アストライア・ノヴァ
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「ちょっと美香…本気なの?」
次の日の放課後。
いつものように校門で待っていたティティに彼氏に別れ話をする事を打ち明けた。
それを聞いたティティは静かに驚いて、真剣な顔でそう聞いてきた。
「うん…」
「あんなに彼氏くんのこと大好きだったじゃん!
一体どうしちゃったのぉ!?」
「もう彼にはあたしへの愛情は無いって分かったの…」
「…やっぱり浮気してたとか?」
「ううん!それは全然ないわ。
…でも、あたしが他の男の人の元に行っても問題ない。みたいで…」
「…………」
「だからティティ、お守り返すわね」
服の中に隠していたチェーンを引っ張り出して彼女の指輪をチェーンから外そうとする。
けれどそれをティティが止め
「急いで返してって確かに行ったけどっ
そんな慌てて返さなくて良いってば!
お守りの効果なんてそんなすぐに出るわけないんだし、もう少し持っててよ。
もしかしたら良い事あるかもしれないでしょ!?」
「ティティ…」
「ね?もうちょっとだけ!」
「……そこまで言うなら…」
「別れ話ももう少し冷静に考えてみたらどう?」
「…………」
「でも…これだけは言わせて美香」
「?」
「どんな選択をしても、私は美香の味方だからね。
例え沢山の人に批判されるような選択をしたとしても、私だけは美香の傍にいるから!」
ニッコリと笑う彼女。
頼もしくて…とても綺麗な笑顔。
「…ありがとう」
そこへ「美香さん!」と秋元くんが声をかけてきた。
「遅くなってごめん。今日日直だったから…」
「ううん。気にしないで」
「今日バイトの日なんだよね?商店街まで送るよ」
「ありがとう。
じゃあまた明日ねティティ。
ティティはツナ達を待ってるんでしょ?
あたしバイトだから先に行くわ」
「うん…また明日…」
呆然としたように手を振るあたしに手を振り返してくれるティティ。
その時、下校中のとある女子生徒があたし達の方に視線を向けて
「あの人どこのクラスの人だろう?」
と、呟いていた。
ティティのことだろうか?
確かにティティは特進科の生徒だから、あたしのような普通科の生徒とは違う区画で授業を受けているからあまり見慣れないかも。
でもイタリア人なんてそうそう見かけないし、ましてや並盛高校は偏差値も並程でさほど高くない。
そんな高校に特進科とはいえ外国人の女の子がいたら噂ぐらいにはなっているはず。
一体誰の事を言ってるのだろう?
「ツナくん…しばらく美香とは会わないようにして」
夕方の帰り道、綱吉は炎真から昨日見た美香と秋元のキスの光景は誤解だと説明を受けて少し安堵していた。
正直まだ不安はあるが、炎真の言うことなので信じてみることにしたのだ。
そして続く炎真の言葉に綱吉は驚愕する。
けれど、自分でもしばらく考えてみて…
「うん…オレもしばらく美香とは距離を置いた方が良い気がして…
早く仲直りはしたいんだけど…なんだか、その…」
「今の美香は冷静じゃないんだ。なんだかおかしい。
ツナくんに別れ話を持ち出そうとしてるんだ」
「…え」
「安心してツナくん。僕が止めるから…
本当に、美香は今冷静じゃなくて」
「……オレが…そこまで追い詰めちゃったんだ…」
「ツナくん…」
「オレのせいだ。あんな事言わなければ良かった」
「大丈夫だよ。きっとまた仲直り…」
「ツナさーん!!」
暗い雰囲気の中、真逆の明るく元気な声がその場いっぱいに響き渡った。
ツナは無意識に下げていた顔を上げると先の道からハルと京子がパタパタと走って駆け寄ってきた。
「やっと見つけましたツナさん!
はひ?古里さんも一緒にいたんですね!」
「ツナくん炎真くん探してたんだよー」
「京子ちゃん…ハル…何か用?」
「ツナさんっ今年の春に見た流星群のこと覚えてますか?」
「え?うん…ちょっと変わった流星群だったあれだろ?」
「僕達もツナくん達に誘われて一緒に見たね。
確か観測史上最大数の流星を確認して研究者達が驚いているっていう流星群だったよね。
流星による被害は特に無いから問題視されてる様子はないみたいだけど…」
「すっごく綺麗だったよねハルちゃん。
普通流星群って山の頂上とか、空気の綺麗な所じゃないとよく見れないのに
春にあった流星群は公園で見ても頻繁に流れ星が流れてるのを見れたからとても楽しかった!」
「ハルもです〜!
それでですねツナさん、お父さんに調べてもらったら今度は夏の時期に流星群が見られる可能性があるって情報を入手したんです!」
「そうなんだ…」
「京子ちゃんと話してたんですけど
もし夏休みと被ったらみんなで海に行って、海で流星群を見ましょうよ!
きっとエレガントな夜になるとハルは思うんですよ〜!!」
「美香さんとも最近一緒に遊ぶ機会減っちゃったから、良い機会だと思って誘おうと思ってるの。
ツナくんもその方が嬉しいと思って!」
と、事情を知らない京子はニッコリと無邪気に微笑んだ。
「でもオレ達来年受験だし…
正直オレ、成績にあまり自信ないっていうか」
「なら受験勉強合宿ってことにしましょう!」
「えー!?わざわざ海に行って勉強すんのかよ!?」
「時間を決めるんですよ!
遊ぶ時間と勉強する時間をちゃんと割り振れば大丈夫ですって!
勉強も遊びも出来てみんなハッピーです!」
「リボーンくんにお願いしたらちゃんとした時間割り作ってくれそうだよね」
「リボーンちゃんそういうの得意ですもんね〜!」
「(あいつに頼んだら寧ろとんでもない時間割りになる…!)」
「炎真くん達もどうかな?」
と、京子に声をかけられ炎真はキョトンとし
「僕達もいいの…?」
「もちろんですよ!一緒に受験勉強合宿しましょう!」
「うん!人が沢山いた方が賑やかで絶対楽しいと思うの!」
「あ…ありがとう…
うん。是非参加したいな。
一応みんなに聞いてみるけど、きっとみんなも参加したいって言ってくれると思う」
「わぁ!良かった!」
「やりましたねっこれで大賑わい間違い無しです!」
「あとは美香さんだけど…
ツナくんから美香さんに伝えておいてもらえるかな?
私達なかなか会えなくなっちゃったから…」
「バイトばかりでハルは寂しいです美香さん〜…」
「この間お土産のお礼で電話もらった時は嬉しかったよね」
「嬉しすぎて何時間も話し込んじゃいました!
もうすぐ感謝デーですし、美香さんがバイトしてる時を狙ってケーキを買いに行きましょうね!」
「うんっそうだね!」
「それじゃあハル達はそろそろいきますね!
ビアンキさんにも相談して日程とか企画とか一緒に考えてもらいましょう!」
「うん!じゃあねツナくん達。また明日ねっ」
「シーユーですぅ!」
そして二人はまたパタパタと走って去って行った。
炎真と綱吉はそれを少し呆然としながら見送って
「…元気だね」
「あはは…そうだね。
でも、あの元気にオレは何度も救われてきたんだ」
「うん…そうだと思う。
それにしても、ツナくんから美香に伝えられるの?
流星群…というか、受験勉強合宿?」
「どう…かな…
そもそも…一緒に遊びに行ける仲に戻れるかも分からないし…」
「…………」
「…それより…なんだろう」
「?」
「流星群って聞いた途端、何か変な感じがして」
「え?」
「よく分からないんだけど…
なんだろう。この胸の奥が気持ち悪くなる異様な違和感は…」
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