕します
自分の無償の優しさが、死柄木という化け物を狂わせ、この惨劇(合宿襲撃)を引き起こした原因の1つになっていたという事実を知らされたフローラはショックが隠せません。
(あの時……路地裏で助けたあの男の子……? 私が彼を手当てしたから……私のせいで、みんながこんな危険に……!?)
生徒を守るために動いていたはずが、自分自身が「生徒たちを脅かす要因」だったという事実に、フローラの心が強いショックと罪悪感で押し潰されそうになります。
「ふざけんなクソヴィランが……!!灰も残さず吹き飛ばしてやる!!」
「先生は……誰にでも優しく手を差し伸べる最高のヒーローだ! あなたたちの思い通りには絶対にさせない!!」
その時、頭上から漆黒の『モヤ』——黒霧のワープゲートが広がった。
「捕獲完了(ミッションコンプリート)だ。……爆豪勝己、そして……Ms.フローレンス」
「なっ……!?」
頭上から降り立ったMr.コンプレスが、不気味に仮面を歪める。
ショックと自己嫌悪で思考がフリーズしてしまった隙を突かれ、Mr.コンプレスの手に握られていたのは、小さな青い玉——その中には、圧縮された爆豪勝己の姿があった。
「爆豪くん……っ!?」
「逃げろ、フローラ!!!」
森林の奥から、相澤が目を血走らせて走ってくるのが見えた。
全身に傷を追いながら、命を削るような速度で相澤の手が——首元の捕縛布がフローラへと伸ばされる。
「来い、フローラ! 手を伸ばせ!!!」
だが、相澤の手が届くよりも早く、フローラの背後の空間がぐにゃりと歪んだ。
黒いワープゲートの中から伸びてきた「数本の青白い指」が、フローラの首筋と腕を容赦なく掴み寄せる。
「……つかまえた」
耳元で聞こえた、あの雨の日の青年の、掠れた低い声。死柄木弔だ。
「死柄木……ッ!?」
「言ったろ……君がボロボロになったら、俺が引き取ってあげるってさ。……二度と、あの男(イレイザー)の元へは帰さない……」
「やめろぉぉぉぉ!! フローラーーーーーッ!!!」
相澤の魂を切り裂くような絶叫が夜空に響き渡る。
相澤の手が、あと数センチというところで空を切った。
死柄木の手によって引きずり込まれていくフローラ。
黒い渦の向こう側で、相澤の絶望に満ちた赤い瞳と、涙を浮かべる教え子たちの姿が遠のいていく。
「……相澤、先生……ッ!!」
フローラが叫ぶと同時に、Mr.コンプレスが弾けさせた玉から爆豪が解放され、二人は同時に黒霧の闇の中へと飲み込まれていった—―。
