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①短編

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『さて…ここら辺でカレーでも作ろうかなぁ。』

ドラ「嬉しい。カレーはやく食べたーい。」

『うん、今作るからね。待ってね。』


穏やかな草原にユエは荷物をおろし、自分の腰もおろした。


ドラ「ユエ、疲れた?」

『ちょっとだけね。でも、此処はのどかで…一息つきたいなって思ったんだ。』

ドラ「そっか。無理しちゃダメだよ。」

『うん、ありがとう。』


ドラパルトに笑顔を向けた、その時。


ドラ「! 誰?」


ドラパルトは草むらを睨む。


『野生のポケモンかな?』

ドラ「おそらく。」


ドラパルトが睨みつける先からは野生のアブソルが飛び出した。


『アブソル!?』

「………。」

ドラ「…襲ってくる気配がないね。」

「…私は争いを好まない。そんな事よりも、此処は危険だ。」

ドラ「危険?」

「此処数年でも見ない雷雲が近付いているらしい。」

ドラ「本当かい?でもアブソルって確か…。」

『……なんだか、雨のにおいがする…。アブソルも襲ってこないみたいだし、雨宿り出来る場所でも探そうかな。』


ユエはアブソルに声が聞こえないふりをする。


「…こっちへ来ると良い。」


ドラパルトはユエの袖を掴み、引っ張る。ユエの声が聞こえないふりに付き合うようだ。


『そっちに行きたいの?良いよ、いこっか。』


ユエは荷物を持ち、アブソルについていった。3分程歩くと、洞窟があった。アブソルはそのまま中に入っていき、ユエ達も後を追い洞窟に入った。

洞窟の中には腰かけるにちょうどいい岩があり、ユエはそこに腰かけた。

すると、雨が降ってきたらしく洞窟の外から雨の降っている音が聞こえた。


『雨だ…本当に降ってくるなんて。助かった、ありがとう、アブソル。』

「…何年振りだろうか、感謝されるのなんて。」

『…アブソルって災いを呼ぶポケモンって呼ばれてるよね。』

「……ああ。」

『きっと、それは嘘なんだね。迷信だってずっと思ってたけど本当に迷信だったんだ。自分の目で確かめれるなんて光栄だよ。』

「迷信だと思っていてくれていたのか。」

『私の名前はユエ、聞いた事あるでしょ?』

「!…ユエ、私の声が聞こえているのか?」

『うん。黙っていてごめんね。もし連れてかれた場所が危ない場所だったらどうしよう、って少しだけ疑ってた。』

「気にしなくていい、慣れている…。」


慣れている、というアブソルの目は悲しそうだった。


『どうして親切にしてくれるの?』

「…私は争いを好まない。あの場に腰かけていたお前は、私に害がないと判断した。」

『そっか、そう思ってくれて嬉しいよ、ありがとう。』

「ああ。」


少し会話に間が空く。


『アブソルは、災いを呼ぶポケモンじゃなくて、災いを知らせてくれるポケモン。そうでしょ?』

「ああ。」

『やっぱり、心優しいポケモンなんだね。』

「……怖がりなだけだ。」

『そんな事ないよ。私はアブソルの優しい所知れて良かったよ。』

「…知って何になる?」

『…人間はね、人に寄り添わないポケモンを悪く言うんだよ。ゴーストタイプのポケモンとか悪い事ばかり言われてるの。死後の世界に連れてかれる、とかね。』


ユエはドラパルトを呼び、近くに寄せた。


『ドラパルトはその中でも良い風に言われてるけどね。』

「…。」


暫く話し込んでいると、ユエは眠ってしまっていた。


「…雨、やんだな。」

ドラ「そうだ、雨がやんだならキャンプだ!ユエ~キャンプキャンプ!」

『……ん…。』


ユエは目をこすり、大きなあくびをして体をおこした。


『ん…カレー、作る?』

ドラ「うん!」

『アブソルも一緒に食べる?』

「遠慮しておこう、私は野生の者だから。」

『洞窟連れてきてくれたお礼でもダメ?』

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