アストライア・ノヴァ
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朝の並盛中学でリボーンの言葉に驚愕した綱吉は言葉を失っていた。
そんな教え子の様子にも構うことなくリボーンは話を進める。
「ひとまず現状の把握からするべきだな。
攻撃されてるにしても、されてないにしても
ファミリーの状態を常に把握しておくのはボスの勤めだからな」
「またそんな適当なこと言って…
でも、まぁ確かに最近みんなの様子聞いてなかったかな。
お兄さんは今朝会って、元気そうだったから大丈夫だと思う。
獄寺くんも…あの様子だと多分大丈夫だろうな。
雲雀さんも問題ないよ…きっと…
ランボは今朝うざいくらい元気だったし。
あとは山本と…クロームと骸だけかな?」
「まずはクロームから聞いてみたらどうだ。
同じクラスなんだろ?」
「そうだね。クロームに聞けば骸の様子も分かるだろうし」
なんだかんだリボーンの提案に賛成し、その場ではリボーンと別れて綱吉は一人教室に向かった。
教室には既に大勢の生徒達が集まっており朝礼が始まる前の時間をそれぞれが楽しんでいる。
キョロキョロとクロームの姿を探すが、彼女の席に姿はなく
それどころか教室内の何処にもクロームの姿が見つからない。
不思議に思いながら綱吉が教室に入ると、まず声をかけてきたのは京子とその友達の黒川花だった。
「ツナくんおはよう!」
「ギリだね〜沢田」
「おはよう京子ちゃん!黒川も…
今日も元気そうだね」
「うんっ元気いっぱいだよ〜」
「良かった。
そういえばクロームは?」
「クロームちゃんならさっきお手洗いに行ってたの。
そろそろ戻ってくるんじゃないかな?」
京子の言う通り綱吉が入ってきたドアからクロームが入ってきた。
「あっクローム!」
ホッと安心して綱吉はすぐクロームに駆け寄った。
「ボス…」
「おはようクローム」
「おはよう…」
「えっと…元気?」
「うん…」
「最近変わった事とかないかな?
骸とかも元気だと良いんだけど…」
「別に…
骸様も元気」
「そ…そっか。元気なら良かった」
特にこれ以上話す事が思い付かなかった綱吉は
ひとまずクロームと骸どちらとも特に異変はない様子で安心する。
だが…
「っ………」
綱吉は僅かに自分の中で違和感を感じた。
そしてもう一度クロームを見て
「…クローム…本当に何もないのか?」
「?うん…」
「…………」
「ボス…?」
「あっいや!うん…分かった」
結局自分の中の違和感を明確に出来ないまま、綱吉はその場を去った。
そして自分の席に着くと隣の席だった山本が声をかけてくる。
「よ!」
「あっおはよう山本。
山本は…その、特に変わりない?」
「?ああっ今日も朝練だったぜ!」
「そっか」
「朝練の後のこの時間っていっつも腹が減るんだけどよ
カオルが美香さんが作ってくれたおにぎりを持ってきてくれててさぁ!
しかもカオルだけでなくオレの分まで。
ほんと申し訳ないんだけど、すっげーありがたくて!」
「あはは…そうなんだ」
「やっぱオレさ…ツナは美香さんと一緒にいてほしいって思うぜ。
なんつーか 似合いの二人だなって思うんだ!」
ニカッと笑う純粋な山本の笑顔に安心感を覚える綱吉。
「なかなかタイミング合わねーけど、ツナは仲直りする気満々なんだよな?」
「うん。オレは美香と仲直りする気だよ。
やっぱオレ…美香がいないとダメだって改めて思ったからさ」
「ハハッそれを聞いて安心したぜ!」
「それより山本、昼休みにちょっと話したいことがあるんだ。
あとで獄寺くんにも声をかけておくよ」
「ん?ああ、分かった。
そういや獄寺はどうしたんだ?いつもの遅刻か?」
「獄寺くんならティティさんの護衛だよ。
いつもなら終わってるんだけど、今日はちょっとティティさんがオレに用があって送る時間がズレちゃったんだ」
「なぁんだそっか。
それで…何かあったのか?」
その時、教室に担任の先生が入ってきた。
生徒達がバタバタと急いでそれぞれの席に戻ると
日直の生徒の「きりーつ」という声に生徒全員が椅子から立ち上がる。
その音に紛れて綱吉が小声で
「ごめん。後で話す」
「分かった」
そうして朝礼が始まったのだった。
「えっ…既に敵に攻撃されてるかもしれない…っスか!?」
「いやっリボーンがそう言っただけで、まだそうと決まった訳じゃ」
「でも小僧の勘ってよく当たるからなぁ」
その日の昼休み。
いつもの屋上で三人は集まって昼食を食べていた。
そこで二人は今朝綱吉とリボーンが話した内容聞き、その内容に驚愕した。
「だけどリボーンの言う通り、念の為みんなの様子を聞いてまわってたんだけど…
特に変化は感じられないっていうか。いつも通りっていうか…
クロームだけはちょっと気になったけど」
「敵っていつもツナを狙ってる奴らか?」
「あいつら弱ぇくせにしつっけーな!」
「今の所それしか考えられないよね…
でも不思議だよね。オレ達が狙いならなんで並高生になりすましてるんだろう。
ヒバリさんの追跡を撒けるくらいの実力を持ってるみたいなのに
わざわざオレ達から遠く離れた場所に潜むなんて…」
「きっと初代の力に圧倒されたんスよ!
さすが初代!気迫で敵を追い返すなんて!」
「そんな威嚇みたいな事オレやってないからね!?」
「確かに妙だよな。
隠れて様子を見るにしても離れすぎてるっつーか…」
「分かってねーな野球バカ。それ程初代の力に恐れをなしたってことなんだよ!」
「ハハッなんだそれ」
「もしかして狙いはオレ達じゃなくて並高生の誰かってことなのかな。
でも…並高生でオレ達の知り合いなんて……っ」
そこまで言ってツナはハッとした。
「まさか…美香!?
それにっティティさんもいる!」
「なっ…」
「た…確かに!」
「ティティさんは元々巻き込まれた人だし
美香だって今だに『初代ボンゴレの秘宝』目的で狙ってくる奴がいる。
実際2回ぐらい襲われてたし…オレがボンゴレの裏切り者として狙われだしてからその頻度も上がってる」
「可能性としては美香の方が高いかもしれねーな」
急にリボーンの声が聞こえた。
綱吉がその声を確認する前に綱吉の頭にドスッと着地し
思わず「ふぎゃ!」と悲鳴を上げて屋上の床にうつ伏せで倒れ伏す。
そんな綱吉に気にかける様子もなく歩いてリボーンは床に降りた。
「ちゃおっス」
「よっ」
「リボーンさん!?大丈夫ですか初代!」
「おーいてて…鼻打った…
つか、なんで毎回毎回オレの頭を踏み潰す必要があるんだよ!」
「なんとなくだ」
「なんとなくって…!」
「それより、オレは狙われてるのは美香だと思うぞ。
ティティの場合護衛でうまく始末出来ないと痺れを切らしているにしても
あのヒバリをやり過ごせる実力はティティ相手にしては明らかにオーバースペックだ。
そこまでティティを殺すのに固執する理由もねぇ。
元はツナを精神的に追い詰める為に巻き込んだだけで、無関係な人間が巻き込まれてるってだけで既に敵の望む通りツナの精神にダメージは入ってるからな。
人質として捉えるにしてもやっぱり実力がありすぎる。
守護者の一人と対峙し、その守護者とやり合うだけの力を持つ人間をわざわざ消費してまでティティにこだわる理由がねぇ」
三人は静かにリボーンの話を聞いている。
綱吉だけ眉を顰め、不安そうな表情をしていた。
「だが美香は『初代ボンゴレの秘宝』と関係ある上に、なんなら持っている人間だ。
その上ツナにとっての大弱点でもある。
人質にするならティティを狙うよりよっぽどツナに対して効果的だ。
美香を狙うなら間違いなくツナが阻止に来る。
それを見越して高い実力のある人間を使ってると言う方がまだ納得が出来るぞ」
「確かに…そうっスね…」
「じゃあやっぱ敵の狙いは美香さんで、それで並高に…?」
「そんな…もうケンカとか言ってらんないよ…!
すぐにでも美香を迎えに行かないと!」
「そう慌てんなダメツナ。
並高には今ヒバリとヒバリの部下達が張ってるんだ。
敵もそう迂闊に動けねぇはずだ。今はヒバリに任せろ」
「う…うん…」
「しかし…腑に落ちねぇな」
「?なにがだよリボーン」
「そこまでの実力者を持つ人間が『初代ボンゴレの秘宝』にこだわる理由が分からねぇ。
案外狙いは秘宝関連じゃなく美香自身かもしれねぇな。
そしてツナを狙う連中達とは…また別の可能性もある」
「な…目的は美香自身でオレ達とは関係ないってことか?」
「かもしれねぇ。
だが、美香の何を狙ってるのか今の所サッパリだな」
綱吉達もそれぞれ考えてみるが情報が少ない現状では推理しようがなく全員が黙り込んだ。
ひとまず今日の夕方は美香の保護として彼女を迎えに行く事となったのだった。
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