アストライア・ノヴァ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
自分はどうすれば良いのか。
自分はどうしたいのか。
自分はなにがしたいのか。
正直、分からない。
復讐がしたいという気持ちは確かにある。
けれどもっと別の何かを私は望んでいる気がして…
それをもう少しで気付けそうなのになかなか気付けない。
一体自分は何を望んでいるのだろう?
分からないけれど、もうすぐ気付けるはず
「ティティさん」
振り返れば厳しい顔で立っている彼等。
そう…彼等ともう少し、一緒にいれば…
移動中、炎真とあたしの帰りの遅さに心配したシモンのみんなと鉢合わせた。
ツナと炎真が事情を説明するとアーデルちゃん達は驚き
そして一緒に戦ってくれる事になった。
シモンファミリーはこれで全員。
ボンゴレの方は了平くんだけがいなくて、ツナは無理に戦いに巻き込む必要はないと言ったけれど
「だがあの男の弟子だぞ。
それに、ティティの力に敵わずあいつが来なければ美香は殺されていた事も忘れんな」
というリボーンくんの助言にツナは押し黙った。
そんなツナに山本くんが
「ならオレが一走り先輩を呼んでくるからツナ達は先に行っててくれ。
じゃねーと先に行っちまった雲雀に色々先を越されちまうぜ?」
そう言って明るくニッと笑い、ツナが止めるよりも早く走って行ってしまった。
空はもうすっかり夜を迎えていて星が瞬いている。
そんな綺麗な空を見上げてからあたしはツナを見ると
「ツナ…ティティの居場所が分かるの?」
「うん…何となくだけど」
「それはどこなの?」
「多分神社じゃないかな。
無人の…ほら、オレと美香が一緒に帰ってた時襲われた所」
「ああ…あそこ」
「あそこなら夜は人目も少ないし…」
「幻術を使えるのであれば人目など無いも同然ですよ。沢田綱吉」
と、骸くん。彼は更に続ける。
「周囲の人間にバレないよう幻術で無人の神社を作るでしょうからね」
「それに僕達シモンファミリーじゃないのに大地の力も使える。
一人で複数の炎の力を使える相手はD以来だね」
「うん…しかもDですら手に入れられなかった大地の力を使うんだ。
一体どんな戦い方をしてくるのか…」
「…ティティと戦えるの?ツナ…」
「正直戦いたくなんかないよ。
だけど、ティティさんは苦しんでると思う。助けてほしいって心が叫んでる気がするんだ。
友達を助ける為ならオレは戦える」
「ツナ…」
「女の人は殴れないから、他に何か方法を考えよう。
きっとあるはずだ。殴る以外に目を醒させる方法が」
「相変わらず甘いですね」
そう骸くんはため息まじりにそう言った。
ツナはこう言うけれど…本当に戦えるのかしら?
だって今回は炎真の時とは違う。
誰かに騙されているわけじゃない。ティティの判断で敵対すると宣言したもの。
ティティが助けて欲しいと叫ぶ『何か』…
あたしには、それが分からなかった。
「お兄さんと山本が来るまでに少し色々考えたいんだ。
ヒバリさんは一人でさっさとティティさんを探しに行っちゃったけど…
でも、オレ達は真っ向から向かってもまたティティさんの力で押し潰されて美香が殺されるだけだ」
「何か思い付いたの?」
アーデルちゃんの言葉にツナは少し自信無さげだが、もうこれしかないと言いたげな表情で
「ティティさんを閉じ込めるんだ」
そうしてあたし達はもう一度ティティの前に立った。
ティティはツナの予想通り無人の神社にいて、幻術と大地の力を併用した結界で先に着いていた雲雀くんが入れないようにしていた。
結局群れる事になってしまった雲雀くんは大層不満気な様子だったが
「これであの臆病な小動物を狩れるなら」と、とてつもなく仕方なさそうに一緒に結界の奥まで来た。
ティティは依然として冷たい表情であたし達を見ている。
「人が減ってるけどそれで私に勝てるつもりですか?
神社の周りにも霧の守護者と砂の守護者がいるようですけど」
「勝つつもりなんて無いよ。負けるつもりもない」
そうツナが言った。
「そう。随分と舐められてるようですね。
今まで優しくしてあげすぎたせいでしょうね…
まぁ別に構いません。その分仕事が楽に終わりますので」
ティティが自分が持つ杖をぎゅっと握り直した。
それを見てあたし達の前に立ったのは雲雀くんだった。
「僕の好きにさせてもらう。手を出さないで」
「…分かりました」
雲雀くんに関してはどうしようも無いのもありツナは素直に頷いた。
トンファーを両手に持ち雲雀くんはティティの前に立つ。
「ようやく姿を現したね。
鬼ごっこ、かくれんぼ、引きこもり。
次はどんな手を使って逃げるつもりだい?
僕からは逃げられないよ。どんな手を使ってもね」
「井の中の蛙…やはり所詮は子供ですね。
貴方達と私ではまず圧倒的に炎の量が違いすぎます。
その時点で勝ち目がないというのに…」
「言いたいことはそれだけかい?」
ハァ…とティティがため息をつく。
「もういいです。面倒なので地面に寝てて下さい」
その時何かを察したらしい炎真が自分の額に大地の炎を灯らせた。
「ハァアア!」
そして自分の手を空に向かって振り上げ、気合いを入れるように声を上げる。
本来ならあたし達は全員今頃、さっきと同じように地面にへばり付くように倒れていただろう。
けれど今のあたし達は全員立てていて、そして若干動きは鈍いがそれでも動けてはいる。
「っ!?」
ティティが驚いたように目を見開いた。
「っあ!」
そして雲雀くんから飛んできた鎖の長い手錠に片腕が繋がられる。
「ぐ…うぅ…!」
しかし戦いに参加してない炎真が随分と辛そうに歯を食いしばり呻いている。
「エンマ!大丈夫!?」
「だい…じょうぶ…!
それより、ツナくん…ごめん。やっぱり僕はこれ以上力になれそうにない…!
シモンリングの力も使ってやっとなんだ…!」
「全然いいよ!ありがとう。
シモンの皆さんはエンマを守ってあげてください。
…守るだけでいいです。ティティさんが襲ってきても、防衛はしても絶対に手を出さないで下さい」
「分かったわ。炎真のサポートは私達に任せて」
その様子を見ていたティティがハッと気付いたようだ。
「結界の外の上空に彼の『大地の重力』の星を設置しましたか。
引力の力で私の引力の力を相殺したということですね。
霧と砂の守護者の力で私の結界ごと覆ったのはその星を私から視認させない為のもの…
霧と砂を混ぜたのは私から簡単に看破されない為ですね」
「ティティさん。貴女も大地の炎の使いなのにエンマのように星を作ったりしない。
それは…そうする必要がないから。
貴女が操る重力は、オレ達が生きるこの惑星そのものの重力!」
「私は惑星の管理者。惑星を守る使命を持つ守護者です。
この惑星に生きる全ての者に、私に仇をなす術はありません。
そこを退きなさいこの星に生きる者達。
異星の星である美香を消す。
それが私の仕事なのですから…!」
・NEXT