星の処刑編
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「うーん…意図的、と言うのには少々語弊がありますね。
生前の私はジョットの記憶を消され忘れていましたが、死んだ途端に思い出したのでしょうか?
そして会いたい一心で…気付けば私は子孫の体の中に入ってました。
それも必ず指輪を持つ子孫に。
もしかしたら…指輪が私を引き付け、繋ぎ止めているのかも…
もちろん指輪を受け継いだ子孫全てに宿っていたわけではありません。
周期はちょっと曖昧でしたが、魂だけは転生していました。
子孫に宿って意識が覚醒するのは子孫が産まれた直後。
急に話しかけたりなんかしたらビックリされちゃうだろうし…時には一言も声をかけず生涯を見守った子もいました。
けれど…美香だけ、違いました。
私は美香の中に存在していたのに覚醒がかなり遅れていたのです。
前兆はあったと思うのですが…完全に目覚めたきっかけは星を守る者と接触し、美香が激しいショックを受けたそのタイミングでした」
「そういえば美香の中のもう一人が目覚めるんじゃないかって話、リボーンとした直後だったな。
美香が一人で抱え込み始めたの」
「そうだったな…」
「これは私の予想ですが…おそらく次の転生はもう無いでしょう。
…厳密に言えば『ジョット達との記憶を持つ今の私のままの転生』が無いということです。
ジョットにもう一度会いたい。
その想いだけで子孫に宿り、見守り、そして危機から救ってきましたが…
子孫に訪れる危機の原因が指輪だと思うと、私のこの想いは子孫にとってただの呪いになります。
だから私は、私が私であるうちに指輪を捨てさせるべきかずっと悩んでいました。
ジョットに会いたくても、もうジョットだって死んで会えないのは必須。
そうして悩んでいる内にこの世界に来てしまって…
例え指輪を捨てても存在が異物だから関係なく星から命を狙われるようになってしまった。
だから私は美香を一日でも、一秒でも長く生きさせたくて…
正直どうしたらいいのか分かりません。
どうすれば…美香を私がかけてしまった呪いから救い、星の修正から解放する事が出来るのか。
私が早く指輪を捨てさせなかったばっかりに…っ」
「そんなに自分を責めないで下さい…
大切な思い出が詰まってて、手放すなと約束した指輪なら捨てられなくて当たり前です」
「…ありがとう綱吉くん。
貴方は本当にジョットのように優しいですね」
「星からの解放…
もしかしたら、その星を守る者が何かを知っているのではないでしょうか?」
話を静かに聞いていたアーデルちゃんがそう言った。
「今のところ一番可能性が高いのは確かですね」
「何処にいるかとかは分からないのかな…?」
「それがさっぱりなのですよ炎真。
私の頃もジョットが探してくれましたが、まるで向こうからしか接触出来ないみたいに所在が全然分からなくて。
腹立つな〜ほんと」
「でも、だからって何もしないよりかはマシだ。
オレもその星を守る者という人を探すのに協力します。
美香を星から解放する方法があるかもしれないなら、どんな可能性にだってかけてみる!」
「綱吉くん…」
「僕も協力するよツナくん。
もしかしたら力にはなれないかもしれないけど
美香を助ける為なら少しでも力になりたい!」
「どうやら次の目標は決まったみてーだな」
リボーンくんがニッと笑った。
綱吉くんと炎真が二人同時に頷き
『美香を星から解放する!!』
とは言ったものの、あれから結構な時間が経つが具体的な案が出る事はなかった。
「いや〜若さの勢いって見ていて清々しいですねぇ」
そう言ってケラケラと笑う私に綱吉くんと炎真が顔を赤くして恥ずかしそうに
「えっと…なんかすみません…」
「何も思いつかなくてごめんなさい…」
「まぁまぁ。貴方達はまだ知らない事が多い子供なのですから仕方ありませんよ。
そういう時は素直に大人に頼りましょう」
「という事は何か考えがあるのか?
見た目は美香さんだけど御先祖さんは大人だよな?」
まったく悪気ない山本くんが期待全開で聞いてきた。
「そ!それはそのぅ…」
「初代時代とはいえボンゴレの姫とも呼ばれていたんだしな。
何か知ってても極限におかしくないぞ!」
「うわー!うわー!
了平くんまでそんな事言い出しやがりますか!
ひ、姫なんて大それた立場じゃないですしっ
しかもそれ周りが勝手に言い出したことで私が呼べって言って回ったわけじゃないですし!
ていうか散々『やめろ』って言ったのに都合良かったのかなんか定着しちゃってましたし!
あああああ………こんなのが姫とか呼ばれててごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
うう…生きててごめんなさい。死んでますが…」
「そこまで!?
つーかそのブラックジョーク笑えませんって!」
「ハハハ!美香さんの御先祖さんほんとおもしれーのな!」
「うぜーだけだろ」
「あ…そういえば、貴女の名前はなんですか?」
ハッと思い出したのか綱吉くんがそう聞いてきた。
「……知らないままでいてください」
「え、どうして…」
「私が宿るこの体は美香のものです。
だから、この体で名乗りたくないのです。
どうか美香だけの印象でいて下さい。
これは私のわがままです」
「…………」
「御先祖さんがそう言うなら仕方ねぇな」
「うん…そうだね…」
「良い子ですね。ありがとうございます」
「じゃあ聞くことも聞けたし、今日はもう解散するか?ツナ」
「うん…そうだね。あまり一度に色々質問しても失礼だろうし。
エンマ達も今日はわざわざありがとう」
「ううん。僕達も色々話を聞けて良かったよ。
ね、みんな」
「美香にちょっとだけ親近感湧いちゃったナ☆」
「しとぴっちゃんもしかして自分と美香が同類って思い始めてる…?」
「な…オレは絶対美香はUMAだと認めねぇ!」
「ちょっ…獄寺くん!!」
ドッと笑い声でリビングが満たされた。
そんなボンゴレファミリーとシモンファミリーの様子に胸が熱くなって自然と顔が綻ぶ。
ジョット、コザァート。
貴方達が望んだ未来が今私の目の前にあります。
私一人だけ堪能しちゃってて今どんな気持ち?悔しい?
なーんて、どうせどこかで見てるんでしょ?
そういう抜け目ない所…本当に変わって無いんですから。
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