継承式編
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紅葉くんと了平くんの戦いはまさに激闘。
固唾を飲んで見ていると、脳内で呑気な声が聞こえた。
ーーーそれにしても了平くんは本当にナックル様そっくりですね。
「(え…)」
ーーーあっ…すみません。戦闘中なのは分かっているのですが…見ていたらなんだか懐かしくなっちゃって…あはは
「(あたしは別にいいわ。それより…ナックルって…?)」
ーーー初代ボンゴレ晴の守護者であるナックル様です。
彼もまたボクサーだったのですが…事情があって神父になった方なのです。
とても明るく底無しに元気な方で、本当に彼自身が晴天の太陽のような方でした。
「(本当に了平くんそっくりね)」
ーーー綱吉くんは本当にジョットに似ている。彼の子孫だからそれも当然…と思っていたのですが
まさかその友達や仲間も初代ボンゴレの皆さんにそっくりだなんて。
「(え…?)」
ーーー本当に初代ボンゴレの再来なのですね。
クロームちゃんという方だけは少々特殊なようですが。
「(ツナが言うにはクロームちゃんも霧の守護者だけど
厳密には本来の守護者である骸くんの代わりみたい)」
ーーーきっとその方もD様によく似ているのでしょう。
それにしてもD様が愛したエレナ様が…あんな最期だったなんて。
「(……………)」
ーーー私は知りませんでした。
その頃には私は既にいませんでしたから。
だから…あんな強さにこだわったD様を私は見たことありません。
エレナ様が生きていた頃の彼は貴族に相応しい本当にお優しくて紳士な方だったのです。
「(そうだったの…)」
ーーー明らかにエレナ様の方がボンゴレの姫と呼ばれるのに相応しい方なのに、誰が呼び始めたのか急に私が呼ばれだして
それに最初に乗っかったのが何故かD様で再三やめて欲しいと言ったのに何故か定着してしまってああああああああ………っっ
ごめんなさいごめんなさいこんなのが姫とか呼ばれてごめんなさい。うう…死にたい…
「(もう死んでる…)」
ーーーそっそういうわけなのでっ
D様も最初はボンゴレに対して敵対心があったわけではなく
おそらくそれは今もなのでしょう。
ボンゴレの在り方を考えて…それが…エレナ様の一件で過激になってしまったのですね…
「(ツナ達にDの存在を教えた方がいいかしら)」
ーーー教えておいた方が少しは有利に動けるかもしれません。
…ただ…それを信じてもらえるのか。という不安と
死んだと思われているのが当たり前の初代ボンゴレの守護者、D様に会ったと不審がられず説明出来る自信はありますか?美香
「(う…)」
ーーー会ったとしても、どこで。何故会えたのか。
そもそもどうしてジュリーくんがDだと気付けたのか。
私の存在の説明無しで全て彼らに矛盾なく説明出来ますか?
「(自信……ないわ……
特にリボーンくんは鋭いし頭良いもの)」
ーーー綱吉くん達に自力でD様に辿り着いてもらうしかないでしょう。
ただ、この戦いは裏にシモン以外の何かがいて、狙われてるのは綱吉くんだという事は伝えておいて問題ないと思います。
「(そうね。この戦いが終わったら…)」
紅葉くんと了平くんはお互い限界を迎え、戦いは終わりを迎えようとしていた。
紅葉くんに殴られてるだけのまさにサンドバッグ状態だった了平くんが遂に紅葉くんを捉えた。
VGというあたしは初めて見る装備が了平くんが受けたダメージをフルチャージし、紅葉くんを捉えた状態で発動させる。
獄寺くんとツナとリボーンくんは了平くんの次の攻撃を見守っていたが、ふとツナが一瞬何かを考えた後あたしを見て
「あっあの…!伏せて下さい!」
「え?」
「多分衝撃が凄いです!飛ばされないように…早く!」
「わ…分かった」
言われた通り地面に伏せた。
「獄寺くんはランボを!」
「了解です!」
獄寺くんが状況が分かってないランボくんを無理やり地面に押さえつけて伏せさせ、そのまま飛ばされないよう押さえつけたままにして自分も地面に伏せる。
ツナも地面に伏せると
「すみません、嫌だと思いますが…!」
「っ」
あたしが飛ばされないようにする為か肩に腕を回してくれた。
ドキッと胸が高鳴った直後のことだった。
ドオオ!!
爆音と共にまるでそこに太陽があるかのような、目を開けられない程の眩しい光。
呼吸もままならないくらいの爆風が顔を叩きつけ、あのまま立っていたら間違いなく吹き飛ばされていただろう。
伏せている今でさえ齧り付くように地面にしがみつくが気を抜けば吹き飛ばされそうで、ツナが体を押さえつけてくれてるから助かってるのだと実感する。
「ぅ………くぅ…」
「ぐっ………」
風が収まりやっとほっと呼吸がまともに出来る。
ツナが肩に回していた手を離し
「あの…大丈夫ですか?」
「なんとか…」
「良かった…あっ…お兄さんは!?」
前を見ると血だらけだが確かに立っている了平くん。
そして
紅葉くんもまた倒れていなかった。
お互いもう足をガクガクと震わせ、とっくに立つことすら出来ない状態だろうに二人はまだ戦おうと足を動かす。
「まだ闘う気かよ!!」
「何が二人をあそこまで…」
「意地だ。
互いのファミリーの先鋒として絶対に負けられないという意地が奴らを奮い立たせているんだ」
リボーンくんの言う通りだ。
「紅葉ーーーーー!!」
「了平ーーーーー!!」
最後の力を吼える事で奮い出し、二人は互いの右の拳をガッ!とぶつけ合った!
そして、二人は同時に地面に倒れた…
「………終わった…の?」
「すぐに治療してやんねーと二人ともやばいぞ」
駆け出すリボーンくんにそれに続くツナ。
多分ボンゴレ組は先に了平くんの方へ行くだろうから、あたしは紅葉くんの所へ行こうと走り
「勝負は決した」
突然空間に穴が空いてそこから無数の鎖が飛び出して倒れた二人を捕えた。
「な…何なの一体!?」
ツナの叫びに姿を現したのは復讐者という今回の戦いのルールを決めた謎の人達だ。
「ボンゴレ、シモン 両守護者共に膝をついた。
よって共に敗者とし我らの牢獄へ連れ去る」
「待って!やめるんだ!!
二人とも大怪我してるんだぞ!!」
復讐者はそんな事は関係ないと言わんばかりに鎖で絡めた二人を空間の中へ引きずり込んでいく。
「…沢…田……」
振り絞るように了平くんはツナに声をかけた。
「オレに…悔いはない…!
自分の誇りは貫き通したつもりだ…
お前も…お前の誇りを譲るんじゃないぞ…」
「お兄さん!!
でも…オレの誇りって…」
「お前の感じたままに進めばいいのだ…
何も案ずることはない…沢田…
オレは知っている…!お前の誇りを!!」
「っ……!!」
「山本とクロームを頼んだ…ぐあ!」
「お兄さん!!」
「紅葉くんっ」
二人はこうして空間の中へ呑まれていった。
「そんな…紅葉くん…了平くん…
こんな風になっちゃうなんて…」
「復讐者!!お兄さんを返せ!!」
「それは叶わぬ」
「ルールはルールだ…」
「くっ……」
リボーンくんの言葉にツナは歯を食いしばる。
「ひとつの戦いが終わった…
よってジョットとコザァートより託された
ひとつめの『鍵』を置いていく」
復讐者の手にはひとつの袋。
ーーーあれは…コザァートの財布ですね。
「(え…)」
ーーーどうやら守護者でない私達は対象外のようです。
私が知ってる範囲で教えましょう。
周りを見ればツナ達は何かを見せられているのか呆然としている。
ーーージョットとコザァートが初めて出会ったのはイタリア。
不当なイジメにあって貧困で困っているパオロという方を助けようと、コザァートが納屋にわざと財布を落としたのを
ジョットが知らずに拾って届けた事がきっかけでした。
「(財布……)」
何となく炎真を思い出す。
ーーー財布をコザァートに届けてしまったジョットとGでしたが、二人はどうやら買い集めた食材を同じく納屋に落としたそうで…
それを知ってコザァートとジョットは気の合う友人として関係が深まっていきます。
「(プリーモもコザァートも…お金持ちの子供だったのね。
自分の生活もあるのに人の為に身を削れる人はある程度余裕がないと考えすらしない出来ないもの)」
ーーーそうですね。
大金持ちという程ではありませんし、地位もない。少しお金には余裕がある程度ぐらいでした。
だからこそ私も最初はお金を稼ぐのに丁度いい相手だと思ってたのにな。
「(え?)」
ーーーおっと…この話はちょっと…
そ、それで。多分…勝負が終わる度に初代の記憶が解放されるのでしょうね。
私の知らない記憶もあるでしょうから、念の為どんな内容だったか聞いてみると良いでしょう。
「(分かったわ…)」
ツナもあたし達と同じ結論に至ったようだ。
ボンゴレとシモンの過去。
それら全てを解き明かした時、初代シモンがプリーモに裏切られたという事件の真相が分かるかもしれない。と…
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