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マスカレードを壊したい
名前変換
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「な、何で家に居るの?……か、鍵掛かってたでしょ?」
「オレなら簡単に潜入できるのは知っているだろう。」
「そ、そう言う問題じゃなくって…。」
ジッパーで入って来たのか……それって一番やっちゃダメなやつでしょ…。
こちらに近寄る彼は悪気など無く、当然とばかりに話す姿は逆に恐怖心を煽る。
私じゃ無く一般人にしたら完全に不審者だし、知らない人が家に侵入する恐怖は計り知れないだろう。
私は思わず後退してしまい、気付けば閉めた扉まで追い詰められていて影が私をすっぽりと覆う。恐る恐る顔を上げると頬に柔らかい黒髪が触れた。
私のもっと奥を探り、冷ややかな蒼い瞳は刃物の様に鋭く射抜く。その瞳に心臓が大きく跳ね殺気がピリッと肌を逆撫でするのを感じた。
「なぁ……答えろよ。あいつとの食事は楽しかったか?」
「ぇっと…。」
「だから電話を忘れたんだよなぁ?」
「ぁっ……!」
私は彼の言葉で漸く苛立っている意味を理解し、思わず声を上げてしまった。
ギアッチョの気持ちを聞いてからは、正直それどころでは無かったのは事実。
説明した所で余計に彼を怒らせる原因になるのではと思い、目線を反らすといきなり手首を掴み上げられ走った痛みに顔を歪めた。
「名前、あいつはおまえのどこを触ったんだ?」
「ど、どこも触ってないわよっ。」
彼の問い掛けにギアッチョと握った時の事が頭を過り、握った掌に熱を持つ。
隠し事に後ろめたさを感じるもわざわざ言う事も無いと思い、私は首を左右に振ったが彼の真実を探る瞳を見るのには勇気がいった。
「や、約束を守らなかった事は謝るわ…。ごめんなさい。でも、そんなに怒らなくっても!」
「……もう1度聞くが、どこを、触られたんだ?」
全然聞き入れてくれないし、すっごく怒ってる!!
謝る私に再度、強めに言葉を強調させながら問い詰める彼に冷や汗が伝う背中は風呂上がりで火照っていた筈なのにゾクッと震えが走る。
「それとも、言えない所なのか?」
「なっ、怒るわよ!!」
彼の厭らしい勘繰りに思わず声を上げた時だった。
首を傾げながら空いている手で私の露になっている首筋へと何かを確認する様に指先這わす。
私は昨日舐められた舌の感覚を思い出して、カアッと耳が熱を持ち止めさせ様と軽く睨み付けると彼は溜め息を漏らした。
「だから行かせたくなかったんだ……。」
そう言うなり私の首筋に柔らかい唇が触れたかと思ったら、チュッと言うリップ音と共に鈍い痛みを感じて驚き目を見開いた。
映画に出てくる吸血鬼の様に吸い付く彼は、恐怖よりも厭らしくて色気に目眩がしそうだ。
「っ……、ブチャラティ…止め…痕付いちゃう…。」
私の言葉に反応して1度だけ唇を離した彼だが、直ぐ様場所を移して再度吸う仕草は本当に血を吸われてしまいそうな程だ。
彼の艶やかな黒髪がぼんやりする視界の中で動くと、私の前髪を指先で掬い1つキスを落として額を合わせる。
すると、首筋へと触れる熱が熱いだけじゃ無く無機質のヒンヤリとした感覚に不思議に思い目線を下げると目映く反射する輝きに目を見開いた。
そこにはダイヤモンドが沢山散りばめられたマルゲリータの花が首元で咲き誇っていた。
「ブチャラティ……えっ、こ、これって…ダミアーニの…。」
「これ以上の赤い首輪を付けられたくなかったら、いつも身に付けていてくれないか。」
最高級の品質と、独創的なデザインが特徴的なジュエリーブランドのダミアーニ。
ブランド創立者が王妃に捧げる為に製作したリングを元にデザインされたマルゲリータコレクション。有名でセレブが愛用している為に、私には手が届かないと思っていた宝飾品が今、首元を飾る。
「こ、こんな高級品貰えないわよ!」
「高級だとか関係無いだろ。名前に似合うと思ったから、贈りたいと思ったんだ…。それともこっちの方をご所望か?」
ネックレスだけでも何10万もするのだけは耳にしている私は戸惑いつつ訴えるも、彼は余裕の表情で私へ付けた赤い痕を指先でなぞりながら冗談を口にする。
だが、彼の冗談に返せない程に私は突然の贈り物に動揺していた。
さらっとプレゼントを贈る彼は、女心を掴むのが本当に上手で私はときめかざるを得ない。
金額の大きさからでも彼の本気度が伝わり、私は苦しい胸にぎゅっと目を瞑った。
「名前?」
こんなにドキドキしてちゃ彼の思う壺なのに……!!身体が熱くて溶けちゃいそうっ。
この気持ちは、有名なチョコレート店VESTRIのAntica Gianduiaをスプーンで掬い口の中へ入れた瞬間に似ている。
チョコレートの様に甘くほろ苦い彼の想いは、私の胸の中に溶けて広がっていった。
1つに溶けた気持ちは、私の仮面を溶かすには充分だった。
be continued
「オレなら簡単に潜入できるのは知っているだろう。」
「そ、そう言う問題じゃなくって…。」
ジッパーで入って来たのか……それって一番やっちゃダメなやつでしょ…。
こちらに近寄る彼は悪気など無く、当然とばかりに話す姿は逆に恐怖心を煽る。
私じゃ無く一般人にしたら完全に不審者だし、知らない人が家に侵入する恐怖は計り知れないだろう。
私は思わず後退してしまい、気付けば閉めた扉まで追い詰められていて影が私をすっぽりと覆う。恐る恐る顔を上げると頬に柔らかい黒髪が触れた。
私のもっと奥を探り、冷ややかな蒼い瞳は刃物の様に鋭く射抜く。その瞳に心臓が大きく跳ね殺気がピリッと肌を逆撫でするのを感じた。
「なぁ……答えろよ。あいつとの食事は楽しかったか?」
「ぇっと…。」
「だから電話を忘れたんだよなぁ?」
「ぁっ……!」
私は彼の言葉で漸く苛立っている意味を理解し、思わず声を上げてしまった。
ギアッチョの気持ちを聞いてからは、正直それどころでは無かったのは事実。
説明した所で余計に彼を怒らせる原因になるのではと思い、目線を反らすといきなり手首を掴み上げられ走った痛みに顔を歪めた。
「名前、あいつはおまえのどこを触ったんだ?」
「ど、どこも触ってないわよっ。」
彼の問い掛けにギアッチョと握った時の事が頭を過り、握った掌に熱を持つ。
隠し事に後ろめたさを感じるもわざわざ言う事も無いと思い、私は首を左右に振ったが彼の真実を探る瞳を見るのには勇気がいった。
「や、約束を守らなかった事は謝るわ…。ごめんなさい。でも、そんなに怒らなくっても!」
「……もう1度聞くが、どこを、触られたんだ?」
全然聞き入れてくれないし、すっごく怒ってる!!
謝る私に再度、強めに言葉を強調させながら問い詰める彼に冷や汗が伝う背中は風呂上がりで火照っていた筈なのにゾクッと震えが走る。
「それとも、言えない所なのか?」
「なっ、怒るわよ!!」
彼の厭らしい勘繰りに思わず声を上げた時だった。
首を傾げながら空いている手で私の露になっている首筋へと何かを確認する様に指先這わす。
私は昨日舐められた舌の感覚を思い出して、カアッと耳が熱を持ち止めさせ様と軽く睨み付けると彼は溜め息を漏らした。
「だから行かせたくなかったんだ……。」
そう言うなり私の首筋に柔らかい唇が触れたかと思ったら、チュッと言うリップ音と共に鈍い痛みを感じて驚き目を見開いた。
映画に出てくる吸血鬼の様に吸い付く彼は、恐怖よりも厭らしくて色気に目眩がしそうだ。
「っ……、ブチャラティ…止め…痕付いちゃう…。」
私の言葉に反応して1度だけ唇を離した彼だが、直ぐ様場所を移して再度吸う仕草は本当に血を吸われてしまいそうな程だ。
彼の艶やかな黒髪がぼんやりする視界の中で動くと、私の前髪を指先で掬い1つキスを落として額を合わせる。
すると、首筋へと触れる熱が熱いだけじゃ無く無機質のヒンヤリとした感覚に不思議に思い目線を下げると目映く反射する輝きに目を見開いた。
そこにはダイヤモンドが沢山散りばめられたマルゲリータの花が首元で咲き誇っていた。
「ブチャラティ……えっ、こ、これって…ダミアーニの…。」
「これ以上の赤い首輪を付けられたくなかったら、いつも身に付けていてくれないか。」
最高級の品質と、独創的なデザインが特徴的なジュエリーブランドのダミアーニ。
ブランド創立者が王妃に捧げる為に製作したリングを元にデザインされたマルゲリータコレクション。有名でセレブが愛用している為に、私には手が届かないと思っていた宝飾品が今、首元を飾る。
「こ、こんな高級品貰えないわよ!」
「高級だとか関係無いだろ。名前に似合うと思ったから、贈りたいと思ったんだ…。それともこっちの方をご所望か?」
ネックレスだけでも何10万もするのだけは耳にしている私は戸惑いつつ訴えるも、彼は余裕の表情で私へ付けた赤い痕を指先でなぞりながら冗談を口にする。
だが、彼の冗談に返せない程に私は突然の贈り物に動揺していた。
さらっとプレゼントを贈る彼は、女心を掴むのが本当に上手で私はときめかざるを得ない。
金額の大きさからでも彼の本気度が伝わり、私は苦しい胸にぎゅっと目を瞑った。
「名前?」
こんなにドキドキしてちゃ彼の思う壺なのに……!!身体が熱くて溶けちゃいそうっ。
この気持ちは、有名なチョコレート店VESTRIのAntica Gianduiaをスプーンで掬い口の中へ入れた瞬間に似ている。
チョコレートの様に甘くほろ苦い彼の想いは、私の胸の中に溶けて広がっていった。
1つに溶けた気持ちは、私の仮面を溶かすには充分だった。
be continued