星の処刑編
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夕食も終わり夜も更けた。
先に美香に風呂に行かせ、男三人は山本の部屋にあるテレビでゲームをしつつお菓子を摘みながら話していた。
その様子を眺めていたリボーンに綱吉がお菓子に手を伸ばしながら
「ところでリボーン」
「なんだ?」
「美香にあげた『初代ボンゴレの秘宝』って中身の正体が分かったこと公表するのか?」
「昼過ぎに9代目と連絡したばかりだからな…
まだその時は結論は出てなかったが、おそらく秘宝の中身の正体は公表されると思うぞ。
これ以上美香を付け狙うファミリーを増やさない為にな」
「そうなんだ。良かったー
これで美香を狙うマフィアはいなくなるね」
「そうでもねーぞ」
「えっ…なんでだよ。中身分かったのに」
「確かに少しは減るかもしれねぇが、まったく狙われなくなるって事はないだろうな。
ファミリーによっては公表された内容はフェイクだと考える場合もある」
「フェイク?」
「事態を収拾させる為に敢えて偽の情報を流す。
それはマフィアに限らずよくある手段だ。
そう考えて狙い続けるファミリーも少なくねぇ
だから中身が解明され、それを公表したからといって美香が完全に狙われなくなる。という事はねーぞ」
「じゃあ美香さんはこれからも狙われ続けるって事か…なんか可哀想だな」
山本がゲーム画面を見ながら、手はコントローラーを操作しつつぼやく。
「オレ達が守ってあげないと…」
「大丈夫っスよ10代目!
そういうのに拘る奴って大体小物なんスから
10代目にかかればなんて事ないですよ!」
獄寺もコントローラーを操作しつつ綱吉にそう言って笑いかけた。
「そ…そうなの?
でもオレは良くても美香が怖い思いするし、やっぱなるべくならこだわって欲しくないよなー…」
その時だった。
山本の部屋の襖が開かれた。
そこには髪を濡らし、肩にタオルをかけ、薄い長袖とショートパンツをはいた美香が立っていた。
風呂上がりで上気した顔。艶っぽい唇にしっとり濡れる髪。
そして白い手足が仄かに赤くなっていて、ふわりと花のような甘い香りが広がる。
そんな無防備な美香の姿を健全な男子中学生三人は前触れもなく見たものだから
「うわっ」
「ちょっ」
「ゲッ」
「?ごめん山本くん。ドライヤー貸してくれる?
持ってくるの忘れちゃったみたいで…」
「あ……ああ…普段使わねぇからしまってるんだ。
脱衣所の鏡の下に戸棚があるだろ?
勝手に開けて使っていいぜ」
「ありがと」
トタトタと足音を立てて美香は去って行った。
三人はそれを見送りながらドッドッドッと心臓が異様に早く脈打つを感じ
「なんか…美香が異様に色っぽく見えたんだけど…
風呂上がりなんて家で何回も見てるはずなのに…」
「そういや美香さん。本当なら女子高生だったよな…
うちのクラスにも大人っぽい女子はいるけど…
それとはまた違った大人っぽさがあるっつーか…
風呂上がりってだけであそこまで印象変わるのな…」
「こえー…女ってこえー……」
「お前ら今全員エロい顔してるぞ」
『なぁ!?』
リボーンの言葉に三人はそれぞれコントローラーを落としたりお茶が入った湯呑みを落としたりと激しく動揺した。
それをリボーンが「ガキだな」とぼやいたのだった。
さすがに寝る部屋は分けられていた。
と言ってもツナ達がいる山本くんの部屋のすぐ隣の部屋だが。
全員お風呂が済んだあとしばらく話したり、ちょっとだけゲームをさせてもらったりして楽しんだが夜も遅くなった事で寝る事になった。
時々三人があたしに対してギクシャクしてたのはよく分からなかったが…
三人は布団を敷いて、リボーンくんはハンモックで寝る事にしあたしと「おやすみ」と挨拶をしてあたしは割り振られた部屋に入る。
構造は山本くんの部屋とほぼ変わらない。
ただ、部屋主がいないから物が少ないだけ。
部屋の隅に置かれていた布団を敷いてあたしは潜り込み、暗い部屋でしばらく寝返りを打ち続け……
「……ハァ…なんか眠れないわね」
妙に目が冴えて眠気が全く無い。
何となく部屋から出てみると丁度リボーンくんも部屋から出てきたところだった。
「リボーンくん」
「美香か。眠れねーのか?」
「うん…なんか目が冴えちゃって」
リボーンくんが出てきた襖の隙間からは「ぐがー」という元気の良いイビキが聞こえてくる。
「もしかしてこれのせいか?
今から野郎共叩き起して美香が寝付くまで寝るのを我慢させてやろうか?」
「あはは。違う違う。ほんとに目が冴えてるだけなのよ。
…それにしても寝付きが良いわね。
よく食べてよく寝るなんて…まだまだ背とか伸びそうね」
「育ち盛りだからな。
オレは散歩がてらディーノと家光に連絡してくるぞ。
イタリアなら丁度夕方ぐらいだからな」
「分かった。気を付けてね」
襖の隙間はそのままにリボーンくんは近くの窓を開けるとそのまま夜の外へピョンッと飛び出した。
寒いだろうと襖を閉めてあげようとすると、三人ともそれぞれの寝相で毛布がはだけ放題になっていた。
「獄寺くんのはだけ方が一番酷いわね…
まったく。体が冷えちゃうわよ」
そっと静かに部屋の中に入ってまず山本くんから毛布をかけ直してあげる。
次に獄寺くんも出来るだけ毛布をかけ直してあげ、最後にツナも毛布をかけ直してあげた。
「……ん……あれ…美香…?」
「あ…」
どうやら起こしてしまったらしい。
寝ぼけ眼と掠れ声のツナがぼんやりとあたしを見て不思議そうにしていた。
あたしは小声で
「ごめん…起こしちゃった…?」
ツナも小声で
「どうしたの…?」
「眠れなくて…部屋を出たタイミングでリボーンくんと鉢合わせたの。
リボーンくん襖開けっ放しで散歩に行っちゃって、見たらみんな毛布がはだけてたから寒いだろうと思ってね…」
「そっか…ありがと…」
ツナの手が毛布から出てきてあたしの手を握る。
「美香も冷えてるじゃんか…
上着くらい着ろよ…」
「そうね。さすがにちょっと寒い…」
「風邪ひいても知らな」
「んん…じゅうだいめ…?」
『!?』
急に手をグイッと引っ張られたかと思うとあたしはそのままツナの布団の中に入れられた。
そして隠すように毛布を被されツナに抱き締められる。
「なんか話し声しませんでしたか…?」
ツナは顔だけ獄寺くんに向けて
「ご、ごめんっ起こした?
ちょっとリボーンと話してたんだ…!」
「いえ…大丈夫ッス…リボーンさんは…?」
「さっ散歩に行くって…!」
「了解ッス…」
ゴソゴソと音がし、再び獄寺くんのイビキが聞こえ始めた。
ツナはホッと息をつくと毛布の中に隠したあたしを見て小声で
「ごめん…」
「別に隠さなくても」
「なんか、反射で…」
夜の冷えた空気で冷たくなったいた体が毛布とツナの体温で少しずつ温まっていくのを感じる。
そして、ドキドキする胸の高鳴りで自分の体温が徐々に高まっていくのも。
でも何故かその感覚がとても心地よくて、気持ちいい。
「えっと…どうしよ…」
「離せば良いんじゃないかしら」
「そう、だけど…」
ツナがじっとあたしを見下ろしてくる。
「?」
「……美香って、ほんと無防備だよな」
「え」
「鈍いし」
「ちょっ」
「そんなだから、すぐ変な男に絡まれるんだ」
「い…いきなり何よ…っ」
ツナの目が襖の隙間から差し込む月明かりで妖しく光っているように見えた。
なんだかいつもと違う大人な雰囲気のツナにあたしは息を呑んで、つい凝視してしまう。
ツナが何故か自分も頭から毛布を被り始める。
「つ…な?」
毛布の中で、あたしはツナに抱き締められたまま動けない。
「ま…ツナ」
なんでだろう。
「ツナ…っ」
イヤじゃない。
顔が、こんなに近いのに…!
「ぁ…」
あたしはぎゅっとツナの胸元の服を握る。
そして、二人が入った毛布の中であたしは……
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