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マスカレードを壊したい
名前変換
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歓迎会を始めて1時間程経っただろうか。
オレは上司からの着信があった為に席を外し、少し肌寒くバールと違い人気の少ない静かな外に出ていた。
ひんやりとする外の空気は、ワインにより火照った体には気持ちいいくらいだった。
上司への任務報告の通話が終われば、携帯をしまいふっと澄みきった夜空を見上げる。
小さな星が真っ暗な空に無数に散らばって、こちらに気付いてほしいとばかりに1つ1つが輝きを放っていた。
この沢山の星の様に、沢山の人の中から名前と出会った。
名前はパッと瞬時に目が行く程に華があり綺麗だ。
長い睫にクリッとした深緑の瞳に女性らしく愛らしいピンク色の下唇はふっくらとしていて、なんとも魅惑的だ。
ポルポの試験が終わりオレしか居ない部屋に彼女が姿を現した時は、幼いながら衝撃的だったのを覚えている。
ギャングの世界に放り出された純粋無垢な彼女を、オレにすがる彼女を……精一杯守ってやりたいと思った。
だが、次に目にした時は言葉を失った。
言葉遣いも強気なモノに変わり、以前とは違い愛想も無く素っ気無い。
年月は経ったとは言え、腰まで伸びた綺麗な金髪の髪は襟足まで大胆な程に切られていた。
スーツもスカートでは無くピッタリとした素材でズボンにはスリットが入っていて、長くて白い足がチラチラ見えて綺麗だ。
彼女なりに意味があって男性に近付けてはいるのだろうが、体のラインは女性のモノで逆に厭らしく感じる。
「また……女に戻してやりたいんだがな。」
だが、今の彼女も捨てがたい。
強気で言葉と振る舞いでオレ等を近寄らせまいと壁を作ってはいるが、垣間見得る女の名前も可愛らしい。
どっち道オレは名前が好きなのだ。
そんな彼女に数年に渡り惚れて続けている自分に思わず笑みを溢しつつ、皆酒を交わし活気がある店内に戻ると唖然とした。
部下達が居るバールの奥の個室のテーブルは、色んな意味で荒れていたのだ。
「もおお、ナランチャは可愛いなぁ!」
「もお止めてくれよぉ!……これは恥ずかしいってば。フーゴ、ジョルノ助けてくれよ!」
「おい名前、オレにもしてくれよ!」
「ミスタは臭いからだめー!」
「おいおい、何がどおなってやがる……。」
彼女はけらけらと無邪気に笑いながら、真っ赤になるナランチャを抱き締め頬擦りしている。
自身には絶対にしないであろう行動を目にして、オレはくらりと目眩がした。
後退り壁にもたれ掛かれば深呼吸をして冷静さを保ち、この状況を把握しようと頭を回転させる。
すると呆然と見ていたフーゴと目が合えば助けを求めて焦った様子で駆け寄り、彼女等を指差した。
「ブチャラティ!彼女が急に可笑しくなったんです!ぼくじゃあ止められないっ。」
「コイツはなかなか面白いな。……これから一緒にホテルでも行くかぁ?」
「アバッキオ!女性になんて事言ってるんですかっ。名前もしっかりしてください!」
「アバッキオになんか興味ないの!ジョルノは一番年下なんだって?可愛いね~!」
「!?ちょっ、止めてください!怒りますよ!?」
ミスタとアバッキオに攻められても靡くこと無く拒否する彼女だが、ナランチャの次は止めに入ったジョルノに手を伸ばして頭を撫で回す。
オレは流石に見ていられ無くなって、考えるよりも体が勝手に動き彼女の腕を取れば強引に椅子から立ち上がらせる。
華奢な彼女は軽々と持ち上がり、邪魔されたとばかりに熱を持った瞳でキッと睨まれる。
「もお!ブチャラティ邪魔しないでよっ。それに痛い!女の子には優しくして!」
「名前、おまえ…ビール飲んだな?」
怒り出す彼女からビールの香りがしたので、納得したように溜め息混じりに問い掛けた。
そう、彼女は酒と言うかビールに弱いのだ。
だが彼女言わくワインよりビールの方が好きらしい。
まったくオレをこんなに困らせるのは、名前くらいだな……。
オレは部下達に彼女の可愛らしい姿を見せてしまった事と席を外した自分に舌打ちすれば、彼女をそのまま引きずるように強引にこの場から連れ出す事にした。
「女扱いされたいのなら、こっちに来い!おい、おまえ等後は好きにしろ!」
「ちょ、離してってば……!」
残された部下達は、苛立ち凄みのある顔で言い放つオレに言葉を返すこと無く黙って見送った。
今までに敵にしか見せた事など無かっただろう。オレは彼女を冷たい風吹く外に連れ出せば、一度振り返り顔を確認する。
「少し頭を冷やせ……たく。」
「ほんとに痛い…ブチャラティの馬鹿。好きって言ったのに。」
「おいおい……こういう時にそういう事言うのは卑怯だぞ、名前。」
むうっと頬を膨らませて拗ねる彼女と発言に思わず苦笑してしまった。
あれ程まで苛立っていたのに、彼女の表情1つで一気に心が緩んでしまう。
膨らむ頬がなんとも普段の彼女からかけ離れていて子供の様で、指先で擽れば猫の様に目を細める。
なんだこれ……拷問か何かか?
これ程までに懐く仕草を目にすれば衝撃が走り、行き場の無い欲求不満に思わずグッと唇を噛んで堪える。
今思えば、傍に置く事のリスクを考えてもみなかった。
多少の嫉妬はあるとは覚悟していたが、きっとこの先も敏感になる性への欲求と闘う事となりそうだ。
「と、とにかく家に帰ろう。どこなんだ?」
「いや、教えたくない。教えたら貴方、すぐ来そうなんだもの。」
「…………。」
女性は勘が良いと言うが、これ程までとは。
酔いつつも彼女の中の警戒心に少し感心しつつも、自身が危険人物に見なされている事に複雑な気持ちになる。
思わず無言になりながら、この先どうしたものかと考え込んだ。
オレの家では絶対に手を出す自信がある……。
それに酔っても警戒心がある名前の事だ、拒否られ尚且つ一生軽蔑されるに違いない。
ダメだ、リスクが高すぎる。
「じゃあ、あそこしかないな……。」
「どこよソコ。」
「とにかく買い物して行かなくっちゃあな。……女性は泊まるとなると色々、化粧品関係とか着替えもいるんじゃあないのか?」
拒否られる前に素早く彼女の冷たい手を取り、大股で暗がりの道を進んでいく。
すれ違う男達は艶やかな表情をしている彼女を横目で見ては、にやつきながら囁きあっている。
それすらも腹立たしくなり舌打ちをすれば、彼女の小さな手に力が入った。
「着替えはさ……ブチャラティの予備の服とかでいいわよ。」
これまた予想外の彼女の言葉に目を見開いて振り返る。
オレの服を名前が着るだと!?
下着の上に着るってぇことか!?
自身の大きめのシャツを着る彼女を脳内で想像すれば、刺激が強すぎて直ぐ様消し去る様に首を左右に振る。
これでは体も自制も効かないとオレは直ぐ様スーツのジッパーを開け携帯を取り出せば、先程のバールで続きをしているであろう1人の部下に電話をした。
すると2回目の着信音で、ガヤガヤとしたバール特有の音と同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ああ?どうした、なんかあったのかよ?」
「アバッキオ、あとで皆を連れてアジトへ来い。わかったな?」
「なんだよ。あんたのそんな切迫した声……敵か?」
「ああ、やっかいな敵だよ……まったくな。」
オレは心配する部下の言葉に返事をしつつ、チラリと壁に寄りかかり意味がわからなそうに首を傾げる艶やかな彼女に苦笑するしか出来なかった。
be continued
オレは上司からの着信があった為に席を外し、少し肌寒くバールと違い人気の少ない静かな外に出ていた。
ひんやりとする外の空気は、ワインにより火照った体には気持ちいいくらいだった。
上司への任務報告の通話が終われば、携帯をしまいふっと澄みきった夜空を見上げる。
小さな星が真っ暗な空に無数に散らばって、こちらに気付いてほしいとばかりに1つ1つが輝きを放っていた。
この沢山の星の様に、沢山の人の中から名前と出会った。
名前はパッと瞬時に目が行く程に華があり綺麗だ。
長い睫にクリッとした深緑の瞳に女性らしく愛らしいピンク色の下唇はふっくらとしていて、なんとも魅惑的だ。
ポルポの試験が終わりオレしか居ない部屋に彼女が姿を現した時は、幼いながら衝撃的だったのを覚えている。
ギャングの世界に放り出された純粋無垢な彼女を、オレにすがる彼女を……精一杯守ってやりたいと思った。
だが、次に目にした時は言葉を失った。
言葉遣いも強気なモノに変わり、以前とは違い愛想も無く素っ気無い。
年月は経ったとは言え、腰まで伸びた綺麗な金髪の髪は襟足まで大胆な程に切られていた。
スーツもスカートでは無くピッタリとした素材でズボンにはスリットが入っていて、長くて白い足がチラチラ見えて綺麗だ。
彼女なりに意味があって男性に近付けてはいるのだろうが、体のラインは女性のモノで逆に厭らしく感じる。
「また……女に戻してやりたいんだがな。」
だが、今の彼女も捨てがたい。
強気で言葉と振る舞いでオレ等を近寄らせまいと壁を作ってはいるが、垣間見得る女の名前も可愛らしい。
どっち道オレは名前が好きなのだ。
そんな彼女に数年に渡り惚れて続けている自分に思わず笑みを溢しつつ、皆酒を交わし活気がある店内に戻ると唖然とした。
部下達が居るバールの奥の個室のテーブルは、色んな意味で荒れていたのだ。
「もおお、ナランチャは可愛いなぁ!」
「もお止めてくれよぉ!……これは恥ずかしいってば。フーゴ、ジョルノ助けてくれよ!」
「おい名前、オレにもしてくれよ!」
「ミスタは臭いからだめー!」
「おいおい、何がどおなってやがる……。」
彼女はけらけらと無邪気に笑いながら、真っ赤になるナランチャを抱き締め頬擦りしている。
自身には絶対にしないであろう行動を目にして、オレはくらりと目眩がした。
後退り壁にもたれ掛かれば深呼吸をして冷静さを保ち、この状況を把握しようと頭を回転させる。
すると呆然と見ていたフーゴと目が合えば助けを求めて焦った様子で駆け寄り、彼女等を指差した。
「ブチャラティ!彼女が急に可笑しくなったんです!ぼくじゃあ止められないっ。」
「コイツはなかなか面白いな。……これから一緒にホテルでも行くかぁ?」
「アバッキオ!女性になんて事言ってるんですかっ。名前もしっかりしてください!」
「アバッキオになんか興味ないの!ジョルノは一番年下なんだって?可愛いね~!」
「!?ちょっ、止めてください!怒りますよ!?」
ミスタとアバッキオに攻められても靡くこと無く拒否する彼女だが、ナランチャの次は止めに入ったジョルノに手を伸ばして頭を撫で回す。
オレは流石に見ていられ無くなって、考えるよりも体が勝手に動き彼女の腕を取れば強引に椅子から立ち上がらせる。
華奢な彼女は軽々と持ち上がり、邪魔されたとばかりに熱を持った瞳でキッと睨まれる。
「もお!ブチャラティ邪魔しないでよっ。それに痛い!女の子には優しくして!」
「名前、おまえ…ビール飲んだな?」
怒り出す彼女からビールの香りがしたので、納得したように溜め息混じりに問い掛けた。
そう、彼女は酒と言うかビールに弱いのだ。
だが彼女言わくワインよりビールの方が好きらしい。
まったくオレをこんなに困らせるのは、名前くらいだな……。
オレは部下達に彼女の可愛らしい姿を見せてしまった事と席を外した自分に舌打ちすれば、彼女をそのまま引きずるように強引にこの場から連れ出す事にした。
「女扱いされたいのなら、こっちに来い!おい、おまえ等後は好きにしろ!」
「ちょ、離してってば……!」
残された部下達は、苛立ち凄みのある顔で言い放つオレに言葉を返すこと無く黙って見送った。
今までに敵にしか見せた事など無かっただろう。オレは彼女を冷たい風吹く外に連れ出せば、一度振り返り顔を確認する。
「少し頭を冷やせ……たく。」
「ほんとに痛い…ブチャラティの馬鹿。好きって言ったのに。」
「おいおい……こういう時にそういう事言うのは卑怯だぞ、名前。」
むうっと頬を膨らませて拗ねる彼女と発言に思わず苦笑してしまった。
あれ程まで苛立っていたのに、彼女の表情1つで一気に心が緩んでしまう。
膨らむ頬がなんとも普段の彼女からかけ離れていて子供の様で、指先で擽れば猫の様に目を細める。
なんだこれ……拷問か何かか?
これ程までに懐く仕草を目にすれば衝撃が走り、行き場の無い欲求不満に思わずグッと唇を噛んで堪える。
今思えば、傍に置く事のリスクを考えてもみなかった。
多少の嫉妬はあるとは覚悟していたが、きっとこの先も敏感になる性への欲求と闘う事となりそうだ。
「と、とにかく家に帰ろう。どこなんだ?」
「いや、教えたくない。教えたら貴方、すぐ来そうなんだもの。」
「…………。」
女性は勘が良いと言うが、これ程までとは。
酔いつつも彼女の中の警戒心に少し感心しつつも、自身が危険人物に見なされている事に複雑な気持ちになる。
思わず無言になりながら、この先どうしたものかと考え込んだ。
オレの家では絶対に手を出す自信がある……。
それに酔っても警戒心がある名前の事だ、拒否られ尚且つ一生軽蔑されるに違いない。
ダメだ、リスクが高すぎる。
「じゃあ、あそこしかないな……。」
「どこよソコ。」
「とにかく買い物して行かなくっちゃあな。……女性は泊まるとなると色々、化粧品関係とか着替えもいるんじゃあないのか?」
拒否られる前に素早く彼女の冷たい手を取り、大股で暗がりの道を進んでいく。
すれ違う男達は艶やかな表情をしている彼女を横目で見ては、にやつきながら囁きあっている。
それすらも腹立たしくなり舌打ちをすれば、彼女の小さな手に力が入った。
「着替えはさ……ブチャラティの予備の服とかでいいわよ。」
これまた予想外の彼女の言葉に目を見開いて振り返る。
オレの服を名前が着るだと!?
下着の上に着るってぇことか!?
自身の大きめのシャツを着る彼女を脳内で想像すれば、刺激が強すぎて直ぐ様消し去る様に首を左右に振る。
これでは体も自制も効かないとオレは直ぐ様スーツのジッパーを開け携帯を取り出せば、先程のバールで続きをしているであろう1人の部下に電話をした。
すると2回目の着信音で、ガヤガヤとしたバール特有の音と同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ああ?どうした、なんかあったのかよ?」
「アバッキオ、あとで皆を連れてアジトへ来い。わかったな?」
「なんだよ。あんたのそんな切迫した声……敵か?」
「ああ、やっかいな敵だよ……まったくな。」
オレは心配する部下の言葉に返事をしつつ、チラリと壁に寄りかかり意味がわからなそうに首を傾げる艶やかな彼女に苦笑するしか出来なかった。
be continued