母さん、私審神者になったぞ
「私をサニワに?」
「はい。国の方は初めてなので、貴女が初代になりますが。」
急に政府から連絡があり何事かと思えば2205年から来た未来の政府にサニワとかいうモノに就いてほしいと頼まれた。
ちなみにここはマイトランドルシタニア王国の都市、ルニルクにある国立図書館の地下室だ。政府との公に出来ない話し合いは大抵ここで行われる。
「だが…聞いた限りではそのサニワと言うのは刀剣男士?を使って歴史改変主義者と戦うのであろう?」
「はい、何か疑問でも?」
刀剣男士は日本刀らしい。私は日本の歴史をよく知らない。日本刀といえば500年前に個人的に貰った短刀くらいしか縁がない。
「それなら…私ではなく菊さんのほうが適任だと思うのだが。」
「本田様には無理です。」
「何故だ。」
歴史改変主義者は日本の歴史を改変しようとしているらしい。ならば当事者である菊さんがなるべきだと思った。
「理由はいくつですかかありますが、今の本田様は大変危険な状態です。歴史を改変されるということは自分の思想や記憶が変わるという事です。貴女も国ならばお分かりになるでしょう?」
たしかにそうだ。しかし…
「しかし何故私なんだ。」
魔力や霊力ならアーサーやロヴィーノの方が強いはずだ。
「それも理由はいくつかありますが…まずは魔力が比較的強いことですね。それとルシタニアという国は、国の方が4人いるからです。」
「やはりそれが理由か…」
薄々気づいていた。私には兄と弟と妹がいる。兄と私がルニルクで弟と妹がルシタニアの首都、ラビルクだ。要するに、同じ国が四人もいるのだから1人くらい居なくても問題ないのだ。
「わかった。引き受けよう。」
「では早速参りましょう。」
今から?…まあいい
「何処に行くのだ?」
「日本です。普段は本丸で生活してもらいます。ああ、貴女の部屋と本丸を繋げておいたので移動には時間はとりません。」
ちょっと待て、何勝手に私の部屋に細工をしているんだ。と、抗議したかったが出てきた言葉は
「あ、ああわかった。」
と、そっけないものだった。
「では私について来てください。」
そういうと未来の役人(仮)は本棚へ向かい一つの本を取り出した。
「この本に手をおいてください。」
私は本に手をおいた。すると本が光を放ち私を包んだ。
「私がご同行できるのはここまでです。後のことはこんのすけに聞いてください。」
「な…おい!ちょっと待て!コンノスケって誰なんだ⁈」
しかし未来の役人は何も言わず、私は1人で光に包まれ本丸に向かうこととなった。
*
*
*
*
「…ふっ」
気がつくと私は日本屋敷っぽい所に立っていた。
「ここが…本丸か?」
「そのとうりです。」
「⁉誰だ!」
辺りを見回したが、人影はなかった。
「ここですよう!」
やけに声が下の方から聞こえてきた。下を見ると赤い線が入った狐がいた。
「お、お前は…誰だ?コンノスケは?」
「私がそのこんのすけです!案内人を務めさせていただきます!」
驚いた…コンノスケが狐だったとは。
「そうか。ではコンノスケ、私は今から何をすれば良いんだ?」
「あ、そうですね。では最初に初期刀を選んでいただきます!」
「初期刀?」
「はい。本丸を設営させるために必要なのです。こちらの五振りからお選びください。」
そう言うとコンノスケはタブレットを取り出した。…未来的だな。
えーと…陸奥守吉行、蜂須賀虎徹、山姥切国広、歌仙兼定、加州清光。ここから選ぶのか…
「あ。」
「?どうされました?」
歌仙兼定…彼が一番日本っぽいな。着物だし。
「いや、なんでもない。では…歌仙兼定にしよう。」
「分かりました!ではかせんかねさだっと…」
ピッピとコンノスケがタブレットを打つと、タブレットが光り桜ふぶきが舞った。
「僕は歌仙兼定。風流を愛する文系名刀さ。どうぞよろしく。」
着物だカッコイイな…おっとつい本音が。
「君が主かな?」
「ああ。これからよろしくな。…しかし刀剣男士とは随分と人みたいだな。まあ、人ではない私が言うのもあれだが。」
「人ではない…とは?」
歌仙が首を傾げた。
「私は国なんだ。マイトランドルシタニア王国、ルニルクだ。」
*
*
*
*
「私は国なんだ。マイトランドルシタニア王国、ルニルクだ。」
僕は歌仙兼定。文系名刀さ。…そこ、文系(物理)とか言わない。首を差し出せ。
…ああ文系としたことが、雅じゃなかったね。
どうやら僕の新しい主が決まったので本丸に派遣されたようだよ。風流な人だといいけどねえ。
「おい。歌仙兼定?」
気のせいだ僕の新しい主が自分のことを国だと思い込んでいるヤバい外国人だなんて気のせいだ。
「ああああダダダ大丈夫だよ。…国と聞こえたのは僕の聞き間違いだよね?」
気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ
「いや、聞き間違いじゃないぞ。」
「………………」
「言っておくが本当だぞ。」
うん。ヤバいねこの人は。俗に言う厨ニ病だね。
「信じてないな…」
「まあね…でも君がどんなにヤバい人でも僕の主だからね。これからよろしく。」
「おい!私はやばくないぞ!まあいい(良くないが)…それでコンノスケ、この後はどうすればいい?」
「そうですね、早速ですが、遡行軍が暴れているとの情報が入りました。出陣して沈静化を図りましょう!」
やっと来た。僕は刀剣、戦に出てこそだ。
「ちょっと待て、2人でか?」
「2人?僕以外に刀剣男士は見当たらないよ?」
まさかとは思うけど君…
「何言ってんだ。私も出陣するに決まってるだろう。」
ああああああやっぱり!そうだよね薄々気づいていたよ!
「お、お待ちください!審神者様は出陣なさらないでください!」
ほらこんのすけも焦っている!
「何故だ。」
「審神者様にもしものことがあっては困るからです!それに貴女は人間でしょう⁈」
正論だね。僕もそう思うよ。
「大丈夫だ。私は人間ではない。それにボスが戦線に出なくてどうする。」
また、ヤバい発言が出たよ…
「あと単純に私は強いからな。多分歌仙よりも強いぞ。」
「…今のは聞き捨てならないなぁ。」
「では私と手合わせをするか?私が勝ったら出陣に同行する。」
望むところだ。人間の女性に僕が負けるはずがない。
「分かったよ。」
「良し。じゃあ手合わせをしよう。場所は…ここでいいか?」
「僕は構わないy「あ、道場がありますのでそこでしてください!」
…人の話を途中で遮るのは感心しないな。雅じゃない。
「分かった。道場に移動しようか。」
「その前に着替えていいか?これでは動きづらい。」
たしかに彼女の格好はブラウスにフレアスカートと、戦闘には不向きだ。
「分かったよ。それじゃ、僕は先に道場に行っているよ。」
*
*
*
*
「待たせたな。」
そう言って彼女は道場に入って来た。外国の軍人みたいな格好だった。
「それじゃ、始めるか。」
「では私こんのすけが審判をいたします!…はじめ!」
こんのすけの合図とともに、僕は彼女へ斬りかかった…はずだった。
僕の身体は、地面に叩きつけられていた。
「っ?!」
「⁈しょ、勝負あり!主様の勝ちです!」
あっさりと負けてしまったが何が起こったのか分からかなった。いや、本当は分かっていた。合図があった瞬間、彼女は僕が一歩踏み出すよりも早く、僕の腕を掴み背負い投げをしたのだ。尤も、空中に放り投げて地面に叩きつけることが背負い投げと言うのかはわからないけど。
「歌仙兼定、大丈夫か?さっきは思いっきり投げてしまったからな…」
「あ、ああ大丈夫だよ…だけど悔しいな。」
「まあ負けるのはしょうがない。君は人の身を得て間もないだろう?自分の体を思いどうりに動かすのは難しいからな。」
フォローされてしまったよ…それが余計に悔しい。
「…」
「じゃあ、出陣に同行するぞ。」
…そういえばそういう約束だったね。
「分かったよ。…次は負けないからね。」
「ああ、その意気だ。」
そう言うと彼女は満足そうにふ、と笑った。
*
*
*
*
*
*
続く!(多分)
「はい。国の方は初めてなので、貴女が初代になりますが。」
急に政府から連絡があり何事かと思えば2205年から来た未来の政府にサニワとかいうモノに就いてほしいと頼まれた。
ちなみにここはマイトランドルシタニア王国の都市、ルニルクにある国立図書館の地下室だ。政府との公に出来ない話し合いは大抵ここで行われる。
「だが…聞いた限りではそのサニワと言うのは刀剣男士?を使って歴史改変主義者と戦うのであろう?」
「はい、何か疑問でも?」
刀剣男士は日本刀らしい。私は日本の歴史をよく知らない。日本刀といえば500年前に個人的に貰った短刀くらいしか縁がない。
「それなら…私ではなく菊さんのほうが適任だと思うのだが。」
「本田様には無理です。」
「何故だ。」
歴史改変主義者は日本の歴史を改変しようとしているらしい。ならば当事者である菊さんがなるべきだと思った。
「理由はいくつですかかありますが、今の本田様は大変危険な状態です。歴史を改変されるということは自分の思想や記憶が変わるという事です。貴女も国ならばお分かりになるでしょう?」
たしかにそうだ。しかし…
「しかし何故私なんだ。」
魔力や霊力ならアーサーやロヴィーノの方が強いはずだ。
「それも理由はいくつかありますが…まずは魔力が比較的強いことですね。それとルシタニアという国は、国の方が4人いるからです。」
「やはりそれが理由か…」
薄々気づいていた。私には兄と弟と妹がいる。兄と私がルニルクで弟と妹がルシタニアの首都、ラビルクだ。要するに、同じ国が四人もいるのだから1人くらい居なくても問題ないのだ。
「わかった。引き受けよう。」
「では早速参りましょう。」
今から?…まあいい
「何処に行くのだ?」
「日本です。普段は本丸で生活してもらいます。ああ、貴女の部屋と本丸を繋げておいたので移動には時間はとりません。」
ちょっと待て、何勝手に私の部屋に細工をしているんだ。と、抗議したかったが出てきた言葉は
「あ、ああわかった。」
と、そっけないものだった。
「では私について来てください。」
そういうと未来の役人(仮)は本棚へ向かい一つの本を取り出した。
「この本に手をおいてください。」
私は本に手をおいた。すると本が光を放ち私を包んだ。
「私がご同行できるのはここまでです。後のことはこんのすけに聞いてください。」
「な…おい!ちょっと待て!コンノスケって誰なんだ⁈」
しかし未来の役人は何も言わず、私は1人で光に包まれ本丸に向かうこととなった。
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「…ふっ」
気がつくと私は日本屋敷っぽい所に立っていた。
「ここが…本丸か?」
「そのとうりです。」
「⁉誰だ!」
辺りを見回したが、人影はなかった。
「ここですよう!」
やけに声が下の方から聞こえてきた。下を見ると赤い線が入った狐がいた。
「お、お前は…誰だ?コンノスケは?」
「私がそのこんのすけです!案内人を務めさせていただきます!」
驚いた…コンノスケが狐だったとは。
「そうか。ではコンノスケ、私は今から何をすれば良いんだ?」
「あ、そうですね。では最初に初期刀を選んでいただきます!」
「初期刀?」
「はい。本丸を設営させるために必要なのです。こちらの五振りからお選びください。」
そう言うとコンノスケはタブレットを取り出した。…未来的だな。
えーと…陸奥守吉行、蜂須賀虎徹、山姥切国広、歌仙兼定、加州清光。ここから選ぶのか…
「あ。」
「?どうされました?」
歌仙兼定…彼が一番日本っぽいな。着物だし。
「いや、なんでもない。では…歌仙兼定にしよう。」
「分かりました!ではかせんかねさだっと…」
ピッピとコンノスケがタブレットを打つと、タブレットが光り桜ふぶきが舞った。
「僕は歌仙兼定。風流を愛する文系名刀さ。どうぞよろしく。」
着物だカッコイイな…おっとつい本音が。
「君が主かな?」
「ああ。これからよろしくな。…しかし刀剣男士とは随分と人みたいだな。まあ、人ではない私が言うのもあれだが。」
「人ではない…とは?」
歌仙が首を傾げた。
「私は国なんだ。マイトランドルシタニア王国、ルニルクだ。」
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「私は国なんだ。マイトランドルシタニア王国、ルニルクだ。」
僕は歌仙兼定。文系名刀さ。…そこ、文系(物理)とか言わない。首を差し出せ。
…ああ文系としたことが、雅じゃなかったね。
どうやら僕の新しい主が決まったので本丸に派遣されたようだよ。風流な人だといいけどねえ。
「おい。歌仙兼定?」
気のせいだ僕の新しい主が自分のことを国だと思い込んでいるヤバい外国人だなんて気のせいだ。
「ああああダダダ大丈夫だよ。…国と聞こえたのは僕の聞き間違いだよね?」
気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ
「いや、聞き間違いじゃないぞ。」
「………………」
「言っておくが本当だぞ。」
うん。ヤバいねこの人は。俗に言う厨ニ病だね。
「信じてないな…」
「まあね…でも君がどんなにヤバい人でも僕の主だからね。これからよろしく。」
「おい!私はやばくないぞ!まあいい(良くないが)…それでコンノスケ、この後はどうすればいい?」
「そうですね、早速ですが、遡行軍が暴れているとの情報が入りました。出陣して沈静化を図りましょう!」
やっと来た。僕は刀剣、戦に出てこそだ。
「ちょっと待て、2人でか?」
「2人?僕以外に刀剣男士は見当たらないよ?」
まさかとは思うけど君…
「何言ってんだ。私も出陣するに決まってるだろう。」
ああああああやっぱり!そうだよね薄々気づいていたよ!
「お、お待ちください!審神者様は出陣なさらないでください!」
ほらこんのすけも焦っている!
「何故だ。」
「審神者様にもしものことがあっては困るからです!それに貴女は人間でしょう⁈」
正論だね。僕もそう思うよ。
「大丈夫だ。私は人間ではない。それにボスが戦線に出なくてどうする。」
また、ヤバい発言が出たよ…
「あと単純に私は強いからな。多分歌仙よりも強いぞ。」
「…今のは聞き捨てならないなぁ。」
「では私と手合わせをするか?私が勝ったら出陣に同行する。」
望むところだ。人間の女性に僕が負けるはずがない。
「分かったよ。」
「良し。じゃあ手合わせをしよう。場所は…ここでいいか?」
「僕は構わないy「あ、道場がありますのでそこでしてください!」
…人の話を途中で遮るのは感心しないな。雅じゃない。
「分かった。道場に移動しようか。」
「その前に着替えていいか?これでは動きづらい。」
たしかに彼女の格好はブラウスにフレアスカートと、戦闘には不向きだ。
「分かったよ。それじゃ、僕は先に道場に行っているよ。」
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「待たせたな。」
そう言って彼女は道場に入って来た。外国の軍人みたいな格好だった。
「それじゃ、始めるか。」
「では私こんのすけが審判をいたします!…はじめ!」
こんのすけの合図とともに、僕は彼女へ斬りかかった…はずだった。
僕の身体は、地面に叩きつけられていた。
「っ?!」
「⁈しょ、勝負あり!主様の勝ちです!」
あっさりと負けてしまったが何が起こったのか分からかなった。いや、本当は分かっていた。合図があった瞬間、彼女は僕が一歩踏み出すよりも早く、僕の腕を掴み背負い投げをしたのだ。尤も、空中に放り投げて地面に叩きつけることが背負い投げと言うのかはわからないけど。
「歌仙兼定、大丈夫か?さっきは思いっきり投げてしまったからな…」
「あ、ああ大丈夫だよ…だけど悔しいな。」
「まあ負けるのはしょうがない。君は人の身を得て間もないだろう?自分の体を思いどうりに動かすのは難しいからな。」
フォローされてしまったよ…それが余計に悔しい。
「…」
「じゃあ、出陣に同行するぞ。」
…そういえばそういう約束だったね。
「分かったよ。…次は負けないからね。」
「ああ、その意気だ。」
そう言うと彼女は満足そうにふ、と笑った。
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続く!(多分)
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