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マスカレードを壊したい
名前変換
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「ぁああ?名前じゃあねぇか……。今日休みじゃあなかったのかぁ?」
アジトの扉を開けるなり、ソファに座っていた青いくせっ毛が特徴のギアッチョがこちらを見ながら問い掛けた。
私は周りを見渡してギアッチョ以外、誰か居ないのか探したが姿が見えない事がわかれば再度視線を向けた。
「そうなんだけど……荷物を取りにね。リゾットや他の皆は任務?」
「リゾットもさっき出てったばっかりだぜェ。何だぁ、オレじゃ不服って事かよ、ぁあ?」
「そうは言ってないじゃない。あのね、貴方は相棒だから言うけど……私、明日から護衛チームに移動になったから。」
自身のデスクへ向かい肩に掛けていた大きめのバックの中に、私物や筆記用具などを積めつつギアッチョに話し掛ける。
彼は常に苛立っているから、あしらいつつ話すのがコツだ。
だが、珍しく私の話に対していつまでも返事が返って来ないのを不思議に思い顔を上げる。
すると黙ったまま、いつの間にか目の前に立ち尽くしているギアッチョに驚いて体が跳ねた。
「っ!?ビ、ビックリしたじゃない!何なのよ!」
「それはよぉ、命令かぁ?」
「そ、そうだって……さっきリゾットから聞いたけど……。」
「オメェはよぉ!ちったぁ抗議したのかよぉおお!?」
「な、なんでアンタが怒ってんのよ!?」
ギロッと睨みデスクを勢い良く音をたてて殴り付けて喋りたてるギアッチョに、私は意味がわからず後退る。
殴りつけたペッシーのデスクはスタンドの力もあって大きく凹んで凍ってしまった。
……ごめんなさい、ペッシー。
私は悪くないのだが、心の中で関係の無かったギャングの中でも一際心優しいペッシーに申し訳なく思った。
きっと帰って来たら、泣いてウザいと相棒であるプロシュートに怒られるのだろう。
「護衛チームって事はよぉ、ブチャラティだよなぁあ、確か。オメー等って同期だろ?昨日飯食いに行ってたよなぁ?」
「ちょっ、怖いんだけど!何なのよ!何で知ってるの!?」
「相棒だろォ、ちゃあんと把握しておかなくちゃあなァ。」
体は自然と防衛機制が働くのであろう、言葉を聞くなりゾワッと背筋に寒気が走った。
詳しく当たり前の様に昨日の出来事を知るギアッチョを、軽蔑した目で見ながら尚更後退る。
しかし一歩足を後ろに下げると、一歩前に彼が迫ってくる。
凄みある表情に怯みそうになるが、キッと睨む付け威嚇する。
「それ!プライバシーの侵害だから!だから貴方には彼女出来ないのよ!」
「オレは出来ないんじゃあねェ、作らないんだよぉ!いい加減気付けよなぁあ!」
「何がよ!何に気付けって言うのよ!?」
「そ、それは……よぉっ。」
興奮しているギアッチョに負けじと私も質問し返せば、先程まで苛立って話していたのに急に小さい声で吃りながらズレた赤い眼鏡を指で上げる。
するとだんだん眼鏡と同じように耳が赤みを増すのがわかった。
私はこの状況に意味が解らずなんだかどっと疲れてしまい、溜め息を漏らした。
「あのね、最後だから喧嘩せずにお別れしたいんだけど……ギアッチョ。」
私は目の前のいまだ何やら不貞腐れているギアッチョに、右手を差し出し握手を求めた。
初めて暗殺チームに配属されてから、彼とは相棒になりずっと一緒に幾度の任務も戦ってきたのだ。それなりに絆は深まっていると思っている。
面倒くさい性格だけど、良い所もあるのも確かなのよね。
ギアッチョは暫く差し出した手を見つめてから、渋々ブツブツ小さい声で何か呟きつつも手を握り返してくれた。
こうして改めて手を握るなんて、初めて会った時以来だ。
意外にゴツゴツとした大きい手で、やはりこちらも熱を帯びていた。
「…………オレは認めねぇから、お前が護衛チームに行くのなんか。」
「強情なんだから……。今までありがとう。」
「チッ……言っとくがぁなァ!ブチャラティと付き合うんじゃあねーぞぉ!!」
「なんでそうなるのよ!」
私は再度怒りだし大きな声を出すギアッチョに、思わず大きな声で言い返してしまった。
やはり彼とはしんみりとしたお別れは無理そうだ。
be continued
アジトの扉を開けるなり、ソファに座っていた青いくせっ毛が特徴のギアッチョがこちらを見ながら問い掛けた。
私は周りを見渡してギアッチョ以外、誰か居ないのか探したが姿が見えない事がわかれば再度視線を向けた。
「そうなんだけど……荷物を取りにね。リゾットや他の皆は任務?」
「リゾットもさっき出てったばっかりだぜェ。何だぁ、オレじゃ不服って事かよ、ぁあ?」
「そうは言ってないじゃない。あのね、貴方は相棒だから言うけど……私、明日から護衛チームに移動になったから。」
自身のデスクへ向かい肩に掛けていた大きめのバックの中に、私物や筆記用具などを積めつつギアッチョに話し掛ける。
彼は常に苛立っているから、あしらいつつ話すのがコツだ。
だが、珍しく私の話に対していつまでも返事が返って来ないのを不思議に思い顔を上げる。
すると黙ったまま、いつの間にか目の前に立ち尽くしているギアッチョに驚いて体が跳ねた。
「っ!?ビ、ビックリしたじゃない!何なのよ!」
「それはよぉ、命令かぁ?」
「そ、そうだって……さっきリゾットから聞いたけど……。」
「オメェはよぉ!ちったぁ抗議したのかよぉおお!?」
「な、なんでアンタが怒ってんのよ!?」
ギロッと睨みデスクを勢い良く音をたてて殴り付けて喋りたてるギアッチョに、私は意味がわからず後退る。
殴りつけたペッシーのデスクはスタンドの力もあって大きく凹んで凍ってしまった。
……ごめんなさい、ペッシー。
私は悪くないのだが、心の中で関係の無かったギャングの中でも一際心優しいペッシーに申し訳なく思った。
きっと帰って来たら、泣いてウザいと相棒であるプロシュートに怒られるのだろう。
「護衛チームって事はよぉ、ブチャラティだよなぁあ、確か。オメー等って同期だろ?昨日飯食いに行ってたよなぁ?」
「ちょっ、怖いんだけど!何なのよ!何で知ってるの!?」
「相棒だろォ、ちゃあんと把握しておかなくちゃあなァ。」
体は自然と防衛機制が働くのであろう、言葉を聞くなりゾワッと背筋に寒気が走った。
詳しく当たり前の様に昨日の出来事を知るギアッチョを、軽蔑した目で見ながら尚更後退る。
しかし一歩足を後ろに下げると、一歩前に彼が迫ってくる。
凄みある表情に怯みそうになるが、キッと睨む付け威嚇する。
「それ!プライバシーの侵害だから!だから貴方には彼女出来ないのよ!」
「オレは出来ないんじゃあねェ、作らないんだよぉ!いい加減気付けよなぁあ!」
「何がよ!何に気付けって言うのよ!?」
「そ、それは……よぉっ。」
興奮しているギアッチョに負けじと私も質問し返せば、先程まで苛立って話していたのに急に小さい声で吃りながらズレた赤い眼鏡を指で上げる。
するとだんだん眼鏡と同じように耳が赤みを増すのがわかった。
私はこの状況に意味が解らずなんだかどっと疲れてしまい、溜め息を漏らした。
「あのね、最後だから喧嘩せずにお別れしたいんだけど……ギアッチョ。」
私は目の前のいまだ何やら不貞腐れているギアッチョに、右手を差し出し握手を求めた。
初めて暗殺チームに配属されてから、彼とは相棒になりずっと一緒に幾度の任務も戦ってきたのだ。それなりに絆は深まっていると思っている。
面倒くさい性格だけど、良い所もあるのも確かなのよね。
ギアッチョは暫く差し出した手を見つめてから、渋々ブツブツ小さい声で何か呟きつつも手を握り返してくれた。
こうして改めて手を握るなんて、初めて会った時以来だ。
意外にゴツゴツとした大きい手で、やはりこちらも熱を帯びていた。
「…………オレは認めねぇから、お前が護衛チームに行くのなんか。」
「強情なんだから……。今までありがとう。」
「チッ……言っとくがぁなァ!ブチャラティと付き合うんじゃあねーぞぉ!!」
「なんでそうなるのよ!」
私は再度怒りだし大きな声を出すギアッチョに、思わず大きな声で言い返してしまった。
やはり彼とはしんみりとしたお別れは無理そうだ。
be continued