アストライア・ノヴァ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スープとパンを食べてある程度お腹が満たされた綱吉は気持ちが落ち着いたのもあって疑問に思った事を奈々に聞いた。
「なんでオレと美香のケンカのこと母さん分かったの?」
「分かるわよ!ツナったら分かりやすいもの♪」
「はぁ?」
結局明確な答えは分からなかった。
食事も終え、お風呂に入って綱吉の感情と気持ちは整った。
あとは寝るだけだと部屋に入るとハンモックに座るリボーンがいて
「ママンの話ちゃんと分かったか?」
「……うん」
「なら、オレの言いてぇ事はママンが全部言ってくれたから
今からオレが言う事は男として気をつけるべき事だと思え」
「男として?」
ベッドに座りハンモックにいるリボーンを見上げる。
「やっぱりな どんな理由があっても好きな女は泣かせるべきじゃねぇんだ」
「…………」
「大切にしたいという気持ちがあるなら尚更泣かせるもんじゃねぇ。
好きな女の泣き顔なんて自分にとっても気持ちのいいもんじゃねぇだろ」
「うん…」
「あと、これは男に限らずだが心にも無い事は軽々しく口にするもんじゃねぇ。
思ったとしても一度は冷静になれ。
お前はまだガキだからな。カッとなってすぐ口にしてしまうんだろーが…
それを一度呑み込んで思い留まり、冷静に考えられるのが大人ってもんだぞ」
「…………」
「美香のような大人びた女の横に並べる男になりてーならそれを意識しろ。
今回は言っちまったからな…言っちまったんなら仕方ねぇから、謝ってちゃんと訂正するんだぞ。
でないといつまでもお互いに蟠りが残ったままになっちまう」
「……分かった…」
「それでどうするんだ?」
「…明日…学校が終わったら美香を迎えに行くよ。ちゃんと謝りたい。
確かバイトもなかったはずだし、ティティさんを送ったら迎えに行く。
…まだ恥ずかしいけど…秋元先輩に実は美香と付き合ってる事も打ち明けようかなって思ってるんだ」
リボーンはニッと笑うと
「そうか。しっかりやれよ。
お前は男なんだ。ちゃんと美香をリードしてやれ」
「うん…!」
こうして綱吉はやっと笑顔を浮かべられるようになった。
ずっと胸の内に溜まっていたモヤモヤとしたものを吐き出してスッキリした綱吉は、その日の夜どう美香に仲直りの言葉を切り出そうかを考えていつの間にか眠っていた。
翌日になると心配してくれていた炎真に声をかけて休み時間に獄寺と山本も一緒に屋上に向かう。
綱吉からずっと悩んでいた内容を三人に初めて打ち明け
そしてそれは昨日母親とリボーンのおかげで解決し、スッキリしたことを伝える。
「さすが初代のお母様とリボーンさん!頼りになります!」
「なるほどなぁ
なんか、恋人がいるから出来る悩みって感じだな。
オレ達じゃどうアドバイスしていいのか分からなかったかもな」
「でも解決して良かったよ。
昨日の事もあって僕ずっと心配してたんだ。
美香はもちろん、ツナくんのことも…」
「そういえばエンマ…美香は昨日は…?」
「僕達が暮らす民宿に来てもらったよ。
さすがに泣いてる女の子が夜道を歩くなんて放っておけなくて。
それに美香の事だから野宿なんて無茶またしだすかもしれないし」
「あのバカ女なら有り得るな…」
「美香さんほんと無茶するからなぁ」
「ずっと泣きどおしで…僕達のファミリーもみんな心配したんだ。
だから昨日は美香が話しやすいと思うアーデルとしとぴっちゃんの三人で一緒の部屋に寝てもらった。
今朝は少しだけだけどスッキリした顔になってたよ。
アーデル達に話を聞いてもらってちょっとスッキリしたって」
「………そっか…
ごめん、エンマも巻き込んじゃって」
「気にしないでツナくん。
僕はツナくんも美香も友達だと思ってるから、このくらいいくらでも協力するよ」
「本当にありがとう。
…あ、それでオレ…今日美香と仲直りしようと思うんだ。
放課後…多分美香の事だからまた秋元先輩と一緒にいると思う。
そこを捕まえて、連れ戻して…秋元先輩に付き合ってること打ち明けようかなって」
「大賛成っス初代!!
あの軟弱男に一泡吹かせてやりましょう!
誰の女に手ぇ出してんのか分からせる時です!!」
「いやっそういうんじゃなくて!」
「違うのか?」
「違うよ!つーか山本もそう思ってんの!?
オレはただ純粋に美香の恋人を名乗りたいだけなんだってば!」
「軟弱男が調子乗った事言い出さないよう初代の後ろで睨みきかせてます!任せて下さい!」
「いいってそんなの!
てか、獄寺くん今日バイトでしょ!?オレは大丈夫だから!」
「オレは部活だなー
美香さんと仲直り出来たら明日教えてくれよな!」
「うんっ仲直りしてみせるよ。絶対…!
あ…エンマはどうする?」
「え?」
「もし用事がないんだったら、良かったら一緒に美香の迎えに行かない?
エンマがいたら美香も少しは落ち着いて話を聞いてくれるんじゃないかって思って…
まだオレの事誤解してるだろうし」
「分かった。一緒に迎えに行くよ」
「ありがとう!本当にごめんっ」
「気にしないで」
そう言って炎真は綱吉に笑いかけた。
その炎真の笑顔が今の綱吉にはとても頼もしく思えて
「(早く…仲直りしたい)」
そう美香を想いながら空を見上げるのだった。
・NEXT