アストライア・ノヴァ
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次の日の朝、綱吉の家にティティが訪れた。
「ティティさんどうしたんですか!?
一人で出歩くなんて危ないですよ!」
まだ通学時間ではなかった綱吉は寝間着姿のまま、とりあえずティティを出迎える。
ティティは少し申し訳なさそうに頬を掻きながら
「おっはよー弟くん。
いや〜急にこっちの事情が変わっちゃったから、朝早く獄寺くんに『迎えに来て〜』って連絡するのもなんか悪くてさ。
とりあえず今の時間ならまだ危険度は低いかなぁって思って出てきちゃったの。
先に弟くんに連絡したかったけど、きみケータイ持ってないし?
美香はまだ寝てるだろうし…
あ、それで。ほんっとーに急で悪いんだけどなんかパパが仕事で昨日の夜中から帰れてなくてさ。
今日一日送り迎えが難しそうって連絡来たから、良かったら今日だけでも学校の行き帰りお願いして良い?
明日からならパパが大丈夫だって!」
ティティはそう言いながら手を合わせ「ごめんね?」と言う。
明るく軽いノリながらも彼女なりに申し訳なさそうにしている姿に綱吉はクスッと笑い
「別に大丈夫ですよ。
今すぐ学校に行くなら着替えて来ますので待っててもらえますか?」
「あっ大丈夫!早く出ただけで別に早く行くつもりじゃないから。
弟くんがいつも出るタイミングでいいよぉ」
「分かりました。なら、中に入って待ってて下さい」
「はーい。お邪魔しまーす!」
家に入って来たティティの声を聞き奈々が台所から廊下へ顔をひょっこりと出し
「あら〜!いらっしゃいティティちゃん!」
「お母さんチャオ!」
「よかったら朝ごはん食べて行く?」
「食べる食べる!この間食べられなかったし、朝ご飯食べないで家出ちゃったし〜!」
「あらあら。ちゃんと食べないとダメよ?
すぐに作るから座って待っててね」
「はーい!
…あっそうだ弟くん。美香は?やっぱまだ寝てる?」
「え…あ…それが…」
嘘が苦手な綱吉は気まずい表情を素直にだして、そして言いづらそうに…なんと言おうか迷った末
「その、友達の家に泊まりに行ってて居ないんです」
「……ふーん。ケンカが悪化したとか?」
「んな…!?」
「あっはは!図星〜⭐︎
なぁんか拗れちゃってるみたいだねぇ」
「うう…」
「何が原因なのか知らないけど、本当は仲良しなんだからさぁ
でも私で良かったらいつでも相談に乗るし、協力するよ?
美香だって何だかんだ言いながらきっと弟くんと仲直りしたと思ってるだろうし!」
「………ありがとうございます」
心強い言葉をかけられ綱吉はなんだかホッと安堵し微笑む。
そしてティティは奈々に呼ばれウキウキとした様子でダイニングへと向かい
綱吉はそんな彼女の背を見送ったのだった。
「それじゃ、また放課後よろしくね〜」
並盛高校に着くとティティは送ってくれた綱吉と獄寺に手を振って校内へと入って行った。
それを見送りながら獄寺がチッと舌打ちをし
「よりによって今日かよ…タイミング悪ぃな」
「仕方ないよ。家の事情みたいだし」
苛立つ獄寺を綱吉は宥めつつ、二人で道を引き返して今度は並中に向かう。
道を歩きながら獄寺が
「それにしてもどうしましょうか初代。
放課後のあいつの迎えオレが行きましょーか?」
「ううん。オレが行くよ。
どうせ並高に行かなきゃいけないんだし」
「そうっスか…すみません。何もお力になれず」
「気にしないで。オレが言い出したんだしね」
そうして取り止めのない会話をしながら二人は学校に着いた。
途中運動場で朝練をしていた野球部の中に山本と水野がおり、二人が綱吉と獄寺を見かけ手を上げて挨拶をしてきたので綱吉だけ手を振ってそれに応える。
教室に着くと生徒達は朝のホームルームまでまだ時間があるというのもあり
みんな席を離れたりして友達と思い思いに過ごしていた。
「おはよーツナくん!」
「あれ。今日は早いじゃん沢田」
真っ先に声をかけてきたのは黒川と話しをしていた京子だった。
「おはよう京子ちゃん!と、黒川」
「なんかついで感が凄くてムカつくわね…」
「ねぇツナくん…クロームちゃんの事何か聞いてない?」
「え?クローム?」
「いつもならとっくに来てるのにまだ来てないみたいなの。
もうすぐホームルーム始まっちゃうのに…」
心配そうな京子を見て綱吉はクロームの席を見た。
その席には誰も座っておらず、カバンも机に掛けられていない。
京子の言う通りクロームはまだ学校に来ていないようだ。
「オレは…何も聞いてないけど…」
「そっか…」
「大人しい子だけど無断欠席するような子じゃなかったから
なんかちょっと気になるわよね」
「うん…もし風邪ひいてて、それが酷くなってて…
連絡も出来ないくらい苦しんでたらどうしよう…!」
顔を俯かせ心から心配する京子の様子に綱吉は心を痛めながら見つめる。
その後ろで獄寺がボソッと
「まさか…あの軟弱男関連っスかね…」
「………」
ひとまず今は何も答えない綱吉。
そして京子にニコッと笑いかけると
「心配しないで京子ちゃん。
クロームはオレが学校帰りに様子を見に行くから…
それに、骸達もいるんだしきっと大丈夫だよ」
「そっか…一緒に暮らしてる人がいるって言ってたもんね。
ありがとうツナくん。クロームちゃんのこと、よろしくねっ」
ニコッとやっといつもの天使のような笑顔を見せてくれた京子にホッとする綱吉。
やがて野球部達がバタバタと教室に入ってきたタイミングで朝のチャイムが鳴って担任の先生も「席につけー」と言いながら入ってくる。
「それじゃあ獄寺くん、また後で。
クロームの事はちょっと考えてみるよ」
「はい!」
そうして二人もそれぞれの席へと向かったのだった。
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