随筆的な……

ライナーノート的な随筆

2025/08/31 15:12
創作
 8月の中頃に習作を公開して暫く経ちます。
 こういうのは熱気冷めやらぬままに熱に浮かされて書くのが一番純度が高いモノがかけると思うのですが、習作♯4【昏いうた】を公開した直後に体調を崩し、暫く療養していました。現在も不調ですが、リハビリがてらに筆を執った次第です。

 さて、習作♯4を書き上げて最初に思ったのは……。

 『執筆体力は全盛期には劣るが、短期間であれば全盛期と同等のレベルの話が書ける』事が分かったことです。
 この事実を確認できたのは非常に大きいです。
 小説を書く前にプロットを書くタイプの人間なのですが、プロットを書くためにはインプットが必要で、そのためには必要な資料を読み込んで、自分が把握するために言語化してアウトプット(プロットとして出力)する必要が有ります。
 ここ数年、この段階で既にエネルギー切れとなり本番が書けない状態になって非常に苦しんでいました。
 書きたい書きたい事は山積みなのに、アウトプットするために必要な脳内物質が不足するだけでなく、脳内物質を生成する機能も低下。……即ち、日常生活に支障が出るレベルで認知機能が低下してしまい、頭の中をネタなのかアイデアなのか観念奔逸なのか分からないノイズの濁流に脳味噌を食器洗浄機の食器のように晒されて、幾らノートに書き出して脳内を整理しようにも、ノイズが溜まる速度が速くワーキングメモリが低下。
 これだけのノイズが溢れているのにも関わらずに何も書けないのは偏に、『創造と集中を司る脳内物質アセチルコリン』と『やる気スイッチのエネルギーとモチベーションを司るドーパミン』そして、『必ず書くぞと意気込んでプレッシャーをかける事で短期的な効率化を図る脳内物質ノルアドレナリン』が完全に沈黙!
 お察しの通り、これらを調律する大元の脳内物質であるセロトニンが不具合を起こしていたのです。
 で、セロトニンの回復を図るべく睡眠・運動・朝散歩を心がけて規則正しいリズムで生活していたら今度は、睡眠相前進型という概日リズム障害が発生。……最近の私、いつも午後8時半には「おやすみー」って言っているでしょ? アレ。アレなんすよ。睡眠相前進型は高齢者に多い睡眠障害で……(今回の記事とは直接関係ないので割愛)

 まあ、何はともあれ、ほんの少し調子が回復した隙間を狙って執筆を開始したら、僅かながらも全盛期の頃の多幸感が得られたので満足しましたという話です。

 私は執筆のプロセスを楽しむタイプの創作家なので、公開した作品がどのように評価されようが実は、あまり何とも思わないのですね。なので、後書きやら裏話的なのを書かず、読んでくれた読者様の読後感を汚す真似はしたくないのです。
 それを書いて根底のテーマが伝わらなくてもOK。そんなのは自分だけが分かればいいし、そこまで読んでくれる読者様が居れば極太フォントで感謝の一文字しか抱きません。

 今回の習作では自分が書きたい物を書きたいように書けるか? と自分に対する挑戦でした。
 久しぶりに本番を書くのと同じ覚悟で臨んだのです。

 執筆中は何度もフロー状態に陥り、実に程よい疲労感を覚えて眠りにつきました。作業興奮からのドーパミンの供給に加えてアセチルコリンも調子よく分泌されて筆が進み、プロットと進行表を見ながらの執筆だったのでノルアドレナリンも好い集中力を発揮してくれました。

 更に、条件がそろえば1日5000字のペースで執筆できる事実も確認。これは大きな自信になりました。脳疲労も起こさず執筆期間中はこのペースを守ることができたのです。当初は脳疲労の反動に恐れておっかなびっくりでしたが、各種幸福ホルモンの麻酔や麻痺や鎮静の作用で疲労を感じないばかりか筆の加速を後押ししてくれている錯覚すらしました。
 
 そして書き上げて公開して数日後にバーンアウト。
 予想していたよりも遅いバーンアウト。
 恐れていた脳疲労がまとめてやってきて抑うつに陥りました。
 それでも後悔はしていない。
 寧ろ、今回のペース配分では脳疲労でバーンアウトを起こすという事を知ることができたので、次回はもっと余裕のある進行表を立てようと思いました。

 今回の習作でつくづく思いました。
 私はどうやら作品の完成に至るまでのドーパミンの快楽を味わいたいのだな、と。それは承認欲求とは違う快楽で、『本当に、自分に向けた、自分の心の中だけで満足する』タイプの自己満足が味わいたいのだな、と。

 今までは勢いだけで作品を書いてきましたが、さすがに中年期に差し掛かると老獪な部分が出てしまい、若い頃のような瑞々しい感性で物語や文体は書けないと寂寞を感じていました。
 ですが、歳を取ったら年を取ったなりの執筆スタイルを真剣に検討すればまだまだ執筆は続けられると実感したので習作を書くと宣言して良かったです。

 ……実に3年ぶりのドーパミンラッシュ、気持ちよかった……。

 脳疲労による抑うつの苦しさよりもドーパミンラッシュ(この場合、創作中毒が満たされた事実)に包まれた快楽の方が大きく、ゆっくりではありますが、ドーパミンサイクルが回り始めました。錆びつきつつあったシナプス可塑性が少しだけ輝きを取り戻した気分です。今回の習作の公開は私にとって、感情と記憶が結びつくエピソード記憶として『好い思い出と経験』として大脳皮質に刻まれました。
 
 習作を読んでくださった皆様、有り難うございました!

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