ナイチンゲールと籠の鳥
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
プロローグ:黒い化学工場摘発作戦
大規模なヴィラン組織の拠点を叩くべく招集された合同作戦会議室。
巨大なモニターの前に仁王立ちする当時No.2プロヒーロー・エンデヴァーは、全身から威圧的な熱気を放ちながら、居並ぶヒーローたちを一瞥した。
その鋭い視線が、サポート・治癒枠として参加していたMs.フローレンスで止まる。
「……Ms.フローレンス。お前の個性は『自らの体力を削って対象を強化・治癒する』だったな」
「……はい」
「足手まといになる気なら今すぐ下がれ。自分の命も管理できんような奴に、現場で背中は預けられん。……特に俺の周囲には来るな、巻き込んで焼き殺すぞ」
周囲のヒーローたちが息をのむほど冷酷な言葉。だがそれは、他者に命を分け与えるあまり自身を省みない危険な個性を持つ彼女への、彼なりの厳格な警告でもあった。
フローラは怯むことなく、相澤から仕込まれたまっすぐな瞳でエンデヴァーを見返した。
「足手まといかどうかは現場で判断してください。私はプロとして、責務を全うします」
作戦が開始され、敵のアジトである化学工場へ突入すると、現場は瞬く間に地獄絵図と化した。
違法増幅薬(トリガー)で凶暴化した大型ヴィラン群の不意打ちにより、大規模な化学爆発が発生。猛煙と瓦礫が立ち込め、エンデヴァーのサイドキックや前線のヒーローたちが次々と重傷を負っていく。
前線が崩壊しかけたその時、爆煙を突いて一人の女性ヒーローが飛び込んできた。Ms.フローレンスだ。
彼女は無駄のない体術で倒壊する瓦礫を回避し、負傷者たちへ疾走する。
自身の顔色を急速に蒼白にさせながらも、命の輝きを惜しみなく注ぎ込み、一瞬で致命傷を塞いでヒーローたちを前線へと送り返していく。
「……なにっ!?」
遠目でその凄絶な立ち回りを目撃したエンデヴァーが息をのむ。
だが、敵の首魁が巨大化し、工場全体を巻き込む大爆発を起こそうと牙を剥いた。
「一撃で焼滅させる……! だが、溜め(チャージ)の時間が足りん……!!」
極限状態の中、苦渋の決断を迫られたエンデヴァーの背後に、荒い息を吐くフローラが肉薄した。
彼女は迷うことなく、エンデヴァーのプロテクターの隙間――熱を帯びた太い腕に、汗ばんだ両手を強く押し当てた。
「なっ……!? 離れろと言ったはずだ!!」
「……黙って! 受けてください、エンデヴァー!!」
「——【治癒(ドーピング)】っ!!」
フローラの身体から、眩いばかりの生命力の光が放たれる。
彼女自身の唇から血の気が引き、膝が激しくガクガクと震え出す。自分自身には一切のバフをかけられない制約の中、命の限界を突破した超負荷の能力増幅。
ズクゥン……!!
エンデヴァーの体内に、圧倒的な熱量と生命エネルギーが爆発的に流れ込んだ。
出力の上限が力任せに引き上げられ、彼を包む猛火が、赤から神々しい白銀の炎へと変貌を遂げる。
(なんだこの力は……!? 体の底から熱が溢れ出す……! こいつ、自らの命をここまで削って……俺に全全霊を預けているのか……!?)
「……決めて……くだ、さい……ッ!!」
糸が切れたように倒れ込むフローラ。その命懸けの一瞬を、エンデヴァーは決して無駄にしなかった。
「……ハアアアアッ!!! 『プルス・ウルトラ』ーーーッ!!!」
白銀の炎が巨大ヴィランを一瞬で焼き尽くし、大爆発は未然に防がれた。
事後、酸素マスクをつけ、救急車の中でぐったりと倒れるフローラのもとへ、炎の熱気を纏った巨大な影が近づいてきた。
エンデヴァーは腕を組んだまま倒れる彼女を見下ろし、低く重い声で呟く。
「……命を粗末にするなと言ったはずだ、戯けが」
「……でも、勝てたでしょう……? No.2……」
マスク越しにかすかに苦笑する彼女に、エンデヴァーはふんと鼻を鳴らし、そっぽを向きながら……不器用に、しかしはっきりと告げた。
「……俺の炎に耐え、あの土壇場で最高の出力を乗せて見せた。……見事だ、Ms.フローレンス」
プロとして、そして圧倒的な強さを求める一人の男として、エンデヴァーが彼女を「対等な戦友」と認めた瞬間であった。
※この事件での功績と記録は公安の最高機密データベースに刻まれ、後にこれを目にした若きNo.2ヒーロー・ホークスの中に、見知らぬ彼女への「強烈な感銘と憧れ」を深く植え付けることになるのである。
プロローグ:黒い化学工場摘発作戦
大規模なヴィラン組織の拠点を叩くべく招集された合同作戦会議室。
巨大なモニターの前に仁王立ちする当時No.2プロヒーロー・エンデヴァーは、全身から威圧的な熱気を放ちながら、居並ぶヒーローたちを一瞥した。
その鋭い視線が、サポート・治癒枠として参加していたMs.フローレンスで止まる。
「……Ms.フローレンス。お前の個性は『自らの体力を削って対象を強化・治癒する』だったな」
「……はい」
「足手まといになる気なら今すぐ下がれ。自分の命も管理できんような奴に、現場で背中は預けられん。……特に俺の周囲には来るな、巻き込んで焼き殺すぞ」
周囲のヒーローたちが息をのむほど冷酷な言葉。だがそれは、他者に命を分け与えるあまり自身を省みない危険な個性を持つ彼女への、彼なりの厳格な警告でもあった。
フローラは怯むことなく、相澤から仕込まれたまっすぐな瞳でエンデヴァーを見返した。
「足手まといかどうかは現場で判断してください。私はプロとして、責務を全うします」
作戦が開始され、敵のアジトである化学工場へ突入すると、現場は瞬く間に地獄絵図と化した。
違法増幅薬(トリガー)で凶暴化した大型ヴィラン群の不意打ちにより、大規模な化学爆発が発生。猛煙と瓦礫が立ち込め、エンデヴァーのサイドキックや前線のヒーローたちが次々と重傷を負っていく。
前線が崩壊しかけたその時、爆煙を突いて一人の女性ヒーローが飛び込んできた。Ms.フローレンスだ。
彼女は無駄のない体術で倒壊する瓦礫を回避し、負傷者たちへ疾走する。
自身の顔色を急速に蒼白にさせながらも、命の輝きを惜しみなく注ぎ込み、一瞬で致命傷を塞いでヒーローたちを前線へと送り返していく。
「……なにっ!?」
遠目でその凄絶な立ち回りを目撃したエンデヴァーが息をのむ。
だが、敵の首魁が巨大化し、工場全体を巻き込む大爆発を起こそうと牙を剥いた。
「一撃で焼滅させる……! だが、溜め(チャージ)の時間が足りん……!!」
極限状態の中、苦渋の決断を迫られたエンデヴァーの背後に、荒い息を吐くフローラが肉薄した。
彼女は迷うことなく、エンデヴァーのプロテクターの隙間――熱を帯びた太い腕に、汗ばんだ両手を強く押し当てた。
「なっ……!? 離れろと言ったはずだ!!」
「……黙って! 受けてください、エンデヴァー!!」
「——【治癒(ドーピング)】っ!!」
フローラの身体から、眩いばかりの生命力の光が放たれる。
彼女自身の唇から血の気が引き、膝が激しくガクガクと震え出す。自分自身には一切のバフをかけられない制約の中、命の限界を突破した超負荷の能力増幅。
ズクゥン……!!
エンデヴァーの体内に、圧倒的な熱量と生命エネルギーが爆発的に流れ込んだ。
出力の上限が力任せに引き上げられ、彼を包む猛火が、赤から神々しい白銀の炎へと変貌を遂げる。
(なんだこの力は……!? 体の底から熱が溢れ出す……! こいつ、自らの命をここまで削って……俺に全全霊を預けているのか……!?)
「……決めて……くだ、さい……ッ!!」
糸が切れたように倒れ込むフローラ。その命懸けの一瞬を、エンデヴァーは決して無駄にしなかった。
「……ハアアアアッ!!! 『プルス・ウルトラ』ーーーッ!!!」
白銀の炎が巨大ヴィランを一瞬で焼き尽くし、大爆発は未然に防がれた。
事後、酸素マスクをつけ、救急車の中でぐったりと倒れるフローラのもとへ、炎の熱気を纏った巨大な影が近づいてきた。
エンデヴァーは腕を組んだまま倒れる彼女を見下ろし、低く重い声で呟く。
「……命を粗末にするなと言ったはずだ、戯けが」
「……でも、勝てたでしょう……? No.2……」
マスク越しにかすかに苦笑する彼女に、エンデヴァーはふんと鼻を鳴らし、そっぽを向きながら……不器用に、しかしはっきりと告げた。
「……俺の炎に耐え、あの土壇場で最高の出力を乗せて見せた。……見事だ、Ms.フローレンス」
プロとして、そして圧倒的な強さを求める一人の男として、エンデヴァーが彼女を「対等な戦友」と認めた瞬間であった。
※この事件での功績と記録は公安の最高機密データベースに刻まれ、後にこれを目にした若きNo.2ヒーロー・ホークスの中に、見知らぬ彼女への「強烈な感銘と憧れ」を深く植え付けることになるのである。
