星の処刑編
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「ところで…この『初代ボンゴレの秘宝』曰く、婚約指輪どうするの?」
あたしの手にはツナが渡してきてそのまま受け取った蓋が開かれて中の指輪が見える状態の箱。
指輪が入った箱とその箱を入れていた青い箱、ふたつともがあたしの手にある。
ツナに返そうとしたけど彼はそれを断り「それは美香の御先祖さんのものだよ」と言った。
「あたしの左手で良ければ付けようか?」
ーーー私のお墓この世界に無いですもんねー
でも、美香の左手は大切な人の為のものです。
指輪は飾っておくとか、保管するとか、好きにして下さい。
「分かった。じゃあ飾っておくわ」
そう言ってあたしは自分の部屋の自分の机に飾ろうと、丁度良さそうなスペースを探し始める。
「時々手入れしなくちゃ」
ーーーおしゃれでなら使っても全然構いませんよ!ジョットもそのくらい気にしないと思いますし。
「えっうーん…でも人の婚約指輪を…
確かに綺麗な指輪だから飾っておくだけってちょっと勿体無い気もするけど」
その時、コンコンと部屋のドアがノックされた。
返事をするとドアが開かれツナが顔を出した。
「どうしたの?」
「山本が今から家に泊まりに来ないか?って誘ってくれたんだ。
良かったら美香も一緒に行こうよ。
今日話したことも色々話し合いたいし」
「え。あたしが一緒に行っていいの?
そういうのって同性同士だから盛り上がらない?
女のあたしが一人入ると気を使ったりするんじゃないの?」
「そんなの気にしないよ。
山本も良かったら一緒にって言ってたし
メンバーもいつもの三人とリボーンだしさ」
女として見られてない。
というより、それほど気さくな関係だと認識されてるのなら寧ろ有難いか。
あたしはちょっとだけ考えてから
「…分かった。じゃあ今から準備するね」
「うん。母さんにはもう言ってあるよ。
…ところで秘宝持ったままどうしたの?」
「ん?ああ…この指輪…綺麗だから飾っておくだけってちょっと勿体無いなぁって思って。
中の人はおしゃれで使うくらいなら使って大丈夫って言ってくれてるんだけど
やっぱり人の婚約指輪だしね…」
「何百年以上も大切に保管されてた物だしなぁ」
ツナが部屋に入ってきて一緒に箱の中の指輪を覗く。
「光が当たると更に綺麗だね。
ただの桜の形に見えるけど、御先祖さんの話からして多分山桜がモチーフだよな」
「きっとそうね。鍵の指輪といい、プリーモのあたしの中の人のイメージカラーはピンクだったのかしら」
ーーープレゼントされたドレスもピンクでしたー!
なんでかな〜子供っぽいし似合わないからイヤって言ったのにな〜
ジョットって一度決めたら頑固なんですから。Gもコザァートも苦労するわ。
「!!」
どこかで聞いた事ある台詞。
確か、リング争奪戦の最中に見た夢で聞いたはず。
あたしの声のようで、あたしの声でない声。
そっか…貴女だったのね……
「ねぇ美香、指輪つけてあげようよ」
ツナの声にハッとし
「え……え?」
「確かに大切な指輪だし、御先祖さんの婚約指輪だから大切にしたい気持ちは分かるけどさ
オレは…多分Ⅰ世はつけてほしいと思ってるんじゃないかなって」
「でも、あたしは婚約者本人じゃないのに」
「うん。でもⅠ世は付けて欲しいと思ってる。…多分!」
「多分って曖昧ね」
「あはは…」
「でもまぁ…ツナがそこまで言うなら」
「(指輪、つけるわよ)」
ーーーはーい。どうぞどうぞ♡
なんだか楽しそうな中の人。
あたしは箱から指輪を取り出すと、どこに指輪をするかを少し迷って
結局作業効率を優先するというロマンも欠片もない基準で左手の人差し指にした。
サイズは驚くほどピッタリで違和感すら無いほど。
「うん。似合うよ」
「こんなラフな格好に?まぁ、ありがとう…
でもこれプリーモが特注した指輪なんだっけ…?
それだけで十分価値がありそうね。
兵器じゃなくても狙われそう」
「その時はまたオレが守るよ。
じゃ、先に用意して玄関で待ってるからな」
そう言ってツナはあたしの部屋から出ていった。
「…なんでああいう事サラッと言っちゃうかな」
顔が熱い。多分、いま赤い。
ーーー頼もしいですね。綱吉くん
「出会った頃は頼りないって思ってたのに…
いつの間にか背も伸びてて、あたし気付いたら見上げるようになってて…
な…なんか、抱き締められるの普通になってるし…
なにこれ。なに。おかしくない?おかしいよね?
元彼とだってここまで抱き合わなかったわよ。えっなになに?」
ーーーちなみに元彼さんとはどこまで?
「キ…キスして……家に泊まりに行って、その…
雰囲気には…なったけど…怖くて、結局……」
ーーーあら〜♡結構進んでたのですね♡
「う…ううっ…一度は好きって認めたけど…!
やっぱり一度諦めた人でもあるんだし…!今更そんな都合よくなんて…っ
それになんかっ中学生に振り回されてる感じがして…なんかヤダ!」
ーーーあ…あはは…そういう素直じゃない所、昔の私そっくりで…綱吉くんも苦労しそう…
「うああっもう!とにかくあたしは恋愛はもういいのー!」
ツナだけでなく炎真までっ
中学生は恋に落ちやすい年頃なんだから、きっといつか落ち着いてくれるはず。
そんな事を考えながら、あたしは旅行カバンより一回り小さめのカバンを取り出し
山本くんの家へ泊まりに行く準備を始めたのだった。
「らっしゃい!…おっツナくんに美香ちゃん、よく来たね!」
「こんばんは」
「お世話になります」
竹寿司にやってくると山本くんのお父さんが元気に挨拶してくれた。
営業中の為接客の邪魔しないよう早々に山本くんを先頭に店の奥に向かう。
山本くんはお父さんにカウンター越しで
「悪ィな親父、今日店手伝えなくて」
「気にすんな」
「後で獄寺も来るから来たら中に入れてくれ」
「おうっ」
あたしは通り過ぎる前に会釈をし「お邪魔します」と言うと山本くんのお父さんは笑顔で「ゆっくりしてけよ!」と言ってくれた。
お店の奥の居住スペースは畳が敷かれた和室が主の空間だった。
「お寿司屋さんだからイメージはついてたけど…
こういう和室も趣があって落ち着くわね」
「ハハハ、そうか?
オレはもう見慣れちまってるからなー」
やがて山本くんの部屋に着くとそこも和室だった。
「茶を持ってくるから適当に寛いでてくれ」と山本くんは言うと部屋から出て行った。
「ほら美香、座布団」
「ありがとう…ツナは慣れてるわね」
「もう何度も遊びに来てるし」
「そっか…友達だもんね。
ところで今夜はあたしもこの部屋で寝るの?」
「え゛…さすがにそれは分けるんじゃないかな…」
「遅れてすみません10代目!
途中リボーンさんと会ったので一緒に来ました!」
「美香も来てたか」
その時、荷物を取りに一度家に帰っていた獄寺くんとリボーンくんが部屋にやってきた。
獄寺くんはあたしを見るとあからさまに嫌な顔をし
「ゲッなんでこの女まで一緒なんスか10代目」
「山本が誘ってくれたんだ」
「こういうのって同性同士だから楽しいイメージだったんだけど
まぁ気にせず誘ってくれてるならってお言葉に甘えただけよ」
「チッうぜー」
「あはは。まぁよろしくね」
「おっ獄寺と小僧も来たか。いま茶をいれるから適当に座ってくれ!」
そこにピッチャーと人数分の湯呑みを持った山本くんがやってきた。
そんなこんなで、なんだか修学旅行気分のようなお泊まり会か始まったのだった。
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