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マスカレードを壊したい
名前変換
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「ふぁあ……。」
私は大きな口を開けてギャングにしては無防備な欠伸をしながら、眠たい瞼を片方の手で擦ればコツンと頭を優しく叩かれた。
「こら。名前は女性なんだから、気を付けなよ?」
「ん……ごめん。フーゴは眠くないの?」
「そりゃあ眠いよ。素敵な女性が一晩中隣に居たら眠れなかったからね、隣のアイツとは違って。」
フーゴの言葉に目線を向ければ、隣で私の肩に頭を乗せて気持ち良さそうに未だ眠るナランチャに思わず弟の様で笑みが漏れた。
今、私の両側にはナランチャとフーゴがソファにて身を寄せ合って座っている。
ミスタはテーブルに突っ伏してイビキかいているし、ジョルノとアバッキオは向かいのソファでお互い肘掛けにもたれ掛かって寝ている。
暗殺チームでは考えられない程の速さで私は打ち解けていた。
昨日はブチャラティに手を引かれてバールを後にしたまでは覚えてるんだけど、いつの間にかアジトに皆も戻って来て泊まってたんだよね……。
あんまり覚えては無いけど、いつ買ったのかわからない新品のシャツにも着替えていたし……。
私は頭に浮かぶ疑問が次々と出てくるので、唯一起きているフーゴに目線を再度戻して問い掛ける事にした。
今更だが、隣に身を寄せているからこそ気付いた。伏せた長い睫に鼻は高くて横顔も整っていて思わず息を飲んでしまった。
「ねえ、フーゴ。何で皆戻ってきたの?」
「…………まあ、……色々ありましたしね。とりあえず、キミはブチャラティにキチンと礼を言うべきだよ。彼が居なかったら、今頃路上で寝てるかもしれないんだから。」
「そ、そんな事しないわよ!」
「例えばって話ですよ……。とにかく、彼が居たから収まったんです。」
本当にフーゴは年下だろうかと思う程、しっかりとした口調で説得力のある言葉に私も渋々頷くしかなかった。
うん、反抗するなんて大人げないものね。
確かに彼の言う通り、あまり覚えてはいないけれど彼が居なかったら私はもっとお酒に溺れていたのかも。
不思議とお酒に溺れている自身を想像すれば身震いがして、気を付けなくてはいけないと体が伝えていたかの様だった。
「ありがとう、フーゴの言う通りね。ちょっとブチャラティにお礼言ってくる。」
私はキチンと礼を言い隣で寝息をたてるナランチャを起こさない様に気を付けながら、ソッと体を引き離しフーゴに任せてソファから立ち上がった。
私は思い付きでキッチンに向かい戸棚から白いカップ取り出して、眠気が覚める様に濃いめの温かいコーヒーを入れる。
リラックス効果でもあるのだろうか、コーヒーの香ばしい薫りがキッチンに広がり私は自然と心が安らぐのを感じた。
私は朝のこのギャング世界とは正反対の、日常的な時間がとても好きだ。
ゆっくりと並々と入るコーヒーを溢さない様にカップを持つ手を意識をしながら、彼が休んでいるであろう奥の部屋へ静かに足を進める。
「ブチャラティ……。」
小さく名前を呼び音を立てない様にノブを肘で器用に下ろして体で押しつつ扉を開ければ、机に足を投げ出し椅子に座りながら目を瞑る彼が居た。
床が軋まない様に気を付けながら眠る彼に近寄れば、初めて見る無防備な寝顔に自然と笑みが浮かんだ。
こうして見ると、ただの青年ね。
ギャングじゃなくて、普通に出会っていたら何か変わっていたのかしら……。
もしかしたら少しは仲良くなれていたかも知れない。
「そんなに見てもらえるなんて、光栄だな……。」
「!?」
そんな事を自然と考えていたのだが、いきなり降ってきた言葉に目を見開いて驚いた。
寝ていたと思っていた彼は、長い睫を上げてこちらをニヤッと口角を持ち上げて悪戯な笑みを浮かべていたのだ。
「あのね、起きてたら言ってよね……。相変わらず人が悪い。」
「そんなに名前に熱い視線を向けられちゃあな。もっと近くで見てみるか?」
「ちょ、ちょっと!」
彼は机から長い足を退ければ、私が両手にカップを持っているから抵抗できない事を良いことに腰に手を伸ばしてグッと引き寄せ距離を詰める。
そのままヒョイッと軽々と私を持ち上げて机に座らされてしまい、あっという間に彼のペースに巻き込まれてしまった。
「…………色々文句を言いたいところだけど、これ、貴方に。」
「ああ、ありがとう。……今日は昨日に引き続いてやけに素直だな?」
「私はいつだって素直よ!いや、こんな事言いたいんじゃあなくって…………昨日はありがとう。」
つい彼の言葉に対して噛みつこうとしてしまうのをグッと堪えて、なんだか改めてだと恥ずかしくなってしまいつつも礼を伝えた。
そんな頬を赤らめつつ感謝を表す私からカップを受け取れば、彼は数回瞬きをしてからクスクス笑い始めた。
「そういう所が可愛いってこと、いい加減気付いたらどうだ?」
彼はカップを机に置きイスに腰掛ければ私の太ももに両腕を乗せながら見上げる。さらさらな黒髪を揺らしながら首を傾げて覗き込む姿は、不覚にもドキッとときめいてしまった。
「まったく理解出来ないんだけど……って、何やってるのよ!」
「少し休憩させてくれないか……あんまり眠れて無いんだ。無防備な誰かさんのせいでな。」
「わ、私……何かやらかしちゃった?」
太ももの上で両腕を組みそのまま突っ伏して意味ありげに呟く彼に、私は恥ずかしい格好に逃れ様ともがくのを止めて恐る恐る問いかけてみる。
すると首を横に向け鋭い目線だけがチラリとこちらに向ける彼に、再度ドキリと胸が高鳴った。
さっきから何なのよ。もう、……その流し目なんかズルい。
「何やらかしたって、オレが助けてやるよ……好きだ、名前。」
「~~~!!」
問いかけの答えとは予想外のモノで、思わず声になら無い声を上げ私の体は勝手に真っ赤に反応してしまった。
なんでこうも、いちいちかっこいいのだろうか、この人はっ!!
ほんと顔面偏差値高い人って苦手だわっ。
「い、いい加減にしてー!!!!」
ふるふると体を震わせてまた調子を狂わされた怒りと、恥ずかしさとで私は大声を上げアジト内で寝ていた皆を起こしてしまったのであった。
be continued
私は大きな口を開けてギャングにしては無防備な欠伸をしながら、眠たい瞼を片方の手で擦ればコツンと頭を優しく叩かれた。
「こら。名前は女性なんだから、気を付けなよ?」
「ん……ごめん。フーゴは眠くないの?」
「そりゃあ眠いよ。素敵な女性が一晩中隣に居たら眠れなかったからね、隣のアイツとは違って。」
フーゴの言葉に目線を向ければ、隣で私の肩に頭を乗せて気持ち良さそうに未だ眠るナランチャに思わず弟の様で笑みが漏れた。
今、私の両側にはナランチャとフーゴがソファにて身を寄せ合って座っている。
ミスタはテーブルに突っ伏してイビキかいているし、ジョルノとアバッキオは向かいのソファでお互い肘掛けにもたれ掛かって寝ている。
暗殺チームでは考えられない程の速さで私は打ち解けていた。
昨日はブチャラティに手を引かれてバールを後にしたまでは覚えてるんだけど、いつの間にかアジトに皆も戻って来て泊まってたんだよね……。
あんまり覚えては無いけど、いつ買ったのかわからない新品のシャツにも着替えていたし……。
私は頭に浮かぶ疑問が次々と出てくるので、唯一起きているフーゴに目線を再度戻して問い掛ける事にした。
今更だが、隣に身を寄せているからこそ気付いた。伏せた長い睫に鼻は高くて横顔も整っていて思わず息を飲んでしまった。
「ねえ、フーゴ。何で皆戻ってきたの?」
「…………まあ、……色々ありましたしね。とりあえず、キミはブチャラティにキチンと礼を言うべきだよ。彼が居なかったら、今頃路上で寝てるかもしれないんだから。」
「そ、そんな事しないわよ!」
「例えばって話ですよ……。とにかく、彼が居たから収まったんです。」
本当にフーゴは年下だろうかと思う程、しっかりとした口調で説得力のある言葉に私も渋々頷くしかなかった。
うん、反抗するなんて大人げないものね。
確かに彼の言う通り、あまり覚えてはいないけれど彼が居なかったら私はもっとお酒に溺れていたのかも。
不思議とお酒に溺れている自身を想像すれば身震いがして、気を付けなくてはいけないと体が伝えていたかの様だった。
「ありがとう、フーゴの言う通りね。ちょっとブチャラティにお礼言ってくる。」
私はキチンと礼を言い隣で寝息をたてるナランチャを起こさない様に気を付けながら、ソッと体を引き離しフーゴに任せてソファから立ち上がった。
私は思い付きでキッチンに向かい戸棚から白いカップ取り出して、眠気が覚める様に濃いめの温かいコーヒーを入れる。
リラックス効果でもあるのだろうか、コーヒーの香ばしい薫りがキッチンに広がり私は自然と心が安らぐのを感じた。
私は朝のこのギャング世界とは正反対の、日常的な時間がとても好きだ。
ゆっくりと並々と入るコーヒーを溢さない様にカップを持つ手を意識をしながら、彼が休んでいるであろう奥の部屋へ静かに足を進める。
「ブチャラティ……。」
小さく名前を呼び音を立てない様にノブを肘で器用に下ろして体で押しつつ扉を開ければ、机に足を投げ出し椅子に座りながら目を瞑る彼が居た。
床が軋まない様に気を付けながら眠る彼に近寄れば、初めて見る無防備な寝顔に自然と笑みが浮かんだ。
こうして見ると、ただの青年ね。
ギャングじゃなくて、普通に出会っていたら何か変わっていたのかしら……。
もしかしたら少しは仲良くなれていたかも知れない。
「そんなに見てもらえるなんて、光栄だな……。」
「!?」
そんな事を自然と考えていたのだが、いきなり降ってきた言葉に目を見開いて驚いた。
寝ていたと思っていた彼は、長い睫を上げてこちらをニヤッと口角を持ち上げて悪戯な笑みを浮かべていたのだ。
「あのね、起きてたら言ってよね……。相変わらず人が悪い。」
「そんなに名前に熱い視線を向けられちゃあな。もっと近くで見てみるか?」
「ちょ、ちょっと!」
彼は机から長い足を退ければ、私が両手にカップを持っているから抵抗できない事を良いことに腰に手を伸ばしてグッと引き寄せ距離を詰める。
そのままヒョイッと軽々と私を持ち上げて机に座らされてしまい、あっという間に彼のペースに巻き込まれてしまった。
「…………色々文句を言いたいところだけど、これ、貴方に。」
「ああ、ありがとう。……今日は昨日に引き続いてやけに素直だな?」
「私はいつだって素直よ!いや、こんな事言いたいんじゃあなくって…………昨日はありがとう。」
つい彼の言葉に対して噛みつこうとしてしまうのをグッと堪えて、なんだか改めてだと恥ずかしくなってしまいつつも礼を伝えた。
そんな頬を赤らめつつ感謝を表す私からカップを受け取れば、彼は数回瞬きをしてからクスクス笑い始めた。
「そういう所が可愛いってこと、いい加減気付いたらどうだ?」
彼はカップを机に置きイスに腰掛ければ私の太ももに両腕を乗せながら見上げる。さらさらな黒髪を揺らしながら首を傾げて覗き込む姿は、不覚にもドキッとときめいてしまった。
「まったく理解出来ないんだけど……って、何やってるのよ!」
「少し休憩させてくれないか……あんまり眠れて無いんだ。無防備な誰かさんのせいでな。」
「わ、私……何かやらかしちゃった?」
太ももの上で両腕を組みそのまま突っ伏して意味ありげに呟く彼に、私は恥ずかしい格好に逃れ様ともがくのを止めて恐る恐る問いかけてみる。
すると首を横に向け鋭い目線だけがチラリとこちらに向ける彼に、再度ドキリと胸が高鳴った。
さっきから何なのよ。もう、……その流し目なんかズルい。
「何やらかしたって、オレが助けてやるよ……好きだ、名前。」
「~~~!!」
問いかけの答えとは予想外のモノで、思わず声になら無い声を上げ私の体は勝手に真っ赤に反応してしまった。
なんでこうも、いちいちかっこいいのだろうか、この人はっ!!
ほんと顔面偏差値高い人って苦手だわっ。
「い、いい加減にしてー!!!!」
ふるふると体を震わせてまた調子を狂わされた怒りと、恥ずかしさとで私は大声を上げアジト内で寝ていた皆を起こしてしまったのであった。
be continued