継承式編
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あれからあたしは色々聞かれたけど、それ以上は黙秘した。
獄寺くんは怒っていたけどツナがそれを宥めてくれて
「分かりました。これ以上は聞きません」と身を引いてくれた。
そして今は少しでも体を休めようと再び眠りにつく事にしたのだ。
「(やっぱり…さすがに話すのは躊躇するわ)」
ーーー自分の中に初代ボンゴレファミリーの元関係者がいて黒幕と話せました。
その関係者の記録や記憶がボンゴレに残ってないのはこの星が消したからです。
なーんて言えないですよねぇ〜
せっかく信じてくれたのに一気に胡散臭くなってしまいます。
そもそも死んでるはずの初代ボンゴレファミリーの一人が生きてる事すら信じられないでしょうに…
「(それでもツナはあたしを信じてくれたんだわ…)」
ーーー優しい人ですね。
炎真も早く…元の優しい人に戻ってくれたら…
「(そうね…)」
そうして、あたしも再び眠りについた。
朝になりあたし達は出発した。
相変わらずあたしだけヘロヘロで、階段の途中で両膝に手をついて息を整え、足が動けずにいたあたしをツナが手を差し出して助けてくれた。
ツナと手を繋ぎ、引いてもらうように歩きながら
「よく見たら貴女の制服って至門中学の制服じゃないですね」
「そうね…あたし元々高校生だし。これは通ってた学校のセーラー服です」
「高校生!?と、歳上…!
ならオレ達に敬語なんて使わないで良いですよ!」
そんな話しをしながら、あたし達は遂に階段を登りきった。
登りきった場所は高台のようになっていて、高台に登ったあたしたちの眼下には町のように沢山の建物が建ち並ぶ風景だった。
あたし達はそこへ向かう事にし、休憩をとってから高台を降りて建物が並ぶ場所を探索することに。
「誰もいないみたいだね…」
「イタリア家屋っぽいな…」
「かなり老朽化してますよ」
そんないつ崩れてもおかしくないボロボロの建物から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「(この声はしとぴっちゃん)」
声がするひとつ家の中を覗き込むとしとぴっちゃんが勉強をしていた。
獄寺くんがしとぴっちゃんの姿を確認すると
「SHITT・P!!オレだ!戦いにきたぜ!!」
もちろんしとぴっちゃんが反応するわけもなく
「こ…こう呼べばいいんだろ?
し…ししし…っしとぴっちゃん!!」
少し恥ずかしそうにそう呼ぶとしとぴっちゃんは立ち上がった。
「その呼び方、嬉しいな獄寺くん」
「まっまともに喋ったー!!」
と、ツナが驚愕する。
「この町並みはシモンの先祖が住んでた村にそっくりなんだって
この話 終わり」
しとぴっちゃんは跳び上がると天井と屋根を突き破って外に出てきた。
地面に着地して立ち上がるとあたしを見て
「まだそっちにいるんだね」
「しとぴっちゃん、さっきのは宿題?」
「そうだよ。分からない所あるから早く教えてほしいな」
「……全部終わったらね」
「UMAに勉強を教えてるだと…!?」
獄寺くん、しとぴっちゃんのことUMAって言った?
「戦うなら獄寺くんがいいな。カワイイ獄寺くんをイジリ倒したいの」
頭を戦闘に切り替えたらしいしとぴっちゃんの誘いに獄寺くんは「もちろんお前の相手はオレだ!」と誘いに乗る。
「10代目は危ないので離れていて下さい!
なるべく遠くに…超安全な場所へ!」
「あ…うんっ分かった!じゃあ、気を付けてね!」
ツナは獄寺くんから荷物を受け取り「行きましょう」とあたしに声をかける。
「抱っこして」と甘えるランボくんはあたしが抱っこをしてあげてツナと一緒に走って離れた。
やがて二人の姿が小さく、ギリギリ見える場所まで離れると振り返り
「あれが獄寺くんのVG…瓜が獄寺くんに懐いてる…!」
あたしが彼等から離れたあと装備が色々変わったようだ。
了平くんも見た事ない装備だったし、カンガルーみたいな動物も連れていた。
獄寺くんは基本的に彼の得意なダイナマイトみたいだが、ネコのような動物を連れている。
「可愛いわね。みんな動物を連れてるの?」
「はい」
「ツナ…あー…綱吉くんも?」
「はい。オレはライオンで…」
「ライオン?凄いわね。見てみたいわ。
綱吉くんってライオンは怖くないのね」
「ライオンって言ってもネコみたいに小さいんです。
見せてあげたいんですが、なんか今調子悪いみたいで出て来てくれないんですよ。
ナッツのやつどうしちゃったんだろ…
すみません。人見知りもある子で」
「そうなんだ…別にいいわよ。気にしないで」
その時ふとリボーンくんを見ると、リボーンくんは何故かあたしを見ていた。
首を傾げるとリボーンくんは目を逸らし
「勝負の内容が決まったみてーだな」
勝負は風船割り。
二人それぞれにふたつの炎によって膨らんだ風船が浮いており、先にそれをふたつ割った方が勝ち。
5分以内に決着が付かなければ引き分けになるというルール。
そして獄寺くんは10代目の右腕としての誇りを
しとぴっちゃんを自分を愛する誇りをかけて勝負を始めた。
「(そういえば獄寺くんの戦闘ってよく見た事ないな…
リング争奪戦の時あたし捕まってたから…)」
ダイナマイトを使う事から『スモーキン・ボム』と呼ばれていたのはツナから聞いて知っていた。
だからダイナマイトを投げる戦術を得意とするのは分かるけど…
「凄い…ダイナマイトがロケットみたいに動いてる」
「獄寺くんのロケットボムです。凄いですよねっ」
「………あれがダイナマイトって分かるんだな」
リボーンくんに言われハッとする。
確かに今獄寺くんが使ってるダイナマイトは色々改良されてるからか通常のダイナマイトと形が違う。
獄寺くん=ダイナマイトの印象から思わず口走ってしまった。
「え…う、うん。なんとなく…違ったかな…?」
「いや。合ってるぞ」
そう言ってリボーンくんはまた獄寺くんがいる方向を見た。
ツナは不思議そうに首を傾げている。
「(やばい…リボーンくんは鋭いから…
で、でも。一度記憶を失ったら死ぬまで思い出さないのよね?)」
ーーーお…おそらく…?
「(怖いわよ!これ以上ボロを出さないよう気を付けないと。
何がトリガーになって思い出しちゃうか分からないわ…!)」
ーーーこんな無人島で思い出されちゃったら逃げ場がないですよね♡
「(変なフラグ立てないで!)」
とにかく慎重に慎重に…
初対面なら知り得ない事かどうかを考えながら発言しないと。
ーーーまぁでも、『どうして知ってるんだろう?』と怪しまれてはいても
実は過去に会ってる。なんて結論にはならないでしょう。
だってどう考えても過去に会った記憶はないのですから。
綱吉くんなんて疑ってすらいませんし。
「(だと良いんだけど…)」
チラリと横にいるツナを見ると彼は疑うなんて様子は微塵もなく獄寺くんの戦闘を見守っている。
「(これなら大丈夫か…)」
ホッと息をついて、あたしも獄寺くんとしとぴっちゃんの戦いを見る事にした。
・NEXT
