立海大付属
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今日は立海の全員で海にきていた。
『うわー…(みんな中学生とは思えないぐらい鍛えてるなぁ。)』
赤「うわっ…ユエちゃん、背は低いけど胸おっきいからその水着超似合ってんじゃん!」
『でしょ。赤也もよく鍛えてるね。』
赤「へへっ、そうっしょ?」
ユエは切原の二の腕の筋肉に触る。
『いい筋肉だ。』
赤「毎日誰かさんに走らされてるからなぁ…。」
弦「赤也、砂浜でのランニングは普段のランニングより練習になるぞ。」
赤「げぇ!?真田副部長…!?」
ブ「まあまあ、今日ぐらい許してやってもいいだろぃ。」
比「ユエさん、少し肌の露出が多くないですか?」
『ふふ、お父さんキャラは弦一郎でしょ。』
雅「そうじゃき。ユエ、今なら色んな男を騙せそうやのう。」
蓮「ユエはそんな子じゃないだろう。」
『(ま、まぁ…立海レギュラー陣の的にはなろうとしてるけどね…。)』
桑「だが…目のやり場には困るな。」
『ジャッカルってば、ウブだね。』
桑「1年に言われたくねぇ!」
そう言うとジャッカルは目をそらした。
精「みんな、ちゃんといるね。」
『うん、大丈夫。』
精「ユエ、ずいぶんな格好しているね。」
『それもう会話済みだよ。もうジャッカルも精市も小煩いんだから…。』
そういうと、水着と同じ柄の薄いビーチウェアを纏った。
ブ「それない方がセクシーだったぜぃ。」
『ジャッカルと精市が。』
赤「じゃあもう泳ぎに行こうぜ!ユエちゃん、それやっぱいらねぇよ。」
『そうだね。行こ、ブン太、赤也。』
赤ブ「「おう!」」
というと3人は海へ向かった。
精「3人とも、転ばないようにね!」
比「ユエさんと切原くんと丸井くんはまるで兄妹のようですね。」
弦「まったくもってたるんどる!」
桑「まあまあ、遊びなんだからいいじゃねぇか。」
弦「俺が見守ってやろう。」
蓮「真田、俺も行こう。」
精「じゃあ俺は荷物を見ておこうかな。」
桑「俺も一緒に残る。幸村1人じゃ退屈だろう。」
精「柳生と仁王も行ってきていいよ。」
比「そうですか、では我々も行きましょう、仁王くん。」
雅「プリッ。」
幸村とジャッカル以外の全員は海の方へ向かった。
『あはは、冷たっ!』
ブ「ぎゃっ、しょっぱ!!」
赤「丸井先輩っ、海飲んじゃったんスか?」
ブ「うえー…赤也がばちゃばちゃするからだろぃ。」
赤「えぇっ、俺のせいっスか!?」
『ブン太、ブン太。』
ブ「ん?」
というと、ユエは海水をブン太におもいっきりかける。
ブ「ぎゃっ!?ユエ、やったな!?」
『あはは!(何やってんだ、25歳私!)』
赤「うわっ、俺にもはねたぜ、ユエちゃん!」
『あはは、赤也もくらう?』
赤「かけあいっこスかぁ?受けて立つっスよ!」
ブ「受けてたつぜ、柳が。」
蓮「俺かっ!?」
『蓮二、とばっちりだね。』
蓮「まあいい。柳蓮二の勝率92%…。」
『マジ!?』
柳と真田と柳生と仁王以外は全員びちゃびちゃに濡れた。真田はハメを外し過ぎないようじっと見守っている。
『蓮二…強い…!!(だけど顔と髪を濡らさない辺り、分かってるよなぁ…。)』
蓮「ふっ。」
赤「くっそー…柳先輩全然濡れてないじゃないっスか!」
蓮「普段のテニスの動きからデータを出したんだ。」
『ふう…朝ご飯少なめだったし、騒いで動いたらお腹すいてきちゃった。』
比「なら、私が何か飲食物でも買ってきましょう。」
『あ、私も行くよ。皆は?』
蓮「受けて立つ。」
比「ではユエさん、共にいきましょう。何方か幸村くんとジャッカルくんと交代してあげてください。私たちもご飯を食べ終えたら交代しますから。」
ブ「おう!じゃ、俺と仁王が交代してくるぜぃ。」
雅「ピヨッ。」
仁王と丸井と柳生とユエは幸村達の元へ戻り、柳生とユエは財布だけもち、売店の方へ向かおうとする。
比「ユエさん、こちらも羽織ってください。海の家といえど屋内なので涼しい可能性もあります。」
『あ、うん。』
柳生はユエの肩にビーチウェアをかける。
『ありがとう、紳士。』
雅「流石やのう、紳士。」
ブ「柳生はは紳士だな。」
精「ふふっ、いつも通り紳士だね。」
桑「ブレないな、紳士は。」
比「何故皆して同じような事を?」
『まあまあ、行こ、紳士。』
比「はあ…その呼ばれ方は悪い気がしませんが。」
ユエと柳生は海の家へ向かった。
『比呂士、何食べる?ところてん?』
比「ところてんは確かに私の好物ですが…こういう所には置いていないでしょう。手堅くカレーライスでも頂きましょうか。」
『じゃあ、私はラーメンにしよっかな。』
注文を終えて暫くすると注文した物が運ばれてくる。
『海の家の素朴な感じのご飯大好きなんだよね。いただきます。』
比「いただきます。」
柳生はしっかりと手を合わせて言った。
『比呂士と2人で食事って初めてだよね。』
比「そうですね。ユエさんと食事をする時はいつも仁王くんも一緒でした。」
『うんうん。なんか3人でいる事多い気がするね。』
比「たまには2人きりでの食事も悪くないですね。」
『えっ。(比呂士がそんな事言うの…め、珍しいな…。)』
比「ユエさん、手が進むのが遅いようですが、麺が伸びてしまいますよ。」
『あ、ああ…そうね。』
ご飯を食べ終え、一息をつく。
比「そういえばユエさん。彼方にある崖少し高い所にあって景色が良さそうではないですか?」
『お、本当だ。ちょっと行ってみようかな。』
比「私もお供しましょう。ユエさん、先にお店の外に出ていてください。」
『え、会計済ませなきゃ。』
比「いいのですよ。私がお支払い致しますから。」
『いやいや、いいよ!(っていうかだいぶ年下の子に奢ってもらうのも微妙な気分だし!)』
比「少し、かっこつけさせて頂けませんか?」
『あ…う、分かった。(さっきから比呂士の言動がかっこいいな…。)』
というと、ユエは外へ出て、柳生は会計を済ませにいった。
『(まさか、私に思い寄せてる?…いやいや、比呂士は勉強が恋人みたいな人だしな…。)』
男「よ、そこのお嬢ちゃん。」
『ん?』
男「ちんまい割にいい体してんじゃん。どう、俺達と遊ばない?」
『いやいやいや、ないでしょ。(高校生ぐらいの子でもナンパとかするんだな…。)』
男「まあまあ、そんな事言わないでさ。」
というと男はユエのうでを掴む。
『ぎゃ、ちょっと、私連れがいるの。やめてよ。』
男「連れの奴よりいい思いさせてやるよ。」
『うそ、ちょ…やだ!』
誰もユエの方を見てなかったらしく、ユエはそのまま口を塞がれ先程柳生と話していた崖の影まで連れてかれる。
男「さて、お楽しみと行くか。」
『んんー!!(嘘、うそ…本当に?誰にも気付いて貰えなくて…?)』
ユエは涙を流す。
比「ユエさん!!」
『……!!』
男「なんだ、もう気付いたのかよ。」
比「その薄汚い手を離しなさい!!」
『(比呂士が、そんな言葉を…。)』
というと、柳生の威圧に男はユエを掴みながら後ずさりをする。
男「これ以上来るな!此奴を海に落とすぞ!!」
ユエは口を塞がれていた物をとられる。
赤「は!?あれ、ユエちゃん!?」
雅「柳生…!!」
体の悪い幸村以外の立海メンバーは海から出て崖の方へ向かっていった。
男「この女が此処から落ちて死ぬか、俺に犯されるか選びやがれ!」
崖の真下は海の部分が薄く、岩山になっていた。
比「全く美しくない人ですね…。」
『比呂士…ごめん…ごめん、迷惑かけて…。』
するとユエの足元の崖が崩れる。
『えっ…。』
男「はっ?」
比「ユエさん!!!」
ふわっとジェットコースターのような感覚を身体に感じる。
いち早く気付いた柳生がユエの手を掴んだ。
『っ……。』
比「ユエさん、大丈夫ですか!?」
『ひ、比呂士…?』
柳生はユエの手を掴み、片手で崖に掴まった。
男は人殺しになる気は無かったらしく、怖くなり逃げ出した。
比「……っ。」
『(…比呂士、私がいなきゃ自分だけでも助かるのに…。)』
比「ユエさん…今、引き上げますので…。」
そういう柳生の下から見た顔は苦しそうだった。
『(……私は…別の世界からきた異端者…柳生を殺す訳に行かない…。…死ぬのは…私だけで十分…。)』
そう思い、ユエは柳生に掴まれている手を緩める。
比「ユエさん、何を!?」
『比呂士、ごめんね…。私、立海の中でも比呂士の事が一番好きだったよ。だから、比呂士だけでも生きて欲しい。』
比「好きだと仰って下さるなら…私の為に死ぬのではなく、私の為に生きてください!」
『ふふ…今日の比呂士本当にかっこいい。』
雅「柳生、ユエ、大丈夫か!?」
『雅治…?』
弦「今引き上げるぞ!!」
『弦一郎…。』
体格の大きい真田と仁王がユエと一緒に柳生を引き上げた。
弦「無事か!?」
比「ええ。私は平気です。」
ブ「ユエは大丈夫か?」
『……。』
桑「とりあえず此処は危険だ、降りるぞ。」
全員は崖から降り、安全な場所へ移動した。
比「ユエさん、何故あの時に手を緩めたのですか。」
全「「!」」
『………。』
桑「柳生だけ助けて、自分は死のうとしたっていうのか?」
ブ「バッカだな!元はと言えばユエのピンチに駆けつけれなかった俺達のせいだろぃ!?」
『!?ちが…。』
蓮「違わない。俺達全員がもう少しユエを注意して見ておくべきだったんだ。」
『……ごめんなさい、私弱くて…。』
ユエは涙をポロポロと零す。
雅「ユエを責めてる訳やない。誰も責めておらん。じゃが、俺も柳生もユエが手を離そうとした理由は聞きたい。話しんしゃい。」
『………好きな人に…生きて、欲し…かった…。』
比「もしもユエさんが海に落ちてしまっていたら、私は追って飛び込んでいましたよ。」
『…比呂…士……。』
雅「紳士、お前さんは本当にイケメンじゃのう。」
ブ「ったく、吊り橋効果って奴か?お似合いじゃねぇか。」
比「丸井くん、茶化さないでください。」
『…え。』
比「…では、丸井くんのいう吊り橋効果に肖りましょうか。ユエさん、私も貴女の事が好きです。」
『ひ、比呂士…?』
比「私と共に人生を歩んで頂けませんか?私の為に生きてください。」
『………うん。』
パチパチと拍手する立海メンバー。
ブ「ちぇ、俺も新しい恋探さなきゃな。」
『え?』
ブ「なんでもねぇよ。」
比「お礼が遅れました。皆さん、私たちを助けてくださって、祝福をしてくださってありがとうございます。」
弦「かまわん。」
蓮「そういえば、赤也はどうした?」
ブ「赤也は今頃…。」
丸井が幸村の方を見ると、全員が幸村を見る。
『イライラ…してる?』
ブ「ま、話を聞きに行こうじゃねぇか。」
全員が幸村の元へ戻ると、赤也は目を輝かせユエに飛びつく。
赤「ユエちゃん!!無事だったか?」
『うん…大丈夫。』
赤「良かった!俺あの男をついぶっ潰しちゃってさ…幸村部長にこっぴどく怒られたんだ…。」
精「俺が通報しておいて、海の家の人が身動き取れないように捕まえててくれたのに、赤也がその男をぼこぼこに殴るからね。」
『赤也…私の事を思ってだよね。ありがとう。』
赤「へへ、ちょっとはスッキリしたか?」
『うん。』
雅「赤也。傷つかんように先に言っちゃるが…ユエ、柳生と付き合う事になったぜよ。」
赤「……えぇ!?!?ま、マジで…!?」
『う、うん。』
赤「………はあ……柳生先輩に先越されるなんて…。」
『え…?』
赤「なんでもねぇよ…。」
切原は分かりやすく肩を落としていた。
精「柳生、おめでとう。」
比「ありがとうございます、幸村くん。」
赤「あーあ、でも一緒のテニス部の仲間には変わんねーか。ユエちゃん、ビーチボールやんねぇ?」
『あ、やる。』
ブ「お、俺も混ぜろぃ!」
雅「俺も混ぜんしゃい。」
幸村と柳生以外のメンバーがビーチボールをしに砂浜へいった。
精「ずるいな、柳生。」
比「申し訳ありません、幸村くん。」
精「俺達、きっとユエの事はみんな好きだったと思う。」
比「皆さんの気持ちは存じておりました。私もその1人だったので。」
精「柳生、俺達の分まで幸せにするんだよ。」
比「当然です。心配はいりませんよ。」
精「でも正直、ユエと付き合うのが柳生なら少し安心だな。」
比「それは何故でしょう?」
精「俺も確かにユエの事が好きだったけど、死ぬまで幸せに出来ないと思うし。」
比「……。」
精「ごめん、重くなっちゃったね。ただ、立海のメンバーの誰よりもユエの事を幸せに出来ると思って。」
比「安心してください、必ず幸せにしますよ。」
ビーチボールで楽しんでいる姿のユエを見て柳生は強くそういった。
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『うわー…(みんな中学生とは思えないぐらい鍛えてるなぁ。)』
赤「うわっ…ユエちゃん、背は低いけど胸おっきいからその水着超似合ってんじゃん!」
『でしょ。赤也もよく鍛えてるね。』
赤「へへっ、そうっしょ?」
ユエは切原の二の腕の筋肉に触る。
『いい筋肉だ。』
赤「毎日誰かさんに走らされてるからなぁ…。」
弦「赤也、砂浜でのランニングは普段のランニングより練習になるぞ。」
赤「げぇ!?真田副部長…!?」
ブ「まあまあ、今日ぐらい許してやってもいいだろぃ。」
比「ユエさん、少し肌の露出が多くないですか?」
『ふふ、お父さんキャラは弦一郎でしょ。』
雅「そうじゃき。ユエ、今なら色んな男を騙せそうやのう。」
蓮「ユエはそんな子じゃないだろう。」
『(ま、まぁ…立海レギュラー陣の的にはなろうとしてるけどね…。)』
桑「だが…目のやり場には困るな。」
『ジャッカルってば、ウブだね。』
桑「1年に言われたくねぇ!」
そう言うとジャッカルは目をそらした。
精「みんな、ちゃんといるね。」
『うん、大丈夫。』
精「ユエ、ずいぶんな格好しているね。」
『それもう会話済みだよ。もうジャッカルも精市も小煩いんだから…。』
そういうと、水着と同じ柄の薄いビーチウェアを纏った。
ブ「それない方がセクシーだったぜぃ。」
『ジャッカルと精市が。』
赤「じゃあもう泳ぎに行こうぜ!ユエちゃん、それやっぱいらねぇよ。」
『そうだね。行こ、ブン太、赤也。』
赤ブ「「おう!」」
というと3人は海へ向かった。
精「3人とも、転ばないようにね!」
比「ユエさんと切原くんと丸井くんはまるで兄妹のようですね。」
弦「まったくもってたるんどる!」
桑「まあまあ、遊びなんだからいいじゃねぇか。」
弦「俺が見守ってやろう。」
蓮「真田、俺も行こう。」
精「じゃあ俺は荷物を見ておこうかな。」
桑「俺も一緒に残る。幸村1人じゃ退屈だろう。」
精「柳生と仁王も行ってきていいよ。」
比「そうですか、では我々も行きましょう、仁王くん。」
雅「プリッ。」
幸村とジャッカル以外の全員は海の方へ向かった。
『あはは、冷たっ!』
ブ「ぎゃっ、しょっぱ!!」
赤「丸井先輩っ、海飲んじゃったんスか?」
ブ「うえー…赤也がばちゃばちゃするからだろぃ。」
赤「えぇっ、俺のせいっスか!?」
『ブン太、ブン太。』
ブ「ん?」
というと、ユエは海水をブン太におもいっきりかける。
ブ「ぎゃっ!?ユエ、やったな!?」
『あはは!(何やってんだ、25歳私!)』
赤「うわっ、俺にもはねたぜ、ユエちゃん!」
『あはは、赤也もくらう?』
赤「かけあいっこスかぁ?受けて立つっスよ!」
ブ「受けてたつぜ、柳が。」
蓮「俺かっ!?」
『蓮二、とばっちりだね。』
蓮「まあいい。柳蓮二の勝率92%…。」
『マジ!?』
柳と真田と柳生と仁王以外は全員びちゃびちゃに濡れた。真田はハメを外し過ぎないようじっと見守っている。
『蓮二…強い…!!(だけど顔と髪を濡らさない辺り、分かってるよなぁ…。)』
蓮「ふっ。」
赤「くっそー…柳先輩全然濡れてないじゃないっスか!」
蓮「普段のテニスの動きからデータを出したんだ。」
『ふう…朝ご飯少なめだったし、騒いで動いたらお腹すいてきちゃった。』
比「なら、私が何か飲食物でも買ってきましょう。」
『あ、私も行くよ。皆は?』
蓮「受けて立つ。」
比「ではユエさん、共にいきましょう。何方か幸村くんとジャッカルくんと交代してあげてください。私たちもご飯を食べ終えたら交代しますから。」
ブ「おう!じゃ、俺と仁王が交代してくるぜぃ。」
雅「ピヨッ。」
仁王と丸井と柳生とユエは幸村達の元へ戻り、柳生とユエは財布だけもち、売店の方へ向かおうとする。
比「ユエさん、こちらも羽織ってください。海の家といえど屋内なので涼しい可能性もあります。」
『あ、うん。』
柳生はユエの肩にビーチウェアをかける。
『ありがとう、紳士。』
雅「流石やのう、紳士。」
ブ「柳生はは紳士だな。」
精「ふふっ、いつも通り紳士だね。」
桑「ブレないな、紳士は。」
比「何故皆して同じような事を?」
『まあまあ、行こ、紳士。』
比「はあ…その呼ばれ方は悪い気がしませんが。」
ユエと柳生は海の家へ向かった。
『比呂士、何食べる?ところてん?』
比「ところてんは確かに私の好物ですが…こういう所には置いていないでしょう。手堅くカレーライスでも頂きましょうか。」
『じゃあ、私はラーメンにしよっかな。』
注文を終えて暫くすると注文した物が運ばれてくる。
『海の家の素朴な感じのご飯大好きなんだよね。いただきます。』
比「いただきます。」
柳生はしっかりと手を合わせて言った。
『比呂士と2人で食事って初めてだよね。』
比「そうですね。ユエさんと食事をする時はいつも仁王くんも一緒でした。」
『うんうん。なんか3人でいる事多い気がするね。』
比「たまには2人きりでの食事も悪くないですね。」
『えっ。(比呂士がそんな事言うの…め、珍しいな…。)』
比「ユエさん、手が進むのが遅いようですが、麺が伸びてしまいますよ。」
『あ、ああ…そうね。』
ご飯を食べ終え、一息をつく。
比「そういえばユエさん。彼方にある崖少し高い所にあって景色が良さそうではないですか?」
『お、本当だ。ちょっと行ってみようかな。』
比「私もお供しましょう。ユエさん、先にお店の外に出ていてください。」
『え、会計済ませなきゃ。』
比「いいのですよ。私がお支払い致しますから。」
『いやいや、いいよ!(っていうかだいぶ年下の子に奢ってもらうのも微妙な気分だし!)』
比「少し、かっこつけさせて頂けませんか?」
『あ…う、分かった。(さっきから比呂士の言動がかっこいいな…。)』
というと、ユエは外へ出て、柳生は会計を済ませにいった。
『(まさか、私に思い寄せてる?…いやいや、比呂士は勉強が恋人みたいな人だしな…。)』
男「よ、そこのお嬢ちゃん。」
『ん?』
男「ちんまい割にいい体してんじゃん。どう、俺達と遊ばない?」
『いやいやいや、ないでしょ。(高校生ぐらいの子でもナンパとかするんだな…。)』
男「まあまあ、そんな事言わないでさ。」
というと男はユエのうでを掴む。
『ぎゃ、ちょっと、私連れがいるの。やめてよ。』
男「連れの奴よりいい思いさせてやるよ。」
『うそ、ちょ…やだ!』
誰もユエの方を見てなかったらしく、ユエはそのまま口を塞がれ先程柳生と話していた崖の影まで連れてかれる。
男「さて、お楽しみと行くか。」
『んんー!!(嘘、うそ…本当に?誰にも気付いて貰えなくて…?)』
ユエは涙を流す。
比「ユエさん!!」
『……!!』
男「なんだ、もう気付いたのかよ。」
比「その薄汚い手を離しなさい!!」
『(比呂士が、そんな言葉を…。)』
というと、柳生の威圧に男はユエを掴みながら後ずさりをする。
男「これ以上来るな!此奴を海に落とすぞ!!」
ユエは口を塞がれていた物をとられる。
赤「は!?あれ、ユエちゃん!?」
雅「柳生…!!」
体の悪い幸村以外の立海メンバーは海から出て崖の方へ向かっていった。
男「この女が此処から落ちて死ぬか、俺に犯されるか選びやがれ!」
崖の真下は海の部分が薄く、岩山になっていた。
比「全く美しくない人ですね…。」
『比呂士…ごめん…ごめん、迷惑かけて…。』
するとユエの足元の崖が崩れる。
『えっ…。』
男「はっ?」
比「ユエさん!!!」
ふわっとジェットコースターのような感覚を身体に感じる。
いち早く気付いた柳生がユエの手を掴んだ。
『っ……。』
比「ユエさん、大丈夫ですか!?」
『ひ、比呂士…?』
柳生はユエの手を掴み、片手で崖に掴まった。
男は人殺しになる気は無かったらしく、怖くなり逃げ出した。
比「……っ。」
『(…比呂士、私がいなきゃ自分だけでも助かるのに…。)』
比「ユエさん…今、引き上げますので…。」
そういう柳生の下から見た顔は苦しそうだった。
『(……私は…別の世界からきた異端者…柳生を殺す訳に行かない…。…死ぬのは…私だけで十分…。)』
そう思い、ユエは柳生に掴まれている手を緩める。
比「ユエさん、何を!?」
『比呂士、ごめんね…。私、立海の中でも比呂士の事が一番好きだったよ。だから、比呂士だけでも生きて欲しい。』
比「好きだと仰って下さるなら…私の為に死ぬのではなく、私の為に生きてください!」
『ふふ…今日の比呂士本当にかっこいい。』
雅「柳生、ユエ、大丈夫か!?」
『雅治…?』
弦「今引き上げるぞ!!」
『弦一郎…。』
体格の大きい真田と仁王がユエと一緒に柳生を引き上げた。
弦「無事か!?」
比「ええ。私は平気です。」
ブ「ユエは大丈夫か?」
『……。』
桑「とりあえず此処は危険だ、降りるぞ。」
全員は崖から降り、安全な場所へ移動した。
比「ユエさん、何故あの時に手を緩めたのですか。」
全「「!」」
『………。』
桑「柳生だけ助けて、自分は死のうとしたっていうのか?」
ブ「バッカだな!元はと言えばユエのピンチに駆けつけれなかった俺達のせいだろぃ!?」
『!?ちが…。』
蓮「違わない。俺達全員がもう少しユエを注意して見ておくべきだったんだ。」
『……ごめんなさい、私弱くて…。』
ユエは涙をポロポロと零す。
雅「ユエを責めてる訳やない。誰も責めておらん。じゃが、俺も柳生もユエが手を離そうとした理由は聞きたい。話しんしゃい。」
『………好きな人に…生きて、欲し…かった…。』
比「もしもユエさんが海に落ちてしまっていたら、私は追って飛び込んでいましたよ。」
『…比呂…士……。』
雅「紳士、お前さんは本当にイケメンじゃのう。」
ブ「ったく、吊り橋効果って奴か?お似合いじゃねぇか。」
比「丸井くん、茶化さないでください。」
『…え。』
比「…では、丸井くんのいう吊り橋効果に肖りましょうか。ユエさん、私も貴女の事が好きです。」
『ひ、比呂士…?』
比「私と共に人生を歩んで頂けませんか?私の為に生きてください。」
『………うん。』
パチパチと拍手する立海メンバー。
ブ「ちぇ、俺も新しい恋探さなきゃな。」
『え?』
ブ「なんでもねぇよ。」
比「お礼が遅れました。皆さん、私たちを助けてくださって、祝福をしてくださってありがとうございます。」
弦「かまわん。」
蓮「そういえば、赤也はどうした?」
ブ「赤也は今頃…。」
丸井が幸村の方を見ると、全員が幸村を見る。
『イライラ…してる?』
ブ「ま、話を聞きに行こうじゃねぇか。」
全員が幸村の元へ戻ると、赤也は目を輝かせユエに飛びつく。
赤「ユエちゃん!!無事だったか?」
『うん…大丈夫。』
赤「良かった!俺あの男をついぶっ潰しちゃってさ…幸村部長にこっぴどく怒られたんだ…。」
精「俺が通報しておいて、海の家の人が身動き取れないように捕まえててくれたのに、赤也がその男をぼこぼこに殴るからね。」
『赤也…私の事を思ってだよね。ありがとう。』
赤「へへ、ちょっとはスッキリしたか?」
『うん。』
雅「赤也。傷つかんように先に言っちゃるが…ユエ、柳生と付き合う事になったぜよ。」
赤「……えぇ!?!?ま、マジで…!?」
『う、うん。』
赤「………はあ……柳生先輩に先越されるなんて…。」
『え…?』
赤「なんでもねぇよ…。」
切原は分かりやすく肩を落としていた。
精「柳生、おめでとう。」
比「ありがとうございます、幸村くん。」
赤「あーあ、でも一緒のテニス部の仲間には変わんねーか。ユエちゃん、ビーチボールやんねぇ?」
『あ、やる。』
ブ「お、俺も混ぜろぃ!」
雅「俺も混ぜんしゃい。」
幸村と柳生以外のメンバーがビーチボールをしに砂浜へいった。
精「ずるいな、柳生。」
比「申し訳ありません、幸村くん。」
精「俺達、きっとユエの事はみんな好きだったと思う。」
比「皆さんの気持ちは存じておりました。私もその1人だったので。」
精「柳生、俺達の分まで幸せにするんだよ。」
比「当然です。心配はいりませんよ。」
精「でも正直、ユエと付き合うのが柳生なら少し安心だな。」
比「それは何故でしょう?」
精「俺も確かにユエの事が好きだったけど、死ぬまで幸せに出来ないと思うし。」
比「……。」
精「ごめん、重くなっちゃったね。ただ、立海のメンバーの誰よりもユエの事を幸せに出来ると思って。」
比「安心してください、必ず幸せにしますよ。」
ビーチボールで楽しんでいる姿のユエを見て柳生は強くそういった。
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