立海大付属
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10年振りに当時の立海のレギュラー陣メンバーとマネージャーで同窓会をする事になっていた。
赤「俺いっちばーん!」
切原は予約していた真ん中の席を陣取った。
雅「赤也か、久しぶりじゃのう。」
赤「えぇー仁王先輩!?なんかモデルみたいっスねぇ!」
雅「煽てても何も出んぜよ。俺に比べて、赤也は変わらんのう。」
仁王は席に着く。
蓮「懐かしいな、2人とも。」
雅「久しいの。」
赤「おっ、柳先ぱ……ああっ!?左手の薬指…!!」
雅「参謀、おまん結婚したのか。」
蓮「ああ。俺の人生設計に狂いがない確率、92%だったからな。」
赤「残りの8%は誰だったら埋めれたんスかねぇ。」
蓮「ふ…さあな。」
雅「なんじゃ、参謀。少し未練あるのか?」
蓮「うちのマネージャーの事を忘れる事が出来る奴なんてこの代のレギュラー陣にはいないだろう?」
柳は適当に席に着く。
ブ「話は聞かせてもらったぜぃ!」
桑「久しぶりだな。」
赤「丸井先輩に、桑原先輩!」
ブ「ま、忘れらんねぇよなぁ。」
桑「はは、彼奴が居なきゃ今もこうして集まってるか分からねぇもんな。」
雅「ま、その通りじゃの。」
赤「丸井先輩も桑原先輩も、今もよく一緒にいるんスか?」
ブ「ま、月に1回は飲みにいく仲ってとこだな。」
桑「先月は2回会ったような。」
雅「俺は柳生と会う機会はかなり減ってしまったぜよ。」
赤「へぇー、なんか意外っスね。」
蓮「…そして意外なメンバーが先に揃ったな。」
赤「確かに、いつも部室に早く集まってた人たちがいないっスねぇ。」
談笑をしながら、丸井とジャッカルも席へ着く。
精「みんな、久しぶりだね。」
赤「おー!!部長じゃないっスか!」
雅「幸村。元気しとったか?」
精「まずまずって所かな。」
蓮「体調は平気なのか?」
ブ「酒とかは飲めんのか?」
精「あはは、一気に質問しないでよ。完璧じゃないけど平気だよ。お酒は控えるようにしてるけど。」
赤「あの時集まってたメンツが全員酒飲めるようになってるってなんか感激っスよね!」
幸村も席へ着く。
弦「…!」
雅「久しぶりじゃのう、真田。」
弦「ああ。お前たち、随分と大人っぽくなったな。」
ブ「真田が変わってなさすぎるだけだろぃ!」
赤「へっへー、俺も変わってますか?」
弦「どうも変わっていないように見える。」
赤「な、なんでそんな事いうんスか!」
精「弦一郎、君は本当に変わらないね。」
弦「そうだろうか…。む、柳、お前結婚したのか?」
蓮「ああ。とても相性のいい子が居てな。」
精「へぇ、俺達の中で結婚が一番早いのが柳なのはちょっと意外だったなぁ。」
赤「俺も驚いたっスよ!この中だったら…真田副部長が一番かなぁってなんとなく。」
桑「はは、それは俺も分からないでもないけどな。」
真田は切原の隣に座る。
赤「げっ、やっぱり定位置なんスね…。」
弦「何か文句あるのか?」
赤「べ、別にないっスよ…。」
ブ「赤也も真田もお前ら中学の時から変わらないな。」
比「おや、皆さんお揃いでしたか。」
柳生がスーツ姿で登場をした。
雅「柳生、おまんはスーツがよく似合うの。」
比「そうですか?」
赤「久しぶりっス、柳生先輩!」
ブ「柳生も変わってはいるけど違和感ないなー。」
桑「はは、中学の頃も同じ制服だったと思えるぐらいに似合ってるな。」
弦「仕事帰りか?」
比「ええ。しっかりと定時で上がりましたよ。」
蓮「土曜日も仕事とは。まさかサービス業とかなのか?」
比「いえ、違いますよ。サービス業はどうも性に合いませんので。土曜出勤だったのです。」
赤「ひえー…まさかブラック企業っスか?」
比「そんな事はありませんよ。ちゃんと提示には上がれますし、別の日にお休みを頂けますので。」
雅「お前さん、仕事とかになると多少なら無理をしそうじゃからの。」
精「ふふ、たしかに。」
比「心配には及びませんよ。」
柳生は仁王の隣へ座った。
雅「ふっ。」
比「どうかしましたか?」
雅「いや、ダブルスを思い出しての。」
比「はっはっ、私もなんだか仁王くんの隣へ座るべきだと考えてしまったのですよ。」
弦「10年経っても変わらない物があるというのは、良い物だな。」
赤「そうっスね…。」
精「ふふ…そうだね。」
切原と真田、仁王と柳生、丸井とジャッカルを見て幸村はクスッと笑った。
ブ「つーか、あと一人遅くね?」
弦「いつも2番目か3番目には来ていた気がするが。」
精「可愛くなってるかな。」
蓮「元々可愛らしい奴だっただろう。」
赤「結婚してる柳先輩がそれ言っちゃいます!?」
桑「たしかに容姿は気になるな…。」
比「身長がだいぶ高くはなっていそうですね。」
雅「……。」
『ひゅー!みんな久しぶりじゃーん!』
全「!」
身長がかなり伸び良いスタイルに。変わりのない笑顔。全員が少しの間見とれてしまった。
『あら?会話途切れさせちゃった?』
精「そんな事ないよ。ユエ、とっても綺麗になったね。」
『やだー!いきなり口説かないでよ!』
そういい、幸村の肩を軽く小突く。
弦「赤也は変わらないが…ユエは変わったな。」
『ふふ、赤也だけじゃなくて弦一郎も全然変わらないじゃない!』
赤「俺も変わってねぇかな!?」
『んー、かっこよくなったね!職場ですっごくモテるでしょ?』
赤「え、えへへ…そんな事ねぇよ!」
『ってか、比呂士ー!!似合いすぎじゃんスーツ!!』
比「ふふっ、そうですか?ユエさんは雰囲気がかなりかわりましたね。」
『えー、そうかな?結婚したからかも?』
桑「ユエ、結婚したのか!?」
『じゃーん!』
そういうとユエは左手の薬指を見せる。
ブ「なんだよ、あわよくばお持ち帰りもありだったのによ。」
『やだー、ブン太そんな事いうキャラだっけ?』
蓮「ユエ、実は俺も既婚者なんだ。」
『えぇー!?マジ!?蓮二は意外だったかも!なんかデータ取ってデータ取ってデータ取ってからーって一番遅いかと思ったよ!』
蓮「そこまでくどい男じゃないさ。」
『ま、高身長でそんだけイケメンで性格もデータデータとか言わなきゃ完璧だもんね。ちょーっと間そこ座っていい?』
精「いいよ。」
席順は左から柳、幸村、ユエ、仁王、柳生。テーブルを挟んで真田、切原、丸井、ジャッカルとなっていた。
幸村意外の全員は生ビールを頼む。
『再会に~!』
全「『乾杯!!』」
全員は酒が進む。ユエは仁王に目配せをする。
赤「そういや俺、ユエちゃんって、仁王先輩が卒業した後付き合ったって噂聞いたんスけど。」
『あれ、マジ?私すっごく隠してたつもりなのに。』
弦「隠していた、という事は付き合っていたのか?」
雅「ま、そんな所じゃの。」
蓮「流石に卒業した後だと、そのデータは集めれなかったな。」
『みんなOBでけっこう立海のテニス部来てたよね。』
赤「そうそう!幸村部長見るとみんながひぃーって怯えてたの懐かしいぜ。」
『やっぱり私が一年の時の立海が一番強かったと思うからねー。』
精「あはは。だって、3年生の動きがあんまりにも悪すぎてさ。」
赤「三強が三強すぎたんですって!ダブルスの2人も強いし!」
『私のサポートも年々ダメになってるって怒られたなぁ。』
弦「ユエが3年になった途端マネージャーを辞めたんだったな。全くもってたるんどる。」
『ごめんごめん、私は私が1年の頃のレギュラー陣だけしか愛せなくてさ。』
蓮「テニス部のマネージャーを辞めた後、受験に響かない数ヶ月だけでいいからと色んな部活に誘われたとか。」
『蓮二所々話を知ってるねぇ。その通りだよ。』
桑「ユエは1年の頃から男子生徒の的だったもんなぁ。」
ブ「裏ではユエが1年の頃からファンクラブなんかも出来てたの、知ってっか?」
『ファンクラブ!?初耳なんだけど!』
赤「実は俺も入ってた。」
『えぇー!?って、そんなんがあるから中学の時女の子にめっちゃいじめられたんじゃないの!?』
ブ「……さぁ?」
『ファンクラブ開設者め…。』
丸井は手をあげる。
『お前か!?ブン太の馬鹿!』
ブ「まーまー、昔の話だろぃ?忘れろって。」
そう言うと丸井はグラスをユエに向ける。ユエは自分のグラスを持ち乾杯する。
雅「ふっ、いい飲みっぷりじゃの。」
2人はグラスを一気にカラにした。
比「あまり量の多い一気飲みはお体に障ります。気をつけてくださいね。」
『おっけーおっけー。比呂士も変わんないなぁー。』
2人はお酒を追加する。
ブ「つーか、ユエ。マジで結婚したのかー。」
『えぇ、なんでよ。』
ブ「お持ち帰りは冗談として、俺中学のことユエがマネージャーになった日からずっと好きだったんだぜぃ。」
『あはは…それはなんとなく察してた。』
精「ふふ、今だから言えるけど俺も。ユエが居てくれれば、いつも幸せだった。」
『精市も?』
弦「…俺も、だな。」
『え、弦一郎は意外だったかも!』
蓮「俺もだった。仁王と付き合ったと聞いてからはなるべく忘れるようにしていたが、今でも仁王より早く告白すれば良かったと後悔しているぐらいだ。」
『えぇ…蓮二がそこまで思ってくれてるとは…。』
比「私もですよ。私は前半はテニス、後半は受験勉強で恋愛に興味を持つ時間もありませんでしたし、異性を好きになるという気持ちもわかりませんでしたよ。私は初めて彼女というのが出来たのが最近なんですよ。」
『まじ!?彼女いるんだ!?』
比「はい。ユエさんと居た時と同じ感情を抱きました。私はユエさんのことを慕っていたんでしょう。今なら分かります。」
桑「此処にいる奴ら、全員ユエに惚れてたんだな。」
『えっ、ジャッカルも!?』
桑「……口が滑ったな。」
赤「ユエちゃん、どんな男と結婚したんだよ?」
『どんな男ねぇ…。』
ユエはうーん、と考える。
『会いたいって言えば深夜でも早朝でも会ってくれる、私に一途な人って所かな。』
赤「へぇー、ユエちゃんに一途な人ならいーや!」
ブ「何年ぐらい付き合ったんだ?」
『何年かなぁ。結婚したのが今年入ってからだからー…10年だね。』
精「…10年?」
赤「えっ、あれ?俺達って10年振りに会ってるんじゃなかったっけ…?」
全員は仁王の袖が萌え袖のようになっていて、指の付け根が隠れていることに疑問を持つ。
雅「なんじゃ、おまんら。ジロジロ見よって。」
ブ「仁王、袖を捲くりやがれ!」
雅「やれやれ。これでいいか?」
仁王は右の袖を少し捲る。
弦「そのようなボケに期待などしておらん!」
雅「なんじゃ、怒りよって。」
精「仁王、はやく右の袖を捲って。」
雅「幸村、目が笑ってないぜよ。」
そう言うと、仁王は左の袖を捲る。薬指には指輪がついていた。
赤「え、えぇーーー!?!?」
比「仁王くんが、ユエさんの結婚相手だったのですか…!」
精「へぇ…驚いた。10年も付き合ってたなんて。」
桑「そんなに仲良かったんだな…。」
赤「なんでユエちゃん言ってくれなかったんだよぉ~!」
『ふふ…隠しててごめんね。』
雅「ふっ、おまんらに改めて言うのは照れくさいもんじゃ。」
精「あはは、幸せそうだね。2人とも。」
蓮「そっちはもう式をあげたのか?」
『まだだよ。蓮二は?』
蓮「俺達もまだなんだ。」
精「へぇ、柳も、仁王もユエも、式を挙げる時は是非誘ってよ。」
蓮「ああ、分かった。約束しよう。」
弦「俺も見てみたい物だな。」
赤「お、俺も誘ってほしいっス!」
蓮「結婚報告が後になるが、式には全員呼ぶつもりだったぞ。」
『うちもそのつもりだったよね。』
雅「そうじゃの。」
暫くして、宴も終わりとなっていた。
『ふう…飲みすぎたかなぁ。』
雅「最初のブン太との一気できいてきたんじゃろ。」
ブ「悪い悪い。ま、ちゃんと送る…じゃなくて、一緒に家に帰る相手がいんなら大丈夫だろぃ?」
『そーね。』
桑「はは、今日は久々に集まれて楽しかったな。」
精「柳生の進展も聞きたいし、来年ぐらいにはまた集まろうか。」
比「そんなに気になりますか?でも、そうですね…毎年1年に1回ぐらい集まるのは悪くないかもしれません。」
弦「その時は俺達も変わっているかもしれんな。」
赤「俺もちょー可愛い彼女作ってやるっスよ~!」
蓮「赤也は変な女に捕まらないか心配だな。」
赤「えぇ!?捕まらないっスよ!ちゃんと見極めるっス!」
精「あはは、みんなと居ると永遠に解散出来なさそうだよ。」
弦「ではこの辺で終わるとしよう。」
全員は昔のように手を振り、ばいばーい、またねー、と言いながら別れた。
『雅治。』
「なんじゃ?」
『みんな驚いてたね。』
「そうやのう。」
『私、10年経っても雅治の事ずーっと大好きだったなぁ。』
「プリッ。俺もなり。」
『正直ね、私…皆が私に好意寄せてるの分かってたんだ。』
「ま、彼奴等、分かりやすかったからの。」
『うん。雅治だけはどうか分からなかったけど。だから告白された時は本当に吃驚した。』
「ふっ…あの時は泣かれるとは思わなかったぜよ。」
『嘘に聞こえるかもしれないけど、私あの時告白してくれたのが…雅治じゃなかったら泣いてなかったと思うよ。』
「ふっ。どうかの。俺は色んな未来を想像したが、どんな未来にもユエが居たぜよ。卒業と同時に必ずおまんは仁王雅治の嫁にしてやると決めてたなり。」
『ふふっ…改めてこんな事言い合うのも恥ずかしいね。』
「そうじゃの。」
仁王ユエと仁王雅治は手を繋ぎ、自分たちの家へ帰っていった。
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赤「俺いっちばーん!」
切原は予約していた真ん中の席を陣取った。
雅「赤也か、久しぶりじゃのう。」
赤「えぇー仁王先輩!?なんかモデルみたいっスねぇ!」
雅「煽てても何も出んぜよ。俺に比べて、赤也は変わらんのう。」
仁王は席に着く。
蓮「懐かしいな、2人とも。」
雅「久しいの。」
赤「おっ、柳先ぱ……ああっ!?左手の薬指…!!」
雅「参謀、おまん結婚したのか。」
蓮「ああ。俺の人生設計に狂いがない確率、92%だったからな。」
赤「残りの8%は誰だったら埋めれたんスかねぇ。」
蓮「ふ…さあな。」
雅「なんじゃ、参謀。少し未練あるのか?」
蓮「うちのマネージャーの事を忘れる事が出来る奴なんてこの代のレギュラー陣にはいないだろう?」
柳は適当に席に着く。
ブ「話は聞かせてもらったぜぃ!」
桑「久しぶりだな。」
赤「丸井先輩に、桑原先輩!」
ブ「ま、忘れらんねぇよなぁ。」
桑「はは、彼奴が居なきゃ今もこうして集まってるか分からねぇもんな。」
雅「ま、その通りじゃの。」
赤「丸井先輩も桑原先輩も、今もよく一緒にいるんスか?」
ブ「ま、月に1回は飲みにいく仲ってとこだな。」
桑「先月は2回会ったような。」
雅「俺は柳生と会う機会はかなり減ってしまったぜよ。」
赤「へぇー、なんか意外っスね。」
蓮「…そして意外なメンバーが先に揃ったな。」
赤「確かに、いつも部室に早く集まってた人たちがいないっスねぇ。」
談笑をしながら、丸井とジャッカルも席へ着く。
精「みんな、久しぶりだね。」
赤「おー!!部長じゃないっスか!」
雅「幸村。元気しとったか?」
精「まずまずって所かな。」
蓮「体調は平気なのか?」
ブ「酒とかは飲めんのか?」
精「あはは、一気に質問しないでよ。完璧じゃないけど平気だよ。お酒は控えるようにしてるけど。」
赤「あの時集まってたメンツが全員酒飲めるようになってるってなんか感激っスよね!」
幸村も席へ着く。
弦「…!」
雅「久しぶりじゃのう、真田。」
弦「ああ。お前たち、随分と大人っぽくなったな。」
ブ「真田が変わってなさすぎるだけだろぃ!」
赤「へっへー、俺も変わってますか?」
弦「どうも変わっていないように見える。」
赤「な、なんでそんな事いうんスか!」
精「弦一郎、君は本当に変わらないね。」
弦「そうだろうか…。む、柳、お前結婚したのか?」
蓮「ああ。とても相性のいい子が居てな。」
精「へぇ、俺達の中で結婚が一番早いのが柳なのはちょっと意外だったなぁ。」
赤「俺も驚いたっスよ!この中だったら…真田副部長が一番かなぁってなんとなく。」
桑「はは、それは俺も分からないでもないけどな。」
真田は切原の隣に座る。
赤「げっ、やっぱり定位置なんスね…。」
弦「何か文句あるのか?」
赤「べ、別にないっスよ…。」
ブ「赤也も真田もお前ら中学の時から変わらないな。」
比「おや、皆さんお揃いでしたか。」
柳生がスーツ姿で登場をした。
雅「柳生、おまんはスーツがよく似合うの。」
比「そうですか?」
赤「久しぶりっス、柳生先輩!」
ブ「柳生も変わってはいるけど違和感ないなー。」
桑「はは、中学の頃も同じ制服だったと思えるぐらいに似合ってるな。」
弦「仕事帰りか?」
比「ええ。しっかりと定時で上がりましたよ。」
蓮「土曜日も仕事とは。まさかサービス業とかなのか?」
比「いえ、違いますよ。サービス業はどうも性に合いませんので。土曜出勤だったのです。」
赤「ひえー…まさかブラック企業っスか?」
比「そんな事はありませんよ。ちゃんと提示には上がれますし、別の日にお休みを頂けますので。」
雅「お前さん、仕事とかになると多少なら無理をしそうじゃからの。」
精「ふふ、たしかに。」
比「心配には及びませんよ。」
柳生は仁王の隣へ座った。
雅「ふっ。」
比「どうかしましたか?」
雅「いや、ダブルスを思い出しての。」
比「はっはっ、私もなんだか仁王くんの隣へ座るべきだと考えてしまったのですよ。」
弦「10年経っても変わらない物があるというのは、良い物だな。」
赤「そうっスね…。」
精「ふふ…そうだね。」
切原と真田、仁王と柳生、丸井とジャッカルを見て幸村はクスッと笑った。
ブ「つーか、あと一人遅くね?」
弦「いつも2番目か3番目には来ていた気がするが。」
精「可愛くなってるかな。」
蓮「元々可愛らしい奴だっただろう。」
赤「結婚してる柳先輩がそれ言っちゃいます!?」
桑「たしかに容姿は気になるな…。」
比「身長がだいぶ高くはなっていそうですね。」
雅「……。」
『ひゅー!みんな久しぶりじゃーん!』
全「!」
身長がかなり伸び良いスタイルに。変わりのない笑顔。全員が少しの間見とれてしまった。
『あら?会話途切れさせちゃった?』
精「そんな事ないよ。ユエ、とっても綺麗になったね。」
『やだー!いきなり口説かないでよ!』
そういい、幸村の肩を軽く小突く。
弦「赤也は変わらないが…ユエは変わったな。」
『ふふ、赤也だけじゃなくて弦一郎も全然変わらないじゃない!』
赤「俺も変わってねぇかな!?」
『んー、かっこよくなったね!職場ですっごくモテるでしょ?』
赤「え、えへへ…そんな事ねぇよ!」
『ってか、比呂士ー!!似合いすぎじゃんスーツ!!』
比「ふふっ、そうですか?ユエさんは雰囲気がかなりかわりましたね。」
『えー、そうかな?結婚したからかも?』
桑「ユエ、結婚したのか!?」
『じゃーん!』
そういうとユエは左手の薬指を見せる。
ブ「なんだよ、あわよくばお持ち帰りもありだったのによ。」
『やだー、ブン太そんな事いうキャラだっけ?』
蓮「ユエ、実は俺も既婚者なんだ。」
『えぇー!?マジ!?蓮二は意外だったかも!なんかデータ取ってデータ取ってデータ取ってからーって一番遅いかと思ったよ!』
蓮「そこまでくどい男じゃないさ。」
『ま、高身長でそんだけイケメンで性格もデータデータとか言わなきゃ完璧だもんね。ちょーっと間そこ座っていい?』
精「いいよ。」
席順は左から柳、幸村、ユエ、仁王、柳生。テーブルを挟んで真田、切原、丸井、ジャッカルとなっていた。
幸村意外の全員は生ビールを頼む。
『再会に~!』
全「『乾杯!!』」
全員は酒が進む。ユエは仁王に目配せをする。
赤「そういや俺、ユエちゃんって、仁王先輩が卒業した後付き合ったって噂聞いたんスけど。」
『あれ、マジ?私すっごく隠してたつもりなのに。』
弦「隠していた、という事は付き合っていたのか?」
雅「ま、そんな所じゃの。」
蓮「流石に卒業した後だと、そのデータは集めれなかったな。」
『みんなOBでけっこう立海のテニス部来てたよね。』
赤「そうそう!幸村部長見るとみんながひぃーって怯えてたの懐かしいぜ。」
『やっぱり私が一年の時の立海が一番強かったと思うからねー。』
精「あはは。だって、3年生の動きがあんまりにも悪すぎてさ。」
赤「三強が三強すぎたんですって!ダブルスの2人も強いし!」
『私のサポートも年々ダメになってるって怒られたなぁ。』
弦「ユエが3年になった途端マネージャーを辞めたんだったな。全くもってたるんどる。」
『ごめんごめん、私は私が1年の頃のレギュラー陣だけしか愛せなくてさ。』
蓮「テニス部のマネージャーを辞めた後、受験に響かない数ヶ月だけでいいからと色んな部活に誘われたとか。」
『蓮二所々話を知ってるねぇ。その通りだよ。』
桑「ユエは1年の頃から男子生徒の的だったもんなぁ。」
ブ「裏ではユエが1年の頃からファンクラブなんかも出来てたの、知ってっか?」
『ファンクラブ!?初耳なんだけど!』
赤「実は俺も入ってた。」
『えぇー!?って、そんなんがあるから中学の時女の子にめっちゃいじめられたんじゃないの!?』
ブ「……さぁ?」
『ファンクラブ開設者め…。』
丸井は手をあげる。
『お前か!?ブン太の馬鹿!』
ブ「まーまー、昔の話だろぃ?忘れろって。」
そう言うと丸井はグラスをユエに向ける。ユエは自分のグラスを持ち乾杯する。
雅「ふっ、いい飲みっぷりじゃの。」
2人はグラスを一気にカラにした。
比「あまり量の多い一気飲みはお体に障ります。気をつけてくださいね。」
『おっけーおっけー。比呂士も変わんないなぁー。』
2人はお酒を追加する。
ブ「つーか、ユエ。マジで結婚したのかー。」
『えぇ、なんでよ。』
ブ「お持ち帰りは冗談として、俺中学のことユエがマネージャーになった日からずっと好きだったんだぜぃ。」
『あはは…それはなんとなく察してた。』
精「ふふ、今だから言えるけど俺も。ユエが居てくれれば、いつも幸せだった。」
『精市も?』
弦「…俺も、だな。」
『え、弦一郎は意外だったかも!』
蓮「俺もだった。仁王と付き合ったと聞いてからはなるべく忘れるようにしていたが、今でも仁王より早く告白すれば良かったと後悔しているぐらいだ。」
『えぇ…蓮二がそこまで思ってくれてるとは…。』
比「私もですよ。私は前半はテニス、後半は受験勉強で恋愛に興味を持つ時間もありませんでしたし、異性を好きになるという気持ちもわかりませんでしたよ。私は初めて彼女というのが出来たのが最近なんですよ。」
『まじ!?彼女いるんだ!?』
比「はい。ユエさんと居た時と同じ感情を抱きました。私はユエさんのことを慕っていたんでしょう。今なら分かります。」
桑「此処にいる奴ら、全員ユエに惚れてたんだな。」
『えっ、ジャッカルも!?』
桑「……口が滑ったな。」
赤「ユエちゃん、どんな男と結婚したんだよ?」
『どんな男ねぇ…。』
ユエはうーん、と考える。
『会いたいって言えば深夜でも早朝でも会ってくれる、私に一途な人って所かな。』
赤「へぇー、ユエちゃんに一途な人ならいーや!」
ブ「何年ぐらい付き合ったんだ?」
『何年かなぁ。結婚したのが今年入ってからだからー…10年だね。』
精「…10年?」
赤「えっ、あれ?俺達って10年振りに会ってるんじゃなかったっけ…?」
全員は仁王の袖が萌え袖のようになっていて、指の付け根が隠れていることに疑問を持つ。
雅「なんじゃ、おまんら。ジロジロ見よって。」
ブ「仁王、袖を捲くりやがれ!」
雅「やれやれ。これでいいか?」
仁王は右の袖を少し捲る。
弦「そのようなボケに期待などしておらん!」
雅「なんじゃ、怒りよって。」
精「仁王、はやく右の袖を捲って。」
雅「幸村、目が笑ってないぜよ。」
そう言うと、仁王は左の袖を捲る。薬指には指輪がついていた。
赤「え、えぇーーー!?!?」
比「仁王くんが、ユエさんの結婚相手だったのですか…!」
精「へぇ…驚いた。10年も付き合ってたなんて。」
桑「そんなに仲良かったんだな…。」
赤「なんでユエちゃん言ってくれなかったんだよぉ~!」
『ふふ…隠しててごめんね。』
雅「ふっ、おまんらに改めて言うのは照れくさいもんじゃ。」
精「あはは、幸せそうだね。2人とも。」
蓮「そっちはもう式をあげたのか?」
『まだだよ。蓮二は?』
蓮「俺達もまだなんだ。」
精「へぇ、柳も、仁王もユエも、式を挙げる時は是非誘ってよ。」
蓮「ああ、分かった。約束しよう。」
弦「俺も見てみたい物だな。」
赤「お、俺も誘ってほしいっス!」
蓮「結婚報告が後になるが、式には全員呼ぶつもりだったぞ。」
『うちもそのつもりだったよね。』
雅「そうじゃの。」
暫くして、宴も終わりとなっていた。
『ふう…飲みすぎたかなぁ。』
雅「最初のブン太との一気できいてきたんじゃろ。」
ブ「悪い悪い。ま、ちゃんと送る…じゃなくて、一緒に家に帰る相手がいんなら大丈夫だろぃ?」
『そーね。』
桑「はは、今日は久々に集まれて楽しかったな。」
精「柳生の進展も聞きたいし、来年ぐらいにはまた集まろうか。」
比「そんなに気になりますか?でも、そうですね…毎年1年に1回ぐらい集まるのは悪くないかもしれません。」
弦「その時は俺達も変わっているかもしれんな。」
赤「俺もちょー可愛い彼女作ってやるっスよ~!」
蓮「赤也は変な女に捕まらないか心配だな。」
赤「えぇ!?捕まらないっスよ!ちゃんと見極めるっス!」
精「あはは、みんなと居ると永遠に解散出来なさそうだよ。」
弦「ではこの辺で終わるとしよう。」
全員は昔のように手を振り、ばいばーい、またねー、と言いながら別れた。
『雅治。』
「なんじゃ?」
『みんな驚いてたね。』
「そうやのう。」
『私、10年経っても雅治の事ずーっと大好きだったなぁ。』
「プリッ。俺もなり。」
『正直ね、私…皆が私に好意寄せてるの分かってたんだ。』
「ま、彼奴等、分かりやすかったからの。」
『うん。雅治だけはどうか分からなかったけど。だから告白された時は本当に吃驚した。』
「ふっ…あの時は泣かれるとは思わなかったぜよ。」
『嘘に聞こえるかもしれないけど、私あの時告白してくれたのが…雅治じゃなかったら泣いてなかったと思うよ。』
「ふっ。どうかの。俺は色んな未来を想像したが、どんな未来にもユエが居たぜよ。卒業と同時に必ずおまんは仁王雅治の嫁にしてやると決めてたなり。」
『ふふっ…改めてこんな事言い合うのも恥ずかしいね。』
「そうじゃの。」
仁王ユエと仁王雅治は手を繋ぎ、自分たちの家へ帰っていった。
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