アストライア・ノヴァ
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「やばー美香に本返すの忘れてた。
弟くんのだからなるべく早く返してねって言われてたのにぃ」
商店街の入り口で分かれてから暫く経って本を返す事を忘れていたティティは来た道を戻り、商店街を歩いていた。
今日は美香はバイトだと知らなかった彼女はそのまま商店街を通りすぎ、まだ帰り道の途中にいるだろう思って美香の姿を探す。
しかし、当然だが美香をなかなか見つけられず人気のない無人神社のある道まで来てしまった。
ティティは一度立ち止まりキョロキョロと辺りを見回してからポリポリと頭を掻く。
「…あれぇ?美香って歩くの早くない?
もう家まで行っちゃうか〜」
そうして再び歩きだした時だった。
無人神社のある方向から凄まじい音が聞こえた。
まるで何かが爆発した後建物が軋み、崩れる音。
ティティは突然の爆発音にビクッと体を震わせると驚いて音が聞こえた方向を見る。
「…なに?」
怖さよりも好奇心が勝りティティは恐る恐る無人神社の方向へ歩きだす。
階段を登った先に本来なら自治体が管理する無人の神社があるのだが
その神社の建物は無惨にも倒壊している。
焦げ臭い匂いが辺りに充満していて
ドカーン!
「ひえ?!」
更にまた爆発音が聞こえた。
それもすぐ近くだ。
ティティは木の影に隠れ恐々と音が聞こえた方向に顔を覗かせてみた。
「っ…あれは…美香の弟くん…!?」
ティティの目に映ったのは額に炎を灯らせ、いつもと様子が違う綱吉。
そして刀を持つ山本とダイナマイトを持つ獄寺の姿だった。
「弟くんの友達まで…
それに、あれはなに…?」
三人がこちらに背を向け見つめる先にはフードを被って地面に横たわる謎の人物。
その人物は弱ったようにぐぐっ…とフードで見えない顔を上げると
「我々はボンゴレを守る為なら手段は選ばない」
スッと指差した。
その指はまごう事なく自分に向けられておりティティは困惑した。
「女…昨日もいたな。その顔覚えたぞ」
綱吉達が振り返りティティがいる事に初めて気が付いて驚愕した。
「ティティさん!?なんで此処に…」
「明日からはお前もターゲットだ。
ボンゴレ10代目と関わりを持ってしまった自身と巻き込んだボンゴレ10代目を恨みながら死ぬがいい」
「待て!彼女は」
相手は綱吉の言葉に耳を貸す事なく言うだけ言って姿を消した。
まるで空気の中に溶け込んでいくように。
後に残された綱吉達は呆然と敵が消えた場所を眺めて立ち尽くしていた。
ティティも最初こそ目の前の光景に頭が追いつかず混乱し、立ち尽くしていたが
「ええっと、さ」
ティティの声をかけられ綱吉達はハッとして再びティティに振り返った。
「なんか事情があるみたいだし、説明してくんない?」
そう言われ三人は三人同士で目を合わせて
「…分かりました。説明しますので、良かったらオレの家に来てもらえますか?」
ハイパーモードを解除した綱吉が気まずそうに提案し、ティティはそれを受け入れたのだった。
「あらあら!ティティちゃんにみんないらっしゃーい!
ゆっくりしていってね〜!」
と、話の途中で奈々がお菓子とジュースを持って綱吉の部屋に入ってきた。
「ちわっス!」
「お邪魔してます!」
「お母さんチャオ〜」
「だから母さんノックぐらいしろって!」
それぞれの挨拶し、奈々はご機嫌そうにお菓子とジュースとテーブルに置くと「良かったらご飯食べていってね!」と言って部屋から出て行った。
ティティは早速自分の前に置かれたジュースに手を伸ばし、それを飲みながら
「なるほどね〜
弟くんは実はマフィアの関係者で、それも大規模な組織ボンゴレの後継者。
でも弟くんはボスになる気はなくて、寧ろボンゴレという組織をマフィアからもっと良い組織に作り変えようとしていて
それを反対する人達が弟くんを狙ってる。
…あははっなんかそういう漫画にでもハマってんの?」
「ちが…!本当なんです!
いや、ボンゴレを作り替えるとか一部違う所もありますけど!」
「てめーティティ!初代が嘘ついてるとでも思ってんのか!」
「まーまー落ち着けって獄寺」
「うそうそ。冗談だよ。
現実離れしすぎてる内容だから戸惑ってるだけだよ。
それって美香も知ってるの?」
「はい…美香は知ってます。
知らないのは母さんだけです。
母さんは巻き込みたいくないので…」
「ふーん、そうなんだ」
「本当はティティさんも巻き込みたくなかったんですが…」
「タイミング悪かったよな。
まさかティティさんが居たなんて気付かなかったぜ」
と、山本がお菓子を摘みながら呟く。
「そもそもテメーはなんであんな所にいたんだよ」
「美香と分かれた後に本返すを忘れてたのを思い出しちゃってさー
弟くんのだから早く返してねって言われてたから慌てて追いかけたんだけど、美香見つからなくて。
それであの場所まで来てて、もういっそ家に行っちゃうかーって思ってたら爆発音が聞こえたんだ。
それで見に行ったらこんな事に」
「ほんとタイミング悪ぃなティティさん」
「運のねーヤツ」
「美香は今日はバイトですよ」
「あっそうなんだぁ知らなかった。私通り過ぎちゃってたんだね。
じゃあ丁度いいや。弟くんに直接返しちゃお。
この本ありがとね」
と、カバンから一冊の本を取り出し綱吉に手渡した。
綱吉はそれを受け取ると
「美香にはオレから言っておきますね」
「ありがと〜」
そしてティティもお菓子を摘み
「それで?私これからどうしたらいいの?」
「…まさか昨日一緒にいた美香と勘違いされるなんて」
「勘違いされちまったもんはしょうがねぇだろ。
なるべく一緒に居てやって守ってやれ」
リボーンがそう言いながらエスプレッソを飲む。
「学校の行き帰り送ります。
なるべく一人にならないで下さい」
「弟くん遅刻の常習犯って美香から聞いてるけど朝起きれるの?」
「んな…美香余計な事を…!
ええっと、がんばります…」
「初代。朝の護衛はオレに任せて下さい!」
「あ…ありがとう獄寺くん!
じゃあ夕方はオレが家まで送ります!
夕方ならオレはバイトも部活もありませんから…!」
「そう?じゃあお願いするねぇ」
「早速今日家まで送りますよ」
「なら早速お願いしようかなぁ
お母さんのご飯食べたいけど今日ちょっと用事があって今すぐ帰らないといけないんだ」
「分かりました。なら行きましょう」
綱吉が立ち上がり、ティティも立ち上がる。
「ならオレらも一緒に行くぜ」
「ご一緒します初代!」
こうして結局四人で移動することになった。
ぞろぞろと部屋を出て階段を降り、リビングで洗濯物を畳んでいる奈々にそれぞれ挨拶をする。
「あら?もう帰っちゃうの?」
「今日は用事があるの。
今度お母さんのご飯食べさせて〜チャオ!」
「残念だけど仕方ないわね。またねティティちゃん!」
手を振る奈々に手を振り返し四人は沢田家を出た。
「そう言えばティティさんって何処に住んでるんですか?」
「歩きながら案内するよー」
「なんか一緒にいるのが美香さんじゃないって不思議な感覚だな!」
「いつも一緒だったもんね」
ワイワイと賑わいながら四人は歩きだす。
ティティの家へと目指して。
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