継承式編
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実質、雲雀くんはD様に負けたという事なのだろう。
私は呆然と彼が閉じ込められたD様の手にあるカードを眺めた。
「如何ですか姫。私の強さは」
コツコツと靴音を鳴らしながら私を閉じ込めた球体に近付く。
そして手を伸ばすと、なんと彼の手は球体をすり抜けてきた。
私は慌ててその手から逃げるけれど狭い中では逃げられなくて、反対側の球体の壁に寄りかかる事しか出来ず顔を撫でられ顎を持ち上げられた。
そして無理やり視線を合わせられる。
「ヌフフ…もうすぐです姫。
着実に私のものになるその時が近付いているのをその特等席でご覧下さい」
「どうしてそこまで私にこだわるのですか…!
指輪が目的なら、そこまで執拗に責める必要はないはずです…!
私に対して何の感情もないくせに!」
「もちろん貴女に対して愛情などという感情はありません。
昔ならば、同じボンゴレを思う仲間として友愛はありましたが…
しかし今は違う。
貴女はこの現世で唯一生きるⅠ世の愛を一身に受けた存在。
私の全てであったものを、彼が血迷った結果奪われた…その復讐を果たすのに必要なのです!」
「……!!」
「Ⅰ世…今は土の中で、更に愛した人を覚えているかも不明ですが
貴方が奪ったように私も奪ってあげましょう。
文字通り全てを…!」
「D様…!」
「さぁまずは愛した者の目の前で自分の血を濃く受け継いだ子孫、そして親友の子孫の八つ裂きショーを見せて差し上げましょう!」
「D!!」
綱吉くんの声が辺りに大きく響く。
見れば彼に額に炎を灯し、目をオレンジ色に光らせ
「その人から手を離せ!
…図に乗るなよ。お前の野望はオレが砕く!!」
D様の手が私の顎から離れゆっくりと綱吉くんと向き合い
「ヌフフ。やっと愚かな真打ち登場だ」
そうして雷と嵐のVGを発動させた。
「いくぞ!!」
綱吉くんは両手の炎を噴出させD様へと飛んでいく。
その彼に雷を纏わせた大量のダイナマイトを投げて爆発させた。
綱吉くんが思わず動きを止めると
「さて、どう いたぶろうか」
そこへダイナマイトの煙に紛れもう一人飛んできた。
D様に拳を振るうも、気付いた彼に防がれる。
しかし距離を置く為綱吉くんへの追撃を防ぐ事が出来た。
「ツナくん大丈夫?僕もいるよ!」
「エンマ!!」
「倒そう。Dを!」
「ああ!!」
参戦したのは炎真だった。
「これはこれは。
ボンゴレ10代目候補とシモン10代目のダメダメコンビじゃありませんか。
しかし沢田綱吉を許していいのですか?古里炎真。
沢田綱吉はお前の家族を殺した沢田家光の息子ですよ」
「…その話はジュリーに憑依してお前が作ったデタラメだ!もう信じてないっ」
「しかし事実です。神に誓ってもいい」
「やめてくれ。もしかしたらお前の言う事は本当かもしれない。
でも、僕はもう二度とツナくんを恨んだりはしない。
ツナくんのお父さんがどんな人であってもツナくんとは関係ない。
だってツナくんは…何があっても絶対に裏切らないから」
「エンマ…」
「僕とツナくんの友情は僕のファミリー達のようにずっと変わらない!!」
炎真の目は真っ直ぐとしていて、そして淀みなく綺麗に光っていた。
「(もう大丈夫そうですね)」
ーーー仲直り出来て良かったわ。…もしかしたらあたし達いらなかったのかもだけど
「(それは言わない約束です美香)」
ーーーこれで安心して離れられる。
「(その前に助かると良いですね♡)」
ーーーそれこそ言わない約束!
それに、ツナと炎真なら大丈夫よ。絶対助けてくれるわ!
「(………そうですね)」
その後、D様の自白により炎真の家族だけでなくCEDEFの家光さんの部下12人を殺したのはD様という事が分かった。
「私はⅠ世とは違い強きボンゴレを創る為なら手段は選ばない。
殺された彼等も名誉だったことでしょう。
幸いにもボンゴレの『肥やし』になれたのですから」
「なんて奴!!」
「D!やはりお前だけは!!」
『許さない!!』
綱吉くんと炎真が二人同時にD様に向かう。
二人は驚く程の絶妙なコンビネーションで的確にD様を追い詰めていき、やがて互いのアイコンタクトだけで綱吉くんの攻撃を炎真の援護で当てることが出来た。
「フヌーン。今のは意表を突かれましたが…
まったくもって超コンビとは笑わせてくれる」
しかし、当たったと思った攻撃は獄寺くんのVGの能力で防がれていた。
「よろしい。では本腰を入れましょう」
そう言ってD様は自分の持つシモンリング、そしてVGを発動させた。
「塵も積もれば山となる。守護者の能力が積もればこうなります」
その姿はシモンとボンゴレの大地と大空以外、全ての能力を身に宿し、完全装備となったもの。
私はそんなD様に向かって思いっきり叫ぶ。
「ダサいです!!
なんかもう とりあえずかっこいいアクセいっぱい付ければ超かっこいいって思ってる中学生みたい!!」
「姫…その口の悪さは改めるようにと口酸っぱくGに言われていたではないですか」
「今Gいないもんっバーーカ!!」
「やれやれ。まずは再教育からですね。
まぁそれはさておき…見た目よりもまずは性能ですよ。
大地以外のシモンリング、そして大空以外のVGを持つ私が6倍に増えたら…果たして生き延びられますか?」
と、D様が6人に分裂した。
「さぁ いきましょう!」
まず二人が炎真へ、そして二人が綱吉くんへ向かう。
残り二人はクロームちゃん達が加勢しないよう見張る為に向かった。
綱吉くんが二人同時にD様を攻撃するけれど幻覚だったらしく、しかしただの幻覚にしてはリアリティがありすぎるとか。
仮に本体を攻撃出来たとしてもダメージは1/6にまで軽減されており、もはや分裂している6人を同時に攻撃しなければダメージは無いも同然だという。
「ぐあ!」
何とかD様にダメージを与えられないか綱吉くんは考えていたが、その隙を狙われてD様に蹴られ私が閉じ込められている球体の近くの地面に叩き付けられる!
「綱吉くんっ」
「ぐ…っ」
「綱吉くん、大丈夫ですか…!?」
「あ……ああ……」
なんとか起き上がってはいるがダメージは大きいようだ。
「ツナくん大丈夫だね!!立つんだ!」
空中から炎真がそう叫んだ。
綱吉くん不思議そうにしながらもフラフラと立ち上がると、それを確認した彼は更に上空へ飛ぶ。
綱吉くんもそれを追うようにまた飛び上がった。
炎真は6つのブラックホールを生み出すとそれをそれぞれのD様に向けて放ち、一人一人を吸い込み始めた。
そしてそれだけに留まらず。重力の力で6人を炎真の周りに引き付けた。
「ツナくん!!ここに撃ち込め!!
ありったけの炎で全てのDを焼き尽くすんだ!!」
綱吉くんは炎真のその言葉を瞬時に理解した。
そして同時に、その結果も。
「だがそんなことをすれば…エンマ!!お前まで…!!」
「Dを倒す方法はもうこれしかない!早くツナくん!!」
「でも……オレには………っ」
撃てるはずがない。
だって彼はジョットと同じ。
大切な仲間(友達)を守りたいから、仲間(友達)を犠牲にする事は出来ないもの。
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