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マスカレードを壊したい
名前変換
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今日も連絡無し……か。
私は鞄から携帯を取り出し着信履歴の無い画面を見つめながら、どうしたものかと頭を悩ましていた。
あのバールでの出来事以来、ギアッチョからの連絡が一切無いのだ。
まあ、仕事柄1日で終わらない依頼や下手したらターゲットを暗殺する為に慎重に仕事をこなしていく事もあるので忙しいのかも知れない。
もう2週間経ってる…。ギアッチョ怪我してないと良いけど。
「ブチャラティも遅いわね……。」
携帯を鞄へと入れながら、交渉中の彼を高級店の外で待ちながら小さく呟いた。
私は店の前に植わる大樹へと背を預けながら、真っ黒な扉を護るフォーマルスーツを身に付けた厳つい男2人を見据える。
会員制と言うことで中へ入れない私を連れて来て意味など無いと思ってしまうが、場所や交渉相手を紹介してくれると言うから着いてきた。
なんでも情報屋らしいが、最近彼は何かと理由を付けて私を連れていく様になったのだ。
彼と仕事とは言え一緒に居られるのは嬉しい…と思う。
自身にもこんな少女の初々しい感情が残っていたと知ると、照れくさくなり少し頬はチークの淡い色を映えさせる。
「愛しい男の名前を呼ぶとは、随分女らしくなったじゃあねーか…。……放っておくのが勿体無くなったな。」
「え…。」
聞き慣れた声に驚くと、覆い被さる様に大樹へ手を付き私を見下ろす綺麗な金髪を後ろへ流した色男の代表とも言える男。久しぶりに目にした姿に息を飲んでしまった。
大人の色気を纏いつつも隙が無い元上司は、こうも迫力があっただろうか。きっと生娘ならば、簡単に彼のスマートな身のこなしと話術で心を奪われる。
散々その様子を見てきた私は追いやられて胸が高鳴るのは一瞬で溜め息を漏らすと、大きく開く胸元へと手を置き後ろへと押しやる。本当に暗殺者はすぐに気配を消すのが上手い。
「あのねぇ、気配消すの止めてよね…プロシュート。なんで皆、私に対して気配消すんだろ……悪趣味。」
「オレを他と一緒にすんじゃあねー。消すなんて言い方、ロマンチックじゃあねぇな…。名前に会いたくて舞い降りて来た……とでも言っておこうか。」
「私にはそういう甘い言葉は通用しないって知ってるでしょう?……仕事なの?」
「仕事の話しは止せよ、せっかくの再会なんだ……テメェが惚れたって言う男を見てみようと思ってな。」
ニヤリと厭らしい笑みを浮かべながら話す姿は、ろくでもない事を考えている証拠だ。
"惚れた"は置いておいて、彼の情報が漏れているのはギアッチョのせいなのか。
私が明らかに眉を寄せ怪訝な顔をしたので、プロシュートは1人満足げに私の頭へと大きな掌で撫で上げる。
「人間味も増したみたいだなっ。昔は鉄仮面でも張り付いて可愛げもクソも無かったが……こりゃあギアッチョもあーなる訳だ。」
「え!ギアッチョがどうしたの!?」
「取られただのフラれただの、カビでも生えそうなくれーに暗いからよぉ。すぐキレるし、オレもウンザリしてんだ。」
なるほどね。だから連絡も着かないんだ…。
私の気持ちを察しているギアッチョが荒れているのが想像出来てしまい、周りも巻き込んでいると知ると申し訳無く思う。
「任務で只でさえ疲れてんのによぉ。だからだ、名前。」
ギアッチョの名前に直ぐ様反応する私に、ズボンの両ポケットへと手を入れながら気だるそうに話していたプロシュートは、右ポケットから手を出すとそこには白いチケット封筒が目の前へと付き出された。
「何よそれ。」
「いいかぁ名前、これはテメーの為でもあるんだぜ?きっと、その可愛い唇で礼を言うだろうよ。」
数回瞬きをして不思議そうに封筒を見つめる私に対して、全く気にせず自身のペースで話すプロシュートは私の顎へと手を置きクイッと持ち上げた。
その時だった。
彼の手首からジジッ…と音が聞こえ視線をやると、ゆっくりとジッパーが独りでに開いていきパキパキッと肩から腕に掛けて凍っていく。
「どこの誰だか知らないが、……死にたくないのならその、汚い手を今すぐ名前から離すんだな。」
「テメーはよぉっ、殺されてぇみたいだなー、あ"ぁっ。」
「おっと、王子様のお出ましか。」
ブチャラティ!それにギアッチョ!!
私は攻撃を受けるプロシュートから声のする後方へと視線を向けると歩み寄る2人に目を見開いた。
2人共に睨み付けつつ放たれるオーラは怒りに満ちていて、私は怯んでしまった。
しかし同時のスタンド攻撃に痛みが襲っている筈なのに、何故だか笑みを浮かべるプロシュートは私から手を離して意思を示す様に両手を上へと上げる。
だが、上げる前に封筒を素早く私の上着ポケットへと差し込み此方へとウィンクをして合図を送った。
未だ中身は解らないが、2人の前で問いただしたらきっとややこしくなるのをプロシュート解っているのだろう。
「ま、宜しく頼むぜ名前。いい思い出作ってやるのも、いい女の役目だぜ。」
最後に私の頬を指先で撫でながら、耳元で2人に聞こえない様に囁いた。その言葉に何となく意味が解った私は苦笑しながら、部下に対しては優しくて面倒見がいいプロシュートを見つめた。
だからリゾットは、プロシュートの下にギャングとして未熟なペッシを相棒として付けたんだろう。
「プロシュートって、優しいわよね。」
「さぁな……うるせぇのが嫌いなだけだ。」
「わっかんねー奴だなぁあ"!いいから名前から離れろっつーの!!」
「名前、平気か?」
「う、うん。」
クスッと笑みを浮かべながら言う私に対して茶化すプロシュートは、ギアッチョによって私から強引な手付きで引き剥がされた。
その脇を抜けて駆け寄る彼は私の頬を触り確認しつつも、いつもの綺麗な瞳は鋭く切り裂く様にプロシュートを見つめていた。
「そんなイラつくなギアッチョ、スーツが伸びる。」
「ぁ"あ"!?おまえのせいだろーがよぉ!」
「ほら、行くぞ。じゃあな、名前。」
「チッ…!!」
プロシュートは彼と目線を合わせて鼻で笑うと、肩を掴むギアッチョの手を叩き落としてから歩き始めた。
ギアッチョはチラッと此方を見てから、何も言わずに舌打ちをしてプロシュートの後ろへと背を曲げて大股で歩く。
2人も情報屋に用事があったのだろうか。高級店へと姿を消していった。
「名前すまない、おまえを1人待たせたのがいけなかったな…。」
「気にしないで、大丈夫だから。プロシュートは悪い人じゃ無いわよ。」
「……おまえは、暗殺チーム全員悪い奴じゃあ無いって言うんじゃないのか?」
「うーん……悪い人じゃ無いけど、皆変わってる。」
「じゃあ、その悪い奴じゃあ無い奴等の中に…好きになった人は居なかったのか?」
「はあ!?無い無い!」
明らかに不機嫌そうに眉を寄せ私の過去を探る様に話す彼に対して、全力で首を横へと振った。
正直、格好いい人も多いけど変すぎてそういう対象にならないし…。それどころじゃ無かったわよ。……貴方のお陰でね。
対抗意識でギャングとして独り立ちするのに精一杯だったのと、初めて会った時の彼を忘れられなかった事を思い出し少し耳が熱を持つ。
「……だが、オレとしては一緒に居られなかった時間を奴等で埋め尽くされているってだけで苛つくんだ。」
「そ、それは…!」
私だって一緒に居たかった…!
なんて言えないっ!!
彼の言葉に心の中で返事をしたが、私の性格からして伝えられる訳も無くギュッと下唇を噛んで言葉を飲み込んだ。
耳よりも頬が熱くなり、明らかに嫉妬している彼の下で戸惑っているとポケットに違和感を感じ顔を上げると白い封筒がどんどん上へと移動していく。
「………ほらな、名前は隙だらけなんだよ。何年ギャングやってるんだ?」
「ブチャラティ返して!」
「簡単にあいつに渡された……コレは何だ?」
「そ、それは、プロシュートが気を遣ってくれてっ。」
不機嫌そうに眉を寄せて封筒を自身の頭上へと掲げられては、彼よりも背の低い私がいくら手を伸ばしても届かない。
「なあ名前、返して欲しいか?」
「そりゃあ……だってそれが無いと、ギアッチョに告白の返事出来ないよ?ブチャラティはそれでもいいの?」
「……良くないに決まってるだろ。」
「じゃあ返してよ。」
「名前がキスしてくれたら返してやるぜ。」
「ええ!?こ、ここで!?」
爪先を上げて背伸びをする私の腰へと手を回して背だけを屈ませながら維持悪く囁く彼に、私は驚き大きな声を上げてしまった。
すると高級店の前にいるガードマン2人と目が合い、思わず口を押さえて彼の背で隠れる。
「だ、だってガードマンが見てる……無理だよ。」
「じゃあ名前はオレとこのまま付き合えなくてもいいのか?……キスよりも先が出来なくても。」
「っ……!」
彼の問い掛けに恥ずかしさから言葉が詰まる。
私が気持ちを伝えているからか、彼の行動は益々大胆になっていき腰に回った手でゆっくりと撫で上げる手付きに自然と腰が跳ねてしまった。
触れている場所がジンジンと熱い。彼の指先が腰から背骨をなぞる様にゆっくりゆっくりと上に登り下へと下がると尻に触れそうな所で止まった。
「はぁっ……。」
新手の尋問に私の女としての部分が剥き出しにされてしまいそうになる。
私はこの場では避けたいと意を決して彼のスーツを掴んで引き寄せると、柔らかい唇へと重ねた。
重ねたら最後。焦らされた行為により私は物足りなくなり、唇と歯の隙間から舌先を割り入れて彼の舌を捕らえれば掬い上げて絡める。
「ふっ……はぁ…。」
これもブチャラティのせいよっ。
脳内で必死に足掻きながらも人間の本能なのか、目の前の快楽に従ってしまう。
私の大胆な行動に目を見開いた彼も、腰を抱き寄せ舌を絡ませると軽く吸う。その感覚に腰が再度跳ねるのを確認した彼はゆっくりと唇を放し、視界に入る艶やか唇に鼓動が速くなる。
「はぁ…ブチャラティのバカ。」
「名前可愛い……ここまでしてくれるとはな。」
「ブチャラティが変な触り方するからっ…!」
「悪かったよ。ほら、約束は守るさ。……あいつとはするなよ?」
「当たり前でしょ!!……え、これって。」
満足げに微笑む彼を直視出来ず目を反らしてから、封筒を受け取り逃げる様に中身を確認すると驚きから再度刷られている文字を読み返した。
be continued
私は鞄から携帯を取り出し着信履歴の無い画面を見つめながら、どうしたものかと頭を悩ましていた。
あのバールでの出来事以来、ギアッチョからの連絡が一切無いのだ。
まあ、仕事柄1日で終わらない依頼や下手したらターゲットを暗殺する為に慎重に仕事をこなしていく事もあるので忙しいのかも知れない。
もう2週間経ってる…。ギアッチョ怪我してないと良いけど。
「ブチャラティも遅いわね……。」
携帯を鞄へと入れながら、交渉中の彼を高級店の外で待ちながら小さく呟いた。
私は店の前に植わる大樹へと背を預けながら、真っ黒な扉を護るフォーマルスーツを身に付けた厳つい男2人を見据える。
会員制と言うことで中へ入れない私を連れて来て意味など無いと思ってしまうが、場所や交渉相手を紹介してくれると言うから着いてきた。
なんでも情報屋らしいが、最近彼は何かと理由を付けて私を連れていく様になったのだ。
彼と仕事とは言え一緒に居られるのは嬉しい…と思う。
自身にもこんな少女の初々しい感情が残っていたと知ると、照れくさくなり少し頬はチークの淡い色を映えさせる。
「愛しい男の名前を呼ぶとは、随分女らしくなったじゃあねーか…。……放っておくのが勿体無くなったな。」
「え…。」
聞き慣れた声に驚くと、覆い被さる様に大樹へ手を付き私を見下ろす綺麗な金髪を後ろへ流した色男の代表とも言える男。久しぶりに目にした姿に息を飲んでしまった。
大人の色気を纏いつつも隙が無い元上司は、こうも迫力があっただろうか。きっと生娘ならば、簡単に彼のスマートな身のこなしと話術で心を奪われる。
散々その様子を見てきた私は追いやられて胸が高鳴るのは一瞬で溜め息を漏らすと、大きく開く胸元へと手を置き後ろへと押しやる。本当に暗殺者はすぐに気配を消すのが上手い。
「あのねぇ、気配消すの止めてよね…プロシュート。なんで皆、私に対して気配消すんだろ……悪趣味。」
「オレを他と一緒にすんじゃあねー。消すなんて言い方、ロマンチックじゃあねぇな…。名前に会いたくて舞い降りて来た……とでも言っておこうか。」
「私にはそういう甘い言葉は通用しないって知ってるでしょう?……仕事なの?」
「仕事の話しは止せよ、せっかくの再会なんだ……テメェが惚れたって言う男を見てみようと思ってな。」
ニヤリと厭らしい笑みを浮かべながら話す姿は、ろくでもない事を考えている証拠だ。
"惚れた"は置いておいて、彼の情報が漏れているのはギアッチョのせいなのか。
私が明らかに眉を寄せ怪訝な顔をしたので、プロシュートは1人満足げに私の頭へと大きな掌で撫で上げる。
「人間味も増したみたいだなっ。昔は鉄仮面でも張り付いて可愛げもクソも無かったが……こりゃあギアッチョもあーなる訳だ。」
「え!ギアッチョがどうしたの!?」
「取られただのフラれただの、カビでも生えそうなくれーに暗いからよぉ。すぐキレるし、オレもウンザリしてんだ。」
なるほどね。だから連絡も着かないんだ…。
私の気持ちを察しているギアッチョが荒れているのが想像出来てしまい、周りも巻き込んでいると知ると申し訳無く思う。
「任務で只でさえ疲れてんのによぉ。だからだ、名前。」
ギアッチョの名前に直ぐ様反応する私に、ズボンの両ポケットへと手を入れながら気だるそうに話していたプロシュートは、右ポケットから手を出すとそこには白いチケット封筒が目の前へと付き出された。
「何よそれ。」
「いいかぁ名前、これはテメーの為でもあるんだぜ?きっと、その可愛い唇で礼を言うだろうよ。」
数回瞬きをして不思議そうに封筒を見つめる私に対して、全く気にせず自身のペースで話すプロシュートは私の顎へと手を置きクイッと持ち上げた。
その時だった。
彼の手首からジジッ…と音が聞こえ視線をやると、ゆっくりとジッパーが独りでに開いていきパキパキッと肩から腕に掛けて凍っていく。
「どこの誰だか知らないが、……死にたくないのならその、汚い手を今すぐ名前から離すんだな。」
「テメーはよぉっ、殺されてぇみたいだなー、あ"ぁっ。」
「おっと、王子様のお出ましか。」
ブチャラティ!それにギアッチョ!!
私は攻撃を受けるプロシュートから声のする後方へと視線を向けると歩み寄る2人に目を見開いた。
2人共に睨み付けつつ放たれるオーラは怒りに満ちていて、私は怯んでしまった。
しかし同時のスタンド攻撃に痛みが襲っている筈なのに、何故だか笑みを浮かべるプロシュートは私から手を離して意思を示す様に両手を上へと上げる。
だが、上げる前に封筒を素早く私の上着ポケットへと差し込み此方へとウィンクをして合図を送った。
未だ中身は解らないが、2人の前で問いただしたらきっとややこしくなるのをプロシュート解っているのだろう。
「ま、宜しく頼むぜ名前。いい思い出作ってやるのも、いい女の役目だぜ。」
最後に私の頬を指先で撫でながら、耳元で2人に聞こえない様に囁いた。その言葉に何となく意味が解った私は苦笑しながら、部下に対しては優しくて面倒見がいいプロシュートを見つめた。
だからリゾットは、プロシュートの下にギャングとして未熟なペッシを相棒として付けたんだろう。
「プロシュートって、優しいわよね。」
「さぁな……うるせぇのが嫌いなだけだ。」
「わっかんねー奴だなぁあ"!いいから名前から離れろっつーの!!」
「名前、平気か?」
「う、うん。」
クスッと笑みを浮かべながら言う私に対して茶化すプロシュートは、ギアッチョによって私から強引な手付きで引き剥がされた。
その脇を抜けて駆け寄る彼は私の頬を触り確認しつつも、いつもの綺麗な瞳は鋭く切り裂く様にプロシュートを見つめていた。
「そんなイラつくなギアッチョ、スーツが伸びる。」
「ぁ"あ"!?おまえのせいだろーがよぉ!」
「ほら、行くぞ。じゃあな、名前。」
「チッ…!!」
プロシュートは彼と目線を合わせて鼻で笑うと、肩を掴むギアッチョの手を叩き落としてから歩き始めた。
ギアッチョはチラッと此方を見てから、何も言わずに舌打ちをしてプロシュートの後ろへと背を曲げて大股で歩く。
2人も情報屋に用事があったのだろうか。高級店へと姿を消していった。
「名前すまない、おまえを1人待たせたのがいけなかったな…。」
「気にしないで、大丈夫だから。プロシュートは悪い人じゃ無いわよ。」
「……おまえは、暗殺チーム全員悪い奴じゃあ無いって言うんじゃないのか?」
「うーん……悪い人じゃ無いけど、皆変わってる。」
「じゃあ、その悪い奴じゃあ無い奴等の中に…好きになった人は居なかったのか?」
「はあ!?無い無い!」
明らかに不機嫌そうに眉を寄せ私の過去を探る様に話す彼に対して、全力で首を横へと振った。
正直、格好いい人も多いけど変すぎてそういう対象にならないし…。それどころじゃ無かったわよ。……貴方のお陰でね。
対抗意識でギャングとして独り立ちするのに精一杯だったのと、初めて会った時の彼を忘れられなかった事を思い出し少し耳が熱を持つ。
「……だが、オレとしては一緒に居られなかった時間を奴等で埋め尽くされているってだけで苛つくんだ。」
「そ、それは…!」
私だって一緒に居たかった…!
なんて言えないっ!!
彼の言葉に心の中で返事をしたが、私の性格からして伝えられる訳も無くギュッと下唇を噛んで言葉を飲み込んだ。
耳よりも頬が熱くなり、明らかに嫉妬している彼の下で戸惑っているとポケットに違和感を感じ顔を上げると白い封筒がどんどん上へと移動していく。
「………ほらな、名前は隙だらけなんだよ。何年ギャングやってるんだ?」
「ブチャラティ返して!」
「簡単にあいつに渡された……コレは何だ?」
「そ、それは、プロシュートが気を遣ってくれてっ。」
不機嫌そうに眉を寄せて封筒を自身の頭上へと掲げられては、彼よりも背の低い私がいくら手を伸ばしても届かない。
「なあ名前、返して欲しいか?」
「そりゃあ……だってそれが無いと、ギアッチョに告白の返事出来ないよ?ブチャラティはそれでもいいの?」
「……良くないに決まってるだろ。」
「じゃあ返してよ。」
「名前がキスしてくれたら返してやるぜ。」
「ええ!?こ、ここで!?」
爪先を上げて背伸びをする私の腰へと手を回して背だけを屈ませながら維持悪く囁く彼に、私は驚き大きな声を上げてしまった。
すると高級店の前にいるガードマン2人と目が合い、思わず口を押さえて彼の背で隠れる。
「だ、だってガードマンが見てる……無理だよ。」
「じゃあ名前はオレとこのまま付き合えなくてもいいのか?……キスよりも先が出来なくても。」
「っ……!」
彼の問い掛けに恥ずかしさから言葉が詰まる。
私が気持ちを伝えているからか、彼の行動は益々大胆になっていき腰に回った手でゆっくりと撫で上げる手付きに自然と腰が跳ねてしまった。
触れている場所がジンジンと熱い。彼の指先が腰から背骨をなぞる様にゆっくりゆっくりと上に登り下へと下がると尻に触れそうな所で止まった。
「はぁっ……。」
新手の尋問に私の女としての部分が剥き出しにされてしまいそうになる。
私はこの場では避けたいと意を決して彼のスーツを掴んで引き寄せると、柔らかい唇へと重ねた。
重ねたら最後。焦らされた行為により私は物足りなくなり、唇と歯の隙間から舌先を割り入れて彼の舌を捕らえれば掬い上げて絡める。
「ふっ……はぁ…。」
これもブチャラティのせいよっ。
脳内で必死に足掻きながらも人間の本能なのか、目の前の快楽に従ってしまう。
私の大胆な行動に目を見開いた彼も、腰を抱き寄せ舌を絡ませると軽く吸う。その感覚に腰が再度跳ねるのを確認した彼はゆっくりと唇を放し、視界に入る艶やか唇に鼓動が速くなる。
「はぁ…ブチャラティのバカ。」
「名前可愛い……ここまでしてくれるとはな。」
「ブチャラティが変な触り方するからっ…!」
「悪かったよ。ほら、約束は守るさ。……あいつとはするなよ?」
「当たり前でしょ!!……え、これって。」
満足げに微笑む彼を直視出来ず目を反らしてから、封筒を受け取り逃げる様に中身を確認すると驚きから再度刷られている文字を読み返した。
be continued