アストライア・ノヴァ
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家に帰り着くとディーノさんが突然やって来た事にツナはとても喜んでいた。
奈々さんもディーノさんを嬉しそうに迎え入れ、ご飯を食べて行ってから話がどんどん盛り上がって結局今晩ディーノさんは泊まっていく事に。
リビングでワイワイと賑やかな声を聞きながらひとまず楽しそうなみんなに自然と綻んで
あたしは自分の荷物を置こうと階段を上る。
傷に響いて痛む為、ゆっくり上る。
「ふぅ…」
やっと部屋に着いて荷物を床に下ろした。
「美香」
「っ」
ドキッとして振り返るとそこにはリボーンくんがいた。
「リボーンくん…どうしたの?」
「それはこっちのセリフだぞ」
ピョンッと飛び上がり器用にあたしの部屋のドアを閉めると彼は床に着地して
「足を庇っているように見えたぞ。何があった」
「………あ…ああ…」
あたしの包帯が巻かれている足は丁度靴下で隠されている。
「ちょっとバイト中に捻ったの。
結構痛かったんだけどお客さんも多かったから無理して…
帰り道にディーノさんがたまたまあたしを見かけて、リボーンくんみたいに足を庇ってるって見抜いてきたから
事情を説明して、そしたら送ってくれたのよ」
「…そうか。見せてみろ、その足」
「え……うん…」
大丈夫…よね?
その場に座り靴下を脱いで足の包帯を見せた。
あたしの足の包帯は丁度足首にある。誤魔化せられると思うけれど…
「包帯の巻き方が捻挫の処置と違うな」
「えっ……」
「捻挫をした時は捻挫をした時の包帯の巻き方があるんだ。
大半は足首だけでなく足首から足の殆どを覆うようにして巻かれる。
美香の足はそれとは全く違う、まるで処置した傷口を覆うだけのように足首だけ巻かれているみてーだ」
「…………」
「オレに誤魔化しや嘘は通用しねぇぞ。
ツナに話したくねぇなら黙ってておくから、正直に話せ」
さすがリボーンくん。
あたしは誤魔化せないと早々に判断し、本当の事を話した。
「ボンゴレの混乱に乗じてボンゴレの秘宝を狙う連中か…
まぁ、そういう奴らが出てくるのも時間の問題だったしな」
「せっかく秘宝関連の事でツナが振り回される事が無くなったのに、また…
ただでさえツナは自分の命を守ったり、ティティの護衛に忙しいのに…っ」
「だからって美香の件をこのまま放置なんてできねーぞ。
特にダメツナは美香に何かある事を一番恐れてる。
…最近ケンカでもしたんだろ?そのせいかダメっぷりに磨きがかかってやがるんだ」
「え…」
「美香の事が気になって集中出来てねぇみたいなんだ。
今はしっかりしねぇと死ぬ危険があるから、オレが蹴り飛ばして喝を入れてるがな」
「…………」
「まぁその気持ちの折り合いはあいつ自身の問題だから良いとして
ひとまずは美香は一人にさせない所から対処していくか」
「…迎えに来るの?」
「そうするしかねーだろ」
「でも、ツナは…」
「ツナの強さを忘れたのか?」
「…………」
「寧ろ守る人がいればいるほど強くなる。
あいつはそういう男だぞ」
「知ってるわ。知ってるけど…」
「…………」
「今は…距離を置きたいの……」
「……思ったより深刻みてーだな」
「ツナは悪くないわ。あたしが悪いの。
だから距離を置いて仲直りするタイミングを見計らってるの…
今は…下手に近付きたくない」
ポロッと一粒だけ涙が零れた。
それを見たリボーンくんがあたしに背を向け、またピョンッと飛び上がって部屋のドアを開けた。
「ちょっと待ってろ。
この間美香が気に入ってた菓子をまた買ったから持ってきてやる」
「リボーンくん…」
「これはオレのポリシーだがな」
「?」
「どんな理由があっても
好いてる女を泣かせるなんて男のする事じゃねぇんだ」
リボーンくんはそう言って、あたしの部屋から出て行った。
そうして翌日。
バイトが終わる時間になるとお店の前に迎えが来ていた。
「雲雀くん!?」
「やぁ」
「まさか雲雀くんがお迎えなの…!?」
「赤ん坊の頼みだからね。
それに、きみを迎えに行けばその回数だけあの人と戦う時間を伸ばしてもらえるみたいだし」
ディーノさんと戦う時間かな?
ディーノさんに無断でそう言ってそう…
というか、つまりあたしの迎えはポイントカードのスタンプ代わり…?
「(まぁいっか。雲雀くんだし)」
苦笑し、彼の傍に近付いた。
「ありがとう雲雀くん」
「別に君の為じゃないよ。
丁度見回りの強化をしたからそのついでだよ。
最近並盛に見慣れない草食動物達がうろつき始めたからね」
雲雀くんが歩き始めたのであたしも足を進める。
「そういえばあたしと初めて会った時も『見慣れない顔』って言ってたわね。
雲雀くんって並盛に住む人達の顔全員覚えてるの?」
「当然でしょ」
「凄いわね。あたし人の顔覚えるの苦手で…
風紀委員の人達、草壁くん以外全然分からないの」
「ふぅん。別にいいんじゃない」
「あはは。まぁ確かに風紀委員の人に関わる事って雲雀くん以外あまり無いものね。
…そうだ。雲雀くんって苦手な食べ物とかある?」
「?…知ってどうするのそんなもの」
「昨日のお礼がしたいの。
あと、ディーノさんとの戦い邪魔しちゃったみたいだからそのお詫びも兼ねて」
「別に気にしてないよ」
「ヒバードとロールにも何かあげたいの。
せっかくあげた物が嫌いな食べ物だったら二重に申し訳ないし」
「彼らは別に何でもいいよ。パンくずでも花の種でも食べるし」
「そうなの」
「僕に対しても別に何でも良いよ。気に入らなければ棄てるから」
「そっか。なら今度良いなって思った物買って持っていくわ」
「期待せずにいるよ」
「雲雀くんならそう言うと思った〜」
と、言いながらあたしはクスクス笑う。
「それにしても」
ジッとあたしを見る雲雀くん。
首を傾げ「なに?」と問うと
「君、最近小動物達と群れてないんだね」
小動物…ツナ達のことかな?
「うん…」
「君が一人になる時は大抵面倒な事が起きる前触れなんだ」
「ええ…」
でも悲しいかな否定は出来ない。
「次僕に勝手な事をしたらどうなるか分かっているね?」
「咬み殺すんでしょ?分かってるわ。
もう勝手にいなくなったりしないから安心して」
「別に心配してないよ」
そう言う雲雀くんの横顔はいつも通りの彼だった。
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