アストライア・ノヴァ
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今日は学校帰りにバイトだった為秋元くんと一緒に帰る事は出来なかった。
いつも通りバイトを終わらせて、いつも通りの時間に終わらせて、いつも通りに店を出た。
「お疲れ美香姉!」
「美香〜!ケーキよこせ〜!!」
「美香さんオツカレ!」
今日のお迎えはフゥ太くんとランボくん、イーピンちゃん。
そして…
「……お疲れ様、美香」
「炎真…」
炎真が一緒に立っていた。
「珍しいわね炎真が商店街にいるなんて」
「リボーンから聞いて…ツナくん色々忙しくて美香の迎えに来れないみたいだから
代わりに美香の迎えに来れる人を探してるって。
だから、僕が迎えに行こうかなって思って来たんだけど…」
「エンマ兄と偶然会ったんだよ。
僕達はランボがママンに遊べ遊べってわがまま言って料理の邪魔するから、美香姉の迎えに行く事にしたんだ」
「邪魔しとらんわボケェ!」
「ランボ邪魔するダメ!」
「してないもんね〜!」
「今日は僕達が美香姉を守るからね。
エンマ兄もいるから安心だよ」
「ガハハハ!エンマー!ランボさんらうじと遊びたいぞー!!」
と、ランボくんがよじよじと炎真の足を伝って肩へと登る。
「らうじなら民宿にいるんじゃないかな。
帰ったら今度遊びに行ってあげるように伝えておくよ」
「違うよエンマ。ランボさんがらうじと遊んであげてるんだよ〜」
「そ…そうなんだ?」
炎真とランボくん。そしてフゥ太くんとイーピンちゃん。
珍しい組み合わせだけど和む光景にあたしはバイトの疲れを一瞬忘れてクスッと笑った。
「ありがとうフゥ太くん、ランボくんにイーピンちゃん。そして炎真も。
じゃあそろそろ帰ろっか」
「フゥ太〜!マフィアごっこしながら帰るぞ〜!
ランボさんがボスでエンマが敵役ね」
「え゛…まぁ…そうだったけど…!」
「ランボ早く帰るよ。
ランボのごっこ遊び長いから全然先に進めないんだもん」
「遊べフゥ太のバカチンがー!!」
「ランボわがままダメ!」
賑やかな三人の様子を炎真と眺めならが帰路につくあたし達。
やがて三人はフゥ太くんが持っていた長い紐をひとつの輪にして、電車ごっこしながら帰るようになった。
歌を歌いながら先を歩く三人が楽しそうで微笑みながら見守っていると
「ねぇ美香」
「ん?」
「最近ツナくんとどう?
学校が違うからなかなか一緒になれないんじゃないかって心配してて」
「……そうね。前までは商店街の入り口で待ち合わせて一緒に帰る…みたいな事はしてたわ。
だけど最近は…」
「……………」
「ツナ、忙しいみたいだから…
炎真は聞いてるか分からないけど…」
「ツナくんから聞いてるよ。
ボンゴレの裏切り者として狙われてるって。
それに美香の友達がそれに巻き込まれて…
実は僕達シモンファミリーも昨夜襲われたんだ」
「え!?」
「あ…みんな無事だから安心して。
僕が戦う前にアーデルが一人で全員倒しちゃったし」
「そう…さすがアーデルちゃんね。良かったわ。
でもどうしてシモンファミリーが?」
「継承式の事件以降ツナくん達と一緒にいる事が多いから
なんか、和解して同盟組んだって勘違いされてたみたい。
同盟ファミリー…特に僕達みたいなあまり目立たず名も売れてないファミリーが狙われてるって言ってたし」
「そっか。炎真達って和解はしたけど別に同盟組んだわけじゃないもんね」
「うん。ツナくん達の事やツナくんの父さんのことは誤解だって分かったけど
僕達がこれまで他ファミリーのマフィアから受けてきた仕打ちは許したわけじゃないからね。
ボンゴレだって…近年のボンゴレは知らないけど、僕達の先祖はボンゴレからも迫害を受けてたはずだよ。
昔は今と違ってシモンファミリーの名はボンゴレの兄弟ファミリーとして知れ渡ってたはずだからね。
同盟を組むならツナくんが受け継いだボンゴレか…ボンゴレという組織じゃなくてツナくん達ファミリーとだけがいいな」
「ふふっそうなんだ」
「それは良いとして…
美香は大丈夫なの?ツナくんと一緒にいられなくて」
「…平気よ。元々一緒にいても、あたしは居ないようなものだったし」
「え?」
「今は一緒に居て楽しい人がいるから」
「……………」
炎真は呆然としてあたしの顔を凝視していた。
多分ツナにあたしとの今の関係を聞いていると思う。
それとなくあたしの気持ちを聞いているのだろうけど…今はもう、ツナの事を聞かれる方が辛くて
これ以上何も聞かれたくなくて投げやりにそう答えた。
「…そっか…美香が良いなら良いんだけど…
バイトも学校も楽しそうだしね…」
「うん…」
「でも悩みがあったら僕聞くから。
美香も…ツナくんも幸せになってほしいから
僕で良かったら協力するからね」
「…ありがとう炎真」
戸惑いながら優しくそう言ってくれる炎真。
そんな彼の姿を見て、投げやりに答えて困らせてしまったと反省する。
ああ、今のあたし物凄く情緒が不安定だ。
こんなの八つ当たりと変わらないわ。
炎真に悪いことしちゃった…
どうすればこんな辛い気持ちから…辛い状況から抜け出せるのだろう。
何をどう考えても最善の方法は思い浮かばない。
「いっそ…ツナと別れちゃえば楽になれるのかしら?」
「…え?」
「こんなに辛いなんて。ツナと別れちゃえば…楽になれるのかな」
「そんな…美香、しっかりしてよ。
急いで答えを出す必要なんてない!
確かにツナくんは今は忙しいかもしれないけど
ツナくんはいつだって美香を想ってるし大切にしてる。
だから諦めないで」
「でも…」
「思い出して。去年のこと…
そして美香が首に下げてる指輪のこと。
ボンゴレⅠ世と美香の御先祖さんは何百年もお互いを想い続けてきた。
もう一度巡り会うために壮大な仕掛けまで残して…
美香とツナくんはそんな二人の子孫なんだよ?
今は辛くても、きっと幸せになれる日が来るよ」
「…そうね…」
本当にそうだろうか?
あたしはあんなに信じていた炎真すらも信じられず疑心暗鬼になってしまっていた。
そして自分がそんな状態だと、気付く事が出来なかった。
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