久しぶりに風邪を引いた。今のところ、症状は鼻炎と倦怠感のみ。私一人が風邪ならば何も問題なはないのだが、昨夜遅くから母上が熱風邪を召しており、私が一人で家事をこなしている。私の不調続きということもあって、最近では私と母が分担して家事を片付けていた。介護等級高めの母に家事をできるだけさせまいと奮起してきたが、無理が祟り、私は倒れてしまった。……それ以来、母上が家事の分担を申し出てくれて何とか生活できていた。

なぜ、親子二人が風邪で伏せったくらいでそこまで深刻に考えているのかというと、父上が問題なのだ。父上は2日に1回の人工透析をしないと死んでしまう人間なので本人がインフルエンザだろうがなんだろうが必ず透析に送り出さねばならない。透析が必要な患者の生活というのは本人よりも家族のほうが大変で……それこそ食事のカロリーやら低血糖への備えやら、入浴排便時の注視など非常に神経を使う。その父上本人が糖尿病で腎臓病で高脂血症なのに深夜早朝問わずに甘味を欲するのだ。そんな難儀な父上の面倒は流石に私一人どころか母上と力を合わせても何とかなっているのが奇跡。そういう怪しい家庭のバランスが今現在崩壊している。物理的に具体的に。なお、父上の生活力と家事スキルは皆無です。腹が減れば饅頭とコーヒー牛乳を飲んで空腹を誤魔化す人間です。

風邪が治れば問題解決なのではない。風邪はコントロール率０%だ。風邪が治ったら今まで通りの生活が戻るだけだ。それは上手く行っても現状維持。『問題の解消』は悩むべき問題ではない。風邪を引いているという事実の結果、家事が滞っているという『悩み』が問題なのだ。問題はコントロールできないが、悩みはコントロールできるし解消できる。今考えるべきことは、どうしようもない風邪の時に簡単に作れる料理や普段から常備菜を種類多めに用意して、少なくとも食事だけは滞ることがないように知恵を絞るだけなのだ。

人間とは単純で、このようにどうしようもない問題を目の前にしても、『問題と悩み』『事実と感情』を切り分けて言語化して直ぐにやるべきことをリスト化すると、前頭前野が鈍った状態でも、少ない認知資源の消費だけで『目の前の仕事を片付ければなんとかなる』と勝手に思い込んでしまう。

……と、まあ、最近はこのように脳科学的側面から家事をいかに効率よく片付けるか考えている次第です。